HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
はじめに
プログラミングを学んでいるうえで、実際に自身の技術力を試せる機会は少ないかもしれません。
特にエンジニアなど専門的な職業に就いていない場合は、現在の実力がわかりにくく、学習のモチベーション低下につながる可能性もあるでしょう。
その際におすすめしたいのが、プログラミング競技です。
簡単にいうとプログラミング技術を競い合う大会のことです。
近年その規模は広がりつつあります。
本記事では、プログラミング競技について詳しく紹介するのでぜひ参考にしてみてください。
【競技プログラミングとは?】競技プログラミングとは?
競技プログラミングとは、与えられた課題を参加者がプログラミングで解決する速さや正確さを競う競技です。
競技時間は2時間程度で終わるものから、1日かけるものまであり、その形態は多種多様に存在します。
プログラミングと聞くと、どうしても専門的なイメージをもたれる方が多いかもしれません。
しかし、実際には明確な参加規定を設けていない大会がほとんどです。
特別な資格を持たない人でも、気軽に参加できるのが魅力の1つでしょう。
それだけ大会自体の自由度が高い反面、審査内容も細分化されているのも競技プログラミングの特徴です。
たとえば、大会の趣旨にそってさまざまな問題が出されるものや、コンペのように自分でプログラミングを1つの作品のように完成させる形態もあります。
自分が得意な系統のものや、挑戦してみたいと感じる大会を探してみるのもよいでしょう。
競技人口はどれくらい?
プログラミング大会の競技人口は近年増加傾向にあります。
日本で最大級のサイトは、参加者が1万人を超えることもあるのです。
競技人口の増加と共に、盛り上がりを見せているといえるでしょう。
さらに、昔と比べると学校教育においても、小学生のうちからPCやスマホなどの電子機器に触れる機会は格段に増えてきました。
実際に幼いころからPCが身近にあることで、プログラミングに触れる機会はとても多いのです。
それこそプログラミングについてわかりやすく解説している動画や、人気児童作品を題材にしたプログラミング教材などコンテンツは至るところにあります。
最近では学生を対象にしたプログラミング大会も多く開催され、今後さらに競技人口は増えていくでしょう。
また、それに伴い参加者は比較的若年層が多く、大会全体の雰囲気も活気のある場合がほとんどです。
どんな人が参加するの?
プログラミング競技の参加者は、ある程度プログラミング経験がある人や、実際にシステムエンジニアなどの専門職に就いている場合が多いです。
単純にプログラミング技術の向上のために参加する人や、会社の上司に勧められて出場する場合など参加理由はそれぞれあります。
いずれにしても技術に自信のある人が多いでしょう。
しかし、プログラミング初心者や、大会に参加したことがない未経験者でも参加できます。
実際に大会のレベルは出題される問題によって大きく異なります。
それだけ参加の窓口が広く、自由度の高い業界であるといえるでしょう。
特に最初のうちは、いわゆる初心者向けといえる大会に参加して経験を積むのがおすすめです。
事前にしっかりと情報を集め、自分のレベルに合った大会へ参加しましょう。
開催方法とは?
開催方法は、主に大会やコンテストがおこなわれているサイト上で参加することが多いです。
実際に日本で開催されているほとんどの大会には、必ずWebサイトが存在します。
そこでは全国の参加者の成績などを見ることができ、大会に参加する大きなモチベーションとなるでしょう。
プログラミングは主に数字を利用して構築する、いわば計算式のようなものです。
言語や人種を問わず多くの人がプログラミングを学習できたり、ネットを通じて世界中の人々と交流できたりするのもプログラミング大会の大きな魅力といえるでしょう。
また、大会に申し込む際も、通常の資格取得と同じようにネット上で気軽に申し込めます。
これらも自由度が高いプログラミング業界ならではの特徴です。
【競技プログラミングとは?】競技プログラミングの魅力とは?
