はじめに
最近では日本でも多くの企業が実施するようになりました。
インターンへの参加は義務ではありませんが、「インターンに参加すると本番の選考で有利になるから」「面接の話のネタになるから」といった理由からインターンに参加する学生は急増しています。
特に人気の企業ではインターンへの参加を希望する学生が多く、インターンに参加するために選考が行われることも珍しくありません。
インターン選考で必ず聞かれる質問のひとつに志望動機があります。
選考において非常に重要な項目なので、魅力的な回答ができるかどうかは合否に大きく影響します。
ここではインターンで志望動機を聞かれたときの答え方を詳しく解説していますので、書き方がわからない学生はぜひ参考にしてください。
インターンの志望動機とは?
志望動機は選考において非常に重要な質問であり、インターンにおいても本選考においても必ずといって良いほど聞かれる項目です。
質問されていきなり答えを考えるのは難しいので、前もって考えておくようにすると良いでしょう。
ただし、インターンと本選考で同じ志望動機を答えるのはNGです。
同じ志望動機を聞かれていても、インターンと本選考では採用担当者の求めているものが違うからです。
インターンに参加する学生の多くはまだ将来の進路を完全に決めていていないケースが多く、企業としては「どういった目的意識を持ってインターンに参加してきたのか」ということを合否のポイントに考えます。
一方、本選考では「企業にどのような貢献をしてくれるのか」「会社の理念や風土にマッチしているのか」ということが合否のポイントです。
この違いをしっかりと理解して回答しましょう。
インターンでなんで志望動機を聞かれる?
先ほど説明したように、同じ志望動機に関する質問であっても本選考とインターン選考とでは企業の求める回答は異なります。
では、インターンで志望動機を聞かれたときは、どのように答えるのが良いのでしょうか。
そのためには、「なぜ企業は志望動機を知りたがるのか」ということを理解しなければなりません。
そもそも企業がなぜインターンを行うのかといえば、 「自社の業務内容や職場の雰囲気などを実際に体験してもらい、学生に興味を持ってもらって優秀な学生を早期に囲い込みたい」からです。
ですから、インターンで志望動機を聞かれたときには「インターンに参加してどんなことを学びたいのか」「この企業のインターンに参加したいと思ったのはなぜか」という目的と理由をしっかりと伝えることが何よりも大切です。
目的意識の有無を知りたい
インターンに参加する目的を伝えることは、言い換えれば「どれだけ参加意欲が高いのか」「どれだけ熱意を持ってインターンに臨んでいるのか」を伝えることです。
実際のところ、インターンに参加したいと考えている学生の多くは「インターンに参加しておくと就職で有利になると先輩に聞いたから」「インターンに参加することで本選考のときに面接のネタになるから」くらいにしか考えていません。
つまり、参加すること自体が目的となっているわけです。
そのような学生が志望動機を聞かれて、そのまま答えても選考を通過することはできないでしょう。
担当者は目的意識の高い学生を求めているので、「インターン期間中にどんなことを学びたいのか」「どんな仕事に興味があるのか」ということを伝えるようにしましょう。
なぜ他社ではなくその企業に応募したのか
インターンに参加しようと思った理由について説明する場合は、「なぜ他の企業のインターンではダメなのか」ということを伝えるようにすると良いでしょう。
たとえば銀行で働きたいと考えている学生がインターンの志望動機を聞かれて「銀行業務を体験したいから」と答えたら担当者はどう思うでしょうか。
「それなら別にうちの銀行じゃなくて他の銀行でもいいよね」ということになってしまいます。
そこにプラスして、「その銀行でなければ体験できないことがある」ということをしっかりと伝えるようにしないと評価されないでしょう。
そのためには企業研究をしっかりと行い、自分なりの価値観や判断基準というものを明確にする必要があります。
汎用性の高い志望動機のフレームを紹介!
