HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
半導体業界では、どのような仕事ができるのでしょうか。
この業界では、理系を専攻した人が志望することが少なくありません。
これまでに自分が学んできたことを活かせるという理由で、この業界に興味を持ちます。
しかし、実際に志望動機を述べる時に、業界に対する情報が乏しく、具体的なイメージが浮かばないため、なかなか筆が進まないかもしれません。
この記事では半導体業界の特徴や志望動機の例文を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
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【半導体業界の志望動機】半導体業界の特徴
半導体とは、電気を通す金属などの導体と、電気をあまり通さないゴムなどの絶縁体との中間素材のことです。
半導体はシリコンやゲルマニウムなど、条件によっては電気を通します。
半導体業界は、この半導体の生産を担っています。
半導体は生活を支える製品には欠かせません。
職種は技術系と事務系から成り立っており、専門的なスキルが身についている研究開発や製造と、業界の知識や交渉力が必要とされる営業とに分けることができます。
自分がどちらの職種を志望するかで、求められている人材も変わります。
平たく言うと、半導体業界とは半導体の開発や製造、販売をする業界のことです。
これから、半導体業界の現状と将来性について言及するので、自分が向いている職種を考えていきましょう。
半導体不足が続いている
コロナ禍以降、在宅勤務やオンライン学習が普及し、半導体の需要が増加しました。
その一方で、工場閉鎖や操業停止などにより、供給が追いついていません。
物流は停滞し、半導体が不足している状況が続いています。
半導体不足は一般消費者に密接に関わる問題であり、日々の生活に影響を及ぼします。
また、半導体の中でも、低性能で安価なものが多い自動車向けではなく、高性能で高価なものが多いスマートフォン向けのものを優先したことで、自動車業界は打撃を受け、日本国内の経済の問題につながります。
半導体の生産は、業種を問わず計画通りに行えていません。
再編や統合が進む
日本の半導体メーカーは、再編や統合が活発化しています。
1980年代は高いシェアを誇っていましたが、スマートフォンの普及などで需要がPCからシフトしたため、トップシェアが移り変わっています。
これまで、企業同士の統廃合は進んでいませんでした。
しかし、PCや家電などの不振が重なり、世界市場で競争力を失ったため、日本の半導体メーカーは再編を繰り返します。
以前から海外では半導体メーカーの再編が進んでおり、残った大手メーカーが明確に戦略を練っています。
その一方で、再編の進んでいない日本の事業は中途半端なところがありました。
巨大な投資を必要とする半導体業界で成功するのは容易ではありません。
業界の再編や統合は、半導体のこれからのために進むべき方向だと考えられます。
将来性がある
テレビやパソコン事業が縮小されているとはいえ、AIやIoTなどにより半導体は将来的に多くの需要が見込まれているでしょう。
AIとはArtificial Intelligenceを略したもので、いわゆる人工知能のことであり、IoTとはInternet of Thingsを略したもので、モノのインターネットと訳されています。
IoTは、自動車やエアコンをはじめとするさまざまな家電など、インターネットに関連のなかったものにネット回線を接続します。
IoT化や遠隔医療、ロボット、ディープラーニングといった革新的な技術には、半導体が関与するため、半導体による社会的な発展が期待できるでしょう。
医療機器もハイテク化し、画像診断装置やペースメーカーなどの命に関わる機器に半導体が使われ、多様な分野で半導体技術が求められます。
したがって、新しい技術改革に組み込まれていく半導体の業界には将来性があるのです。
半導体業界の代表的企業
代表的な企業として、ルネサスエレクトロニクス、ソニーグループ、キオクシアHD、ローム、ソシオネクスト、三菱電機、サンケン電気、東芝、メガチップスが挙げられます。
これらの企業は、自動車や工場設備の自動化、社会基盤インフラ、通信技術など様々な産業分野で活躍しています。
他にも、スマートフォンやパソコンの記憶装置、デジタルカメラのイメージセンサーなどの消費者向け製品にもその技術は欠かせなくなっています。
