大学院卒業後の就職先を知りたい理系学部生必見!具体的な就職先や進学のメリット・デメリットなども紹介

大学院卒業後の就職先を知りたい理系学部生必見!具体的な就職先や進学のメリット・デメリットなども紹介

記事をお気に入り登録する

記事のお気に入りに登録

「記事のお気に入りに登録」のご利用にはログインが必要です。

会員登録がお済みでない方

無料会員登録

はじめに

現在理系学部に通う大学生のみなさん、就職についてはどのようにお考えでしょうか。

すでに希望する業界や企業が見つかり、就活の準備を始めたという方がいる一方、このまま就職するのではなく、大学院へ進む方向性を検討したいという方もいらっしゃるでしょう。

今回は大学院に進学しようか迷っている理系学部生のみなさんに、理系の大学院に進学するメリット・デメリット、理系院卒の就職先について詳しく解説していきますので、ぜひ最後までお読みください。

【理系院卒の就職先は?】そもそも大学院への進学率は?

pixta_73104040_S

そもそも大学生の大学院への進学率はどれくらいなのでしょうか。

理系の大学院進学率は、一般的に4割程度と言われていますが、その中でも東京大学・大阪大学・京都大学など偏差値が上位の国立大学では9割近くにまで上がります。

そのほかの国立大学ではおおよそ6〜7割、私立大学においては4〜8割と大学によってまちまちで、大きく差が出ている状況です。

大手企業の理系技術職や研究開発職などの場合、新卒の採用条件を大学院卒としているケースが多く見受けられます。

将来入社したい会社や就きたい職種がある程度決まっており、その職種に求められる応募資格が大学院卒以上であるならば、大学院への進学を視野に入れておく必要があると言えるでしょう。

【理系院卒の就職先は?】理系大学院卒は就職に有利?

理系大学院卒は就職に有利なのでしょうか。

大学院卒の特徴として、大学卒では得られない専門的な知識や能力を身に付けられる点が挙げられます。

特定分野の研究に没頭したい、専門スキルを徹底的に磨きたいといった意識の高い学生が理系大学院卒には多いと言えるでしょう。

大学院ではより専門的な研究に取り組むため、論理的思考や課題解決能力、さらには研究成果発表のための論文や資料作成能力が身に付きます。

そのため、より専門的で即戦力を求める企業の研究職や開発職などでは、理系大学院卒の経歴は有利に働きやすいと言えます。

ただし、大学院のレベルや専攻していた研究内容によっては、一概に理系大学院卒だからといって無条件で就職に有利になるとは言えないので、その点は注意が必要です。

【理系院卒の就職先は?】理系大学院の就職の流れ

ここからは、理系大学院の就職の流れについてご紹介します。

大学院卒と一般学部卒では志望企業への応募スタンスは異なるのでしょうか?

一般的な流れとしては「自由応募」と「学校推薦」の2つが、代表的な企業への応募ルートになっています。

自由応募

自由応募は、就活におけるもっともスタンダードな応募方法です。

理系院生の第一志望企業に対する就職活動の方法は、半数以上が自由応募であるとも言われています。

これは、そもそも志望企業に自由応募の枠しかなかったり、推薦応募で採用にいたった場合に内定を辞退しづらくなったりすることがあるからといった理由が多く見受けられます。

また、自分に自信を持っている意欲的な人は「決められたレールに乗るのではなく自分の実力で勝負したい」との理由で自由応募を選択するパターンもあるようです。

自由応募は、読んで字のごとく自由に企業に応募できる方法です。

推薦では企業の選択肢が圧倒的に少なくなることから、多くの企業を自由に受けてみたいと考える場合は自由応募を検討してみましょう。

学校推薦

代表的な応募方法のもうひとつは学校推薦です。

大学(大学院)の推薦枠を使って応募するので、ほかの一般応募の学生よりも優先して選考を行ってくれるケースが多く、内定にも結びつきやすい応募方法と言えます。

「志望する企業に学校推薦枠があり、ピンポイントで確実に内定をもらいたい」「自由応募は不安」「せっかく学校推薦があるなら有効的に使いたい」と考える院生が学校推薦を選択しているようです。

ただし、学校推薦の枠で応募できる企業の数には限りがあり、希望する人すべてが推薦枠を使えるわけではありません。

また、推薦枠で内定が決まるとよほどの事情がない限り内定辞退はできないため、早い時点で志望企業が定まっているような場合を除いては、学校推薦を使うかどうかは慎重に検討する必要があります。