これまでは競技プログラミング大会における、基本的な情報を紹介してきました。
そもそもプログラミング自体は比較的新しく生まれたもので、今後伸びしろのあるジャンルといえます。
一見すると複雑な印象を受けるかもしれません。
しかし、比較的新しいコンテンツゆえに、大会や作品なども自由度の高いものが多いです。
経験の有無に関わらず、誰でも気軽に挑戦できるのも魅力の1つといえるでしょう。
競技プログラミングの魅力をさらに詳しく紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。
自分のプログラミングのレベル感がわかる
競技プログラミングに参加すると、自分のレベルを知ることができます。
特にエンジニアの職業に就いている場合、普段は人と比較する機会がほとんどありません。
実際に大会に参加すると、周りと比べたプログラミングのレベル感がわかります。
もちろん人と比べられることに苦手意識がある場合や、しっかりと自分のペースでプログラミングの技術を磨いていきたい人は無理に参加する必要はありません。
しかし、自分の実力の試すのに、これ以上最適な場所はないでしょう。
誰かと競争することで成長につながる場合もあります。
何より競技参加者は世界中にいるので、国内に留まらず広い視野をもてるようになります。
実際にネット上ではランキング形式で大会の参加者が表示されているサイトもあるので、1度のぞいてみるとよいでしょう。
モチベーションにつながる
先ほどは自らのレベルを知ることは、非常に重要な過程であることを紹介しました。
ジャンルこそ違いますが、スポーツの競技のような感覚でプログラミングに取り組み、競い合うことでモチベーションが高まることも、大きな魅力の1つです。
大会に積極的に参加することで、常に向上心をもってプログラミングを学べます。
特にエンジニアなど、実際にプログラミングを活かせる職業に就いている場合は、実際に業績などで評価されることも多くあるでしょう。
必ずしも大会で成績を残すことだけがすべてではないのも事実です。
ただ、経験があれば自分の技術力に自信をもてたり、重要なプロジェクトを任されたりする機会があるかもしれません。
少しでも自分の技術力の向上や自信につなげられるなら、参加することをおすすめします。
就職に有利になることがある
大学生の場合、競技プログラミングでよい成績をおさめれば、就職活動で企業へアピールする材料にすることもできます。
特に近年、日本企業のエンジニア不足は否めません。
実際にプログラミング技術があるというだけで優遇する企業も増えてきています。
技術や大会での成績をアピールして損はないといえます。
仮にエンジニアなどの専門職を希望しない場合でも、デスクワークにおけるPC作業は必須でしょう。
事務職などに就くと、実際に職場で技術を活かせる機会は少ないかもしれません。
しかし、PC操作に長けているという点においては、プラスの面で評価されることが多いでしょう。
学生のうちから自分の将来を視野に入れて、プログラミング競技に参加することもおすすめです。
採用に繋がる大会もある
競技プログラミングの大会によっては、結果によっては採用に繋がる場合もあります。
とくに、エンジニアとしての就職を考えている方にとっては、いいチャンスになるのではないでしょうか。
近年の競技プログラミングは、就職に有利であるだけでなく、実際に採用に繋がる大会が開催され、話題になったこともあります。
競技プログラミングを、優秀な人材を発掘するためのいいチャンスと捉えている企業は、今まさに増えているのです。
企業によっては、自社で競技プログラミングの大会を行って、順位がよかった参加者を面接に呼んでいるところもあります。
このように、好成績を収められれば、エンジニアとしての採用に直結する大会があることも、競技プログラミングの魅力のひとつであるといえるでしょう。
【競技プログラミングとは?】どうやって対策するの?
