HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
はじめに
就活で重要になってくるのが業界研究です。
自身の適性を図るためや面接などで業界の志望理由を答えるためには、入念な業界研究が必須になってきます。
今回は、医薬品業界について仕事内容や年収について解説していくので、医薬品業界の業界研究で困っている人にとって有益な情報となっています。
業界研究を進めていく時に、情報が多すぎて何が就活で有効かわからない人や要点をまとめて見たい人は参考になる内容となっているので、ぜひ最後までご覧ください。
【医薬品業界の業界研究】医薬品業界とは
医療の中で欠かせないものとなるのが医薬品です。
医薬品業界は、そんな医薬品の製造から流通までを手掛ける業界になります。
新型コロナウイルスなども相まって、医薬品業界全体で見た需要は拡大していることがわかります。
しかし、国内や国外でも競合が多く、常に新薬の開発などで製薬会社同士が競争している状況です。
また、日本では医療費削減に対応することや世界との競争に勝っていくために多くの課題があり、今後も発展していく業界でしょう。
医薬品業界の種類
医薬品業界は医療に欠かせない存在であり、需要を満たせれば多くの利益を獲得できます。
しかし、医薬品業界といってもその中にはさまざまな種類のものがあるでしょう。
次では医薬品業界を分類し、一つひとつ詳しく解説していきます。
現在、医薬品業界を目指している人は、それぞれの特徴を理解し自身が希望するものを見つけることやどのような差異があるかを確認し業界研究に役立ててみると良いでしょう。
自身が知らなかった分野もあるかもしれないので、ぜひ参考にしてみてください。
医療用製薬会社
主に病院や治療院用の医薬品を開発し、販売まで行うのが医療用製薬会社です。
医薬品業界における、日本国内の9割が医療用医薬品の売上によるものであり、市場の大きさがわかるでしょう。
医薬品の開発には新しい効能を持つ新薬と、新薬の特許が切れた後に製造されるジェネリック医薬品があります。
新薬の開発には大きな利益が見込める可能性があります。
しかし、ジェネリック医薬品の一般的な開発期間が3~4年であるのに対して、新薬の開発には7~8年の年月を要することが多いのです。
そのため、新薬の開発は大きな利益が見込める可能性があるものの、それだけリスクも大きいものであることがわかります。
昨今では医療費の引き下げのため、政府がジェネリック医薬品の普及を進めています。
一般用製薬会社
市販で流通している、一般的な医薬品の製造から販売までを行うのが一般用製薬会社です。
コンビニやドラッグストアでも取り扱われるので、私たちの生活に一番馴染み深い製薬会社でしょう。
一般用医薬品はカウンター越しに販売されることから、OTC医薬品と呼ばれています。
医療用医薬品は医師による処方箋が必要ですが、一般用医薬品では処方箋が不要なことが特徴です。
高齢化が進んでいく日本では、自身で体調を管理することが重要になり、手軽に医薬品を入手できる一般用製薬会社は将来的にも需要を満たし続ける職業と言えるでしょう。
一般の人も手を出しやすい手頃な価格と、効果を実感できるような確かな効能の2つを両立していくことが肝になります。
外資系製薬会社
外資系製薬会社は、海外市場へ進出し海外資本が入っている企業のことです。
日本の医薬品業界は、世界から見てもトップクラスであるため、多くの海外からの企業が進出してきているのです。
主に医療用医薬品をメインとして開発していますが、日用品や医療機器まで幅広く製造や販売を行っています。
海外に拠点を置いている企業も多く、日本の企業で見られる特徴が当てはまらない場合もあります。
特に、日本の企業に多い年功序列型で、勤務年数に応じ給与や待遇が良くなるのではなく、成果によって報酬が決められる成果主義であることが多いでしょう。
また、企業の規模が大きいことも挙げられ、新薬の開発にも積極的で多額の資本をかけて行う企業が多いのも特徴です。
ジェネリック医薬品メーカー
新薬の開発に対して、特許が切れた後に製造・販売するのがジェネリック医薬品メーカーです。
添加剤を変えることや有効成分の研究や開発にかける費用がない分、効き目は同じだけど新薬より安価で販売することで利益を得ています。
政府がジェネリック医薬品の使用を進めているなど、需要についてはこれからも上昇していくことは間違いないでしょう。
現在では、国民の生活に必要不可欠となっているジェネリック医薬品ですが、流通が追いついていなく供給が足りないという問題もあります。
多くの品種を少量生産するのが特徴なジェネリック医薬品業界において、需要の拡大に伴った医薬品の製造や欠品を減少させるなど品質の向上も課題であるのが現状です。
