
HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
研究職とは、その言葉の通り、研究に携わる仕事のことを言います。
何かについて深く考えたり調べたりするのが好きな人は、就職活動に向けて研究職に興味を持つかもしれません。
今回は、そんな研究職について解説していきます。
研究職に向いている人や、志望動機を書く際のポイントなども紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
- 研究職の仕事に関する基礎知識が分かる
- 志望動機作成のためのポイントがわかる
- 面接で高評価を得るためのポイントがわかる
- 研究職に就きたい人や興味がある人
- 研究職の仕事内容が知りたい人
- 大学で研究を行っている人
目次[目次を全て表示する]
【研究職の志望動機】研究職とは?
研究職とは、大学や研究機関、企業などで専門分野の知識を活かし、新しい技術や理論を探求する職種です。
基礎研究から応用研究まで幅広く、働き方も多様です。
好奇心が強く、粘り強く課題に取り組める人に向いています。
以下の順に、研究職の業務について詳しく解説していきます。
- 研究の種類
- 就職先の選択肢
- 難易度が高い理由は採用人数と条件
- 研究職に就くメリット
- 研究職に向いている人の特徴5選
研究の種類
研究職の志望動機を作成する前に、そもそも研究職にはどのような種類があるのかについても確認しなければなりません。
大きく分けて3つに分類できるので、それぞれ一緒に確認していきましょう。
最も代表的な研究職の種類として基礎研究が挙げられます。
化学や技術の根本的、基本的な原理や理論を解明することを目的として行われる研究のことを指しています。
新たな知識や理解を獲得し、その知見を応用研究や開発に活かすための基盤を作るため、様々な研究の素地を作る、非常に重要な役割を担っていると言えるでしょう。
応用研究は、基礎研究の知見を実用的な形に応用するのがメインの業務内容となっています。
特定の問題やニーズに対する解決策を提供することを目的としており、様々な手法で研究を行っていく仕事です。
応用研究は実用的なアプリケーションなどを開発し、社会や産業に価値を提供する仕事でもあり、現代において非常に重要な職業の一つであると言えるでしょう。
開発研究は、応用研究の成果を具体的な製品やサービスに落とし込むのがメインの業務内容です。
新製品の開発はもちろんのこと、技術の開発や改良、評価などを行うのも仕事の一つと言えます。
市場に新製品や技術を導入するための準備を進めるのが仕事です。
開発研究は実用化に向けた技術や製品の具体化を担うというと、分かりやすいかもしれません。
研究職と開発職は似ているようで、目的や業務内容に明確な違いがあります。
研究職は新しい知識や技術を発見・構築することに主眼を置き、理論や技術の土台を作る役割を担います。
一方、開発職はその成果を応用し、製品やサービスとして形にする役割を持ちます。
たとえば研究職が材料の特性を明らかにする一方で、開発職はその材料を使ってどんな製品が作れるかを検討し、実用化に向けた開発を行います。
開発職には市場調査やユーザーニーズの分析も求められ、成果は市場での評価に直結します。
就職先の選択肢
研究職を目指す場合、就職先にはさまざまな選択肢があります。
代表的なのは民間企業、公的機関、大学・大学院、シンクタンクなど、同じ研究職でも、所属先によって雇用形態や研究目的が異なります。
たとえば企業での研究は新製品開発や技術革新など事業活動と直結しているのに対し、公的機関では社会課題の解決や基礎研究が中心になります。
大学・大学院では教育と研究が結びついており、研究者としてのキャリアを深めながら後進の育成にも関わります。
自分がどのような形で社会に貢献したいのか、何にやりがいを感じるのかによって選ぶ進路は変わってきます。
難易度が高い理由は採用人数と条件
研究職は就職の難易度が高いといわれる職種のひとつです。
その大きな理由は、求人自体が限られている上に、採用人数も少ないことにあります。
特に大学や公的機関はポスト数が少なく、欠員補充のタイミングでしか募集が出ない場合もあります。
また、専門分野が細分化されているため、自分の専攻と一致する募集が常にあるとは限りません。
さらに、採用条件が厳しく、修士号や博士号の取得、研究実績、論文投稿歴、英語での発表経験などが求められるケースもあります。
研究職の求人は他の職種と比べて圧倒的に少ない傾向があります。
そもそも研究職は離職率が非常に低く、ポジションが空く機会自体が限られています。
平均的な離職率は10%程度であり、新卒採用が毎年あるとは限りません。
また、専門分野に特化した研究職は、すべての専攻に均等に求人があるわけではありません。
理系分野の中でも求人が多い分野と少ない分野があり、運やタイミングに左右される面もあります。
大学の研究室推薦や教授経由の紹介など、一般的な就活とは異なるルートが重視される場合も多く、情報収集力も求められます。
研究職の採用条件は他職種と比べて高い傾向にあります。
まず、応募には修士課程や博士課程の修了が前提条件になることが多く、学歴による制限があります。
さらに、研究内容や成果が選考で重視されるため、論文の発表歴や学会での発表経験が必要とされることも珍しくありません。
そのほか、英語でのプレゼンテーション能力や国際的な共同研究の経験など、汎用的なスキルも評価対象となります。
専門性だけでなく、情報発信力やチームでの研究遂行力も求められるため、バランスのとれた能力が重要になります。