半導体業界の分類
半導体業界には大きく分けて2つの分類があります。
どちらで働きたいのかを明確にし、志望動機の解像度を上げるためにも、両者の業務内容や特徴について理解しておきましょう。
メーカー(製造業)
メーカーは、半導体メーカーとも呼ばれ、半導体のデバイスや集積回路(IC)など、半導体の製品の設計や開発、製造を行うのがメインの業務です。
これらの企業は、研究開発に多大な投資を行い、新しい技術や製品を市場に提供する責任があります。
社会に果たしている役割は非常に大きい業界の1つであると言えます。
商社
半導体商社は、メーカーが製造した半導体製品、最終製品を組み立てる企業や他の顧客に販売する役割を担っています。
これらの企業は、製品の流通と販売の専門知識を持っており、市場のニーズに応じて適切な商品を提供することで、サプライチェーンの重要な一部を形成しています。
商社は、製品の販売だけでなく、技術のサポートやカスタマイズされたソリューションの提供など、付加価値のあるサービスを提供する場合もあります。
【半導体業界の志望動機】半導体業界の職種
これまでに、半導体業界の現在の状況を確認してきました。
自分が興味を持った業界が、どのような状況に置かれているのかを理解することは、志望するにあたって無視できない問題でしょう。
次に、この業界の職種についていくつか紹介するので、それぞれの仕事の特徴を知っておいてください。
半導体業界での仕事には主に、
- 研究職
- 評価・検証
- 営業職
- 資材調達
が挙げられます。
それぞれの職種の特徴から求められている人材を把握し、志望動機をはっきりとさせられるようにしましょう。
研究職とは、半導体や半導体を用いた製品の研究開発、基礎研究などを行います。
どのような製品を作るのかを考えられる力が必要です。
電気工学や電子工学などの知識が足りないと、仕事に取り組むことが容易ではなく、必然と理系の出身者が多くなっています。
また、その出身者の中で大学院まで進んだ人も珍しくありません。
半導体はトレンドの移り変わりに影響を受け、トップシェアを取るための競争が激しい業界にあります。
ただ、専門的な知識があれば良いというわけにはいきません。
新しい技術や流行にも、意識を向けることが大切です。
高度な知識と技術を要するので、人材は不足してしまいがちですが、最先端の技術をもとに、開発や設計に関わることができる職種なので、やりがいは感じられるはずです。
検証・評価とは検証・評価とは半導体や半導体製造装置のハード評価、プロセス評価、検証を行う業務になります。
半導体を使用するうえで、不具合が生じないかや、正常に作動するかを検証します。
半導体は精密なものなので、少しの不具合で大きなミスが生まれてしまうため、検証・評価という業務はとても重要なものだという事が分かります。
また、半導体の検証・評価だけでなく、製造工程の検証・評価も行います。
これを行うことによって、未然に不具合が発生するのを防ぐことができ、品質の向上にもつながります。
このように検証・評価の業務は幅広いため、半導体に対する幅広い知識を持った人が向いている職種になります。
売上に直結する営業職は、利益を出すためにも重要な職種だと言えます。
仕事は顧客のニーズを発見し、解決するための提案営業が中心となります。
自社で製造した半導体を、国内や海外で企業を相手に営業するので、会社によってはグローバルな活動ができるでしょう。
加えて営業職は製品の販売だけではなく、アフターフォローも欠かせません。
製品に問題がないかをヒアリングし、顧客の満足度を上げられるように努めます。
半導体業界の営業職は、豊富な技術的専門知識を身につけなければなりません。
顧客のニーズを把握し、自社製品の提案を行う際に知識が浅いと思うようなアピールができないからです。
そのため、研究職とのしっかりとした連携、協力を図り、積極的にコミュニケーションを取ることができる人に向いています。
資材調達とは、半導体や半導体製造装置を作るための素材を調達する業務のことです。
資材調達では高品質な素材を、低価格で仕入れられるかがポイントとなるでしょう。
半導体の材料だけではなく、半導体を作るうえで必要な装置も調達しなければいけません。
半導体は性能の高いものが求められており、顧客のニーズに合わせた材質が必要です。
資材が変わってしまうと、製品は確実な性能を発揮することができなくなります。
