流体力学研究室って何するの?研究テーマや就職先、将来性を紹介!

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伊東美奈
Digmedia編集長
伊東美奈

HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。

はじめに

流体力学研究室では、日常に直結した分野を研究しています。

流体力学は機械工学の一種ですが、テーマごとに必要とされる能力も異なります。

研究内容がわかれば、それがどのようにして日常生活に反映されているかもわかるでしょう。

また、日常生活で必要な学問だからこそ、就職先が多いのは研究生にとってのメリットです。

流体力学のテーマやどの分野で活躍するのかなど、今回はご紹介します。

ぜひ、流体力学の研究内容を知り、日常生活での影響力も知っておきましょう。

【流体力学研究室ってどんなところ?】流体力学研究室の実態

流体力学は、機械工学の一種であり、流体力学研究室では流体の静止や運動状態、他の物体へ及ぼす力などを研究しています。

機械工学には4つの力学「機械力学」「材料力学」「熱力学」「流体力学」があり、流体力学はその1分野として研究されています。

流体力学の研究は、自由に変形する流体の運動を分析、または解析する学問であり、高額的な応用が利くとして昨今注目を集めているのです。

実際には流体力学の知識がなくても、コンピュータやシミュレーションなどでまかなえることが多いでしょう。

ただ、気体と液体を合わせた流体の運動を研究する流体力学は、航空関係の職種に就くなら、ぜひ身につけておきたい知識です。

役に立つシーンが少なかったとしても、基礎を覚えておいて損はないでしょう。

流体力学研究の現状

流体力学は、シミュレーション技術の向上などにより研究力が増加しています

計算流体力学の市場規模を見てみると、2020年には13億ドルの規模でしたが、2027年には27億6000万ドルまで成長するともいわれているからです。

また、2021年から2027年のCAGRでも11.02%になるとの予想がされています。

機械工学は4種に分かれると書きましたが、その中でも重要視されているのが流体力学です。

商用電力として注目を集めている、水力や火力、原子力、風力発電などにも流体力学の研究が反映されています。

昨今ではロケット開発にも流体力学が使われ、ほかにも、鉄道やリニアモーターカーなどのスピードアップ、騒音防止など、活躍の場は広いといえるでしょう。

流体力学の将来性

流体力学は、飛行機や車など、エネルギーを扱う分野での研究がメインです。

環境問題などにも直結し、将来性がある学問としても注目されています。

電気エネルギーも流体力学の応用ですが、上下水道や都市ガスなどのパイプを使用した流体輸送もまた応用技術の1つです。

ほかにも、金属やプラスチックの製造でも、原料を型に流し込む際に流体力学が応用されている例です。

昨今ではロケット開発などにも応用力学が使われていると書きましたが、身近な鉄道やリニアモーターカーなど、活躍の場は広いでしょう。

流体力学は、空気と水に関連する学問なので、日常生活に直結する学問でもあります。

流体の影響を受けることは多々あるため、将来的にも日常生活を豊かにしてくれる学問といえるでしょう。

【流体力学研究室ってどんなところ?】流体力学のテーマごとに紹介

流体力学は、日常生活のさまざまなシーンで応用されています。

たとえば、飛行機や新幹線などの機械に関する研究、大気に関する研究、水の流れに関係する研究など、日常生活とは切って離せない関係です。

機械工学のテーマでは、「流れ学」と「流体力学」がメインとなります。

流れ学とは、流体が運動している状態を学ぶ学問で、流体力学は流体の力学的釣り合いや運動を分析するとの違いがあります。

また、流体には気体と液体が含まれており、気体も流体に入る点には注意しましょう。

飛行機や新幹線などの機械における研究

流体力学研究室は、機械の進行と空気の流れの関係を研究する機関です。

どうしたら、飛行機や新幹線が効率よく進むかを考え、シミュレーションするのが主な役割です。

飛行機が飛ぶ原理や、新幹線の形が現在のようにカモノハシタイプになった理由など、流体力学は強く影響しています。

たとえば、飛行機では、航空機周辺の空気の流れを把握するために流体力学が応用されています。

なぜ、飛行機に流体力学が使われているかは、風洞試験よりもコスト削減ができるなどの理由があるからです。

また、新幹線はスピードも大切ですが、同時に騒音対策もしなければなりません。

以前は尖った形をしていた新幹線がカモノハシ型になった理由は、トンネル内での騒音を抑えるためでもあります。

大気に関する研究

流体力学では、気流について研究することで、気象条件や大気汚染についても応用が可能です。

大気汚染で有効とされるグリーンインフラですが、主に森林の大気汚染対策に使われています。

ただ、大気汚染だけが注目されてしまい、流体力学の観点からの研究は遅れているのが現状です。

