HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
はじめに
就活を控えた大学生の中には、自分が所属する学部と目指す業界の分野・系統が異なるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
特に理系の学生といえば、就職先は研究職に就ける会社や業界を思い浮かべがちですが、文系の仕事に就くことも十分可能です。
そこで、この記事では理系学生でもマーケティングの仕事に就けるかどうかについて解説します。
マーケティングの仕事に興味がある、学部的に専門外の職種に就けるかどうかについて見ていきましょう。
【理系でマーケティング職に就職!?】マーケティングとは
マーケティングとはいわゆるビジネスの道筋を立てる仕事です。
市場調査からターゲットとなる顧客層を選定しニーズを読み取り、世の中全体の流れ、つまりトレンドを踏まえた販売戦略の立案が主な仕事となります。
自分の考えや直感を信じるというより、客観的な事実やデータをもとに判断を下して仕事を進めていくことが大きな特徴と言えるでしょう。
具体的な業務内容としては、市場調査・企画の立案・販売促進などが挙げられます。
文系の職種ながら数字と向き合い分析を重ね、販売計画についてもトライアンドエラーを繰り返して最適解を見出していくことが大きな特徴です。
効率化がキーワードとなるため、文系の学生が就くと言われている職種ながらも、理系の学生にも適性があることが大きなポイントです。
マーケティング職が携わる仕事の具体的な例を見ていきましょう。
市場調査
マーケティングが業務として携わる市場調査とは、売りたい商品やサービスを効率良くさばくための最適な戦略を考える調査活動です。
現在の市場にどのようなニーズが眠っているのか、競合他社との勢力分布図がどのように展開しているのかをデータから読み取ります。
また、時には消費者と対面で直接、商品やサービスを使ってもらって感想を募るというような調査方法を採る場合もあります。
自社の商品やサービスについて分析を進める、類似した商品やサービスについて調査を進めることが主な業務です。
企画の立案
マーケティングは、市場調査で得た情報やデータを参考にして、販売戦略に通ずる企画も立案します。
たとえば、自社が設定したターゲットと実際の購買層に相違がないか、売上を継続的に伸ばすためにどういった施策が必要かを考えるのもマーケティングの仕事です。
また、新商品を新しく考えるだけではなく、既存の商品の改善・改良についても考えを巡らせるようなテコ入れ作業もマーケッターが担っています。
多くの商品やサービスをブラッシュアップしながら会社の継続的な発展を支えることもマーケティングの大切な仕事の一つです。
販売促進
マーケティングはより多くの消費者に商品やサービスが認知されるよう、効率的な営業手法や販売方法についても考えを巡らせます。
多くの場合、会社の広報部や宣伝部といった別部門と手を取り合いながら広告やプロモーション戦略を立てていきます。
広報や宣伝部が会社のイメージを追求するのに対し、マーケティング部はデータを根拠にさまざまな販売戦略を立てていくのが大きな違いです。
すべての戦略の根拠にデータがあることで、販売戦略が思ったように伸びなかった・失敗に終わった際のリカバリーも利くでしょう。
【理系でマーケティング職に就職!?】理系でもマーケティング職に就けるのか?
