製薬会社の平均年収が高いとされる理由は?職種別・企業別での比較も紹介

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はじめに

「製薬会社は年収が高いって聞くけど、どうしてだろう?」 「製薬会社の年収は、職種や企業によって大きく違うの?」 このように、製薬会社の年収について疑問を持っている方もいるでしょう。

この記事では、製薬会社の平均年収に加え、どのような職種があるのか年収とともに詳しく紹介しています。また、製薬会社の年収が高いとされる理由や、資本が国内または海外かによってどのように違うのかなども解説していきます。

この記事を読むことで、製薬会社の年収について理解が深まり、進路の方向性を決める判断材料の1つとしても役に立つでしょう。

製薬会社への就職や転職を検討している方は、ぜひこの記事をチェックしてください。

製薬会社における内資と外資に違いはある?

外資系は成果主義のため実力さえあれば高収入を得られますが、内資系は日本に古くからある年功序列が残っているため、実力があっても飛躍的に収入が上がることはないでしょう。

しかし、内資系は勤続年数に比例して収入も上がっていきやすいというメリットがあり、逆に外資系は結果が残せなければ低収入になったり、解雇されたりする確率が高くなるというデメリットがあります。

また、福利厚生の面から見ると外資系は退職金制度がないところも多く、内資系の方が充実していると言われています。

その他にも、内資系は新人教育がしっかりしているが残業が多い傾向にある一方、外資系は残業が少ないため、ワークライフバランスが実現しやすい環境が多いでしょう。

製薬会社の全体的な平均年収

製薬会社全体の平均年収は約630万円となっています。日本の平均年収が約400万円であることから、比較的年収は高めと言えるでしょう。

年代別では20代が約450万円、30代は約600万円で、どちらも日本の平均年収より100万円以上高くなっています。

職種別から見る製薬会社の年収

製薬会社はいくつかの職種に分かれて業務を行っており、それぞれの職種によって年収も違います。ここからは、それぞれの職種がどのような仕事をし、どれくらいの年収なのかを紹介するとともに、他業種との比較もしていきます。

営業職

営業担当(MR)は、医療情報担当者とも呼ばれます。自社製品の営業、情報提供、情報収集などを行う職種です。医療の知識はもちろんのこと、自社製品だけでなく他社製品の知識も必要とされるだけでなく、営業力も問われる大変な仕事でしょう。

未経験や文系卒でも就けますが、理系の専門知識を扱うため理系出身の方が有利と言えます。また、医薬品の知識の豊富さから、薬剤師の資格を持つ人にも向いている職種と言えるでしょう。

営業系全体の平均は約440万円に対し、製薬会社の営業職の平均年収は約700万円であるため、全体の中でも高い水準だと言えるでしょう。

研究・開発職

研究職は医薬品の開発を、開発職はその医薬品の治験を行う技術職です。どちらも理系出身の分野で、薬学部卒の方や薬剤師、臨床検査技師の就職先の1つにも挙げられます。

研究・開発職の平均年収は約550万円となっており、同じ医療系の技術職に比べ約70万円高いと言われています。

企画・管理職

企画・管理職は、事業戦略の企画をしたり人やものを管理したりする職種です。また、管理職は年齢と比例して年収が伸びやすい点も特徴でしょう。

企画・管理職の平均年収は約800万円で、企画・管理系全体の平均である約530万円を上回っています。

製薬会社別から見る年収

ここまで、一般的な製薬会社は他業種より平均年収が高いことがわかりましたが、実は同じ業種内でも大手企業になると年収もアップします。

ここからは、国内大手製薬会社の平均年収を紹介していきます。

シンバイオ製薬株式会社

シンバイオ製薬株式会社は東京に本社を構える製薬会社で、社員数は約140人の上場企業です。

2021年の平均年収は約1,200万円で、過去5年間を見ても1,000万円より低い年収になることはありませんでした。年代別見ると、20代後半で約700万円、30代で約800~1,000万円になると言われています。