資材調達は、設計通りの製品を作り、そして計画通りに製品を出荷するために大切な仕事です。
また、海外で調達する場合もあるので、英語力は鍛えてください。
半導体業界は、環境の変化が激しい業界です。
変化に対応でき、新たな着眼点を見出せられるようにしましょう。
【半導体業界の志望動機】半導体業界に向いている人とは
ではどのような人が半導体業界に向いているのでしょうか
主に
- 変化に対して柔軟に対応できる人
- 精神力が強い人
- 責任感が強い人
- 向上心が強い人
- 挑戦心が強い人
があげれます。
当てはまっているところがあれば、ESや面接でこの部分をアピールすると良いでしょう。
変化に対して柔軟に対応できる人
半導体業界では特に技術の進歩が速く、環境がどんどん変化していきます。
今ある考え方や技術が数年経てば、古いものとされてしまうことも多々あります。
そういった環境の変化に柔軟に対応しながら、半導体の開発を進めたり、アイデアを出していかなければなりません。
そのため、柔軟性や対応力を持った人はこの業界に向いていると言えるので、ぜひESや面接で力をアピールしていきましょう。
精神力が強い人
精神力は契約を取るために泥臭く取り組まなければいけない営業でもかなり必要なものとなっていますが、半導体業界では特に研究職や検証・評価職で精神力が求められます。
半導体はとても精密な装置なため、少しのミスで半導体装置が機能しなくなります。
そのため、開発などにおいて高い集中力が必要とされます。
また、開発の工程は多く、忍耐力が必要です。
集中力と忍耐力を高めるには、精神力が強くなくてはなりません。
よって、精神力が強い人が半導体業界に向いていると言えるでしょう。
責任感が強い人
どの業界・業務でも責任感の強い人は好まれますが、半導体業界では特に責任感の強さが求められます。
半導体は精密な機械で、かつ高価なものなので、ミスや問題を起こしてしまえば、自社にも取引先にも大きな損害を与えてしまいます。
そのため、責任をもって、開発から販売まで行っていく必要があります。
こういった点から、責任感が強い人は半導体業界に向いていると言えます。
向上心が強い人
半導体業界は、技術の革新が様々な業界の中でも最も早い部類に入り、市場のニーズも日々変化しています。
そのため、常に最新の技術や知識を追求しながら、自身のスキルを向上させ続ける向上心が求められていると言えます。
また、向上心が強い人は、このように変化が激しい環境においても、成長を目指し続けることができ、革新的な製品開発や問題解決に貢献できるのです。
よって、半導体業界において、向上心は強く求められていると言えます。
挑戦心が強い人
半導体業界は常に最先端の技術の開発、そしてその応用が求められる分野であり、未踏の技術領域への挑戦が日常的に発生します。
挑戦心が強い人は、このような困難や不確実性が高い環境においても、新しい技術の開発や画期的な製品の創出に向けて恐れずに取り組むことができます。
また、失敗を恐れず、学習の機会と捉えることができるため、革新的なアイデアを生み出し、業界をリードする技術や製品の開発に寄与することも可能です。
このように、挑戦心は、半導体業界という競争が激しく、技術革新のスピードが速い特性に強くマッチしていると言えます。
【半導体業界の志望動機】志望動機で見られるポイント
志望動機を書く前に志望動機を書く際に見られているポイントを解説していきます。
見られているポイントを理解することで、志望動機にどのようなことを書けばいいかが分かっていきます。
見られているポイントとしては
- 志望度の高さ
- 企業とマッチしているか
- 将来活躍してくれそうか
の3つが主に見られています。
志望度の高さ
企業はもちろん志望動機で志望度の高さを見ています。
「優秀であれば志望度の高さは関係ないのでは?」と考えている人がいるのかもしれません。
これは間違いで、「志望度の高さ」は「優秀かどうか」と同じくらい、もしくはそれ以上に重要な要素になっていきます。
企業はコストをかけて新卒採用活動をしているので、できる限り内定辞退者を出したくありません。
そのため、企業は志望度が高い人を優先的に選んでいきます。
企業とマッチしているか
応募した学生がその企業とマッチしているかを見ています。
もし、業務内容や働き方、社風などがマッチしていないのにも関わらず入社してしまえば、やりずらさや居心地の悪さを感じてしまうかもしれません。
そうして、早い段階でその会社をやめてしまえば、学生にも企業側にもデメリットがあります。