【医薬品業界の業界研究】医薬品業界の仕事内容
医薬品業界がどのような分類に分けられるか理解できたでしょう。
それぞれのメーカーや企業によって、見られる特徴も違ってくることがわかりました。
次では、医薬品業界の仕事内容について詳しく解説していきます。
医薬品業界は巨大な産業なので、それだけ多くの職業の人が関わっています。
医薬品についての専門的な職業から、ほかの業界でも共通する仕事もあるので、自分がどの職業を希望するか、どんな仕事が向いてそうかなどを考えながら見ていくと良いでしょう。
研究・開発
医薬品業界の仕事として、新しい効能や有効な成分を見つけるため研究し製造することや臨床実験などを行い安全性を確かめることが挙げられます。
これは、一般の人たちが安心して薬を使用するために、極めて重要なことであると言えます。
医療や薬品などに精通している、いわゆる薬のスペシャリストと言うことができるでしょう。
医薬品を正しく安全に取り扱わなければならないため、高度で幅広い知識が求められます。
主に研究機関や製薬会社や化学メーカーなど医薬品の開発を行うところに所属して業務にあたります。
大学で薬学などを専攻していると、そのまま大学の研究機関で研究や開発を行う場合も多いでしょう。
関連する職業として、薬剤師や医薬情報担当者などがあります。
営業
営業は、主に医薬品を医師などの医療関係者のもとへ届ける仕事です。
病院などに赴き、不足している医薬品や抱えている問題などをヒアリングします。
ヒアリングした情報をもとに、必要な医薬品などを必要な数決まった納期に納品するのです。
商品は納品して終わりではなく、その後も安定して供給するため、状況に応じた提案やヒアリングを継続的に行っていきます。
自社の製品を正しく使用してもらうため、医療関係者へ安全性など適切な説明をする必要があります。
当然、医薬品などの専門的な知識も必要になりますが、文系でも就職することが可能です。
その場合は、幅広い知識を付けていく必要があるので、継続的に学習を続けられるような人材が求められます。
事務
事務職では、主に人事や経理、工法などを担当しています。
ほかの仕事より専門的な知識は必要ありませんが、基本的なパソコンスキルやコミュニケーション能力、複数の業務を同時に進めていくなど事務職としての能力が求められます。
営業職は希望しないが、製薬会社に勤務したい、経験を積みたいという人におすすめの職業であると言えるでしょう。
ほかの業界から医薬品業界にキャリアチェンジする際や事務職としての経験がある人は比較的転職しやすい仕事となっています。
また、どこの医薬品メーカーも事務は必要なことも、就職しやすい職業である理由です。
経理事務などサポートレベルから業務を行えるところも多く、キャリアアップもできる仕事となっています。
マーケティング
意外かもしれませんが、医薬品業界にもマーケティングは存在します。
より多くの人に、医薬品を使ってもらえるように効能や特徴などの宣伝を行う仕事です。
ほかの競合会社と差をつけるために、自社の製品の魅力などを広く認知してもらい、利益につなげることを目的としています。
特に最近では、コロナウイルスの影響などにより、直接病院へ訪問するなどが難しくなっている状況です。
そのため、多くの企業がオンライン上で完結するデジタルに移行しています。
これにより、デジタルやITと掛け合わせるなど、マーケティング職の需要が高まっているのです。
時代や世の中のニーズに合わせた分野を調査することや常に最新の情報を取り入れるようなアンテナの広さが求められています。
グローバルコントロール
医薬品業界は、世界規模で大きな市場となっているため、当然日本国内だけでは収まる規模ではありません。
そのため、グローバルコントロールでは、海外市場のために海外企業と連携を取ったり、各国の医薬品の研究を行ったりします。
国内へ世界からの進出も多いので、ほかの企業と競り勝つためには、グローバルな視点や技術などが必要になってきます。
また、医薬品業界で生き残っていくためには、国内だけでなく世界へ進出しなければいけなく、ますますグローバル化を促進する企業も増え続けていくでしょう。
国産の製薬会社も次々と海外へ進出しているのが現状です。
このように、日本が医薬品業界で成長していくためには、グローバルへマーケットを拡大していくのは必須なこととなっているのです。
【医薬品業界の業界研究】医薬品業界の年収
医薬品業界で働くにあたって、気になるのは業界全体でどのくらいの年収なのかでしょう。
医薬品業界の年収は、ほかの職業と比べて高い水準にあります。
その理由に、高い専門性を求められことと、人の命に直結し責任の大きい仕事であるということが挙げられます。
新薬の開発が成功すれば、文字通り多くの人の命を救うことになり、平均的な年収が高いのも納得できるでしょう。
