研究職と技術職の違いが知りたい!それぞれの仕事内容や向いている人を徹底解説!

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伊東美奈
Digmedia編集長
伊東美奈

HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。

はじめに

理系の学生を対象とした採用選考では、よく「研究職」と「技術職」に分けて募集しています。

この違いがよくわからないという人も少なくありません。

両者の違いは何なのか・どのような仕事内容なのかを知らなければ、そもそもエントリーさえできません。

この記事では、理系の就活生に向けて研究職と技術職の違いについて解説します。

自分が目指すべきはどちらなのか、自己分析を併せて行い、適性も鑑みて明確にしておきましょう。

【研究職と技術職の違い】研究職と技術職の違い

業界や企業によって異なりますが、一般的には0から1を生み出す職種を「研究職」というでしょう。

製品の材料そのものとなる新素材や、新しい技術そのものを作りだすことが仕事です。

一方「技術職」は、材料に手を加えて製品を作り、世にだすまでに関わる仕事です。

研究職が素晴らしい新素材や新技術を生み出しても、安定的に製造ができなければ意味がありません。

研究職の生み出した素材や技術を使って具体的に製品作りをし、流通に乗せ市場にだすことが技術職の仕事です。

そのため、ひとことに技術職といってもその範囲は広く、設計から工場設備のトラブル防止策の構築など、生産体制に関わる仕事までさまざまな仕事があります。

また、情報システムに携わるエンジニアも技術職ですが、この場合には工場設備のみならず、社内のネットワーク構築やセキュリティ管理などにも関わります。

【研究職と技術職の違い】研究職・技術職・開発職の仕事内容

このように、就職活動では技術職と研究職を判別する以外に、そもそも研究職と開発職が別になっていて、研究職・技術職・開発職の3つの職種を見極める場合もあります。

これは、業界や企業によって同じ名前の職種でも仕事の内容や範囲は異なるため、一概に語れないことに起因します。

イメージが固まったら必ず企業研究をして、企業ごとにどの職種で何ができるかを確認しておくことが重要です。

ここでは仕事のイメージがしやすいように、職種を前述した3つに分けて仕事内容を解説していきましょう。

研究職

企業によっては、製品開発までを応用研究の部署としていたり、「研究開発」として開発に関わる研究業務を一つにしていたりする場合もあります。

仕事内容や業務範囲は企業ごとに異なりますので、ここでは研究職を「製品化には携わらずに新しい製品を生み出すための研究」に限定し、製品化するための仕事は「開発職」が担う企業として解説しましょう。

この場合、研究職は大きく「基礎研究」と「応用研究」に分けられます。

それぞれの仕事内容を説明しましょう。

基礎研究

「基礎研究」はよく0から1を生み出すための研究といわれます。

企業の基礎研究では、企業の個別の事業に関連する新素材について求められる性質をあらかじめ設定し、それを作り出すための研究を重ねるのが一般的です。

競合他社に先を越されてしまう心配もあるため、速度感が重要になってきます。

しかし、現時点で「実用的な意味をもたない研究」から有用な発見がされることもあるため、まだ解き明かされていない理論の研究を長期的に行うこともあります。

まったく新しいものや技術を生み出すことには時間がかかるため、すぐに結果を求められるわけではなく、企業の将来の事業をつくる仕事であるといえるでしょう。

事業化できるまでに10年を超えるような長期間の研究になる場合もあります。

応用研究

「応用研究」は、基礎研究で見出された研究結果を実用化するために行う研究です。

基礎研究で見つけた新しい知識や技術などを製品化するためにはどうしたらよいか、また、既存の製品にどう取り入れればよいのかを市場や社会のニーズを見据えて研究を進めます。