そのため、学生が企業とマッチしているかをみて、長く働いてくれそうかを判断しています。
学生はミスマッチを防ぐために、ネットや説明会、インターン、OB・OG訪問を通して企業の理解を深めていきましょう。
将来活躍してくれそうか
企業は志望度やマッチ度のほかにも、その学生が将来活躍してくれそうかも見ています。
企業は結局のところ、将来活躍して企業に貢献してくれそうな人材が欲しいため、志望動機のエピソードを通して活躍できる事をアピールしていきましょう。
【半導体業界の志望動機】志望動機を作る4step
半導体業界にどのような仕事があるのかがわかると、自分に合う職種が見つかります。
志望したい職種が明らかになれば、志望動機を考えられるようになります。
そこで、実際に志望動機を作っていくために役に立つ3つのステップを、これから順に紹介するので見ていきましょう。
志望動機は
- 自己分析を行う
- 業界研究をする
- 企業研究をする
- キャリアプランを考える
この3ステップで作っていきましょう。
このステップに沿って、なぜこの業界で働きたいのかを伝えられるように、志望理由を整理してみてください。
step1:自己分析を行う
志望動機とは、志望する理由のみを述べれば良いものではありません。
企業は、志望動機からも志望者の人物像を掴もうとします。
自己分析を行うことで自分の価値観、つまり就活の軸が作られるので、まずは自己分析をしてください。
この自己分析のやり方には、自分史やマインドマップなどさまざまなものが挙げられるでしょう。
たとえば自分史は、自分がこの年齢の時には何を考え、何をしていたのかを書き出す方法です。
マインドマップは、中心にテーマとなるキーワードを書き、そこから放射線状に関連する言葉やイメージをつなげていく方法です。
自己分析により、客観的に自分を捉えることができます。
自分史やマインドマップの中から印象的な出来事を整理し、共通項を探すことで、就活の軸を持ちましょう。
詳しい自己分析の方法はこちらの記事へ
step2:業界研究をする
志望動機を作る際は、企業だけでなく、業界全体についてもしっかりと分析をする必要があります。
業界研究を詳しく行い、業界全体の動向がどのようなものであるのかについて理解しておきましょう。
なぜ半導体業界を志望したのか考えるに当たり、業界のことをしっかり理解しておくことで、次の企業研究も行いやすくなります。
また、面接で業界についての話が振られることもあるので、スムーズに回答し、準備をしっかり行っている就活生であることもアピールしましょう。
step3:企業研究をする
志望動機をはっきりさせるためには、どのような企業なのかを知る必要があります。
企業は、必要としている人材と一致する志望者を探しています。
自己分析によって、自分の強みや弱みを再認識した後は、その企業で自分のスキルが活かせられるのかを考えてみましょう。
そのために、志望する企業の特徴を研究し、企業方針や社風を把握することが大切です。
企業研究を行うことで、同じ業界内でもそれぞれの企業の独自性を発見することにつながります。
しかし、理念を過剰に褒めることは避けてください。
調べれば誰でもわかることに、オリジナリティは出せません。
ほかにはない特徴を志望する企業から見つけられたのなら、自分がなぜそこで働きたいのかがわかるので、その理由を伝えるようにすると良いです。
詳しい企業研究の方法はこちらの記事へ
step4:キャリアプランを考える
志望動機のポイントは、入社後のイメージをいかに与えられるかにあります。
自分の将来の理想像を、具体的に思い描いてみてください。
やりたいことだけではなく、やりたくないことも明確にすると、自分が働いていくうえで重要視しているものが理解できます。
そして、目指している姿から、自分が実際に取る行動まで落とし込んでみましょう。
キャリアプランは、過去の経験やエピソードを踏まえて述べると、説得力が増すでしょう。
入社後に対する熱意や意欲は、これから一緒に働く志望者が企業にとって適切な人材かどうかを判断する材料になります。
企業は志望者のやりたいことから働いている姿を想像して適性を見ます。
したがって、入社後のイメージや成し遂げたいことなどといったキャリアプランを考えることは大切なのです。
【半導体業界の志望動機】半導体業界でES突破率を上げるためのポイント
半導体業界の企業には、多様な特色があります。
