
HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
はじめに
理系学生の皆さん! 自分の理系バックグラウンドを活かして就職活動をしようとした際、まず最初に思い浮かぶ職種はどう言ったものがあるでしょうか? 開発職 研究職 技術職 専門職などなど。
様々な職種のタイトルを耳にしていても、いくつかは 真っ先に理系向けのものだ!とわかるものがいくつかあると思います。
本日は、その中でも一番 「理系っぽい」職種として名高い 「技術職」 について解説します! 技術職とはなんなのか、どう言った仕事をするのか、そして技術職に就くには何をすればいいのか。
今回は就活中の皆さんが、 技術職を自分の進路の選択肢に入れるべきかどうかに必要な情報を全てまとめました!
【理系・技術職】そもそも技術職とは?
皆さんは技術職と聞いた際に、真っ先に思い浮かべるのはどう言った職種でしょうか? 工学部出身者が多い「モノづくりの現場」という言ったイメージを思い浮かべる人もいれば、 理系人材全般が集まる職全般を指しているイメージをお持ちの人もいるかもしれません。
実はそもそも「技術職」という単語自体が、様々な場面で利用されていることから、 時と場合によって技術職の指すものが異なることが多々あります。
まず文系理系と関係なく、幅広い種類の職の中から一つを指す場合の「技術職」があります。
この場合、 理系人材が求められる職全般を指すために技術職というタイトルが用いられることがあります。
これは文系専攻では養うことのできない、 専門的な技術を持っている人材を必要とした際、自然と理系人材がターゲットとなるからです。
一方で、理系人材向け限定の求人で「技術職」というタイトルが利用されていることもあります。
この場合は、他の理系職である研究職や開発職といった物と 区別されるために利用されています。
今回の記事では、このように 理系人材向けである前提で、提示される技術職について解説していきます。
技術職とは何を指すのか?
「技術職」というカテゴリに分類される職種は、実はたくさんあります。
理系就活の際に、技術職というタイトルがついている場合、全てに共通する点は 「すでに存在するプロダクトに携わる」ということです。
技術職というものは、新たに何かを作るのではなく、すでに出来上がっているプロダクトを生産したり、それを生産するためにすでに現存するプロセスや一連の流れを管理・改善したり、それら全般に関連する分野に携わる職種を指します。
物理的なプロダクトであったとしても、何かしらのソフトウェアのようなサービスであったとしても、まずは新規プロダクトを生み出し、それを販売できるようにする必要があります。
その後ようやく量産体制に入り、生産されたプロダクトが、ユーザーやビジネスと言った顧客の手に渡ります。
この一連の流れの量産体制から後半を担うのか技術職になります。
生産段階のプロセスに携わる職全般を技術職と呼びます。
なぜ理系人材が集まる?
理系人材が技術職に集まるのには理由があります。
まず初めに、学生時代に専攻としていた 専門知識や専門技術を活かすことができるからです。
自分の研究テーマや専攻と関連のある業界での技術職についた場合、研究職のようにその分野での研究を続けるわけでなくても、 今まで養ってきたスキルを活かすことができます。
また他の理由として、専門ソフトや専門的な機械や機器の操作法などを理系専攻としてある程度習得していることが、技術職といて生産ラインに携わる際に活きてきます。
他の理系職種と同様に、 今まで理系専攻として養ってきたスキルや知識がそのまま役に立つので、技術職は理系専攻に人気がある職種の一つなのです。
さらに、これは技術職に限ったことではありませんが、理系専攻の持つ理系脳・理系的思考回路といったものが効果的に発揮される職種の一つとして技術職があると言うことも事実です。
数字の扱いに慣れている事や、物事を論理的に処理できると言うスキルはどのような職でも重宝されます。
【理系・技術職】他の理系職との違いは?
理系向けの職種と聞いて、様々なタイトルを皆様も思い浮かべると思います。
冒頭に記述した通り、技術職のみならず、開発職、研究職、エンジニア職、生産職などなど。
これらを耳にした際に、真っ先に理系職だとわかっても、 実際それらの違いを把握していないことが多いのではないでしょうか? 各職種の小さなニュアンスの違いを理解していないと、実際にその職に着いた際に、想像していた物と全く異なる業務をすることになるなんてこともあります! それを回避するためにも、技術職と引き合いに出されることの多い他の理系職との違いを解説します!