結論からお伝えすると、理系学部出身者でもマーケティング職に就くことは可能です。
マーケティング職は学部不問であるため「大学時代は研究しかしてこなかった。」というような学生でも働ける職種だからです。
むしろ、マーケティング職が携わる業務には理系学生が日常的に行っている研究と通ずるものがあるため、文系学生よりも適性があるとも言えます。
理系学生こそ、大学時代に培った能力や強みを活かしてマーケティング職で活躍することは容易でしょう。
理系ならではの強み
マーケティング職に対する適性を考えると、理系学生には文系学生にない強みがあります。
まず、日頃から勉強している分野から考えても研究や分析に精通している理系学生は、数字の扱いに慣れていて仮説検証能力があります。
結論から次の改善策を導き出すために、文系学生よりも論理的思考力にも長けていると言えるでしょう。
このように、マーケティング職といえば、文系の学生が就く職業というイメージはあるものの、実際の業務内容は理系学生に向いたものばかりです。
理系学生ならではの強みがマーケティングの仕事にどう活かせるのかを考えておきましょう。
数字の扱いに慣れている
理系出身の学生がマーケティングの仕事に向いていると言われる理由の一つは、数字に対する親和性・扱い慣れているという点が挙げられます。
理系は学部によって異なるものの、基本的に研究や実験を行いデータを取りながら日常的に分析を行っています。
さらに、分析結果から次の研究や実験の仮説を立てているため、文系の学生と比べても数字に触れる機会が非常に多く扱いにも慣れていると言えるのです。
同様に、マーケティングの仕事も日常的に数字を活用しながら業務を進めていきます。
数字の扱いに慣れていることは職業適性があるとして強くアピールできるでしょう。
仮説検証能力
理系の学生が日常的に携わっている実験や研究には、仮説立てと検証といったマーケティングの仕事に欠かせない要素が含まれています。
データの分析には多角的な視点から仮説を考えられる柔軟な発想力や自分の主観にとらわれずにしっかりと事実を見極められる検証能力が欠かせません。
仮説で打ち立てた結果と、実際に出てきた結果が違えば、そこから新たな仮説と検証方法を考えるのもマーケティングの重要な仕事です。
このように、シーンや対象は異なるとはいえ、理系の学生が携わる作業にはマーケティングの基礎とも言える要素が詰まっています。
論理的思考力
マーケティングには何よりも論理的な思考力が欠かせません。
なぜなら、携わる業務には数字やデータが密接に関係しているため、自分に都合の良い情報だけを取り上げるわけにはいかないからです。
理系学生は分析から得られたデータや情報をきちんと正確に読み取り、次の改善策や検証方法について考えることに慣れています。
こうした日頃からの学問の傾向を考えても、理系学生は文系学生と比べて客観的な事実や情報をもとに理論を組み立てることに秀でているのです。
【理系でマーケティング職に就職!?】マーケティング職に向いている人
理系学生が備えていると考えられる特徴・気質のようなものは、マーケティング職の適性とも一致しています。
まず、日常的に大学の講義で数字を扱うことに慣れているため、数字に強い人物像というものが想定されます。
また、実験や研究を通じて仮説を立てて結果を検証する癖がついているため、感覚で話を進めるよりもデータに依拠した論理的な思考力も養われているはずなのです。
検証結果が思うように出なければ同じ実験を繰り返すことになるので、粘り強く働ける人とも言えるでしょう。
数字に強い人
マーケティング職は常に数字との関わり合いを持つ職種の一つです。
ただ数字を眺めるだけではなく、解析ツールや統計手法を駆使して分析を行っているというのも大きな特徴と言えるでしょう。
数字の扱いに慣れていて、なおかつ数字の意味まで理解できる人に向いている仕事です。
感覚やフィーリングよりも、数字やデータを根拠にした論理的思考で物事に対峙する人こそマーケティングの仕事に向いていると言えます。
理系の学生であることから数字に強いことをアピールできれば、マーケティング職に向けたまたとないアピールができるのです。
論理的に考えられる人
マーケティング職は結果を出すためにデータを客観視し、仮説を立てて検証結果から再び次の分析ができるような論理的思考を駆使して向き合う必要があります。
マーケティングという仕事は世の中の動向やトレンドを読み取り、商品やサービスを効率的に売り込む仕事です。
データを抽出して仮説立てと検証の繰り返すことが、マーケティングの仕事のルーティンワークになります。
つまり、感覚やフィーリングとは無縁の仕事であることはもちろん、戦略的かつ効率的に業務を進めるためにも論理的思考力が何よりも求められる仕事なのです。
粘り強く働ける人
マーケティングの仕事は常にPDCAといって、Plan(計画)・Do(実行)・Check(検証)・Action(改善)を繰り返して成立しています。
しかし、実際の仕事では立てた計画が検証内容に合っていないこともあれば、思うような結果が出ない場面もあるでしょう。
そのため、同じ事象に対して何度もPDCAを繰り返すことも多いため、とにかく粘り強くコツコツと働ける人が向いています。
うまくいかなかった時でもあきらめずに解決策を探れるような忍耐力が必要という意味では、ルーティンワークよりも粘り強く仕事と向き合う必要があるでしょう。