それぞれの技術や社風を区別し、志望する企業が求める人物像を把握することができなければ、志望動機は弱いものになってしまうかもしれません。
企業は限られた時間で、多くのESに目を通さなければいけません。
なぜこの業界でなければいけないのか、そしてなぜこの企業を志望したのかが伝わると、印象の残る志望動機になるでしょう。
ESの突破率を上げる方法は
- 半導体業界でなければならない理由をアピールする
- その企業でなければいけない理由をアピールする
- 技術と社風に触れる
- 求められる人物像を知る
- 他の学生と差別化を図る
これからESの突破率を上げるためのポイントを述べていくので、確認してみてください。
半導体業界でなければいけない理由をアピールする
志望動機がものづくりに携わりたいからといった内容だと、ものづくりであれば半導体ではなく、家電などのメーカーで良いのでは?と思われてしまいます。
印象に残るESは、どこでも使い回せるようなものではありません。
半導体業界の固有の性質に触れられると、志望動機に筋道が通ります。
理系出身者の人で半導体専門の研究を行っているのなら、志望する理由を考えるのに問題はないでしょう。
しかし、半導体に関連しない研究を行っていたり、文系出身者であったりすると、志望動機に説得力を持たせることは容易ではありません。
その際は、半導体が製品の基盤であることや技術発展の将来性に関わることなどを強調し、半導体ならではの特徴をアピールするようにしましょう。
その企業でなければいけない理由をアピールする
将来自分がなりたいビジョンを示し、そのために必要なキャリアが積める貴社を志望しましたと企業ごとの特徴を把握して志望動機を書くことが大切です。
半導体業界を志望する理由は、変化が早く常に最先端技術に触れられることやIoTやAI技術による成長性、多くの人の生活の質を向上させる社会貢献など様々です。
また、半導体材料メーカーや半導体製造装置メーカー、半導体メーカー、半導体商社と半導体との関わり方も企業により異なります。
そのため、企業研究を入念に行い志望企業の特徴を知ることが重要です。
企業の特色が把握できたら、他の企業でも通用すると感じさせない志望動機を書くようにしましょう。
技術と社風の両方に触れる
同じ半導体業界の企業でも、技術や社風は異なります。
一口に技術といっても、得意としている分野があり、どのような製品を開発しているのかは企業によって変わります。
半導体の材料となるものを製造するウエハーメーカー、半導体デバイスメーカー、半導体製造装置メーカー、そして半導体商社というようにさまざまなので、その企業の分野が関わりたいものであるのかを調べてください。
志望動機では企業ごとの特徴を掴み、独自性に言及することが重要です。
また、社風にも、製品の開発に力を入れているのか、顧客との関係性を重視しているのかという違いにより、企業全体の価値観が表れます。
自分の性格や価値観が社風から大きく外れてしまうと、企業も疑問を抱くので、志望動機では社風にも注意してください。
求められる人物像を知る
技術や社風と同じように、求められている人物像も企業によって違います。
採用ページやOB訪問を通して、把握するようにしましょう。
必要とされる人材がわかると、企業に合ったアピールができます。
たとえば、電気や電子の高い専門スキルよりも、キャッチアップに長けている人材が求められることがあります。
スキルだけではなく人柄も重要視されるので、スキルに自信が持てなくても、自己分析の結果をもとに長所を整理しましょう。
自分の長所が強みとなる企業を志望すれば、ESの突破率は上がります。
ところが、志望した企業が求める人物像と長所は必ずしも一致するとは限りません。
その場合は、無理に当てはめようとせず、自分らしい経験や意欲などをアピールし、接点のみでも見つけられると良いでしょう。
他の学生と差別化を図る
大学で専攻していた内容や他の学生が体験しなさそうな出来事を用いることで、志望動機の差別化が図れます。
半導体業界は変化が激しい業界であり、トレンドに敏感な人が活躍する傾向にあります。
そのため、一見すると就活には関係なさそうな最新トレンドを体験したエピソードから、強みをアピールする方法もあります。
その際、キャッチコピーを使うなど伝え方を工夫し、単にエピソードの差別化以外の方法も検討してみましょう。
【半導体業界の志望動機】志望動機を書く際の注意点
志望動機を書く際に注意すべき点を紹介していきます。
これから紹介する点を見落としてしまうと、評価が大幅に落ちてしまいます。