応用研究においては、期限や予算の設定をされているケースが多く、スピード感とコスト意識をもって研究を進めていくことが要求されます。

また、製品の実用化に成功したあとでは、製品が売れているのか・製品化したものにトラブルがおきていないかに留意することも仕事です。

製法についての特許取得に関する業務も、応用研究で担うことがあります。

どこまでの範囲を応用研究とするかは企業によってさまざまですので、開発職が別に設けられている場合にはとくに注意が必要です。

技術職

「技術職」は、現場での生産管理を担う仕事を指す場合が多いです。

その場合は、エンジニアとして生産設備の運用・管理を行うことが技術職の仕事です。

生産設備に関する知識とスキルを駆使して、工場を止めることなく安定的に、かつ効率的に製品が製造されるように務めます。

トラブルの発生時には、原因を追及し再発しないように生産工程を改善したり、トラブルが起きないためにどうすればよいかを研究したりするのも仕事です。

また、研究開発部門で新たな製品が開発された際には、新しい製造ラインを構築することが必要になります。

製造するための技術を開発・構築することも技術職の仕事であることが多いですが、この場合には「生産技術開発職」として開発職の仕事の範囲とする企業もあります。

開発職

企業によっては、「研究職」と「開発職」を分けている場合もあるでしょう。

開発職は、「研究開発職」か「商品開発職」かにより、それぞれ業務内容が異なります。

企業によっては、製品化するためにどのような技術を活用するかを考える職種を「技術開発職」として、これを加えて開発職を3つに分けている場合もあります。

これらの開発職の各業務内容は、業界や企業の規模などによっても違いがあるので、注意が必要です。

とくにこのうち研究開発職については、一般的にいう「研究職」に分けられる開発業務と「技術職」に属する開発業務との線引きも企業によって異なることが多いです。

「開発職」を志望する場合には、とくに注意して企業の各部署の関係や仕事の範囲などを詳しく調べ、自分の希望する仕事がどの部署で行われているのかを明確にしておきましょう。

研究開発職

企業の製造する製品に関わる分野について基礎的な研究を行い、すでに確立している技術をさらに発展させたり、新規分野の研究開発を進めたりするのが「研究開発職」です。

いわゆる「R&D (Research and Development)」といわれる職種にあたります。

「研究職」の項目で述べた基礎研究と応用研究の仕事をまとめて「研究開発職」とし、商品開発部門に送り渡すまでの仕事を業務範囲とする場合もあれば、製品の開発までを研究開発職の仕事とする場合もあります。