そこで、森林を対象に風洞実験を行った結果、トレーサガスの濃度と森林の密度が深く影響していることもわかりました。

また、3D局所大気環境シミュレータが開発されたことで、大気中の移流拡散の状態を3Dで計算できるようになります。

シミュレータの開発により、温度や湿度、大気汚染物質、排気ガスの分布などもわかるようになり、今後も重要視される研究でしょう。

水の流れに関する研究

流体力学は、水の流れに関する研究も盛んに行われています。

洪水における橋の強度、ダムの設計など、水とモノの関わりについての研究が重視されるようになったからです。

流体力学で分析された理論を実際に使えるようにした学問で「水理学」があります。

流体の流れは実際の現場で考えると理解も深まります。

たとえば、河川の設計を考えるとき、洪水の被害を小さくしたい、もしくは生物が住めるようにしたいなど目的があるでしょう。

洪水の被害を小さくしたいなら、河川の水がまっすぐに流れ、両端に護岸工事をするなどが考えられます。

ただ住宅地などは、河川をまっすぐにできないため、堤防の高さが重要です。

その高さを割り出すのに必要なのが流体力学であり、日常生活で必要とされるのは理由があります。

【流体力学研究室ってどんなところ?】流体力学研究室の就職先

流体力学研究室の就職先は多くありますが、機械とは切っても切れない関係です。

機械工学の1つである流体力学について研究をしている学生なら、工作機械や建設機械などの機械業界、石油関連業界や化学関連業界、土木関連業界など引く手あまたでしょう。

選択肢が多すぎて絞れないほどに就職先は見つかりやすいです。

流体力学が応用できる業界を広く理解し、自分に最適と思われる企業を探しましょう。

流体力学の可能性を広げるためにも、どんな企業に就職するかは大切なポイントです。

メーカー

流体力学について詳しい研究生は、自動車産業や航空産業など、大手メーカーに就職する人が多い傾向にあります。

自動車産業でも、自動車やバイク、飛行機、船、電車などの乗り物に関する業界では活躍の可能性も高まるでしょう。

そのため、以下のようなものづくりのできるメーカーが研究生に人気の就職先になります。

・トヨタ

・ホンダ ・日産 ・Suzuki ・YAMAHA ・三菱重工 ・川崎重工など

ほかにも、電気機器や機械を製造する業界も人気があり、昨今ではスマートフォン製作などの需要も高まっています。

電気機器のメーカーであれば、以下のようなメーカーも人気の就職先です。

・パナソニック ・ソニー ・NEC ・東芝 ・日立製作所 ・キヤノンなど

自分の得意分野を活かせるように、広い視点で就職先を探してみてください。

研究職

流体力学研究室の経験者が、そのまま研究職に就く可能性もあります。

流体力学分野は細かい計算が必要とされるため、専門知識は不可欠だからです。

就職先の範囲はそれほど広くありませんが、そのまま研究職に就職する人も多くいます。

研究職に就きたい場合、直接開発や設計に携わる仕事ではなく、理論の応用などの方が向いているでしょう。

もし、研究実績を活かした職業を選ぶなら、民間のシンクタンクや研究機関の一員になるのがおすすめです。

研究を専門にするのですから、大学や大学院での研究実績は必須です。

就職先が見つからない場合は、そのまま大学の研究室に残るとの選択肢もあります。

ただ、日本ではまだ環境が整っていないこともあり、研究職は難しい分野であることを覚えておきましょう。

【流体力学研究室ってどんなところ?】研究室の選び方を紹介!

流体力学は、シミュレーション技術の向上などの影響で研究力が増し、同時に研究力も増加傾向にあります。

流体力学研究室を選ぶなら、まず目的について考えなくてはなりません。

たとえば、自動車に興味がある人、災害時にロボットで役立ちたい人などは、それぞれ目的自体が違うからです。

自動車に興味があったとしても、ハイブリッド車のモーターやドライブコントローラーなどは「情報工学」や「電子工学」の方が向いているでしょう。

また、ロボット工学に対して興味がある人であれば、ロボットや機械や装置を製造する仕事が向いています。

流体力学の分野と情報工学などは似ているようですが全くの別物です。

まずは、目的を明確にし、自分の実績が発揮できる研究室を選びましょう。

詳しくは、「研究室選び方」の記事をご覧ください。

【流体力学研究室ってどんなところ?】まとめ

流体力学研究室の研究内容やテーマ、どんな分野で使われているのかなどご紹介してみました。

流体力学は空気や水に直結した研究なので、日常生活にも影響を与える分野です。

また、流体力学は、自動車や電車、飛行機などの設計にも関連する分野でもあります。

流体力学の知識がある人の就職先は多いですが、自分の得意な分野で選ぶのがおすすめです。

ぜひ、流体力学の研究室の研究内容を知り、日常でどのように使われているかなど確認してください。

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