HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
【早稲田の理系ってどんなところ?】はじめに
文系のイメージが強い早稲田大学ですが、実は理系の学部もいろいろとあります。
早稲田大学の理系学部では一体どんな勉強をしているのか、ほかの大学の理系学部とはどう違うのか、知りたいという方もいらっしゃることでしょう。
理系学部を志望する学生にとっては、大学の実験環境設備、卒業までの難易度、卒業後の進路なども、気になるところです。
本記事で、早稲田大学の理系学部の種類、大学院進学率、主な就職先などをご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
【早稲田の理系ってどんなところ?】学部の種類
まず最初に、早稲田大学の理系学部の種類から見ていきましょう。
早稲田大学の理系学部は、基幹理工学部、創造理工学部、先進理工学部の計3つです。
各学部は、さらに複数の学科に分かれており、一口に理系といっても、各学部・学科によって学ぶ内容が大きく異なっているのです。
また、各学部によって授業の難易度にも差があり、在籍している学生の雰囲気、卒業生の進路などにも違いがあります。
それぞれの学部の特徴については、以下の通りです。
基幹理工学部
基幹理工学部は、機械工学、コンピューターに関する先端技術などを学ぶ学科です。
航空系やアート系の学科もあることから、早稲田の理系中では人気の学部となっています。
基幹理工学部は、学系Ⅰ、学系Ⅱ、学系Ⅲの3つの学系があり、さらに各学系は複数の学科に分かれているのです。
学系Ⅰは、数学科と応用数理学科の2つの学科があり、数学を主に学びます。
学系Ⅱは、 応用数理学科、機械科学・航空学科、電子物理システム学科、情報理工学部、情報通信学部の5つの学科です。
学系Ⅲは、情報理工学部、情報通信学部、表現工学科の3つの学科があります。
中でも、表現工学科は、写真表現、音楽プログラミング、映像制作実習などの理系学部では珍しくアートに関する科目が学べることが特徴です。
創造理工学部
創造理工学部は、建築、社会環境、社会資源などといったインフラに関わること学ぶ学科です。
用意されている学科は、建築学科、総合機械工学科、経営システム工学科、社会環境工学科、環境資源工学科の計5つあります。
そのほかに、経営システム専攻、社会文化領域なども用意されており、理系学部でありながら、文系よりの内容を学ぶことも可能です。
ちなみに、創造理工学部の建築学科では、美大や芸大受験で行われているようなデッサンの試験があるため、一般的な理系学部とは違った入試対策が必要となってきます。
建築、エネルギー問題、雇用問題など私たちの身近にあることについて勉強する学科が多いことから、比較的自由な気風を持った学生が多いことも、創造理工学部の特徴です。
先進理工学部
先進理工学部は、理学、工学、医学分野における先端科学技術など勉強する学科です。
早稲田大学の理系学部の中では、偏差値が特に高い学部としても知られています。
用意されている学科は、物理学科、応用物理学科、化学・生命化学科、応用化学科、生命医学科、電気・情報生命工学科の計6つです。
ちなみに、生命医学科は、物理学、化学、生物学、基礎医学などを学ぶ学科です。
医学部ではないため、医師免許は取得できません。
先進理工学部の各学科では、難解で、高度なことを学ぶことから、授業スケジュールはかなりハードです。
一限から六限まで、丸一日実験で埋まっていることも珍しくありません。
早稲田大学の理系学部の中で、最も卒業するのが難しいと言われており、留年率も非常に高いです。
【早稲田の理系ってどんなところ?】大学院進学率
次は、早稲田大学の理系学部の大学院進学率についても、見ていきましょう。
早稲田大学公式ホームページには、「基幹・創造・先進理工学部の各理系学部の卒業生の68.4%が大学院へ進んでいる」との記載があります。
学部卒業後に就職を選んだ学生は、全体の27.6%ほどしかいません。
大学院進学率が非常に高いのが、早稲田大学の理系学部の特徴です。