そのため、今回紹介する
- 待遇面については書かない
- 競合企業と差別化をする
- 企業にメリットがないことは書かない
- エピソードを1つに絞る
- 具体性を持たせる
- 顧客目線で書かない
の6点に注意して志望動機を書いていきましょう。
待遇面については書かない
就職活動の中で、給与や福利厚生、勤務地域や残業時間などの待遇面や条件を志望理由にすることはタブーとされているので、書かないようにしましょう。
基本的には志望動機では自分が将来したい事を中心に書いてくと良いでしょう。
競合企業と差別化をする
志望動機を書く際には、競合企業にも当てはまることは書かないようにしましょう。
志望動機が他社にも当てはまる事が書いている場合は、企業側に「他の企業でも良いのでは?」と思われてしまい、志望度が低いと評価されてしまいます。
志望度はかなり大きな評価要素なので、志望度が低いと判断されると評価が大幅に下がってしまいます。
そのため、その企業でしかできない事を書いて、志望度の高さが伝わるようにしましょう。
企業にメリットがないことは書かない
企業にメリットがないことは書かないようにしましょう。
例えば、「入社後に営業のノウハウを学んでいきたい。」というようなことは企業にはメリットがなく、評価が下がってしまいます。
企業は将来活躍してくれそうな人材を求めているので、学びたい事ではなく、貢献できることをエピソードを通してアピールしていきましょう。
「入社後にこう活躍していきたい」というような、企業にメリットがあることを書いていきましょう。
エピソードを1つに絞る
志望動機に限らず、自己PRなどでもエピソードは1つに絞りましょう。
「自分のことを伝えるために、色々なエピソードを伝えたい!」という人がいるかもしれませんが、ESにしても面接にしても、字数や時間が限られているため、エピソードは1つに絞りましょう。
複数個エピソードを入れると、1つ1つの内容が薄くなってしまい、よいアピールになりません。
そのためエピソードを1つに絞って、内容を深くし、志望動機に説得力を持たせると良いでしょう。
具体性を持たせる
具体性のない志望動機では採用側に魅力的だと感じてもらえません。
「多くのお客様に喜んでほしいから。」や「社会に貢献できるから。」などの抽象的なものでは、採用側は上手くイメージできません。
例えば、「半導体の縮小化を進めることで、家電などの省電力化・高速化を進めることができ、結果的に社会に貢献できるから。」というように、字数は限られていますが、できる限り具体的に述べることで説得力が増し、魅力的な志望動機を作ることができます。
顧客目線で書かない
「貴社/御社の商品が好きなので、志望しました。」のように顧客目線での志望動機葉避けましょう。
企業への愛では将来活躍できるのかが想像しづらく、評価が低くなってしまいます。
半導体業界の場合は、あまりないかもしれませんが、注意するようにしましょう。
【半導体業界の志望動機】「大学で専攻している」を志望動機にしてもいい?
志望動機で大切なことは、なぜその業界を選び同業他社の中から志望企業を選んだのかを明確に伝えることです。
大学で専攻していた分野が半導体業界に関連性があっただけでは、十分な志望動機とは言えません。
しかし、「大学で専攻していた内容がきっかけで、」などのように、興味を持つ入り口になったこととして志望動機に繋げることはとてもいいアピールポイントになります。
なぜなら、知ることがないと興味を持ちその業界を目指そうと思い至ることがないからです。
例えば、半導体の仕組みを学ぶ中で、IoTやAIが普及することがエネルギー問題の解決など様々な社会問題の解決につながることを知ったなどです。
【半導体業界の志望動機】おすすめの構成
これまで半導体業界の志望動機の書き方やポイントについて解説してきました。
では実際に志望動機を書く前におすすめの構成を紹介していきます。
志望動機は
- 結論
- 具体的なエピソード
- 学んだこと
- 入社後にやりたいこと
1.結論
まず志望動機の最初に結論を書きましょう。
就職活動では結論ファースト(結論を最初に述べること)が望ましいため、この志望動機でも結論を最初に述べましょう。
簡潔な結論を最初に書くことで、採用側は就活生の伝えたいことが分かり、それ以降のエピソードの内容を理解しやすくなります。
そのため、結論を最初に話すことを意識しましょう。
2.具体的なエピソード
