HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
はじめに
大学2年生や3年生になると、ゼミや研究室選びに頭を悩ませることが増えてくるでしょう。
参考にする条件が多すぎて目移りしてしまったり「そもそもゼミと研究室は何が違うのか?」「どうやってゼミを選べばいいのか?」など、多くの疑問が湧いたりすると思います。
ここでは、失敗しないゼミ・研究室の選び方と、ゼミで実際に何をするかなどを順番に説明していきます。
いざ選ぶ段階になって迷わないよう、事前にしっかりと知識をつけて後悔しないようにしましょう。
【ゼミの選び方】ゼミとは
ゼミとはゼミナールの略称で、日本語では「演習」という意味があります。
教員が主体となって行う講義形式の授業とは異なり、学生を主体として進行する授業の形式です。
講義は数十人単位で行いますが、ゼミの場合は10〜20人程度であることが多いです。
主に教授のもとに学生が集まり、少人数のチームを作って自らテーマを計画します。
レポートの作成や発表を通じてより高度な知識を修得することが可能で、創造性や主体性の取得も期待されます。
また、教員が一方的に講義をする授業とは違い、ディスカッションなどの双方向のコミュニケーション能力も養うことができるでしょう。
研究は行わず、テーマごとの討論やプレゼンを通して提案を行っていきます。
とくに、文系の学生がゼミという言葉を使うことが多いです。
【ゼミの選び方】研究室とは
研究室とは、専任教員の部屋そのものを指す場合と、研究チームを指す場合があり、ここでは主に後者を意味します。
研究室は教授や准教授・講師などのもとで構成され、大学生以外にも大学院生や学部生などが所属しています。
その分野の専門知識や技能をより深めていく学びの場と言えるでしょう。
主に理系の学生が研究室という言葉を使うことが多いです。
ゼミと同様に学生が主体となって研究を行いますが、研究テーマに基づいて実験や実習を行います。
そのため、ゼミよりも実体験を伴い、より活動的な場面が多くなります。
また、研究室には実験に使う道具や装置・薬品などがそろっているため、必然的に所属学生はその部屋で過ごすことが多く、幅広い意味で学生にとっての居場所と言えるでしょう。
【ゼミの選び方】ゼミと研究室の違い
大きな違いとして、ゼミは文系、研究室は理系であることが多いです。
そのため、ゼミでは卒業論文、研究室では卒業研究を行うのが一般的です。
また、ゼミは学生生活の一部に過ぎないのに対し、研究室は学生生活の中心となることが多いでしょう。
活動時間
ゼミの活動時間は、授業と同じく90分です。
それに対し、研究室は2時間から8時間程度と幅が広く、場合によっては1日の大半を過ごすこともあります。
研究室の場合は、長時間拘束される可能性があることを念頭に置いておかなければなりません。
活動頻度
ゼミの活動頻度が週に1回から月に1回程度であるのに対し、研究室は週に2回から5回と頻度が上がります。
研究室に所属すると、学生生活の大半をそこで過ごして多くの時間を割かれるため、生活そのものを研究室に合わせなければなりません。
所属される時期
大学によって異なりますが、ゼミの場合は3年から始まることが多く、まれに1、2年から始まる場合もあります。
一方の研究室は、おおむね4年に配属されることが多いです。
始まる時期に大きな違いがあるため、注意が必要です。
【ゼミの選び方】ゼミに入る必要性
ゼミ選びは、就職活動に大きく関わってきます。
自己PRなどで披露するエピソードとして、ゼミでの体験談があると大変便利です。
学生時代に培った経験を買われるならば、テーマ次第で採用に有利に働くでしょう。
さらに、ゼミに所属していれば卒業論文や研究テーマを個人ではなく、チーム単位で取り組めるという利点があります。
一人では扱いにくいテーマであっても、複数人もいれば良い知恵を出し合って乗り越えることができます。
また、ゼミの仲間たちは就活中の孤独感を解消するためにも強い味方となるでしょう。
学んだことが武器になる業界を目指すならば、ゼミで過ごした時間を就職活動で強くアピールしない手はありません。
専門性の高さと経験を売り込み、採用につなげることができるでしょう。
【ゼミの選び方】ゼミの主な流れ
少人数のグループ単位で、教授から出された課題に取り組みます。
その課題について報告を行いながら議論や討論をし、ディスカッションすることでテーマを深く理解していくのです。
