HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
【海外インターンは意味がない?】はじめに
就職活動の一環としてインターンに参加する学生が増えてきましたが、そのほとんどは国内で実施されるものです。
しかし、最近では海外に出て現地企業でのインターンに参加する学生も少数ですが見られるようになってきました。
海外インターンに興味があるという学生もいると思いますが、まだまだ経験者が少ないため、海外インターンが本当に有益なものかどうか判断がつきにくいというのが本音でしょう。
中には「海外インターンなんて意味がない」という人もいますが、実際はどうなのでしょうか。
ここでは、海外インターンを有益なものにするためのポイントを紹介します。
【海外インターンは意味がない?】海外インターンのメリット
海外でインターンに参加するには渡航費用も必要になりますし、インターンの期間中に過ごす宿代や生活費なども必要になります。
その金額は決して安いものではありません。
また、まったく知らない土地で一定期間過ごさなくてはならないので、生活の不安や治安の心配もしなければならないでしょう。
そういった問題があるにもかかわらず、あえて海外に出ていってインターンに参加するわけですので、国内でインターンに参加する以上メリットがないと意味がないと考える人が多いのも当然のことです。
では、具体的に海外インターンに参加することでどのようなメリットがあるのでしょうか。
ここでは海外インターンに参加することで得られるメリットについて詳しく見ていくことにします。
英語の習得
海外インターンに参加するメリットとしてまず挙げられるのは、語学力の向上でしょう。
自分の周りは英語を話す人ばかりという環境の中では否が応でも英語でコミュニケーションをしなければならないので、自然と英語力が培われていくことでしょう。
しかし、日常会話としての英語力ということなら留学でもマスターすることができます。
海外インターンに参加することの大きなメリットは日常的な英会話だけでなく、ビジネスシーンで使われる英語をマスターできるということです。
当然のことですが、職場では上司や同僚とコミュニケーションを取るときは英語を使うことになりますし、お客様への対応や取引先の社員とのやり取りも英語で行われることになります。
その中にはビジネス特有の表現や業界内でだけ通じる言い回しといったものも存在します。
このような表現や言い回しは実際にビジネスに携わってはじめて理解できるものです。
就職活動では留学経験者や帰国子女など英語力を売りにしている学生も多いですが、ただ単に英語を喋れるというだけでなく、ビジネスで通用する英語を習得しているというのは大きな武器になるでしょう。
異文化での生活
海外の学生をインターンとして受け入れている企業では日本人だけでなくさまざまな国や地域から学生が集まってきています。
その中にはこれまでに出会ったことのない民族や人種も含まれていることでしょう。
日本は島国の単一民族国家なので異文化コミュニケーションはあまり発達していないのが実情ですが、そんな中で海外インターンに参加して世界中の文化を学ぶことやものの考え方を理解することは就活はもちろん、人生においても大きな意味を持つことになるでしょう。
自分の中には存在しなかった多様性や柔軟性に気づくことで新しい価値観が身につくことも期待できます。
また、海外インターンで出会った人たちと仲良くなることで、ネットワークを世界中に広げることができます。
海外ネットワークというとフェイスブックなどネット上でのつながりがほとんどですが、海外インターンならば直接的なネットワークを形成することが可能です。
将来社会人として海外の企業と仕事をすることになったとき、そのネットワークのおかげで仕事がうまくいくということもあるでしょう。
ビジネススキルの習得
国内企業のインターンというと職業体験という意味合いが強く、「自社がどのような業務を行っているのかを学生に知ってほしい」「知名度を上げて優秀な学生をたくさん集めたい」というのが主な目的です。
しかし、海外インターンでは社員と同様に実際の業務に関わることでビジネススキルを磨くということが主な目的となります。
国内でも外資系の企業やベンチャー企業の一部ではこのようなインターンを実施しているところがありますが、多くの学生が入社を希望する大企業などではほとんど行われていないのが実情で、海外インターンは学生が実践的なビジネススキルを身につけることができる貴重な場となっています。
また、仕事の厳しさを知るという意味でも海外インターンはとても貴重です。
海外の企業は成果主義が浸透していることもあり、たとえインターンであっても成果を出せばそれに応じた報酬を手にすることができます。