ソレイジア・ファーマ株式会社

ソレイジア・ファーマ株式会社は東京に本社を構える製薬会社で、社員数は約20人の上場企業です。2021年の平均年収は約1,500万円で、過去5年間を見ても1,300万円以上をキープしています。年代別で見ると、20代後半で約900万円、30代で約1,000~1,200万円です。

アンジェス株式会社

アンジェス株式会社は大阪に本社を構える製薬会社で、社員数は約40人の上場企業です。

2021年の平均年収は約1,100万円で、1,000万円超が3年間続いています。年代別で見ると、20代後半で約650万円、30代で約750~900万円です。

第一三共株式会社

第一三共株式会社は東京に本社を構える製薬会社で、社員数は約5,700人の上場企業です。

2022年の平均年収は約1,100万円で、過去5年間の平均も約1,100万円で安定しています。年代別で見ると、20代後半は約750万円で、30代で約850~1,000万円です。

製薬会社の年収が高いとされる理由

製薬会社の年収が高いことには、きちんと理由があります。年収だけでなく、理由にも目を向けて進路を決めていくのはとても大切なことでしょう。

ここからは、なぜ製薬会社の年収が高いのか解説していきます。

高いレベルの知識やスキルが必要であるため

医薬品の研究や開発は、高度で専門的な知識が必須です。技術の進歩により医療技術や医薬品も変化していくため、日々勉強しスキルアップするための努力をしていく必要があります。

また、MRも医者を相手に営業をかけるため、生半可な知識では太刀打ちできません。資格が必ずしも必要な職種ではありませんが、MR認定証(公益財団法人MR認定センターが認定している民間資格)というものがあり、その資格を必須としている企業もあります。

このように製薬会社は、高い知識やスキルを必要とする職種が多いため年収も高く設定されています。

人材を引き止めるため

前述したように、製薬会社にとって高い知識やスキルを持った優秀な人材は必要不可欠ですが、そのような人材が次から次へと現れる訳ではありません。

また、MRは医師やMSとの人間関係が難しい、勤務時間が長い、ノルマが厳しい、転勤が多いなどの理由から、離職率が高い職種と言われています。

このように優秀な人材が辞めてしまうと困るため、年収を高くすることによって人材を確保しておく狙いもあるのです。

利益率が高い市場のため

医薬品を製造する過程では、長い年月と莫大な資金が必要です。しかし、一度できてしまえば20年は特許で守られる上に原価も安いため、それまでに費やした損失をはるかに上回る利益を得られます。

このように、医薬品は利益率が高い分、社員に還元される部分も多いため年収が高くなると言われています。

精神的負担が大きいため

医薬品は、人々の病気を治したり快方へ向かわせたりするのになくてはならないものですが、時には副作用や健康被害が報告されることもあります。命に関わる業種であるがゆえに、取り返しのつかないことにもなりかねません。

このように重大な責任を背負っているなどの精神的負担が大きい点も、年収を高くする理由の1つです。

製薬業界の将来性について

日本は高齢化社会を迎え、国の医療費負担増が課題となっています。国は医療費削減のため薬価を年々引き下げており、2022年は約6,000億円を超える薬剤費が削減されると言われています。そのため、国内だけを見ると、製薬業界が置かれている状況は厳しいと言えるでしょう。

しかし、製薬業界は人々の健康に欠かせない医薬品を供給するためニーズのある業界です。世界的な市場を見ても増加傾向であるため、将来性もあるでしょう。

製薬会社の年収を把握しておこう

ここまで製薬会社の平均年収や、年収が高い理由などについて紹介してきました。製薬会社は求人数こそ多くはありませんが、景気に左右されず、またニーズがなくなることもないため、安定している業種と言えるでしょう。

この記事を参考にして、自分の希望と適性を照らし合わせて検討してみてください。

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