学科・専攻別で見ると、大学院進学率が一番高いのは、生命医科学科(生命医科学専攻)です。
応用化学科(応用化学専攻)、総合機械工学科(総合機械工学専攻)などの学生も、8割近くが大学院へ進学しています。
なお、大学院進学後、博士課程を修了した後の進路については、約90%の学生が就職の道を選んでいます。
博士後期課程進学を選ぶ学生は、9%ほどです。
【早稲田の理系ってどんなところ?】他大学に比べて
ほかの理系の大学と比較して、早稲田大学の理系学部は一体どんなところなのだろうと気になるという方も多いことでしょう。
早稲田大学の理系学部には、「実験の環境が整っている」「キャンパスが都内にある」「人数が多く、学科の数も多い」など、ほかの大学ではあまり見られない利点があります。
また、理系学部であるにもかかわらず、「文系の科目が取りやすい」環境であることも、総合大学である早稲田大学の大きなメリットとなっています。
実験の環境が整っている
どこの理系大学でも、学部時代から学生に対して、基礎的な実験が課せられているのが一般的です。
早稲田大学は、私立の有名大学ということもあり、充実した実験環境が整っています。
物理系、化学系、工学系、生命科学系など、さまざまな基礎実験室があります。
また、実験に使う器具についても、一人一個ほど用意されているため、高いレベルでの研究が行える環境が揃っているのです。
早稲田大学の理系学部には、建築系の学科もあることから、強度や破壊を調査することや建物の振動実験が行える材料実験室も用意されています。
そのほかにも、東京女子医科大学と連携した先端生命医科学センター、物性計測センターラボ、理工メディアセンター、製図・CAD室などもあります。
キャンパスが都内にある
東京都内にキャンパスがあることも、早稲田大学の理系学部の特色です。
基幹理工学部、創造理工学部、先進理工学部のキャンパスの所在地は、東京都新宿区大久保エリアにあります。
JR山手線の高田馬場駅から徒歩15分、東京メトロ副都心線の西早稲田駅直結という通学環境に恵まれた場所に、西早稲田キャンパスがあるのです。
ほかの理系の大学では、広大な敷地面積の確保が難しいことや都会は土地代が高いなどの事情もあり、地方にキャンパスがあるところがほとんどです。
早稲田大学の理系学部のように大都会にキャンパスを持っているケースは稀であるため、都内で憧れのキャンパスライフを過ごしたいという学生からも、人気が高い学部となっています。
人数が多く、学科の数も多い
他の理系大学と比較して、早稲田大学の理系学部は、学生数が非常に多いです。
2020年度の各学部の在籍者数は、基幹理工学部が2,551名、創造理工学部が2,536名、先進理工学部が2,295名でした。
理系の全部の学部を合わせると、約7,000名以上もの学生たちが学んでいるのです。
1つのキャンパス内にたくさんの学生が集まってくるため、学生同士での良い出会いも期待でき、気が合う友達も作りやすい環境です。
また、早稲田大学の理系学部は、複数の学部のほかにさまざまな学科や専攻科目も用意されています。
音響系、建築系、航空系などいろいろな科目を学ぶことが可能です。
今後学びたいことをじっくり検討できることが、早稲田大学の理系学部ならではの特色となっています。
文系の科目が取りやすい
早稲田大学は、教育学部、文学部、法学部、政治経済学部など、文系の学部があることでも有名な大学です。
これまでに、小説家、政治評論家、脚本家などの文化人をたくさん輩出してきた名門大学としても知られています。
文系の学部が充実している早稲田大学は、理系学部と文系学部のキャンパスの距離が非常に近いという特色もあります。
法学部や教育学部がある早稲田キャンパスは新宿区西早稲田、文学部がある戸山キャンパスは新宿区戸山にあり、理系学部がある西早稲田キャンパスから徒歩でアクセス可能です。
そのため、理系の学生も文系の科目を気軽に学びやすい環境となっているのです。
理系のほかに、文系の科目にも興味があるという学生にとっては、最高の勉強環境が整っている大学と言えます。
【早稲田の理系ってどんなところ?】主な就職先業界は?