「目標を達成するためにどのような努力が必要なのか」といったことを真剣に考えることや「自分の考え方が仕事でどれだけ通用するのか」を試す良い機会と言えるでしょう。
【海外インターンは意味がない?】海外インターンシップを本気で目指す人へ
海外インターンシップに参加するためには斡旋業者やNPO団体などを利用して自主的にインターン先の企業を見つけなければなりません。
また、航空チケットやホテル代、生活費などの費用も自分で用意しなければなりません。
そのため、海外インターンシップに参加するならば、その経験が有益なものとなるように十分な覚悟と準備が必要になります。
ここでは、本気で海外インターンシップを目出す学生のために、失敗しない海外インターンシップの方法を紹介していきます。
目的がないと留学と同じ
海外インターンを有益なものとするために最も大切なことは、目的意識を明確に持つということです。
学生の中には「就職に有利だと先輩から聞いたから」「なんとなくかっこいいから」と、明確な目的もなく安易な理由で海外インターンに参加するケースも見られますが、それでは海外留学と変わりません。
こういった学生が多いので「海外インターンは意味がない」と言われてしまいます。
しかし、しっかりとした目的を持ったうえで参加をするのであれば、多くの学生にとって海外インターンは素晴らしい経験になるでしょう。
先ほど紹介したように、英語力やビジネススキルの向上といったメリットも享受することができます。
海外インターンに参加すれば海外の見知らぬ土地で働くことになるわけですので、不安に思うこともたくさんあります。
そんなときに目的がないと心が折れてしまって途中で帰国してしまうということにもなりかねません。
自分を見失わないためにも、目的を持つことが非常に大切なのです。
どんな目的があるか
海外インターンを有益なものとするためには目的意識が大切と言いましたが、もちろん、目的はそれぞれの学生によって異なります。
海外インターンのメリットのところでも触れましたが、海外で生活することで英語力を身につけたいという学生もいるでしょうし、実践的なビジネスキルを学びたいという学生もいるでしょう。
外資系の企業で働きたいので外国企業の働き方を、身をもって体験するというのも素晴らしい目的ですし、これまでとはまったく異なる環境の中に身を置くことで自分を見つめ直すことを目的に海外インターンに参加するのも良いでしょう。
何を成し遂げるか
ビジネススキルを身につけることを目的に海外インターンに参加するならば、具体的にどんな知識や技術をどこまで学ぶのか、ゴールを明確にすると良いでしょう。
営業職のインターンであれば「先輩社員の良いところを盗んでスキルを磨き、月間の売上目標を達成する」ということでも良いですし、技術職のインターンであれば「就職先で必要となるスキルや持っていることが望ましいとされているスキルを習得する」といったことでもかまいません。
あらかじめ自分なりの目標を定めておくことでインターン期間中にやることが明確になり、最後まで熱意を持って仕事に携わることができるので、インターンを有意義なものとできるでしょう。
将来を考える
海外インターンを有意義なものとするためには、「自分は将来どのような仕事をしたいのか」「会社の中でどのような役割を果たしたいのか」ということをまず最初に考えて、そこから逆算して参加するインターンを決めるのも良い方法です。
たとえば「ウェブ業界への就職を考えているけれどデザイン力が不足している」と思うならば、デザインを学べる企業のインターンに参加して苦手を克服するという目標を立てると良いでしょう。
また、「10年後にはウェブディレクターとして活躍したい」と考えているならば、管理者よりの業務を学べる企業で働くことが自分の夢を叶えるための近道となります。
キャリアプランは就活時の面接で質問されることも多いので、インターンの前にしっかりと考えておいて損はないでしょう。
インターンシップで何を学べるか把握する
海外インターンシップに参加する学生の中には「自分が興味を持っている業界の企業だから問題ないだろう」と、あまり下調べもせずにインターン先を決めてしまうケースも見られますが、これは失敗してしまう学生の典型的なパターンです。
というのも、企業によって任せてもらえる仕事の内容に違いがあるからです。
デザイナーのスキルを磨くために広告会社のインターンシップに参加したのに、実際の仕事は雑務やお客様対応ばかりで、肝心のデザインを学ぶことができないというのではインターンの意味はありません。
何が学べるのかしっかりと下調べしてから選ぶようにしましょう。
また、職場の環境についてもしっかりと調べるべきです。