パワーポイントなどを用いて、テキストをまとめることもあります。
研究テーマを決める
まず初めに、卒業論文のテーマや興味のあることをピックアップしていかなければなりません。
4年間の学びの集大成となる論文を書くにふさわしいテーマを選びましょう。
テーマ次第で自分の今後の進路が大きく変わるので、やはりゼミで学んだ内容を選ぶと良いでしょう。
手法の決定
テーマへの理解を深めるにあたって、どのような手法を使うか決めましょう。
テーマごとに適した手法があるので、アンケートを取ったり身近な先輩の経験談を参考にしたりして、テーマを扱うにふさわしいデータ収集の手法を決めていきます。
データ収集・分析
決めた手法に則り、データを集めて内容を分析していきます。
ただ漠然とデータを集めるだけでなく、そのテーマに合っているか、データとして参照に値するかどうかをここで精査しましょう。
テーマによってはデータを集めにくいこともあるので、注意が必要です。
考察
その研究からわかったことを考察します。
自分が何をテーマとしているのかをしっかりと提示したうえで、結論に至るまでの流れを作ります。
分析と似ていますが、より踏み込んだ内容への理解が必要です。
最初に結論を書いてから、その後に具体例を書くと良いでしょう。
【ゼミの選び方】ゼミ・研究室の選び方
ゼミや研究室を選ぶにあたって、いくつかのポイントを押さえる必要があります。
この先自身のキャリアを構築していくうえで、ゼミ・研究室選びはとても大事です。
自分がどの方向に進みたいのか、その内容について学べるゼミ・研究室なのか、じっくり情報収集して精査していきましょう。
充実した学生生活を終えるためにも、後悔のないよう適切に選びたいものです。
以下に押さえるべきポイントを挙げていくので、ゼミ・研究室選びの際の参考にしてください。
教授との相性
ゼミや研究室は学生主体で活動を行うとはいえ、研究をしていくうちに疑問が湧いて教授に質問をする機会も多くあります。
教授はどんな人で、どのようなテーマを得意としているのかを把握しましょう。
自分が学ぶ分野について専門性を高めていくための「師匠」となるので、リサーチする必要があります。
また、あまりに自分とはかけ離れたタイプの教授についてしまうと、活動そのものへの困難が生じてしまいます。
できる範囲でいいので、事前に下調べをして教授のタイプを把握しておくと良いでしょう。
ゼミの雰囲気
ゼミに所属すると、1年間同じメンバーと活動をすることになります。
そのため、自分に合った雰囲気であることがとても大事です。
いくらテーマに関心があっても、ゼミの雰囲気が肌に合わないと苦痛に感じ、学びの機会を妨げてしまいます。
コミュニケーションを重視するのか、専門分野への意欲が高いのかなど事前に雰囲気を調べて、自分に合っているかどうかを確認しておきましょう。
また、就活に備えてコミュニケーション能力を磨くために、思い切って自分とはかけ離れた雰囲気のゼミを選ぶという方法もあります。
研究テーマ
卒業研究で何をテーマに扱うかは、所属する研究室で決まります。
完成までのモチベーションを維持するためにも、自分が興味を持っている分野や、直感的に面白いと感じるテーマを選択するようにしましょう。
しかし、初めは興味がなくても、進めていくうちにそのテーマへの関心が出てくるという可能性もあります。
とにかくまずは情報収集をすることが肝心なので、積極的に教授や研究仲間とコミュニケーションを取るようにしましょう。
あまり早い段階でテーマを絞りすぎず、ある程度幅広く情報収集をするのも大事です。
自分に何が向いているか、どのテーマなら深く関わっていけるのかを考えながら、相談すると良いでしょう。
過去にその研究室に所属していた学生がどんなテーマを選び、どういう分野に羽ばたいていったのかも参考になります。
まとめ
以上がゼミ・研究室の選び方と内容についてのまとめです。
ゼミと研究室の違いや、自分がどちらに進むかがわかったと思います。
文系であっても理系であっても、自分に合う学びの場を見つけるのはとても大事です。
課題や研究テーマだけでなく、教授との相性やチームの雰囲気を探る必要があります。
学生生活の後半を捧げ、就活へスムーズにつなげていくためにも、ゼミ・研究室は慎重に選びましょう。
入ってしまってから別のところに移るのは大きな時間のロスになるので、後悔のないよう入念に検討しましょう。