最後に、早稲田大学の理系学部の卒業生の就職先をご紹介いたします。
卒業生の主な就職先は、電気や情報機器メーカー、鉄道や航空など運輸業界、ソフトウェアなどコンピューター関連の企業がほとんどです。
建築士など専門資格を活かせる職に就く学生も多いです。
また、数は少ないですが、国家公務員を目指す学生や教師などの職を選ぶ学生もいます。
項目ごとに、早稲田大学の理系学部の卒業生がどんな企業へ就職しているのか見ていきましょう。
電気機器・情報機器メーカー
早稲田大学の理系学部卒業生の主な就職先は、電気機器や情報機器メーカーなどです。
電気機器・情報機器メーカーでは、専門知識や専門知識が求められることから、大学時代に情報理工学、電子物理システム、応用数理学科、電気・情報生命工学科などを勉強していた学生が重宝されやすい傾向となっています。
特に、第一級陸上無線技術士、電気主任技術者 第一・二・三種などの資格を取得している理系の卒業生は、電気機器や情報機器メーカーのエンジニア職として採用されることもあります。
ソニー株式会社、東芝三菱電気産業システム株式会社、日立製作所、 三菱電機株式会社など、誰もが知っているような大手メーカーへ就職する卒業生も多いです。
鉄道・航空・運輸業界
鉄道業界や運輸業界なども、早稲田大学の理系学部卒業生たちの主な就職先となっています。
基幹理工学部で機械科学・航空宇宙学科を専攻していた卒業生たちの中には、航空業界へ就職する人も多くなっています。
早稲田大学の機械科学・航空宇宙学科は、ほかの大学よりも偏差値が高いうえに、授業内容や実験環境のレベルが圧倒的に高いのが特徴です。
そのため、早稲田大学の理系学部で専門的なことを勉強してきた学生たちは、企業側からも良い評価を得ており、就職活動でも有利な状況となっているのです。
卒業生が就職した鉄道や運輸系の大手企業としては、東京急行電鉄株式会社、東日本旅客鉄道株式会社、全日本空輸株式会社、首都高速道路株式会社などがあります。
情報通信・ソフトウェア
早稲田大学の理系学部卒業生たちの間では、情報通信業界、ソフトウェア業界など、コンピューター関連の企業も人気となっています。
特に、基幹理工学部の数学応用数理、情報理工学部、情報通信学部などを専攻していた学生は、卒業後にこの業界へ業界へ就職する人が多い傾向です。
情報通信業界やソフトウェア業界には、コンピューター工学、ソフトウェア工学、電子回路 プログラミングなど大学で学んだ知識を活かして働ける職場がたくさんあります。
情報処理やコンピューターに関する専門知識がある早稲田大学の理系学部卒業生は、入社後即戦力としても期待されているのです。
就職先の企業としては、ソフトバンク株式会社、エヌ・ティ・ティ・データ、新日鉄住金ソリューションズ、ワークスアプリケーションズなどがあります。
【早稲田の理系ってどんなところ?】まとめ
今回は、早稲田大学の理系学部の種類、ほかの理系大学との違い、卒業生の就職先などについて、紹介しました。
一口に理系学部といっても、基幹理工学部、創造理工学部、先進理工学部などがあり、さらにさまざまな学科や専攻も用意されています。
アート、文学など理系以外の科目も学びやすい環境となっているのが、早稲田大学の理系学部の特色です。
本記事の情報も参考にしながら、早稲田大学の理系学部のイメージを掴んでみてください。
要約
早稲田大学の理系学部は、基幹理工学部、創造理工学部、先進理工学部の3つです。
各学部には、応用数理学科、経営システム工学科、社会環境工学科、化学・生命化学科など、たくさんの学科があります。
建築系の学科もあり、入試でデッサンが出題されるのも、早稲田大学の理系学部の特徴です。
ほかの理系大学と大きな違いは、実験の環境が整っていることです。
キャンパス内には、さまざまな分野の基礎実験室のほかに、先端生命医科学センター、物性計測センターラボ、理工メディアセンターなども揃っており、レベルの高い実験を行うことができます。
他の理系大学よりも在籍学生の人数が多いこと、文系の科目も取りやすいこと、交通の便が良い東京都内にキャンパスがあることも、早稲田大学の理系学部の特色です。
学部卒業生の約7割が大学院へ進学しています。
卒業後の主な就職先は、電気機器・情報機器メーカー、情報通信・ソフトウェア、鉄道・航空・運輸業界などが多いです。