研究職との違い
「研究職」とは、 ゼロから新しいプロダクトを生み出す職種です。
簡単にいうと、世の中に新しい物を送り出すことをメインとする職種です。
技術職がすでに存在するプロダクトの生産や管理をメインとする一方で、研究職はそのプロダクトになり得るであろう物を新しく発見したり生み出したりすることを業務とします。
まだ商品として 世の中に出回っていない物やコンセプトを新たに生み出したり発見したりするのが研究職になります。
もしソフトウェアを提供する企業だった場合、それに搭載する技術や内容そのものやコンセプトをゼロから生み出し具現化します。
また、もし自動車メーカーだった場合、より燃費の良いエンジンやボディデザイン、更には安全性を高めるためのシステムや構造を新たに発見するのが研究職です。
開発職との違い
「開発職」とは、 新たに生まれたプロダクトを世に送り出せるようにする職種です。
研究職が新たにプロダクトとして生み出した物を、実際に社会に送り出せるように仕様を変更したり、より現実的かつ量産性のあるものにしたりするのが開発職です。
より実践的かつ実際にユーザーに渡る商品に近い物を作ることをメインとします。
更には新規プロダクトを生産したり売り出したりするための一連のプロセスの構築や企画提案なども担当します。
研究職が生み出した物を 最終的な 実践段階に持っていくためのブラッシュアップを行うのが開発職です。
もしソフトウェア会社だった場合、現在企業の持つ生産力や一般的なユーザーの持っているスペックに見合った、より実践的かつ量産性・実用性のあるプロダクトに変更したりします。
自動車メーカーの場合よりユーザーの手の届く値段設定にするために、ある程度のダウングレードをしたり、マイナーチェンジ点を把握したりと、より生産される製品に近い物を作り出すのが開発職です。
その他との違い
上記の他にも、理系職と聞いて思い浮かべる職種の中で、字面だけでは技術職と似たようなニュアンスを持っている職種がいくつかあります。
例えばエンジニア職、テクニカル職や生産職といった物です。
これらは、研究職や開発職と違い、業界などによって仕事内容や指す職種が多々異なることがあるため、今回は割愛させていただきます。
しかしながら一つ言えるのは、 技術職というタイトルを掲げているポジションは、比較的生産ラインそのものに携わることが多いということです。
【理系・技術職】技術職の種類と仕事内容
技術職は主に製品やサービスの開発・設計、生産、品質管理、研究開発、ITインフラの構築・運用などに関わる職種を指します。
それぞれの仕事内容についてもう少し掘り下げて解説していきます。
研究開発職
研究開発職は、新しい技術や製品の根幹となる原理や理論を探求して、実用化のための基礎データや知見を得ることが主な役割となります。
大学や公的機関の研究職と共通点が多い一方で、企業における研究開発は製品化や事業化に直結するテーマを扱う点が大きな特徴です。
得られた研究成果は、新製品の開発や既存製品の改良に直接活かされて、企業の競争力強化に貢献します。
基礎研究から応用研究まで幅広い領域をカバーして、未来のビジネスを創造する重要や役職と言えるでしょう。
開発職
開発職は、研究成果や既存技術を活用して具体的な製品やサービスを創り出す役割を担います。例えば、自動車のエンジン、スマートフォンの新機能、または画期的なWebサービスなど、多岐にわたる企画、設計、試作、そして評価までを一貫して行います。
この職種は、新しい価値を創造して社会に貢献するやりがいのある仕事です。
技術的な知識や創造性を組み合わせて、人々の生活を豊かにする製品やサービスを具現化します。
設計職
設計職は、開発された製品やシステムの具体的な仕様に基づき、詳細な設計図やプログラムを作成する専門職です。
ものづくりの根幹を担い、アイデアを形にする重要な役割を担います。
携わる分野は多岐にわたり、例えば機械設計では自動車や家電などの機構、電気設計では回路や配線、ソフトウェア設計ではアプリケーションやシステムのプログラム、構造設計では建築物やインフラの骨組みなどを手掛けます。
それぞれの分野で専門的な知識と技術が不可欠であり、論理的思考力や問題解決能力も求められます。
設計職は、製品やシステムの品質、性能、安全性に直結する重要な役割を担い、専門性と創造性を活かして社会を支えています。
生産技術職
生産技術職は、製品の生産を効率的かつ高品質にするために重要な仕事です。
具体的には、生産ラインや製造プロセスの設計・改善を担います。
主な目標は、コスト削減、品質向上、そして納期短縮などが挙げられます。
これらの目標達成に向けて、生産現場全体の最適化を図ります。