英語力の向上を目的として海外インターンシップに参加したにもかかわらず、職場は日本人だらけというのでは意味がありません。
【海外インターンは意味がない?】インターン後にこれをして意味を持たせよう
海外インターンシップは参加するだけでは大した意味がありません。
それなら海外留学したほうがずっと気楽で楽しい時間を過ごすことができるはずです。
先ほども説明しましたように、海外インターンは参加する前に立てた目標を達成するという目的意識を持つことではじめて有意義なものとなります。
そして、海外インターンをさらに有意義なものとするためにはインターン終了後に何をするかもとても重要です。
インターンで経験したことを今後の就職活動や仕事に活かしていくためにも、インターン後に次のようなことをしてみましょう。
振り返る
海外インターンに参加した後は、経験したことを一度振り返って総括してみることをおすすめします。
・そもそもなんで海外のインターンシップに参加しようと思ったのか ・どのような理由でインターン先の企業を選んだのか ・インターンシップに参加したことで何を得ることができたのか といったことを、原点に立ち返って考えてみるのです。
インターンシップに参加する以前の自分と参加後の自分を比較すれば、自分がインターンを通じて成長できたのかどうかを知ることができますし、自分に現在足りない部分や就職活動が本格的にスタートするまでに到達すべきゴールも自然に理解することができるでしょう。
インターンの経験を振り返るときは、次の4つの点に焦点を当てて考えてみましょう。
できたこと
まずは、インターンの期間中に何を成し遂げることができたのかということを挙げていきましょう。
このとき、なぜうまくできたのか、どうやって問題を克服したのかということについても合わせて考えるようにします。
その中には、今後仕事で難問に直面したときにどのように乗り越えるべきかのヒントが隠されているからです。
できなかったこと
うまくできたこともあれば、逆にうまくできなかったことも必ずあるはずです。
インターンシップを振り返るときは成功体験だけでなく、失敗体験も振り返るようにしましょう。
なぜ失敗してしまったのか、その原因を明らかにすることができれば、今度同じようなことが起こったときに失敗を避けることができます。
失敗を失敗のまま終わらせないことが重要です。
嬉しかったこと
インターンに参加してみて嬉しいと感じたことはあったでしょうか。
嬉しいと感じるということは、そこにやりがいを感じているということになります。
自分では人と接することは苦手と思っていても、インターンでお客様から「ありがとう」と言われて嬉しいと感じたのであれば、実は接客業務に向いているのかもしれません。
インターンを振り返ることで、自分では気づいていない本当の姿に気づかされることも珍しくありません。
悔しかったこと
英語力の上達のために海外インターンに参加したのに、英語でのコミュニケーションがうまくいかずに悔しい思いをしたという学生もいるでしょう。
なぜ悔しい思いをしたのか、その原因を直視することで現在自分の不足していることや改善すべきポイントが明らかになります。
そして、再び悔しい思いをすることがないように改善することでインターンは非常に有意義なものとなるのです。
次は何に活かすか考える
このように、海外インターンで経験したことを、後で改めて振り返ってみることはインターンに参加することの意義をより大きくしてくれます。
そして、うまくいかなかったことや悔しく感じたことを反省して改善することで、人間的にも成長させてくれるでしょう。
課題を発見してその改善方法を実行するという行為は学生生活にも活かすことができます。
たとえば部活の成績が思うように出ないといったときに、なぜうまくいかないのか原因を探って、その対応策を考えて実行するというのはとても大切なことです。
また、仕事で難しい問題に直面したときにも役立つでしょう。
インターンシップは参加すればそれで終わりというものではなく、人生全体において自分が成長するためのきっかけとなる重要なものと考えられるのです。
【海外インターンは意味がない?】まとめ
海外インターンには語学力の向上やビジネススキルを習得などのメリットがありますが、インターンに参加すれば誰でも得られるというわけではありません。
海外インターンを意味のあるものにするためには、目的意識を持つことが不可欠です。
海外でインターンに参加することでどうなりたいのかという具体的な姿を描いたうえで、インターン先を選ぶようにしましょう。
また、インターン後の振り返りも大切です。
うまくできた点やできなかった点を整理し、その理由を明らかにすることで海外インターンはより有意義なものとなります。