これまでは競技プログラミングの魅力について紹介してきました。
しかしながら、いざ実際に大会へ参加するとなると、不安になることもあるでしょう。
特に未経験者や初心者の方はどんな問題が出るかわからず、思わぬところで苦戦を強いられてしまう場合も多いです。
そのような事態を避けるために、事前にしっかりと対策をしていく必要があります。
対策をして問題の傾向をつかめれば、本番で落ち着いて競技に臨めるでしょう。
詳しく対策方法を紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。
過去問を解く
過去問を解くことは、どの分野を学習するにおいても非常に重要な過程です。
事前にどんな問題が出るのかを知れば、速さや正確さ、解き方のコツを把握できます。
それに伴い、本番も余裕をもって迎えられます。
反復練習をすることによってタイピングの練習にもなるので、一石二鳥といえるでしょう。
プログラミング競技自体に興味はあっても、機械操作に自信がない場合や、いざ本番となると極度に緊張してしまう人もいるかもしれません。
しかし、プログラミングの問題は一度コツさえつかんでしまえば、その後の学習にも応用できる問題が多いです。
最初のうちは暗号のように見える問題でも、時間をかけて解いていけば、必ず理解できます。
一つひとつの問題にしっかり取り組んで学習していきましょう。
アルゴリズムやマクロを覚える
よく使用されているアルゴリズムやマクロを覚えることも、過去問を解いて出題傾向などの全容をつかむのと同じくらい重要です。
頻繁に使われるものを覚えることで、段々スムーズに問題を解けるようになっていくでしょう。
プログラミングだけでなくアルゴリズムやマクロも、技術書を読むだけではなかなか身につかず、実際に手を動かすことで自分ものにできるという特徴があります。
競技プログラミングは限られた時間内でコードを書く必要があり、そのためには頻出のアルゴリズムやマクロの勉強は不可欠です。
大会でよく使われているアルゴリズムやマクロを覚えれば、実際に大会に参加したときに必ず役に立ちます。
プログラミングの基本でもあるので、アルゴリズムやマクロはしっかり覚えておきましょう。
有名競技プログラマーのTwitterなどのブログをチェックする
大会が終わったあとは、業界内でも有名な競技プログラマーが問題についての解説をしているSNSなどを見て、しっかり復習しましょう。
特に最近の傾向では、動画サイトで詳しい解説を配信している場合も多いです。
大体の方が無料で公開をしているようなので、チェックしておくことをおすすめします。
セミナーや学校に通わず、独学でプログラミング技術を学びたいと思っている場合は、ぜひ参考にしてみてください。
実際に有識者の意見を聞ける非常に貴重な機会です。
日ごろの情報収集も兼ねて必ずチェックしましょう。
その際は、特定の1人をチェックするだけではなく、なるべく多くのプログラマーの解説を参考にすれば、さらに復習効果があります。
異なる解説の仕方を理解することで、より多角的に問題をとらえられるようになりましょう。
テンプレートを学ぶ
プログラミング競技に参加する際はもちろん、プログラミングを学習する際にはテンプレートを学ぶのがおすすめです。
プログラミング言語におけるテンプレートとは簡単にいうと、関数等を活用する場合に1度定義したものを呼び出せる機能のことを指します。
意味合いは、日常生活で使うテンプレ文章などとほぼ一緒といってよいでしょう。
それぞれの言語に合わせた便利な機能もあるので、把握しておくと便利です。
特にプログラミング競技へ参加する際、極度に緊張してしまう人は学んでおいて損はありません。
実際に事前に対策を練って、過去問で学習を重ね、プログラマーの解説を見ていたとしても、本番で普段通りの実力を発揮することは難しいです。
少しでも負担を減らせるなら、テンプレートを学んでおきましょう。
【競技プログラミングとは?】おすすめの言語3選
プログラミング言語には、実行速度や得意とする処理にそれぞれ特徴があり、競技プログラミングにおいては、どの言語を使用するかも大変重要です。
どの言語を選ぶかは、もちろん参加者本人の好みもありますが、ここでは初心者が学習するのにおすすめな言語を3種類ご紹介します。
どの言語を学習しても、競技プログラミングで必ず役に立つので、まずはどれひとつをしっかり学習して、正確かつ迅速に、無駄がなく美しいコードが書けるようにしましょう。
C++
数ある言語の中でも、競技プログラミングで人気が高いのが、C++です。
なぜなら、実行速度がほかの言語よりも早く、競技プログラミングでは、C++でないと処理しきれないような大規模な処理を必要とする問題も出題されます。
上位入賞を狙うならC++がおすすめであり、実際に上位を狙っている参加者の多くが、C++を選ぶ傾向にあります。
しかし、C++はC言語の上位互換であり、プログラミング初心者にとっては難しいかもしれません。
C++を身につけるためには、C言語の知識も必要であり、その分学習すべきことが多いのです。
また、C言語の知識にプラスして、オブジェクト指向やテンプレート、新たに追加された予約語や型に例外処理なども覚えなければならず、ハードルは高いといえるでしょう。