この職種はものづくりの生産に不可欠な役割を果たしています。
常に改善を追求して、生産現場の最前線で、技術と知識を駆使して製品の価値を高めていきます。
品質管理職
品質管理・品質保証職は、製品が規定の品質基準を満たしているかを検証して、問題発生時には原因究明と改善策を通じて品質を維持・向上させる役割を担っています。製造プロセス全体にわたり品質を監視して、不良品の発生を未然に防ぎます。
具体的には品質検査の実施、データ分析、品質マネジメントシステムの運用などを行います。
万が一品質問題が発生した際には、迅速に是正措置を講じて再発防止に努めます。
この職種は、製品の信頼性を高めて顧客満足度を向上させるうえで不可欠であり、企業のブランドイメージと競争力の維持に大きく貢献します。
市場における製品の安全性と性能を保証して、顧客からの信頼を獲得するために重要な役割を果たす専門職です。
サービスエンジニア
サービスエンジニアは、顧客先に自社製品やシステムを導入後、その措置、保守、点検、修理を一貫して担う職種です。
この職種には、製品やシステムへの深い技術的専門知識が不可欠です。
それに加えて、顧客が抱える課題を正確に理解して、適切なソリューションを提供するためには、高いコミュニケーション能力が求められます。
単に、機械を扱うだけではなく、顧客との信頼関係を築き、技術と人間力で顧客のビジネスを支える重要な役割なのです。
システムエンジニア(SE)
システムエンジニアとプログラマはIT分野の技術職です。
SEは顧客の課題を解決するためにシステムの設計や開発を行い、プログラマはその設計に基づいてプログラミングを用いてシステムを構築します。
既存システムの改修や運用も大切な業務です。
これらの職種には、プログラミング言語の知識はもちろんのこと、論理的思考力や問題解決能力が不可欠となります。
具体的な職種例をみてみよう
理系の各分野の専門知識は、様々な技術職で活かされます。
ここでは、代表的な理系分野とそれに関連する技術例の例をいくつかご紹介します。
・自動車メーカー:エンジン設計、車体設計、生産技術、ロボット開発など
・重工業:タービン設計、プラントエンジニアリング、航空機開発など
・精密機器メーカー:カメラや医療機器の設計・開発、生産技術など
・半導体メーカー:半導体回路設計、プロセス開発、生産技術など
・家電メーカー:家電製品の回路設計、制御システム開発、品質保証など
・通信機器メーカー:通信システム設計、無線技術開発、ネットワーク構築など
・IT企業:システムエンジニア、プログラマ、データサイエンティスト、Aiエンジニアなど
・Webサービス企業:Webアプリケーション開発、インフラエンジニアなど
・化学メーカー:新素材の研究開発、化学製品の生産技術、品質管理など
・製薬会社:新薬の研究開発、製造プロセス開発、品質管理など
・食品メーカー:食品の開発、品質管理など
・建築会社:建築設計、施工管理、設備設計など
・インフラ企業:道路、橋梁、ダムなどの設計・開発、維持管理など
このように、大学で学んできた専門分野は多種多様な技術職と結びついています。
自分の興味や得意分野に合わせてどのような技術職があるのかを深く調べてみることが、就職活動成功への第一歩となるでしょう。
【理系・技術職】技術職のキャリアパス
キャリアパスの具体例
技術職のキャリアパスは大きく分けて以下の3つの方向性が考えられます。
1つ目は、特定の技術分野を深く掘り下げ、その分野のエキスパートを目指すスペシャリストコースです。
AI開発のプロフェッショナルや半導体設計のエキスパートなど、特定の技術領域で他にない専門性を築く道であり、技術の進化が速い現代では、常に新しい技術を学び続ける探究心が大切です。
2つ目は、技術開発のリーダーや部門のマネージャーとして、プロジェクトや組織全体を動かすゼネラリストコースです。
技術的な知識はもちろん、チームの育成、予算管理、他部署への連携など、幅広い視野とマネジメントスキルが求められます。
技術をベースにしながら、リーダーシップを発揮してチームを纏めたい人に向いています。
3つ目は、これまでの技術経験を活かして、営業職(技術営業)、企画職、コンサルタントなど、異なる職種へ転換するケースもあります。
例えば自社製品の技術的な強みを顧客に説明する技術営業や、製品企画段階から技術的実現可能性を検討する企画職などが挙げられます。
スキルアップと資格
技術職としてキャリアを築くには、継続的なスキルアップが不可欠です。
日々進化する技術に対応するためには、社内外の研修やオンライン学習、専門書の購読などを通じて、常に新しい知識を積極的に学び続ける事が重要です。
