大学助手はどんな仕事?給与や待遇など気になるあれこれを徹底解説!

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はじめに

卒業してからどのような進路に進むべきか悩んでいる中で、これまで学んできたことを今後のキャリアに活かしたいと考えている学生もいるのではないでしょうか。

とくに、これまで数多くの実験レポートを提出してきた理系大学生、あるいは大学院生なら助手という選択肢が頭に浮かんでいるかもしれません。

そこでここから先は、進路として助手を選ぶ際の注意点などのほか、実際にどのような仕事をしているのか、待遇などを確認していきながらイメージを膨らませていってください。

助手とは

そもそも助手というのは、大学教員の最初のステップで、なるために特別な資格やキャリアが必要なわけではありません。

これまでに身近に触れてきた中で、大学教員のキャリアステップはおおよそイメージできているはずですが、ここで改めて確認しておきましょう。

助手としてスタートしてその次は助教、さらに講師を経て准教授へと進むのが一般的です。

以前は助教授という職位もありましたが、助教とは異なり現在の准教授にあたるなど、誤解しがちなものもあるため注意しておきましょう。

助手の仕事内容とは

それでは大学に残り助手となった場合、実際にどのような業務に携わることになるのでしょうか。

主なものとしては、教授や助教授が抱える職務をサポートし、研究などを補助する役割を担います。

これまでに経験があるはずですが、実験を始めるにあたってその説明などをするのも、助手に与えられた業務の一部です。

さらには講義に使うために資料を印刷する、教授の講演やイベントなどにおいて幹事を務めるなど、業務の範囲は幅広く、縁の下の力持ちのような存在といえるかもしれません。

助手の待遇とは

就職活動に向けた準備をする中で助手への道を思いついた学生なら、もしかしたら仕事内容とともに、待遇面などが気になっているかもしれません。

一般企業へ進んだ場合との違い、たとえば給与にどれくらいの差があるのか、労働時間に大きな開きがないかなど知りたいことがあるでしょう。

そこでここからは、それらとともに待遇面を具体的に確認していきながら、自分が想像していることや抱えているイメージと相違がないかをチェックしてみてください。

給与

まず給与について、もちろん大学の規模や経営状況などにより異なるものの、平均すると年収450万円くらいだといわれています。

すでに企業研究などを進めている学生なら、これが多いのか少ないのかは、自身で判断できるのではないでしょうか。

同じ大学内でも学部によって差があるほか、国が運営しているのか学校法人や企業が運営しているかによっても違います。

おおむね私立よりも国立のほうが高い傾向にあることは、まだ知らなかったという学生がいるかもしれません。

労働時間

労働時間も所属する組織により違いはあっても、一般的な企業に比べれば、長時間労働となるでしょう。

年間で労働時間はおよそ2670時間というデータからもわかるとおり、残業がなく、定時になれば帰宅できるものではありません

もちろん勤務は学校のスケジュールに従うことになるため、月曜日から金曜日までの平日がメインで、朝から出勤するのも一般的なオフィスワーカーと変わりません。

ゼミの合宿やセミナーなどのイレギュラーな予定がなければ、基本的に土曜日と日曜日は休めます

待遇

企業へ就職するか、大学に残り助手の道を選ぶか、迷っている学生がさらに頭を悩ませそうなのは、待遇についてでしょう。

というのも助手は、期限付きで契約するケースがほとんどで、将来の安定はまったく見込めないからです。

それも数年くらいの契約が一般的で、延長を望もうにも、再任を認められないことも珍しくはありません。

つまり新卒で契約社員になるようなもので、夢や希望を追うよりも長く安定して働きたいと思う人には、あまり向いていないかもしれません。

非常勤講師との兼業が可能

契約期間が限られているという一般企業への就職とは異なる条件はあるものの、一方で他では得られない経験を積めるチャンスは大きく広がっています。

そのひとつが非常勤講師とのかけもちが認められていることで、自分が所属する以外の大学で授業を担当するなど、視野を広げるための場を自力で作れる柔軟な働き方が認められています。

非常勤講師としての給与は時給制の場合や、労働時間によらず一定な裁量労働制などさまざまですが、いずれにしても収入増につながるのは間違いありません。

助手のキャリアパス

わずか数年程度の契約で安定性に欠ける職種ではあるものの、その期間が終われば、大学を去らなければならないわけではありません。

はじめに見たように、助手はあくまでも研究者を目指す上での第一歩にすぎず、キャリアを積むための道はその先にあるからです。

それでは助手としての任期を経たのちに、具体的にどのような進路があるのでしょうか。

実際によくある例を見ながら、自分が助手になったつもりで将来へのイメージをさらに深めていってください。

助教にキャリアアップ

在学中から助手になろうとしているなら、次のステップとして真っ先に思い浮かぶのは、助教ではないでしょうか。

あるいは准教授をイメージした人もいるかもしれませんが、そうなるにはまだまだ早く、はじめに見たような大学教員としてのキャリアステップを再確認してください。

任期中に地道に研究を続けるなどの努力をすれば助教になるのは狭き門ではないものの、それまでに博士号を取得しなければならない場合がほとんどで、エスカレーター式に昇進するわけではありません。