結論の次には、その志望動機に至った理由となるエピソードを述べましょう。
結論だけでは、就活生の人柄であったり、志望度を図ることができないため、今までの経験からなぜその企業に入りたいと考えたのかを伝えていきましょう。
具体的なエピソードを伝えれば、人柄も伝わりますし、志望度の高さも伝わります。
限られた字数の中で、できるだけ具体的にエピソードを述べて、説得力のある志望動機にしましょう。
3.学んだこと
具体的なエピソードの後には、その経験で学んだことを述べましょう。
学んだことはとても重要になります。学んだことの内容次第で、積極的に取り組んだのか
有意義な経験になったのかどうかが分かります。
また学んだことは入社後に活きるような内容にしましょう。
例えば、部活動での経験を述べた後に、「チームスポーツの楽しさを学びました。」と言っても入社後には活かすことは難しく、評価につながりません。
そのため、「チーム間でのコミュニケーションの重要性を学びました。」などというように述べ、入社後もチームで活躍してくれそうと思われるようにしましょう。
4.入社後にやりたいこと
そして最後には、入社後にやりたいことを述べましょう。
今まで述べた経験や学びを踏まえて、将来どんな仕事をしたいのか、どんなことで会社に貢献できるのかを述べましょう。
そうすることで、労働意欲や志望度の高さが伝わり、採用側に評価されやすくなります。
【半導体業界の志望動機】志望動機の例文
志望動機を作るために、自己分析や企業の研究をした後は、実際に書かなければいけません。
最後に、半導体業界の技術職と、営業職の志望動機の例文を紹介します。
ぜひ例文を参考にして、志望動機を書いてみましょう。
書く段階になると、どのような構成にすれば良いのか迷うかもしれません。
書き方のポイントとしては、結論を冒頭に書き、それから根拠を述べ、最後に展望を伝えるようにすると良いです。
そして、読みやすい文章を心がけてください。
技術職の志望動機の例文
技術職を志望する人は、自分が取り組んできた経験や培ったスキルを活かせることに触れ、入社後の自分の姿について言及しましょう。
半導体から技術発展に貢献したいからです。
現在、大学のゼミで、半導体の利用方法によって現代の課題を解決するための研究に取り組んでいます。
コロナ禍以降、半導体の不足は世界的な課題になっています。
要因の一つには半導体製造の複雑さが挙げられますが、その解消にこれまで専門的に学んだことで得た知識や技術を活かせると思い志望しました。
デジタル化が進み、半導体は革新的な技術に関与しています。
半導体業界は社会の発展に影響を及ぼし、中でもデータの記憶を行う記憶装置は欠かせないものです。
この半導体のメモリに力を入れている貴社の研究に貢献し、技術発展を支えたいと考えています。
そして、主体的に学ぶ姿勢を持ち続け、新しい技術に意識を向けられるように努めます。
検証・評価の志望動機の例文
検証・評価の職種を志望する人は業界への理解はもちろん、注意力や観察力をアピールし、入社後の自分の姿について言及しましょう。
半導体を用いた技術発展を支えたいからです。
現在の世界中の技術発展には半導体が欠かせなくなっています。
そこで、大学での半導体の研究を活かして、半導体の開発に携わり、技術発展に貢献したいと考えています。
私は半導体の研究チームで、リーダーを務めておりマネジメント能力や観察力には自信があります。
大学では、半導体を用いて家庭環境を快適にする研究を行っていました。
今ある家電製品などの改良などを行っていたのですが、上手く作動しないことが多々ありました。
それを私が中心となってハードやプロセス評価・検証を行い不具合の原因究明を行っていき、最終的には家電の改良に成功しました。
この経験から、不具合を防ぐための評価・検証の重要性を学びました。
入社後は私のマネジメント力や観察力を活かして、半導体の評価だけでなく、全体の製造フローの評価も行い、貴社の半導体を不具合なく国内だけでなく、海外にもに出せるように努めて行きたいです。
営業職の志望動機の例文
営業職を志望する人は業界への知識や理解を深めていることに触れ、技術職の場合と同じように入社後の自分の姿について言及し、まとめましょう。
社会基盤を支える仕事をしたいからです。
半導体はエアコンや冷蔵庫などの家電からPCまで使われており、生活や社会を支える基盤そのものであることに気が付きました。
日々の暮らしを豊かにするために必要な半導体業界に魅力を感じ、半導体について積極的に学んでいます。