いずれにしても研究開発職では、専門的な知識が必要となるため、専攻を活かして仕事をしたいと考える理系学部出身の就活生には、一番人気のある職種といえるでしょう。

大学での研究をイメージして志望すると業務内容が異なってしまう場合もあるので、企業ごとの研究を行うことが肝心です。

商品開発職

「商品開発職」の仕事は、ひとことで言えば新しい製品を生み出す仕事です。

すでにある製品を応用してそれまでと異なる製品を開発する場合と、まったく新しい製品を開発する場合とがあります。

商品開発職は、研究開発職から仕事を引き継ぎ、実際の製品へと形作っていく仕事です。

世の中のニーズを捉えてマーケティング戦略を考えたり、生産コストの試算をしたりすることも仕事のひとつです。

研究開発職や生産部門、また営業部門など、あらゆる関係部門と調整をとりながら売れる製品を開発することが求められます。

理系学部の学生を対象に採用が行われる研究開発職や技術職と異なり、広く文系学部の学生の採用も行われます。

発想力やコミュニケーション能力のほか、時代のニーズに敏感であることも求められる仕事です。

【研究職と技術職の違い】研究職・技術職・開発職の向いている人

志望する職種で働くために就職活動を頑張っても、入社してから自分には合わなかったと後悔するようでは就職活動の苦労がもったいないです。

また、自分に合った職種で仕事をしようと考えている場合でも、自分がどの職種に適性があるのかわからない人もいるでしょう。

ここでは、それぞれの職種にどのような人が向いているのかを紹介します。

業界や企業にはそれぞれ特色があるので、あわせて業界・企業分析を行い、自己分析で自分自身を客観的に把握することでミスマッチを防ぎましょう。

研究職

研究職では、新しいものを生み出すための発想力が求められます。

何かを思いつくには、常に考えることが必要です。

よく、発想力がある人に関して氷山に例えられることがあります。

水面から見える氷山の下には、目にはみない膨大な質量の氷山が沈んでいます。

水面から出ている氷山の一角がひらめきだとすると、その水面下には膨大な思考が存在するという考え方です。

研究職は普段から考えることが好きでなければ務まりません。

ひらめきを信じて積極的に動き、失敗しても諦めずにトライ&エラーを行う人が向いているといえます。

また、探究心の強い人、好きなものにとことん向き合える人は研究職向きです。

自分が夢中になれる分野を扱う企業を探しだすことが重要になります。

技術職

ものづくりに直接関わる現場の仕事を担う技術職ですが、ものづくりは一人ではできません。

製品を世の中にだすためには、多くの関係部署の人たちと良好なコミュニケーションをとりながら協力して作業を進めなくてはなりません。

また、技術職は生産工程でのトラブルに適切に対応することも仕事です。

トラブルの原因を突き止めるためには、それに直接関わる人たちから適切な聞き取りができなければ解決は難しくなってしまいます。

このように技術職の仕事には、常に生産工程を確認し、周囲の人たちと連携・コミュニケーションをとれる人が求められます。

そのため、コミュニケーション能力が高い人は向いているといえるでしょう。

技術に関しては常に高い意識をもち、現場や周囲の人たちの意見をフィードバックして、よりよい製品作りに貢献することが求められるのです。

開発職

開発職は社会の求めているものを把握し、そのニーズに合った新しい製品を開発することが仕事です。

そのため、常に社会の動向を敏感に感じとり、社会のために何を生み出せばよいのか考えられる人が向いています。

考えることが好きな人は苦にならない仕事といえるでしょう。

新製品をだすまでに、さまざまなリスクを想定したり、何パターンものテストをクリアしたりする必要があります。

そのため、粘り強い性格の人も適性があるといえるでしょう。

急いで結論をださず、物事についてさまざまな角度から考えてみることが習慣化している人は向いています。

また、ひとつの製品が作られるまでにはいろいろな人が関わるので、コミュニケーション能力も求められます。

「新しいものを開発することで社会貢献したい」という気持ちの強い人は向いているといえるでしょう。

【研究職と技術職の違い】選考対策をする際に注意すること

目指す職種が決まったら、業界選びと企業選びに力を入れましょう。

先にも述べたとおり、同じ職種であっても仕事の内容・範囲は、業種や企業によって異なります。

これを間違えてしまうとたとえ採用されたとしても、就職活動の成功とはいえません。

自分のやりたい仕事ができる企業を見つけるためには注意すべきこともあります。

そして、目指す企業を見つけたら選考対策が必要です。

ここでは、採用を勝ち取るためにすべきことに重点をおいて解説していきます。

情報収集に力を入れる

理系の学生は、卒業論文や研究など何かと忙しくなるので、就職活動にかける時間が少なくなりやすいです。

そのために、企業研究などがおろそかになってしまわないように注意が必要です。

比較的時間のあるときに、計画的に情報収集を進めておきましょう。

採用のエントリーがはじまる前までには、自分の興味のある業界や企業について調べておくことが大切です。

時間に追われるような就職活動になってしまうと、志望企業の研究不足が原因で、入社後にイメージしていた仕事ではなかったと後悔することになる可能性もあります。

なかには、研究室とつながりのある企業に推薦を貰える場合もあるでしょうが、本当にその企業に就職したいのかを見極めるためにも企業研究を怠らないよう注意しましょう。

企業を選ぶ際の視野を広くする

理系の学生がよく陥ってしまいやすい、注意しなくてはならないことがあります。

それは、OBが就職した業界や、自分の専攻分野に一番近い業界にしか目を向けないことです。

理系の就活生は就職活動に費やせる時間が限られていることもあり、はじめから1つの業界に絞って就職活動をしてしまいやすいです。

他の業界を調べずに志望企業を決めてしまうという人が少なくありません。

たしかに、OBが多く就職している業界や、専攻の内容に直結する業界であれば学生時代の勉強を無駄にすることなく、大学で培った知識を活かして仕事ができるでしょう。

しかし、企業選びの視野を狭めてしまうことは非常にもったいないことです。

自分の知識を活かせる場所は他の業界にも存在するかもしれません。

自分の可能性をつぶさないためにも、視野を広めにもつようにすると、自分の理想にぴったり合う企業が意外な業界でみつかるかもしれません。

理系だからといって楽観的にならない

文系の学生とは異なり、理系では専攻の知識を活かした専門性のある仕事に応募できるため、文系に比べて就職活動を有利に進められるのではないかと考える人もいるでしょう。

たしかに、理系の学生だけを対象とした職種の募集は多くある一方、文系の学生だけを対象とした募集というものは法律系などの専門職以外にはあまり目にすることはありません。

しかし、人気のある企業にはやはり多くの理系学生からの応募があります。

企業は、そのなかからより優秀な学生を採用したいので、多くの学生が集まるなかで採用を勝ち取らなければならない状況は、文系の場合とかわりません。

実際の就職難易度は文系の学生の場合と大差ないのです。

とくに、第一志望とする企業に採用されるためには、決して楽観的に考えずに対策を徹底しましょう。

おわりに

理系学生は、就職活動において自分のやりたい仕事がはっきりしている場合が多いでしょう。

エントリーから職種を絞って選考を行う企業もあり、自分の志望する仕事がどの職種なら叶うのか明確にしておかなければなりません。

ここでは、一般的にありがちな職種の分類について紹介しましたが、実際には同じ職種でも業界や企業により業務範囲や仕事の内容は異なります。

自分の志望する仕事のイメージが固まったら、必ず綿密な企業研究を行い、自分の希望に近い企業をみつけましょう。

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