インターンの志望動機を作成するときは内容ももちろん重要ですが、読み手にとってわかりやすく、印象に残る文章構成を心がけることもとても大切です。
ここではビジネス文章の作成でよく用いられるPREP法について詳しく紹介します。
結論
PREP法の最初のPは「Point(結論)」という意味です。
志望動機を書くときは、「私がインターンに参加する目的は貴社でコンサルティングのノウハウを学びたいからです」といったように、文章の冒頭で結論を述べるようにしましょう。
なぜ最初に結論を持ってくるのかといえば、読み手が学生の考えていることを具体的にイメージしやすくなり、印象に強く残るからです。
逆に内容が曖昧だったり、要点がまとまっていなかったりすると、何を言いたいのか一度読んだだけでは理解できません。
人気企業にもなれば担当者は1日で何百通ものエントリーシートや履歴書に目を通すわけですから、一度読んで理解内容を理解できないような文章を繰り返し読むようなことはせず、そのまま落選になってしまう可能性が高くなってしまいます。
理由
PREP法のRは「Reason(理由)」の頭文字であり、結論を冒頭で述べたら、次にそのような結論に至った理由を説明するようにします。
具体的には「私がインターンに参加しようと思ったのは貴社でコンサルティングのノウハウを学びたいと思ったからです。
(結論)」「私がアルバイトをしていたスーパーは業績が伸び悩んでいましたが、貴社の提案した施策を取り入れたところ業績が短期間に回復したのを目の当たりにして、コンサルティングという仕事に興味を持ったからです(理由)」といった具合です。
このように結論に続けて理由を述べることで内容に一貫性が出て結論をより強く印象づけることができますし、インターンに参加しようと思った理由を端的に説明もできます。
具体例
PREP法のEはExample(具体例)のことです。
結論に至った理由を説明するうえで具体例を紹介することで、話の内容に説得力を持たせることができるので、必ず具体例を挙げるようにしましょう。
このとき、担当者に内容をより具体的にイメージしてもらえるように、客観的な物差しとなる事実や数字を用いるようにするのがポイントです。
先ほどの例で言えば、ただ単に「貴社のコンサルティングの効果で売上が上がった」と書くよりも、「売上が50%上がり、赤字だった業績が黒字に転換化した」と書いたほうが、よりアピール度がアップします。
これは、インターン先の企業にどのような魅力があるかを説明することにもつながるので、企業研究をしていることのアピールにもなります。
もう一度結論
PREP法の最後のPもPoint(結論)の意味であり、志望動機を作成するときは冒頭で述べた結論を文末で繰り返すようにするのがコツです。
志望動機の文字数に制限がある場合に同じことを繰り返すのは無駄だと思うかもしれません。
しかし、理由や具体例を説明した後で再び結論を述べることによって、冒頭で述べた結論をより強く印象づけることができます。
このとき、ただ内容を繰り返すだけでなく、「インターンに参加することで、どのようになりたいのか」ということを伝えるのも良いでしょう。
「コンサルティングのノウハウを学ぶことでクライアントの満足度を高めたい」とすることで熱意をアピールすることもできるでしょう。
回答例文
ここまでインターン選考の際に志望動機を回答する際の書き方を紹介してきましたが、言葉だけではなかなかイメージすることが難しいと思うので、具体的な例文を2つ用意しました。
書き方がよくわからないという学生は参考にしてください。
回答例①
私は大学時代は経済学部に所属しており、ゼミでは投資信託や株の取引について学んできました。
その中で、仕事をリタイアした高齢者がその後の生活に余裕を持って過ごすためには貯蓄や年金だけでは不十分であり、資産形成のために投資を積極的に行う必要があるということを強く感じました。
貴行の投資信託部門は大手銀行の中でも運用実績が非常に優秀であることに加え、インターネット銀行の特性を活かした格安の手数料を武器に多くの顧客から利用されています。
その中に身をおいて業務に携わることでお客様に満足いくサービスを提供する喜びを感じることができるだけでなく、業界トップである貴行の社員がどのような働き方をしているのか、組織としてどのようなことを重視しているのかということを知る良い機会だと思ったのが志望の動機です。
回答例②
ひとつ目の理由はアプリ開発のノウハウを学びたいと思ったからです。
私は普段から貴社の開発したアプリ「○○」を使っていますが、同じような機能を持つアプリが多数ある中で「○○」は非常に使い勝手が良く、このような優れたアプリをどういった環境の中で、どのような戦略の下で開発しているのか詳しく知りたいという思いが強くなりました。
もうひとつの理由は、医療分野で使用するアプリを開発して治療や医療機関業務のサポートに貢献したいという思いからです。
私は小さい頃から祖父母に育てられてきましたが、その祖父母も高齢になり病院のお世話になることが増えました。
特に足の悪い祖母は病院に行くのも一苦労で、遠隔治療など医療がもっと便利になれば良いと考えるようになりました。
自分の作ったアプリでより良い未来医療を実現したいと思い、開発力の高さに定評のある貴社を選びました。
自己分析をしよう!
志望動機に一本筋を通すためには、自分がインターンに参加するうえで何を最も重視するのか、いわゆる「軸」を定めることが大切です。
軸をしっかりと定めることができれば自分のやりたいことが明確になるので、「志望動機に何を書いたら良いのかわからない」といったことがなくなり、自信を持って話すことができるようになります。
また、軸が定まれば話の内容がブレなくなるので、相手に内容が伝わりやすくなる効果もあります。
軸を定めるには十分な自己分析が必要です。
自分の良いところや悪いところ、思考パターンや行動バターンなどを理解することができれば自分に合う仕事が選びやすくなりますし、将来どんな活躍ができるかについても具体的にイメージしやすくなります。
これはインターンの選考において大きな武器になるでしょう。
まとめ
企業がインターンの選考で志望動機を聞くのは、明確な目的意識を持っているかどうかを確かめるためです。
ですから、志望動機を書くときは相手の意図を意識したうえで、インターンに参加する目的や理由を伝える必要があります。
「インターンに参加すると就職に有利になるから」といった回答はNGです。
また、志望動機を書くときはPREP法を用いると内容が伝わりやすくなり、アピール度もアップします。
結論・理由・具体例・結論の順に書くように心がけましょう。