特に新型コロナウイルスの影響で急速に発展した企業も多く、医薬品業界は景気が良い傾向にあります。
平均年収が1,000万円を超える企業が10社以上もあり、近年でも高い水準を保ち続けているのです。
また、年収は職種によっても異なってきますが、基本的に研究・開発職、営業職などの職業が高い傾向にあります。
【医薬品業界の業界研究】医薬品業界はどんな人に向いているか
医薬品業界の詳しい仕事内容について解説してきました。
医薬品業界は世界規模で巨大な産業であり、患者の命に直結する責任の大きい仕事がほとんどで、それに応じて年収も高くなっています。
ここまでで、医薬品業界の大まかな概要については理解できたでしょう。
次では、実際にどういった人が医薬品業界に向いているかを解説します。
業界研究を行っている人は、これもあわせて理解しておくと、自身の強みや特徴につなげることができ就活に役立てることが可能でしょう。
生物や化学に興味のある人
医薬品業界では、あらゆる症状に対応するためにさまざまな臨床実験を行います。
そのため、もともと生物や化学に興味のある人に向いている業界でしょう。
医薬品業界で求められるのは、探究心があり学習を続けるモチベーションを持った人材です。
好奇心がある人は、さまざまなアプローチで課題や研究を進めていくことができ、学習する際のモチベーションも保つことができるでしょう。
好きなことを仕事にできると精神的にも安定し、向上心や目的意識を持って業務にあたれます。
生物や化学に興味があることを示せる実績などがあると、就活の場でも有効な武器となるのは間違いないでしょう。
その際は、形として残せるものや具体的な数字として示せると、より説得力が強まり自身の意欲を印象付けられます。
責任感のある人
医薬品業界では、人々の生命に関わることを扱います。
そのため、自分が行う業務が人に命に関わっていることを自覚する、責任感が何よりも大切になってくるでしょう。
また、患者の情報や医薬品の製法など、漏らしてはいけない情報を取り扱う場合も多いのです。
これらを外部に漏らしてしまうと、企業の信用に関わる問題となることがあるため、結果的に企業が不利益を被ることにつながります。
そのような時に、情報を漏らさない、口外しないという責任感を発揮する必要があるのです。
就活の場では、どんな業務でも責任感を持って行動できる人を優先的に採用します。
責任感のあることを面接などでアピールできると、医薬品業界で働く際の心構えができているとプラスの印象を与えることが可能です。
コミュニケーションがうまい人
医薬品業界だけでなく、すべての業界に必要なことだが、コミュニケーション力は必須です。
コミュニケーションが十分に行えていないと、伝達が行き渡らず部門間の連携が取れなかったりと、業務をするうえで直接的に影響する問題が起きます。
業務を円滑に進めることや指示や意図を的確に理解できる能力は、医薬品業界でも例外なく必要とされるでしょう。
オンラインでやりとりすることが増えている医薬品業界においても、コミュニケーション能力はますます重要な要素となってきます。
また、グローバルに進出している現状では、日本人以外とやりとりすることもあるため、言語の壁を超えてコミュニケーションを取れる能力は重宝されるでしょう。
特に英語を習得していると、医薬品業界のどんな業務でもアピールできるスキルとなります。
【医薬品業界の業界研究】医薬品業界の今後
近年では、新型コロナウイルスの影響で医薬品業界の重要性が改めて考え直されています。
また医薬品業界は、デジタルを組み込んだIT化やグローバル化にも対応していかなければならないことが考えられます。
そのため、医薬品業界で活躍できるIT人材やグローバルに働ける人材がさまざまな企業で求められるでしょう。
国内では、まだ多くの課題が残っており、それらを解決するための視点や策を考えることが必要になってきます。
ジェネリック医薬品を促進する政府の動きもあり、現在は業界全体が転換する時期であるという見方もできるでしょう。
しかし、今後も業界全体を通して市場が縮小することはなく、医薬品業界が与える影響はこれからも注目されていくでしょう。
【医薬品業界の業界研究】医薬品業界に入るために
医薬品業界にはどのような人が向いているか理解できたでしょう。
医薬品業を希望している人は、このような特徴と自信の実績や性格などと照らし合わせてアピールしていくことが大切です。
また、医薬品業界に入るためには、専門的な知識を幅広く習得する必要があるでしょう。
しかし、事務職といった比較的就職しやすい職業もあるため、まずはそこから経験や知識を付けていくのも良いでしょう。
今後の動向にあるような、ITやグローバルに対応できるような能力やスキルもアピールポイントとして有効になります。
