就活前に知っておきたい、会社の見え方が変わる仕事の本質

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伊東美奈
Digmedia編集長
伊東美奈

HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。

注目のベンチャー企業Leveragesの最年少執行役員が伝える、仕事の本質とは? 就職活動の前に知っておきたい仕事とキャリアに対する考え方を熱く語っていただきました。

講演者プロフィール: Leverages株式会社執行役員 藤本直也氏 大阪大学の工学部を卒業し、2014年にLeverages株式会社に入社。

入社1年目にITエンジニアの問題解決メディア「teratail」を立ち上げ、現在150万人が使うサービスにまで成長させる。

レバテックの事業企画などを務めたのち、最年少で事業部長に。

現在は執行役員として、マーケティング、人事、広報、経営企画など幅広い部門で活躍中。

2018年より中央大学でマーケティングや新規事業の非常勤講師も務める。

仕事の本質とは他者貢献

仕事の本質とは一体何でしょうか? 人は何のために仕事をするのでしょうか? 家族を養うため、お金を稼ぐため、自己成長するため...... この問いには、様々な答えが返ってくるでしょう。

僕は、成果を出すために仕事をしているのだと思います。

そして、 仕事における「成果」とは他者貢献のことを指します。

学生と社会人では、仕事に対する認識が大きく異なる点があります。

ひとつは、仕事の評価軸が自分にあるか、他人にあるか。

仕事の評価を自分軸で下すのが学生、他人軸で測るのが社会人です。

社会人は「自分の行動で、他の人を喜ばせているかどうか」で仕事の評価が下されます。

いくら自分で頑張っているつもりでも、お客さんを喜ばせることができなければ、仕事ができていないと評価されてしまいます。

また、学生と社会人では成長プロセスも異なります。

学生時代の成長プロセスは「成長→成果」の順番でした。

英語の試験勉強なら、英単語帳で単語を覚えて新しい知識を身につけると、テストで点が取れる。

しかし、 社会人の成長過程は基本的には「成果→成長」の構造です。

他人を喜ばせることで自分のスキルが上がる、というパターンが多い。

それはなぜか。

学生までにやってきた勉強は、インプットすべき知識があらかじめ決まっているからです。

教科書に書かれていることさえ覚えれば、点が取れるようになります。

一方で、社会人の仕事は他人の評価軸で評価されます。

人を喜ばせる方法には、決められた一つの正解はありません。

だから、ある人を喜ばせることができて初めて、そのために必要なスキルを習得できたといえます。

「仕事とは何ですか?」と問われたら、僕はこう答えます。

「仕事とは、他者貢献を通して自分が成長する営みである。

」 ひとつ成果を出したら自分が成長する、次はもう少し難しいことに挑戦する。

仕事の本質とは、「成果(=他者貢献)→成長」のサイクルを繰り返していくことです。

 

社会人は「成し遂げてきたこと」が全て

もうひとつ、学生と社会人では大きく認識が異なる点があります。

社会人は、WhereではなくWhatが求められるということです。

学生まではWhere、つまり「自分が所属している組織」で評価されてきました。

しかし 社会人になってからはWhat、即ち「自分が成し遂げたこと」が最も重視されます。

就職活動までは、所属組織で見られることが多いかもしれませんね。

一流大学の学生であれば、就職活動には有利に働くでしょう。

しかし、社会人のキャリアは所属してきた組織の規模や有名/無名は全く関係ありません。

自分が成し遂げてきたこと、それが全てです。

例えば、極端な話、証券会社の投資部門や、コンサルティングファームでトップキャリアを走る人であっても、事業会社の事業部門に転職して活躍できるかというと全員が活躍できるわけではない。

仕事の性質が異なっていて、求められるスキルが異なる場合が多いからです。

キャリアの方向性を決めるのは、今までにやり遂げてきたことです。

だから、 ファーストキャリアを選ぶ前に「何をしていくか」は十分考えておくべきでしょう。

成長に欠かせない「自走する感覚」

安定した人生を送りたい場合、意識すべきものが2つあります。

「金融資本」と「人的資本」です。

まずは、金融資本。

よほどお金に困らない家系に生まれていない限り、大抵の人は働いてお金を稼ぐ必要があります。

ここで皆さんに知っておいてほしいのは、日本人は生涯働けばおよそ2億円を稼ぐことができると約束されていること。

つまり、日本に生まれた時点で、ある程度の金融資本は保証されているんです。

そのため 「人的資本」を高める、つまり自分自身の価値を上げていくことにフォーカスしていくべきです。

自分の価値を上げるためには、スキルを身につけて成長していくことが不可欠です。

ここからは人の成長には一体何が重要なのか、お話していきます。

今からクイズを出します。

一番成長する人は、次の①~④のうちどの状態で仕事をしているのでしょうか。

実は、①→②→③→④の順で人は成長するとされています。

重要なのは大きな仕事をしているかどうかよりも、自ら進んで仕事をする状態にあるかということです。

極端に結果を読み解くと、一般的には優秀な人が多く、充実した教育システムがある会社が理想的だと考えられていますが、実は真逆とも言えますよね。

言い換えると、教えないと伸びない人って、教える人以上にならない。

自分でどんどん主体的に仕事をしている人がどんどん成長していくだけということですね。

こう聞くと当たり前に感じる人が多いと思います。

僕が就職活動をしていた時期、「仕事で活躍している人は、なぜ大きな成果を出しているんだろうか」と疑問に思い、尊敬する社会人の方にたくさんお会いしていました。

そこで「どうやったら〇〇さんみたいになれますか」と尋ね続けていたんです。

そこから分かったことは「真に世の中に影響を与えている人とはイケてる会社に『入った』人ではなく、イケてる会社を『つくった』人である」ということ。

マイナスの状態から会社を立て直して、さらには新規事業を立ち上げて会社を大きく発展させていく。

どんな苦境であっても自ら進んで大きな仕事を成し遂げてきた人が今、世の中にインパクトを与えているんです。

意外に感じられるのは「小さい仕事を主体的に行うこと」の方が「大きな仕事を優秀な人々と行うこと」に比べて成長の伸びが大きい事実です。

この事実から分かるのは 「人の成長にとって欠かせないのは、仕事の大きさや周囲の優秀さではなく、自走して仕事することである」ということ。

「自走する感覚」を身につけるために、小さな領域からでもいいので能動的に動く意識を持ちましょう。

タイタニック号の末路を変えよう

今にも沈没しそうな船に乗っているとき、あなたはどうしますか? 船を救おうと必死で動くのか、そのまま成り行きに身を任せるのか。

間違いなく前者であるべきです。

現在の日本の経済状況は、氷山に衝突した直後のタイタニック号に例えられるでしょう。

日本は世界第3位の経済大国を誇っていますが、今後は下落していく見込みです。

医療保険、公的年金などの社会保障制度の存続は危うく、一生何不自由なく生活できる可能性は低い。

これから皆さんは就職活動をして、働く企業を決めていきます。

皆さん自身の手で企業を成長させていけば、日本全体の経済状況も上向きになっていきます。

「自分がこの企業を大きくしよう」と決意できる企業をぜひ見つけてください。

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