Python
実行速度はC++に劣りますが、コードがシンプルで学習が簡単なプログラミング言語が、Pythonです。
日本でも研究開発で用いられることが多い言語であり、競技プログラミング以外でも活用しやすいというメリットがあります。
PythonというとAI開発向けの言語というイメージをおもちの方もいるかもしれませんが、Webアプリ開発でも利用されており、競技プログラミングの参加者の中でも人気のある言語です。
文法も比較的平易であり、さらにライブラリをうまく活用すればプログラミング工程を減らせるため、初心者でも学びやすいという利点もあります。
ただし、C++やJava比較すると処理速度が劣るので、競技プログラミングの上位入賞を狙いたい場合は、別の言語を選ぶようにしましょう。
Java
Javaの実行速度は、C++にはさすがに劣りますが、プログラミング言語の中では早い部類に入ります。
また、OSに依存せずあらゆる環境で動作し汎用性が高く、Webアプリやスマホアプリだけでなく、家電などの組み込みアプリまで用途も幅広い言語がJavaです。
Javaを学べば、プログラミングの基礎やオブジェクト指向の考え方が身につくでしょう。
もちろん競技プログラミングでもJavaを使用する参加者も多く、競技だけでなく、実務でも十分に使えるというメリットもあります。
人気が高いプログラミング言語であることから学習用のサイトも豊富であり、勉強のしやすさでも、初心者におすすめできる言語です。
エラーが出ても、インターネットで情報を集めやすいという利点も見逃せません。
【競技プログラミングとは?】おすすめの参加サイト
これまでは競技プログラミングの対策方法について紹介してきました。
最初のうちは根気のいる作業かもしれませんが、学ぶ意欲さえ保てれば、必ず結果に結びつきます。
特にプログラミングは1度コツをつかめれば、さまざまな問題に応用できるのが大きな特徴です。
また、対策を万全にすることで、自分の技術をしっかりと信じて本番を迎えられるでしょう。
実際におすすめの大会をいくつか紹介します。
ぜひ大会に挑戦する際の参考にしてみてください。
Topcoder
「Topcoder」はアメリカのプログラミングコンテストです。
世界最大級のプログラミングコンテストで毎月開催されています。
大会規模や知名度ともに、とても有名な大会といえるでしょう。
これまでの内容で何度か触れてきましたが、プログラミング競技の魅力の1つは、その競技人口の多様性です。
世界中のプログラマーがこの大会に集まることで、思いがけないプログラミング技術を知ることができたり、参加者同士の交流を深めたりする機会が生まれます。
実際にサイトでは優勝者などのプログラミングを見ることが可能で、参加する価値は大いにあるでしょう。
Atcoder
いきなり世界規模の大会に参加するのは気が引けるという場合は、国内のコンテストに参加することをおすすめします。
そのなかでも「Atcoder」は日本のオンライン上で参加できるプログラミングコンテストです。
問題の傾向も比較的優しいので、プログラミング初心者でも挑戦しやすい大会といえるでしょう。
また、競技層もプログラミングを始めたばかりの人が集まるので、参加者同士による交流も盛んです。
プログラミングを通して、ある意味同士のような仲間を見つけられるかもしれません。
お互いに切磋琢磨し合い、プログラミング技術の向上につなげていきましょう。
パソコン甲子園
学生でプログラミング競技に参加したい場合は、「パソコン甲子園」に申し込むとよいでしょう。
主に高校生向けのICT大会となっています。
将来のためにプログラマー技術を磨きたい人は、ぜひ参加してみてください。
学生向けなので、当然運営には有名企業が携わっている場合も多いです。
優秀な成績を残せば、将来声が掛かる可能性もあります。
特に学生のうちは、プログラミングを学ぶ人はどうしても限られてきます。
自身のアピールポイントを早めに活かすチャンスがあることも魅力の1つといえるでしょう。
yukicoder
競技プログラミングの学習ができる「yukicoder」では、定期的にプログラミングコンテストが開催されています。
サイトで学習した内容を活かして大会に参加するのもよいでしょう。
サイトと大会は運営元が同じなので、問題傾向としては似通ったものが多いのも特徴です。
つまり初見の問題が出るという事態は起きにくく、反復練習さえすれば問題の正答率は格段に上がるということです。
特にプログラミング技術に自信のない初心者の場合は、しっかりとサイトで学習をしてから大会に参加しましょう。
【競技プログラミングとは?】まとめ
今回はプログラミングを学ぶうえでの基本的な情報や魅力、さらには競技の対策方法やおすすめの大会について紹介しました。
昨今プログラマー技術者が不足している日本社会においては、学ぶ需要が非常に高い分野の1つであるといえるでしょう。
その技術を取得するためには日々の学習はもちろん、競技プログラミングに参加して自分の実力を見極めることが重要です。
もちろんそれ以上に、使用言語を問わず学べる魅力的な技術でもあります。
今回紹介した内容をぜひ今後のプログラミング学習の参考にしてみてください。