取っておくべき資格
医薬品業界で働くためには、高度な知識を身につけている必要があります。
それを証明するために、最も有効になってくるのが資格の有無です。
次では、医薬品業界で働くために取っておくべき資格を2つほど紹介します。
このほかにも有用な資格はありますが、この2つの就活の場でも特に有効である場合が多いでしょう。
医薬品業界に入りたいけど、どのような資格勉強をしたら良いかわからない人は、これらの資格の所得を目指してみても良いでしょう。
薬剤師
製薬部門として、研究や開発として働くためには、国家資格である薬剤師の資格が必要です。
そのため、大学では薬学部に進み、6年間の学習をしなくてはいけません。
大学で薬学部に進むためにも高い偏差値が必要になり、薬剤師という資格も全体の所得率は60%と、国家資格の中でも難易度の高い資格となっています。
このように、薬剤師の資格を取るためにはかなりの時間がかかり、所得難易度も高く目指すにはそれなりの覚悟が必要になってくるでしょう。
薬剤師という資格を持っていると、働き先に困ることはありませんが、大手の製薬会社に勤めたい場合は倍率が高く、別途対策も必要になってきます。
所得難易度の高さもあり、国家資格の中でもかなり就活が有利になる資格になっており、所得することができると今後も安定した仕事が望めます。
MOS
MOSとは、マイクロ・オフィス・スペシャリストの略称のことです。
薬事申請の際には、申請書類作成のためにWordやExcel、Power Pointを使ったり、申請用の専用ソフトを使ったりしなければならないシーンが多くあるため、取っておくべき資格になります。
事務職を希望している人も、基礎となるPCスキルを有している証明になるため、就活の際にアピールできるものとなるでしょう。
一般と上級に難易度が分かれており、一般の方は比較的簡単に所得できる資格なので、取っておくことをおすすめします。
また、実際に業務を行っていくうえでも、ほとんどの企業はマイクロソフトオフィスを利用しており、実務レベルでのスキルを身につけることが可能になります。
志望動機をしっかり作る
医薬品業界において、取っておくべき資格について理解できたでしょう。
医薬品業界に就職するためには、薬剤師の資格を取っておくと安定して就職先が選べますが、取得難易度が高いためMOS資格を取るなどして事務として医薬品業界で働くという方法もあります。
就活全般に言えることですが、成功するためには志望動機をしっかり作る必要があります。
企業はなぜその業界を選んだのかということを面接などで見るため、明確な志望動機は熱意や適性を判断するのに有効な材料となるのです。
医薬品業界でなくてはならない理由を書く
志望動機を作る際は、なぜ医薬品業界でなくてはならないのか、自分がやりたいことや経験を踏まえながら具体的に書くことが求められます。
業界を選んだ理由がしっかり説明できないと、ほかの業界との差異を見出せず、業界研究をあまりしていないと捉えられてしまいます。
自身のエピソードや経験から、医薬品業界を選んだきっかけになった出来事を選んで、独自性のある理由を考えましょう。
自分が実現したいことや目標に掲げていることが具体的なほど、業界を選んだ説得力も強いものとなり、自分らしさが表現できます。
自分の主軸となることをまず提示し、医薬品業界ならそれをどう達成できるかを示せると、論理的で伝わりやすい志望動機が作れるでしょう。
その企業でなくてはならない理由を書く
業界の志望理由について書いたら、次は企業の志望理由について考えます。
医薬品業界の中で、その企業を志望した理由を客観的に分析して、どのようなメリットがあり志望したかを具体的に書いておくことが大切です。
企業のホームページを一通り見ておき、説明会などに参加してその企業の特徴や強みなどを分析しておくと良いでしょう。
その企業が抱えている問題や課題を見つけることができると、自分ならどういう方法で解決できそうかを提示でき、自分を雇うことのメリットを示すことが可能です。
面接では、ほかの企業と比較してどのようなところに魅力を感じたかなど、深掘りされた質問をされることもあるので、ほかの企業についてもしっかり研究しておきましょう。
まとめ
医薬品業界の業界研究で困っている人向けに、どのような分類に分けられるか、どんな仕事内容があるかを詳しく解説してきました。
医薬品業界は、世界規模で巨大な市場を持ち、新薬の開発などにより大きな利益を得られる業界だということがわかりました。
また近年では、海外進出のためグローバル化やIT技術を取り入れる企業も増えており、将来的にはその分野に強い人材の需要も高まるでしょう。
志望動機を作る際は、業界や企業を選んだ理由はなぜを意識し、独自性のある動機を考えることで良い印象を与えることができます。