【理系でマーケティング職に就職!?】理系のマーケティング志望の就活に向けた準備
理系学生がマーケティング職を志すなら、自身の強みやマーケッターとして働くことを意識した就活の準備を進めておくことをおすすめします。
具体的にはマーケティングの仕事が経験できるインターンに参加し、マーケティングの知識を身につけることから始めてみましょう。
また、マーケティング職に必要とされる資格を取得しておけば、入社してからもいち早く仕事を覚え、即戦力として活躍できる可能性も高まります。
マーケティング職志望の理系学生におすすめしたい就活に向けた準備というものを見ていきましょう。
インターンに参加する
理系学生でマーケティング職を志すのであれば、まずは企業主催のインターンに参加してマーケティング職に対する理解を深めましょう。
職業研究にネットや書籍を活用する学生は多くいますが、やはり、実際の現場で見て学べる情報には遠く及びません。
つまり、マーケティング職を志す学生こそマーケティング会社やマーケッターとして活躍できそうな企業のインターンに参加すべきなのです。
就職後に「思っていたのと違う。」と感じるようなミスマッチが起こるのを防ぐ役割もあるので、積極的に参加するようにしましょう。
マーケティングの知識をつける
マーケティング職を志すなら、マーケティング業界や仕事に対する知識を身につけるようにしましょう。
そもそも、マーケティング志望者について学部の制限というものは存在しません。
ただ、商学部や経済・経営学部といった文系の学部では講義の中でマーケティングに関する知識を学んでいるケースも多いため、理系学生と比較して有利と言えます。
面接でそこまで深くマーケティングに対する知識が問われることもありませんが、志望動機を語ることを考えてもマーケティングがどのような仕事をしているかについては理解が必要です。
どのような質問にも正確に答えられるというより、興味関心があり、マーケティングについてきちんと勉強してきたと面接官に伝わることが何よりも重要なのです。
資格を取得する
専門職と違い、マーケティング職には働くために必須の資格というものが存在しません。
しかし、マーケティング関連の資格を取得していれば、新卒の学生であっても専門知識があることが容易にアピールできます。
知識が備わっているといえることはほかの学生との差別化ポイントとなるのです。
また、マーケティング職に対する志望度の高さや仕事に対する熱意もアピールできるため、資格は取っておいて損はないと言えるでしょう。
マーケティング・ビジネス資格検定、Webアナリスト検定の2つについては要チェックです。
マーケティング・ビジネス資格検定
マーケティング志望の学生で、どの資格を取得すべきか迷っているという人はマーケティング・ビジネス資格検定をおすすめします。
この資格は難易度ごとに級が分かれているので難易度も低いため、就活の傍ら取得を目指す資格としては比較的取りやすいというのもポイントです。
こちらの資格については以下のサイトで取得に向けた勉強・試験が受けられるのでぜひ参考にしてください。
Webアナリスト検定
Webアナリスト検定は、Googleアナリティクスといって実務でも頻繁に用いる解析ツールにまつわる資格です。
マーケティング職に欠かせないデータ分析に関する知識が身につくため、本格的にマーケッターとして活躍したいと考える人におすすめです。
こちらの資格も検定スケジュールや講座の申し込みが以下のサイトでできるので、ぜひ参考にしてください。
【理系でマーケティング職に就職!?】マーケティングの勉強方法
理系学生がマーケティング職に就くためにおすすめの勉強方法は以下の2つです。
まず、参考書を活用してどのような資格取得を目指すか、勉強方法そのものを学びましょう。
そこから可能な限りインターンに参加し、マーケティングの仕事に関する実務経験を積みましょう。
この2つができていれば、知識と実務経験が補えるため就活を有利に進めやすくなります。
自分が理系学部出身者だからとあきらめることなく、しっかりと準備をして就活に備えれば内定に近づけるでしょう。
参考書を利用する
マーケティング職は面接を受けるまでに資格が取得できていると有利なので、参考書を活用した勉強をおすすめします。
初心者にもわかりやすく用語や仕組みを解説してくれる参考書はいくつも販売されています。
理系でもマーケッターを志すならぜひともマーケティングにまつわる勉強をして知識を身につけておきましょう。
実務経験を積む
長期インターンの中には実際の実務のようにマーケティングの仕事に携われるものがあります。
マーケティング職に対する職業適性がある理系学生であっても、可能な限りこういったインターンに参加すると良いでしょう。
ガクチカのエピソードにも使えるので、長期インターンはぜひとも活用してください。
おわりに
専門外と思われがちですが、理系学生でもマーケティングの仕事に就くことは十分に可能です。
むしろ、業務内容や求められる素質を見ていくと、理系の学生にこそマーケティングの仕事はおすすめです。
ただ、自分が理系出身者だからということだけを武器に就活を戦っていくのは難しいでしょう。
可能な限りマーケティング職に関する知識を身につけ、勉強してきたことを面接でうまくアピールできるよう準備してください。
きちんとした準備さえやっておけば、理系学部であってもマーケティングの仕事に就くチャンスはいくらでもあります。