一般企業に転職

助教となって大学にそのまま残る道がある一方で、助手の任期を終えてから一般企業に就職するケースも少なくありません。

なぜならば、その分野の第一線で研究に携わった経験は学生にはないもので、即戦力としての期待がかけられているからです。

研究してきた内容はもちろん、博士号を取得していれば、強みとしてアピールできて転職するにも有利です。

そして、研究職や技術職として迎えられた先では、研究者としてますます研鑽を深めていくことになるでしょう。

助手に向いている人の特長

仕事内容から待遇、さらにキャリアパスまで見てきたところで、そもそもどんなタイプに向いているかチェックしておきましょう。

なかには就職活動を進めるうちに、一般企業から研究者へと希望する進路の変更を思い立った人がいるかもしれません。

しかし、目標が変わったからといって、自己分析するなどやっておくべきことに違いはありません。

これまでの経験を振り返りながら自分の長所や強みを正しく認識しておけば、将来やりたいことが明確になって疑問や迷いがなくなるでしょう。

学問が好き

真っ先に挙げられるのは、学問がとにかく好きであること、研究に没頭できなければ勤まるはずがありません。

豊富な専門知識を身につけているだけではなく、小さなことに疑問をもつなどの探究心もなければならないでしょう。

未知のことに貪欲に興味をもって、知的好奇心は高ければ高いほど、向いている職種です。

ただし、当然ながら興味のあることばかり熱中していればよいというものでもなく、研究室の一員として協調性がなければならないこともいうまでもありません。

研究者になりたい

少しでも就職のための準備を進めている学生ならわかるとおり、成績が優秀だからといって内定を勝ち取れるわけではありません。

意欲があれば採用になるわけでもなく志望動機が明確でなければならず、そこがあやふやなままでは難関を突破することなどできないのです。

それは助手を志望する場合においても同様で、研究者になりたいという理由をはっきりさせておかなければなりません。

今からできることとして勉学に励み、努力を積み重ねて成果を上げればキャリアに一歩近づけるでしょう。

助手に応募する方法

新卒で助手を目指すのも研究者の道を志すのも、全体から見れば一握りといえるでしょう。

そのための合同説明会が開催されることもなく、どうすればなれるのか参考書を探そうにもなかなか見つからないかもしれません。

エントリーシートを提出して書類選考を経て面接に進む、そんな一般的な就活の流れとは異なる面ばかりです。

そこでここからは、どのように応募するのか大まかな流れを知り、その上で実際に自分が志す学校ではどのような採用が行われているのか確かめてください。

大学の公募から応募

多くの場合は大学のホームページで公募しており、新卒を対象とした就職サイトや支援サービスなどで情報を集めることはできません。

そこで自ら情報を収集しなければならないわけですが、そこで注意したいのは、自分が学んできた分野における募集であるかどうかです。

なぜならば、助手というのは即戦力が求められるため、いくら他分野に興味があっても採用には至らないからです。

さらに志望意欲がいくら高くても、毎年のように募集しているわけではないことも承知しておくべきでしょう。

母校を活用しよう

ホームページから情報を集めて、何がなんでも助手になろうと他校にあたるよりも有効なのは、母校の募集を有効に活用することです。

縁故などが採用の決め手になることはないものの、表立たずに採用が決まってしまうことも十分に考えられるでしょう。

つまり、今すでに在籍する母校において助手になりたい希望を伝えておけば、採用に関する情報を先取りできる可能性も低くはないわけです。

周囲に将来は研究者になりたいという希望を伝えておけば、ヘッドハントされることがあるかもしれません。

教授からの推薦

これから先の将来の希望として、研究者として歩んでいきたいことを担当の教授に伝えることは、もっとも有効な手段かもしれません。

伝手を頼るというのは大企業への就職などでは考えられない方法ですが、採用数に限りがある助手については例外といえるでしょう。

在学中から将来は研究者の道を進みたいという意思を明確に伝えて、さらに勉強に熱心に取り組み成果を残せば、道が開けてくるかもしれません。

そのために日頃からコミュニケーションをよくとり、自分を売り込む活動も必要となってくるでしょう。

まとめ

ここまで進路を助手にしてみようと考えている学生に向けて、キャリアパスや応募する方法まで見てきましたが、いかがだったでしょうか。

なかには自分の思っていたものとは違ったという感想や、あるいは反対に興味が深まったという人がいるかもしれません。

いずれにしても助手という職種に就こうとすれば、一般の就職活動と同じように自分の適性を見極めることも大切です。

まわりと比較することなく粘り強く考えて、将来に向けて後悔のない選択をしてください。

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