また、新しいことに興味を持ち続けているので、製品の情報を迅速にキャッチできると思い志望しました。
半導体の市場は盛り上がる一方、従来の体制では生き残りが難しくなっています。
常に移り変わるトレンドを察知してニーズに応えていき、国内トップシェアの貴社の影響力で、社会基盤を支えていきたいです。
成長する半導体業界への見聞を広めていくことで、要求に合った製品を提案したいと考えています。
【半導体業界の志望動機】志望動機のNG例文
次はNG例文を見ていきましょう。
NG例文を見ていくことで、どのようなことに気を付けて書いてゆけばいいのかが分かります。
NG例文①:企業にメリットがない
私は営業のノウハウを身に着け、いち早く1人前の営業マンになりたいと考え、志望しています。
半導体業界は需要が高く、価格が高価なため、責任感が求められるかつ、営業マンとしての能力が非常に求められる業界だと考えています。
その業界の中で働くことで、自身が早く成長し、いち早く1人前の営業マンになれると考えています。
木下恵利
志望動機が「ノウハウを身に着け、いち早く1人前の営業マンになりたい」では企業側にはメリットがありません。「いち早く1人前の営業マンになり、早い段階から契約を取り、会社に貢献できるような人材になりたいです。」のように、会社に貢献することをアピールしていきましょう。
NG例文②:具体性がない
半導体製造を通して、技術発展を進めていきたいです。
現在、電子機器や家電など様々なところで半導体が使われています。
これらによって暮らしが豊かになってきたので、技術発展を進めて、人の暮らしをよりよくしたいと考えています。
木下恵利
「技術発展を進めて、暮らしを豊かにしていきたい」では具体性がありません。どのようにして暮らしを豊かにしていくのかを具体的に書き、なぜこの業界・企業を志望するのかを伝えるようにしていきましょう。
【半導体業界の志望動機】志望動機を作成したら
志望動機が完成したら早速、提出したいと思う人も多いかもしれませんが、その前に一度、下記の3つの対策を行いたいところです。
より質を高めて良い印象を持ってもらうためにも、下記の3つを行ってください。
添削
志望動機が完成したら、そのまま提出するのではなく、一度添削しましょう。
自分で行うのももちろん大切ですが、就活に取り組んでいる友人や信頼できる先輩に依頼するのもおすすめです。
良いところをさらにブラッシュアップし、客観的に話せていない部分など悪い部分を改善できれば、さらにクオリティを高め、内定の可能性を高められます。
添削方法については、こちらの記事で紹介しているので確認してみてください。
面接練習
志望動機が完成したら、一度そのタイミングで面接練習を行うのもおすすめです。
面接の直前になってから練習をすると、時間が迫っているので慌ててしまう人も多く、何より、志望動機に何を書いたか忘れている場合も多いです。
そこで、志望動機が完成した、つまり自分の書いた内容が頭の中に残っている状態で面接練習を行い、スムーズに回答できるよう準備してしまいましょう。
就活エージェントに相談する
自分で検索もしくは、誰かに添削してもらうことは非常に重要な対策ではありますが、最も手っ取り早く、そして効果が高いのは、就活のプロである就活エージェントに相談することです。
就活に関して、プロが適切なアドバイスをしてくれるため、志望動機以外にも、自己PRなどのESや面接対策などに役立てることも可能です。
まだ就活エージェントを利用していない方は、完全無料で利用できるジョブコミットをおすすめします。
一人ひとりの自己分析や業界研究、面接対策、内定後までのサポート体制が整っているため、ぜひこちらのリンクからチェックしてみてください。
おわりに
この記事では、半導体業界について紹介しました。
半導体業界における志望動機の考え方が掴めたのではないでしょうか。
半導体業界の現状や職種を知り、自分がこの業界に向いているのか、また働きたいと思っているのかを整理することができれば、志望動機はわかりやすいものになります。
自分自身で志望する理由をはっきりさせられないと、相手にうまく伝わりません。
ESの突破率を上げるポイントや、志望動機の構成の仕方を踏まえて、オリジナリティのある志望動機を述べられるようにしてください。
就活コンサルタント木下より
デジタル化が進んだ現代において、家電や自動車など物の大きさを問わず使用される半導体は、日常生活を送るために欠かせない存在であると言えるでしょう。