また、実際の業務を通じて先輩や上司から指導を受けるOJT(On-the-Job Training)は、実践的なスキルを身につける上で最も効果的な方法の一つです。
さらに、自身の専門性を客観的に証明する手段として、資格取得も有効です。
資格が直接的に昇進や昇給に繋がらない場合でも、知識の定着やモチベーション向上に役立ちます。
企業によっては資格取得を奨励する制度もあります。
【理系・技術職】新卒での技術職
新卒採用で求められるスキルと素養とは
技出色に求められる資質は多岐にわたりますが、特に重要なのは次の点です。
1つ目は、論理的思考力と問題解決能力です。
技術的な課題に直面した際、論理的に分析して、解決策を導き出す能力は不可欠です。
研究活動やゼミでの発表などを通じて培われた思考プロセスをアピールしましょう。
次に、専門知識に加えて新しいことを学ぶ意欲が重視されます。
技術は常に進化するため、入社後も継続的に学習し、スキルアップしていく姿勢を示すことが重要です。
また、指示されたことだけをこなすのではなく、自ら課題を見つけて解決しようとする主体性と、目標達成のために積極的に行動する力も重要です。
研究室や課外活動で主体的に動いた経験を具体的に語れると良いでしょう。
加えて、技術開発はチームで進めることがほとんどであるため、コミュニケーション能力と協調性も非常に重要です。
他社と円滑にコミュニケーションを取り、協力して目標を達成する能力は、共同作業やアルバイト経験などを培った経験をアピールできます。
就職活動のポイント
就職活動を進めるにあたり、まずは徹底的な自己分析から始めましょう。
自身の強みや弱み、興味、将来の目標を深く掘り下げることで、応募する企業や職種の軸が定まり、説得力のある志望動機を語れるようになります。
次に興味のある企業や業界について、事業内容や企業文化、将来性などを深く掘り下げて調べましょう。
自己分析や企業研究を終えたら、いよいよ選考対策です。
エントリーシートは学業で力を入れたことや自己PR、志望動機などを具体的なエピソードを交えながら論理的に記述する事が重要です。
特に技術職の場合は、自身の専門性がどのように企業で活かせるのか、具体的なイメージを持って書きましょう。
面接では、ESの内容を深堀りされるだけではなく、コミュニケーション能力や人柄も見られています。
想定される質問への回答を準備して、模擬面接などを通じて練習を重ねることで、自信を持って望めるようになります。
特に、専門外の人にも研究内容を分かりやすく説明する練習が有効です。
情報系やデザイン系など、成果物を形にしやすい分野では、自身のスキルを可視化できるポートフォリオを作成することも効果的です。
インターンシップには積極的に参加しよう
新卒で技術職を目指すうえで、インターンシップは非常に貴重な機会です。
実際の職場の雰囲気や仕事内容を肌で感じられるため、企業説明会やウェブサイトだけではわからない具体的な働き方を知ることができます。
これにより、自分の興味や適性がその企業の仕事内容や文化に合っているかを確認できます。
インターンシップでは、短期間でも実際の業務に触れることで、学校では得られない実践的なスキルや経験を積むことができます。
これらは就職活動時の自己PRに役立つだけでなく、社員と直接交流して、仕事のやりがいキャリアパスについて質問したり、将来のキャリアを考えるうえでは貴重な人脈を形成したりする機会にもなります。
さらに、企業によってはインターンシップの参加者を対象に早期選考の機会や優遇措置を設けている場合もあります。
長期だけではなく、短期の1dayインターンシップやオンラインインターンシップなども積極的に活用して、自身のキャリア形成に役立てましょう。
【理系・技術職】技術職のやりがいと厳しさとは
技術職は、専門性を活かして社会に貢献できる魅力的な仕事ですが、同時に厳しさも伴います。
就職後のギャップをなくすためにも、その両面を理解しておくことが重要です。
技術職の魅力と達成感
自分が開発した製品やシステムが社会の課題を解決し、多くの人々の役に立っていると実感できることは、大きな喜びです。
医療機器の開発で人々の命を救ったり、環境技術の開発で地球環境の保全に貢献したりと、その影響は計り知れません。
また、常に新しい技術や知識を学び、未解決の課題に挑戦できる環境も大きな魅力です。
研究開発を通じて新しい発見をしたり、複雑な問題を解決したりするプロセスは、知的好奇心を刺激し、大きなやりがいとなります。
専門性を深め、技術者として成長していく過程で、自身のスキルが向上していく実感を得られることも重要なやりがいの一つです。
特に、困難な技術課題を乗り越えたときの達成感は格別です。