【理系院卒の就職先は?】大学院進学のメリット

大学院について、何となく専門的な学問や研究を追求する場と捉えている方もいらっしゃるかもしれません。

大学院そのものについての理解は当然必要ですが、大学院への進学を検討するにあたり、メリット・デメリットの把握も必須です。

まずは、メリットの部分から見ていきましょう。

院卒が条件の企業に応募できる

院卒メリットのひとつは、大学院卒が条件である企業の採用案件に応募ができることです。

行きたいと思う企業の職種があったとしても院卒が応募条件の場合、大卒では選考を受けることもできません。

大手メーカーの研究開発職などは、特定分野の基礎知識のほかに、深い専門知識を持っていることが採用の最低基準としていることが多いため、その条件を満たす大学院卒を応募条件としている理由もうなずけます。

広く一般に門戸を開いていない採用案件であるということは、それだけ応募する学生の数も必然的に少なくなるため、競争率が下がることも院卒条件に応募できる利点のひとつと言えるでしょう。

応募するしないに関わらず、就活の対象となる企業の選択肢が増えるのは大変有利です。

専門性を高めることができる

専門性を高めることができる点も院卒メリットの大きなポイントです。

大学院は、一般の学部に比べて2年ほど長く学生生活を送ることになります。

学生生活における2年の期間延長は貴重で、一般学部生よりも長い時間専門分野の研究に取り組むことができます。

企業において専門的な研究開発職に就くような場合、大学院で学んだ深い知識や専門性はある程度活かせるケースがあるでしょう。

ただし、技術職の場合は汎用性が求められるため、入社してからスキルアップしていくことがほとんどです。

よって、研究開発職に比べると、専門性の有無と価値はそれほど大きいとは言えません。

ある特定の分野に特化した研究開発職を目指すような場合は、専門性を高めることのできる大学院への進学は大きなメリットがあるでしょう。

学部卒より給与水準が高い

院卒のメリットは、給与面からも見ることができます。

企業に就職後の年収を比較すると、一般的に学部卒よりも院卒の方が高い傾向にあるようです。

初任給で見てみると、学部卒の平均初任給が約21万円であるのに対し、院卒の平均初任給は約24万円と3万円もの差があります。

これは、企業が院卒生に対して「専門的な知識やスキルを有している」とあらかじめ評価をしているからでしょう。

また、給与テーブルの基礎的条件として、多くの企業が学歴をベースにしていることも、院卒が学部卒よりも給与水準が高い理由でもあります。

同じ職種、同じ仕事内容であったとしても、院卒の方が給料が高いのは、院卒が優秀な人材であると認識する企業が多いからだと言えます。

【理系院卒の就職先は?】大学院進学のデメリット

次に、大学院進学のデメリットについて見ていきましょう。

院卒が条件の企業に応募できて志望企業の選択肢が広がったり、給与水準が高かったりと、院卒のメリットは多岐にわたります。

しかし、大学院への進学については、下記のようなデメリットにも目を向けて多面的に考える必要があります。

学費がかかる

大学院進学のデメリットと言えば、やはり学費がかかることでしょう。

大学生活が2年間延長されるわけですから、単純にその分の学費がプラスされることになります。

国公立の場合は2年間で約135万円、私立だと170〜300万円かかるケースもあり、学部生の4年間の学費と合わせると相当な額です。

誰もが簡単に進学できるわけではないことがおわかりいただけるでしょう。

ご自身で学費を捻出できるケースはなかなか少なく、費用の面では個別の家庭環境や教育理念が大きく影響してきます。

また、奨学金という選択肢を視野に入れるケースもあるかもしれません。

いずれにせよ、学費がかかる点は大学院進学における大きなデメリットのひとつと言えます。

社会進出が2年遅れる

学生生活が2年延長される大学院への進学は、単純に社会進出が2年遅れます。

社会に出て実務を経験する機会が得られない大学院生にとって、すでに企業に勤めて社会人としてバリバリ働く同年代の友人たちを見るのがつらいと思うことがあるかもしれません。

「周りは社会に出て働いているのに、自分はいつも決まった場所で研究に没頭していることが逆に焦りや不安につながる」といった声が大学院生からはよく聞かれます。

社会に出るのが遅れるばかりか、6年間を同じ環境で過ごすとなると新しい出会いも少なく、また外部とのつながりも希薄になりやすいので、どうしても閉鎖的な生活になってしまうことも珍しくありません。

