HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
就活生に人気のメーカー業界。
消費財・化粧品はとても身近な存在であり、就活生からの人気が高いです。
今回は消費財・化粧品に特化して業界に関する研究や最新のニュース、情報を基に業界の動向を紹介します。
消費財・化粧品の市場規模とは?
消費財・化粧品の業界研究として、その業界の市場規模を分析しましょう。
「消費財」は定義が曖昧で、統計発表元によって表記が「消費財」「トイレタリー」「日用品」と違いがあり、取り扱う範囲も異なるため、大まかに市場規模を掴むための数字と考えてください。
市場規模の分析で権威のある「矢野経済研究所」によると、 2017年度の消費財市場規模は1兆9145億円。
規模の大きい産業であることが明らかです。
(出典:https://www.ryutsuu.biz/topix/j112211.html)
また、徐々に市場が成長していることが分かります。
少子高齢化の影響で国内の人口が減っている最中、なぜ消費財市場は成長しているのでしょうか。
これらの要因は複数あると想定されています。
(1)インバウンド需要
最も大きな要因は、インバウンド需要です。
外国人観光客がドラッグストアに押し寄せて、日本製品を買い漁る様子は、ニュースでも報道されています。
日本メーカーの高品質な製品が海外の人たちに強く支持されているのです。
(2)高付加価値化
口腔ケアや健康促進による高付加価値化も市場規模拡大の要因の一つです。
快適性・エチケット・清潔感の意識の高まりにつれて、従来の製品よりも高い機能を持った製品を投入し、高付加価値を実現しているケースがあります。
(3)新規需要の掘り起こし
消費財は新規需要の掘り起こしがまだまだできる領域となっています。
例えば、従来 男性向けのケア製品は需要がほとんどなかったにも関わらず、近年では男性専門の製品を充実させることで今までなかった市場が生まれ、商品が増加することになっています。
続いて、化粧品関連の市場規模もチェックしてみましょう。
(出典:https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2018)
化粧品市場についても、市場全体で緩やかな成長軌道を描いています。
市場規模増加の要因は、消費財と同様、人口が減少していく中でも外国人観光客への対策や付加価値をつけた商品開発を行うことで、十分に売上を伸ばしていることです。
両業界ともに共通する点に、景気減速への強さが挙げられます。
消費財、化粧品は日常で用いる必需品。
消費者が「景気が悪くなったから、洗濯の回数を減らそう」「化粧品も安いものでいいや」とはなりづらいのです。
景気が悪くなっても影響を受けにくいという意味で、安定した業界といえます。
消費財・化粧品業界のトレンド・キーワードとは?
消費財・化粧品業界のトレンド・キーワードは以下の3つです。
(1)インバウンド対応
(2)高付加価値
(3)新領域
(1)インバウンド対応
インバウンド対応とは、日本にやってくる訪日外国人に向けて商品を手に取りやすくすること。
消費財・化粧品業界にとって、毎年増加を続ける訪日外国人客は大きな市場ターゲットとなります。
東京オリンピック・パラリンピックに続き、大阪万博の開催も決定したことによって、インバウンド需要は引き続き増加する見込みです。
また、一度日本を訪れた観光客が何度も観光に訪れることも増えています。
リピーターとなった外国人が日本メーカーの消費財・化粧品を買い求めるケースが増えており、底堅く需要を獲得できるでしょう。
(2)高付加価値
高付加価値商品として、従来よりも価値を高めた機能性美容液、敏感肌用の化粧品・乳液、オールインワンジェル、オーガニック化粧品が例として挙げられます。
人口減少によって消費者の数が減っている現在、薄利多売のビジネスモデルから高付加価値商品の提供にシフトしています。
(3)新領域
従来の主要ターゲットではない層への新領域の開拓も重要なキーワード。
例えば、男性向けの化粧品はその最たる例です。
もともと男性が化粧・スキンケアを行うのは、一般的ではありませんでした。
そこで「男性もスキンケアをして当たり前」という文化を根付かせることができれば、対象ユーザーは倍近くに跳ね上がる可能性があります。
世の中の流れを見極めて、潜在的な需要を見つけ、新しい領域を開拓する動きは非常に可能性があるといえます。
消費財・化粧品業界はどんな人が向いているのか?
それでは、最後に「消費財・化粧品業界はどんな人が向いているのか?」について分析します。
一般消費者向けのメーカーの場合、誰もが使ったことのある有名な商品を製造していることが多いです。
だからこそ、「会社名を知っている、商品名を知っている」程度の浅い企業理解では、選考から落ちる可能性が高いことを把握しておきましょう。
消費財・化粧品業界に向いている人の特徴は以下の2点です。
・顧客のニーズを的確に捉えられる人
・幅広い職種を経験したい人
顧客のニーズを的確に捉えられる人
消費財・化粧品業界の企業が求める人材像に「顧客視点で考えることができる人」「顧客の立場になって考えられる人」が挙がります。
消費財・化粧品メーカーは消費者に非常に近い存在ではありますが、直接消費者と関わる機会が少ないのが実態です。
製造された商品は卸業者を経由して、スーパーなど小売店で販売されます。
商品流通の過程で、購入者と接するタイミングがないため、直接ユーザーの声を聞く機会がなかなかありません。
消費財は生活に必須だからこそ、今ある需要を満たす商品はすでに出尽くしています。
そこで新しいものを生み出すには、時代の変化や潜在的な需要を見極める必要があります。
そのため、 顧客のニーズを的確に捉えた上で、新しい商品を提案できる人は、消費財・化粧品業界に向いているといえるでしょう。
幅広い職種を経験したい人
消費財・化粧品メーカーは、一部の研究職などを除き、ジョブローテーションの形式を取る企業が多いです。
数年間営業部に配属された後、マーケティング部に移り、その後企画部に移るといったキャリアパスになります。
そのため、幅広い職種を経験するキャリアを積みたい人におすすめです。
一方、 特定の職種にこだわりがある人は要注意です。
特に就職希望者の花形職種である「企画職」。
メーカー希望の大半の学生が「商品企画」をやりたいということが多いですが、メーカーの中で「商品企画」を仕事にできる人は1割もいません。
例えば選考の中で「商品企画をやるために、御社に入社したい」という発言をした場合、採用担当者は「この人は商品企画ができなかったり、商品企画から異動になったらやめるのでは?」と考える可能性があります。
面接で希望職種を答える際は、伝え方に留意しておきましょう。
まとめ
この記事では消費財・化粧品業界について解説してきました。
消費財・化粧品業界は就活生からも人気の高い業界です。
志望する学生はしっかりと対策を練って、選考に臨みましょう。