さらに、大規模なプロジェクトでは、多くの技術者が協力し、それぞれの専門性を持ち寄って一つの目標に向かいます。
チームで苦労を分かち合い、目標を達成したときの喜びは、個人で成し遂げたときとはまた異なる、特別なやりがいをもたらしてくれます。
技術職の課題と乗り越え方
技術職として働く上では、いくつかの課題に直面することがあります。
まず、技術の進歩が速いため、一度学んだ知識だけで通用することは稀で、新しい技術やツールを常に学び続ける必要があります。
この継続的な学習へのモチベーションを維持することが課題となることがあります。
また、研究開発や新しい技術の導入には試行錯誤がつきもので、なかなか期待通りの成果が出ない時期が続くこともあります。
このような停滞期を乗り越えるには、粘り強さや前向きな姿勢が求められます。
企業での技術開発は、納期やコストといったビジネス上の制約の中で進める必要があるため、理想を追求するだけでなく、現実的な制約の中で最善の解決策を見つけ出すバランス感覚も重要です。
さらに、技術者は黙々と作業するイメージがあるかもしれませんが、実際には多くの人とのコミュニケーションが必要です。
他部署との連携や顧客との折衝も多く、専門的な内容を非専門家にも分かりやすく説明する能力や、異なる意見を調整する力が求められます。
そして、自分が開発した製品やシステムが社会に与える影響は大きく、品質や安全性に対する責任は重大です。
万が一、不具合が発生した場合には、その原因究明と対応に追われることもあります。
【理系・技術職】技術職の将来性
AIやIoT、DX(デジタルトランスフォーメーション)といった技術革新が急速に進む現代において、技術職の将来性は非常に高いと言えます。
しかし、求められる人材像は変化しつつあります。
AI・IoT時代における技術職の役割
AIやIoTの普及は社会全体に大きな変革をもたらしており、それに伴い技術職の役割も進化しています。
まず、データ活用能力の重要性がますます高まっています。
IoTデバイスから収集される膨大なデータを分析し、ビジネスに活かす能力は、あらゆる分野の技術職に求められるようになります。
AIを用いたデータ分析や予測モデルを構築できる、データサイエンスの知識を持つ技術者は、今後さらに価値が高まるでしょう。
また、AIやロボット技術の進化により、単純作業や定型業務の自動化が進むため、技術職はこれらの技術を開発・導入することで、生産性向上やコスト削減に貢献する役割を担います。
さらに、AIやIoTはこれまでにない製品やサービスの創出を可能にするため、技術職にはこれらの先端技術を理解し、既存の枠にとらわれない発想で新たな価値を生み出すイノベーターとしての役割も期待されます。
そして、あらゆるモノがインターネットに繋がるIoT時代において、サイバーセキュリティの脅威は増大しています。
そのため、技術職はシステムやデータの安全性を確保するためのセキュリティ技術の開発・導入・運用において、ますます重要な役割を担うことになります。
求められる人材の変化
今後、技術職に求められるスキルは、従来の専門性だけでなく、より多岐にわたるものへと変化しています。
まず、自身の専門分野に加え、AIやデータサイエンス、クラウドコンピューティングといった関連分野の知識を横断的に持つ「T字型人材」が重宝されます。
また、単に技術を追求するだけでなく、それがどのようなビジネス価値を生み出し、顧客の課題を解決するのかといったビジネス視点や顧客志向も不可欠です。
技術者が企画段階から積極的に関与し、ビジネスサイドと連携する機会は今後ますます増えるでしょう。
技術の進化が加速する現代においては、新しい技術や知識を柔軟に吸収し、自らを常にアップデートしていく変化への適応力と学習意欲が、生き残るために欠かせません。
さらに、AIが定型的な作業を担うようになる中で、人間には創造性や、ゼロから新しいものを生み出す力、そして潜在的な課題を発見し解決策を考案する力がより強く求められます。
加えて、技術開発が国境を越えて行われることが増えているため、海外の企業や人材と協業する機会も増えています。
そのため、異文化理解や語学力、グローバルな視点を持つことも、今後の技術者にとって重要な資質となるでしょう。
おわりに
いかがでしたでしょうか? 理系学生として就活をする際に、必ずといっていいほど登場する技術職という選択肢。
それが一体どういったものなのか理解していただけたでしょうか? この記事を参考に、自分が技術職に向いているのかどうか把握して、より詳しく調べてみるのか、または別の職種を見てみるのかといったことを決める手助けになれたのであれば幸いです。