HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
「就活で人生は決まる」と言われた終身雇用が崩れ、企業を取り巻く環境も変わり、勤続年数に合わせて年収が右肩上がりに上がる時代から成果主義へとシフトしています。
一つの企業にこだわらず、転職が当たり前の時代になってきました。
ファーストキャリアとして転職に影響を与えるのは事実ですが、大手企業でも倒産するリスクもある時代にあって、自分の人生は自分で切り開くと考え、企業に頼り切らない生き方を目指すことが求められます。
【就活で人生は決まるのか】はじめに
「就活で人生が決まる」そんな話を聞いたことはありませんか。
親や親戚のおじ様やおば様方から、そんなふうに言われながら、「だから、頑張りなさい!」とはっぱをかけられたり、頑張り料と言ってお年玉をもらった経験がある大学生も多いのではないでしょうか。
ですが、今の時代は親世代とは異なります。
「就活で人生が決まる」という話が今の時代にも当てはまるのか、検証していきましょう。
【就活で人生は決まるのか】就活で人生は決まるとは言い切れない
親世代や祖父母世代ではどの企業に就職するか、どんな仕事に就くかはとても重要な要素でした。
世間からの評価が異なる、年収や福利厚生が異なる、いい相手と結婚できるかに影響する、住宅ローンの借りやすさに影響するなど、勤務先や仕事内容が人生のさまざまな場面で影響を与えたからです。
ですが、時代は大きく変化しています。
企業を取り巻く環境も人の価値観も変化し、就活で人生は決まるとは言い切れない時代になりました。
その理由を見ていきましょう。
転職など、再就職することができる時代
今の時代は誰もが当たり前のように転職ができる時代です。
一度就職してからでも、他にやりたいことを見つけたり、さらによい条件の会社へと転職することが可能です。
企業側でも即戦力となる経験ある中途採用を重視しているケースさえあります。
ですが、親や祖父母世代は転職は印象が悪いものでした。
「職を転々としている」といった言葉に表現されるように、一つの会社で継続的に頑張れない根性がない人、いい加減な人と思われたり、仕事ができないから辞めることになったなど、陰口を叩かかれたものです。
一方で、一つの会社で社畜のように働くのが美とされました。
今の時代は合わない会社や仕事に我慢することなく、より自分の能力を生かし、評価が受けられる会社へと転職が可能です。
かつてとは異なり、転職がより人生を豊かにするための手段になっているのです。
「企業」よりも「個人」の時代
「就活で人生は決まる」と言われた親世代や祖父母世代では、どの企業に就職できるかで、その後の生活に大きな影響があったのは確かです。
企業によって福利厚生の充実度も異なり、いかに福利厚生に恵まれた企業に勤めるかが重要であるとともに、恩恵をくれる企業にとことん尽くすという精神が生まれたのです。
組織の一員であることが重視された時代でしたが、今は個を重んじる時代となりました。
企業を取り巻く環境も変わり、従業員の生活まですべて面倒を見てくれる余裕がある企業ばかりではなくなりました。
価値観やライフスタイルも多様化し、必要なものも異なっている事情もあります。
個を尊重する時代になったからこそ、もはや、企業に頼る時代ではなく、どれだけ自分の価値を上げることができるのかが重要です。
【就活で人生は決まるのか】なぜ決まるといわれているのか
さらにも、今でも「就活で人生は決まる」という方は多いですし、学生さんの中でも、そういう思いで活動をしている方も少なくありません。
ここでは、親世代や祖父母世代がなぜ「就活で人生は決まる」と思い込んでいるのか、これからの時代にも「就活で人生は決まる」が通用する側面があるのか見ていきましょう。
昔は終身雇用の時代だったから
社会科の授業で学習したと思いますが、かつては終身雇用の時代でした。
高卒や大卒で入社して定年退職まで勤め上げるのが当たり前で、年齢や経験とともに自動的に昇進、昇格し、年収は右肩上がりに伸び、退職金もしっかり支払われる環境が整備されていたので、一つの会社で勤め上げることが労働者によっても有利だったのです。
福利厚生も整い、企業で貯蓄をしたり、お金を借りるほうが金融機関を利するよりも、有利な状況も整っていました。
大手企業の中には企業町が形成されるケースもあり、企業が運営する総合病院もでき、従業員や家族は医療費負担が抑えられたりと恩恵が受けられます。
勤続年数が長くなるほど収入がアップし、福利厚生も得られて退職金ももらえ、老後も企業年金で充実の暮らしができるわけですから、より待遇のいい大手企業に勤めることが人生に大きく影響を与えたのです。
ファーストキャリアは重要であるから
終身雇用が崩れ、年齢を問わず能力がある人が待遇を受ける成果主義の導入が進み、転職も当たり前になった今の時代でも、「就活で人生は決まる」は当てはまる側面があるのでしょうか。
実際のところ、時代が変わっても、まったく当てはまらないわけではありません。
というのは、最初にどこに就職できるかで、その人への評価や、その後の働く企業のレベルに関わってくるからです。
誰もが転職しやすい時代になったとはいえ、キャリアがあると、「あの企業に勤めていた人材ならぜひとりたい」とすぐに採用が決まるのは事実です。
有名企業でキャリアを積んだことで、50代になってまったく転職する気がない方に、好条件でのヘッドハンティングの電話が入ることもあります。
時代が変わっても、ファーストキャリアが人生に少なからず影響を与えることに変わりはありません。
【就活で人生は決まるのか】自分で考える力を身につけよう
「就活で人生は決まるのか」の答えは、今の時代は必ずしも当てはまらないものの、少なからず影響を与えるのは事実ということが分かりました。
ですが、自分の人生は自分で切り開いていくものです。
企業で働くことだけが人生ではありません。
豊かな人生を送っていく上で、仕事というやりがいを得たり、仲間を作れたり、ゆとりある生活をしていくための糧を得られる場であっても、それだけがすべてではないはずです。
人生の豊かさはそれぞれ尺度が異なるため、何に重きをおくのか、自分で考える力を身につけることが何より大切です。
企業に頼り切らない生き方
終身雇用が形成された高度成長期には、大手企業が倒産することなど考えられない時代でした。
一つの会社に尽くせば、収入も右肩上がりでアップし、老後の生活まで保障される時代だったのです。
ですが、今の時代は経済がますますグローバル化し、情報スピードや技術の革新スピードも速まっている上、異常気象や災害、感染症拡大など何が起こるか分からず、大手企業であっても倒産したり、大規模リストラを断行する時代です。
就職先に関わらず、企業に頼り切らない生き方を誰もが模索しなくてはなりません。
就職したから安泰ではなく、いつ何時でも他の企業で働ける力や、自分自身で稼いでいける力を身につけていくことも大切です。
ファーストキャリアとしての就活は大事ですが、それが人生の最終目標になってしまわないよう、自分で考え動くことが必要です。
【就活で人生は決まるのか】まとめ
「就活で人生は決まるのか」は、終身雇用が当然だった時代には当てはまりました。
ですが、今の時代は転職も当たり前にでき、何歳になっても再就職が目指せる時代です。
組織の一員であることよりも、個を尊重する時代になり、人々の価値観も変化しています。
もちろん、ファーストキャリアとして最初の就職先がその後の人生にまったく影響を与えないわけではありませんが、自分の人生の豊かさは自分で切り開くという意識をもって、企業に頼り切らない生き方を目指すことが求められます。