大学院で社会経験を補うほどの成長ができれば良いのですが、そうでなければ先に社会人になった人との社会経験の差は広がる一方です。

多忙になりがち

大学院生の活動時間は比較的長く、実に多忙と言えます。

大学院生の重要な活動と言えば研究活動でしょう。

この研究活動が大学院生活の大半を占め、同時に学部時代と同じように講義にも出席し、単位も取得する必要があります。

また、学部時代と異なる点を挙げれば、研究室内の雑務も見逃せないポイントです。

配属された研究室は教授をはじめ、同じ志を持つ複数の学生で構成されています。

スムーズに研究ができる体制を整えるためにも、研究室の環境は特に大事で、掃除や研究用のサンプルの管理や補充など、直接研究には関わりのない作業が毎日のように発生しているのが実情です。

さらに、2年間の中で論文発表と就活も行っていく必要があるので、スケジュールはきわめてタイトと言えるでしょう。

【理系院卒の就職先は?】理系院卒に人気な就職先について

ここからは、理系院卒に人気の就職先について解説していきます。

理系大学院に通う学生は、いったいどのような企業に入りたいと思っているのでしょうか。

大学院卒の専門性を最大限活かした就職先であるのかどうか、代表的な業界をひとつずつお伝えします。

メーカー系

まずはメーカー系です。

自動車・電気機器・製薬・化粧品・化学などの大手メーカーは、自社独自の研究開発部門を有していることが多く、理系大卒を応募条件としている新卒採用案件も豊富なため理系院卒に人気があります。

新たな製品の開発や設計に携わることができる研究開発職において、大学院で学んだ専門的な知識やスキルを存分に活かすことのできる点も、メーカーが人気である要因のひとつと言えるかもしれません。

自らがゼロから作り出した製品が世の中のスタンダードになることがあれば、何物にも代えがたい喜びを感じることでしょう。

具体的な人気企業としては、トヨタ自動車・日立製作所・パナソニック・野村総合研究所・サントリーグループ・ソニーグループ・花王・ホンダ・住友化学・デンソー・などが挙げられます。

情報通信系

次は情報通信系です。

情報系及び工学系の専門分野を学んでいた院生は、情報通信を主とするIT業界に就職するケースが多く見受けられます。

目覚ましい発展を遂げるIT業界において、AI(人工知能)や機械学習の分野はまだまだ技術革新の余地があり、高度なプログラムの開発においては高い専門知識が求められます。

また、即戦力が重宝されるシステムエンジニアやプログラマなどの職種は、専門知識を有する理系院卒を新卒採用の応募条件としている企業も多く、特にAI分野に関する研究を行っていた院生などは採用の可能性がより高まると言えるでしょう。

IT業界は今後も成長が見込まれる産業で、業界の勢いと可能性の面からも情報通信系の企業は人気があります。

金融系

金融系の中でも、特に解析や分析など数字とデータを扱う職種の場合、統計学や確率論及び金融工学を専門分野としている院生に活躍の余地があります。

たとえばアクチュアリーは、生保・損保または銀行や企業年金などの金融分野において、保険料率や支払保険金額の算定業務を行います。

ただし、なかには不確定な事象に伴う数理業務を担当するケースが多く、確率や統計などの知識に明るい人でなければ務まりません。

金融業界は、複雑に絡み合う要素の中でお金の動きが決まるため、論理的に物事を考えることができる理系学生は金融業界で活躍しやすいと言えるでしょう。

具体的な金融業界の就職先としては銀行・証券会社・投資会社・保険会社などが挙げられます。

コンサルティング

理系院生に人気の就職先として、最後にコンサルティング業界をご紹介します。

コンサルティング業務は、大量のデータを用いて事業の分析を行います。

分析の中で得られた結果を現場業務にフィードバックすることで業務効率を改善し、売上の向上につなげていくのが主な仕事です。

このとき、数値の傾向から経営状態も把握しなければならないこともあり、統計学や大学レベルの数学の知識が欠かせません。

また、ビッグデータの分析においては、ソフトウェアのカスタマイズやチューニングが必要になるケースもあり、プログラミング言語の専門的知識があればさらにコンサル業務に活かすことも可能です。

大学院でデータ分析・解析の研究を行ってきた院生にとって、就職先の候補となる業界のひとつと言えるでしょう。

まとめ

今回は、理系大学院に進学するメリット・デメリット、理系院卒生に人気の就職先について解説しました。

大学院に進学するにあたっては、それぞれの環境や考え方によるところが大きいと言えます。

ただひとつ言えるのは、明確な目的があるかどうかという点です。

学部卒で就職する、または大学院に進学する、そのどちらにおいてもなぜその選択をしたか、自分自身納得のいく理由を見つけられるよう自己分析を繰り返していきましょう。

この記事を友達におしえる!

LINEで送る ツイートする シェアする URLをコピーする

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます