【3種の例文あり】有機化学の研究をテーマにしたガクチカ作成法

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はじめに

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ガクチカは大学時代に力を入れて取り組んだことを通じて、その経験をいかに入社後に活かせるかや、モチベーションなどをアピールする機会です。

文系の学生の場合、部活やアルバイトなどをテーマにする方も少なくありません。

一方、有機化学をはじめ、理系の学生なら、大学での研究の取り組みについて取り上げるのがおすすめです。

有機化学を専攻する学生にとって、真剣に取り組むほど、アルバイトや部活に多くの時間を割いている暇はないはずなので、ぜひ研究への取り組みをアピールしましょう。

ガクチカの書き方

ガクチカはただ、学生時代に取り組んだ有機化学の研究について淡々と話せばいいわけではありません。

同じ内容を話すにしても構成が重要です。

ガクチカの構成としては、以下の流れをとりましょう。

  1. 1.どんな経験をしたか
  2. 2.きっかけ
  3. 3.生じた課題
  4. 4.解決法
  5. 5.結果
  6. 6.どのような面で成長したか
  7.  
  8. 7.どう活かしていくか

このような構成です。

それぞれ、具体的に見ていきましょう。

まずは、どんな研究をしたかを伝えます。

次にその研究を選んだ目的やきっかけを伝えましょう。

数あるテーマの中で、なぜ、その研究を選んだのか目的を明確にすることで、あなたの興味のポイントや、その後の話の流れがわかりやすくなります。

研究において生じた課題を明確にし、それをどう解決したのか具体的に語りましょう。

工夫したことや、どう乗り越えたかをアピールするのがポイントです。

研究の結果を伝え、研究を通じてどのような面で成長したかを伝えます。

最後に入社後にその経験をどう活かしていくかをアピールしましょう。

アピールしたいエピソード例

有機化学を研究してきた方が、アピールしたいエピソード例はどのようなものがあるでしょうか。

「新たな分子を生み出した経験」、「大手企業との共同研究」、「他ジャンルとの共同研究」はおすすめのエピソード例です。

新たな分子を生み出した経験

有機化学は目に見えないものを扱う学問ですが、大きな目的として新たな分子や効率的な分子を生み出すことが課題です。

学生時代に教授の補助や他の大学や企業などとの共同研究を通じてであれ、新たな分子を生み出した経験はアピール材料になります。

どのような分子をどのように生み出し、何が課題で、どう工夫したり、苦労したりしたのかを具体的に伝えましょう。

その経験から得たことを、入社後にどう活かせるかもしっかり伝えてください。

大手企業との共同研究

企業との共同研究は、有機化学を専攻した学生の誰もが簡単に得られるチャンスではありません。

学生時代に体験できた貴重な経験として、ぜひアピール材料にしましょう。

就活は、企業の課題の解決や業務を担う人材を採用するための場です。

学生として一足先に企業担当者とともに研究に取り組み、企業の研究ノウハウや企業の研究スピードを経験したことは、大きなアピールポイントです。

その経験を入社後にどう活かすか、自信を持ってアピールしましょう。

他ジャンルとの共同研究

有機化学は理学部、工学部、薬学部、農学部と幅広い分野にまたがる理系の一大分野のひとつです。

さらに幅広い産業分野から、新たな開発ができないか注目を浴びる技術やノウハウがあり、新たな物質を生み出すことに期待が持たれています。

有機化学は多彩な分野で活かされるため、他の分野の学者や学生と共同研究する機会も少なくありません。

他ジャンルとの共同研究をしたエピソードは、さまざまな視点を持てる経験をしたアピール材料です。

ガクチカ作成の注意点

有機化学の研究開発をテーマにガクチカを作成する場合、どのような点に気をつければいいのでしょうか。

特に気をつけたいのは「研究の目的を明確にすること」、「どのような工夫をして結果を出したかを具体的に書くこと」です。

研究の目的を明確に

有機化学は研究テーマも幅広く、解決が期待されるさまざまな課題やニーズがある中、なぜ、その研究を選んだのか、目的を明確にしましょう。

どんな研究をしたのかエピソードを語るまでに、なぜ、その研究に取り組むことにしたのか目的を明確に伝えてください。

そうすることで、続いて語られる内容が相手に伝わりやすくなります。

ガクチカの構成としてメリハリをつけるためにも、まずは研究目的を明確に述べてください。

どのような工夫をして結果を出したかを具体的に

研究で得られた結果や成果の説明ももちろん必要ですが、どのような工夫をして実験に取り組んだのか、結果に至るプロセスを伝えることも大切です。

どのように研究に取り組み、どんな経験をしたかをしっかり伝えることで、入社後に仕事や研究課題にどう取り組むのか、企業の担当者がイメージできるからです。

どのような工夫をして課題を乗り越え、結果を導き出したかを具体的に伝えましょう。

難しい課題をどう克服したのか、工夫のやり方や乗り越え方に企業の担当者が注目します。

ガクチカ例文

「研究の目的を明確にすること」、「どのような工夫をして結果を出したかを具体的に書くこと」の注意点を踏まえ、実際にどう作成すればいいか例文を確認していきましょう。

新たな分子の発見

私が学生時代に力を入れて取り組んだのは、新たな分子の発見です。

新しい化学反応を見つけることができれば、薬が安くなり、発展途上国までいきわたるようになると考えたからです。

最初はマンガンを触媒に使ったイオン化学反応を用いて研究に取り組みました。

ですがうまくいかず、自分のセンスのなさに悩んでいたところ、教授から水中でのラジカル反応で試してみようと助言を受けたのです。

もっとも、有機化合物は油なので水には溶けません。

水中で有機化学反応を行うのは非常識な話なので、大変苦労しました。

一からラジカル反応について研究室にあった文献をすべて読破し、理解に努めながら研究に取り組んでいきました。

その結果、通常の有機溶媒の中ではなく、水の中でのみうまくいく反応を見い出すことができたのです。

その結果、水を溶媒とするラジカル反応で新たな分子を生み出す礎を築くことができました。

この経験から非常識と思われることでも、先入観を取り払って工夫することが大切だと学びました。

この経験を活かし、入社後も柔軟な考え方で新しい発見に向けて取り組んでいきたいです。

大手企業との共同研究

私が学生時代に最も力を入れたことは、大手企業との共同研究です。

ゼミの教授が汎用性の高い新しい合成方法論を開発し、天然物合成に展開した第一人者であったことから、〇〇社より共同研究のオファーを受け、学生メンバーの1人として参加できたのです。

創薬ターゲットとなるタンパク質の機能と構造の解析を目的とした、共同研究に取り組みました。

天然物を使用した光アフィニティープローブを設計したり、アフィニティー樹脂を合成したりするなど貴重な経験をさせていただきました。

確立された天然物の合成経路を利用して、類縁体を合成できたのも希少な経験です。

その結果、構造活性相関研究へとつなげることができました。

共同研究を通じて感じたのは、研究目標の立て方や計画、スケジュール管理が学生のスピードとはまったく違ったことです。

一方、教授の知見やノウハウをいかに活用するか、産学共同の取り組みの重要性も学びました。

この経験を活かし、入社後も企業だけではできないことを、これぞと思うノウハウをリサーチして見つけ出し、交渉を行って共同研究に結び付けていけるような人材になりたいです。

物理学者や生物学者との共同研究

私が学生時代に最も頑張ったのは、物理学者や生物学者との共同研究です。

私は薬学部の有機化学研究室に所属していますが、有機合成で植物から薬を作り出す目的で研究に取り組んでいました。

天然物に果てなき可能性を感じているからです。

中でも注目したのはハナショウガという植物に含まれるゼルンボンの分子です。

そこで、ハナショウガを育てている植物系の生物学者や、機能性材料の研究に取り組む物理学者が所属する研究室と、共同研究を行いました。

有機合成化学的手法でゼルンボンの分子構造を部分的に変えていくことで、香料成分をはじめ、抗菌剤や抗炎症剤などさまざまな機能性材料、薬品への応用が期待できるためです。

複雑な分子構造をよく眺めて研究し、人工的に合成するための簡単かつ大量に入手できるほかの物質は何かを考えるのに大変苦労しました。

他分野との共同研究により、さまざまな視点が入ったことで、ゼルンボンの構造を少し変えるだけで香しい匂いに変化することを発見できました。

この経験を活かし、入社後も、ひとつのことに固着せず、多様な視点を入れながら協働して課題を解決していける人材になりたいです。

まとめ

有機化学を研究した方がガクチカでアピールしたいエピソード例は、「新たな分子を生み出した経験」、「大手企業との共同研究」、「他ジャンルとの共同研究」です。

「研究の目的を明確にすること」、「どのような工夫をして結果を出したかを具体的に書くこと」の注意点を踏まえ、大学時代に力を入れたことをわかりやすく伝えましょう。

そして、入社後にどう貢献したいか具体的にアピールすることがポイントです。

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