A.研究職というと理系の職種と思われがちですが、文系でも研究職に就ける可能性はあります。
実際に全学部対象で採用を行う企業や研究機関も存在します。
ただし、理系分野に比べて募集は少なく、求められる専門性も非常に高いため、未経験から挑戦するのは容易ではありません。
経済・法律・言語・歴史など、文系の中でも研究分野は多岐にわたりますが、論文執筆や研究発表などの実績が評価される点は共通しています。
研究職を本気で目指すなら、実績を作るためのインターン参加や、理系分野への進路変更も視野に入れると良いでしょう。
【参考】
- 理学研究者
- 工学研究者
- 農学・林学・水産学研究者
- 医学研究者
- 人文科学研究者
- 社会科学研究者
- 他に分類されない研究者など
研究職に就くメリット
研究職の志望動機を書くうえで知っておきたいこととして、研究職のメリットを整理していきます。
研究職に就くメリットを把握しておけば、研究職の魅力を認識できます。
その魅力と自分自身の強みを照らし合わせれば、志望動機も作成しやすくなるでしょう。
研究職のメリットには、具体的には以下のことが挙げられます。
・大学で学んだことを活かせる
・研究設備が整っている
・年収が高い
・コツコツできる
いずれも研究内容を活かして就職したい人には、大きなメリットになります。
では、詳細をチェックしていきましょう。
研究職は、大学の専攻や研究室などで学んでいたことを、そのまま仕事にできる場合が多いです。
大学で研究に没頭していくうちに、自然と「この研究を掘り下げたい」と思っている人にとっては、魅力的な仕事内容になるかもしれません。
研究職は大学院まで進学していることを求められることが珍しくなく、長く研究に没頭した人ほどチャンスが訪れます。
専門的な知識がないと難しい業界だからこそ、その道を追求してきた人たちにしかできない仕事だと言えるでしょう。
民間企業の研究職は、大企業であればより研究環境や設備が整っています。
企業は研究の目的がしっかりしているため、成果を出さなければいけない研究に予算をかけることができるからです。
一方、大学の場合は、補助金や公費なども使用できますが、有力な研究以外での予算の使用は難しくなってしまいます。
しかし、企業は事業の目的以外の研究には予算をなかなかかけられないので、さまざまなことに挑戦できるのは大学の方と言えるでしょう。
研究職の平均年収は、おおよそ500万ほどだとされています。
調査によれば、日本の平均年収は430万ほどなので、上回っていることがわかります。年収が高いことも、メリットのひとつでしょう。
ただし、この数字はあくまで平均なため、企業によって格差が生じる点に注意が必要です。
加えて、能力に応じて金額が決まる能力給に関しては、研究の成果が出ないと低水準に留まります。
そのため、自分自身でどのように研究を行うか模索し、どれほど成果を残していけるかが重要になってきます。
研究職は、自分の好きな分野をコツコツと取り組める人には、非常に向いている職業です。
コツコツした作業が得意な人は、結果を出すまで辛抱強く頑張ることができます。
それは、誰にでも容易にできることではないため、魅力的な長所と言えるでしょう。
そのような自分の長所や適性に合った仕事に就けば、働きやすくなるはずです。
また、仕事はチームで取り組むこともありますが、研究の内容によっては黙々と1人で作業しなければいけない場合も少なくありません。
研究職に向いてる人の特徴5選
実際に研究職として働いていくうえで必要な素質とは、どのようなものなのでしょうか。
向いている人の特徴を知ることは、企業が求めている人材を知ることにもつながります。
また、向いている人の特徴が、自己分析した自分に当てはまっているのかの確認にもなります。
探求心がある人は、わからないものをわからないままにするのではなく、追求して最後まで調べ抜く力を持っています。
研究には正解がないからこそ、出た結果に対して「どうしてそうなったのか」と論理的に結論づける必要があります。
常に考え続けなければいけない状況に置かれるので、飽きっぽい人にはあまり向いていない職業でしょう。
少しでも疑問を抱いたら、納得するまで調べることが大切であり、それが苦痛ではない人にはおすすめできます。
研究は、成果が出るまでに時間がかかります。
なかなか成果が出ないと、モチベーションを保つのも困難になってしまうでしょう。
しかし、めげない心は持ち合わせておかなければいけません。
自分の想定していた結果が出なくても、落ち込むのではなく、すぐに次の策を実行できるかどうかが鍵になります。
成果が出ないときの乗り越え方には、人柄が表れます。
一つひとつの作業を見つめ直したり、あらゆる視点から考えたりして、取り組み続けられるのなら長所としてのアピールも可能です。
研究を進めるうえでは、判断力も大事です。
与えられた目標に対して、どういう風に進めていくのか、その工程や進めるにあたっての仮設立てなどは、自分自身で実行していく必要があります。
そのため、一人ひとりが進行役だという自覚を持つことが欠かせません。
判断力がある人は、長期的に物事を捉えられます。
仕事では、多くの判断を下さなければならず、時間をかけていられない場面に遭遇することも考えられます。
その都度的確な判断がスムーズにできる人は重宝されることになるでしょう。
研究職には、コミュニケーション能力も求められます。
1人で黙々と仕事をこなしていれば問題はないと思っていると、実際に働いていくうちに支障が出てしまうかもしれません。
与えられた研究を進めていくためには、他部署との連携が必要な場合もあります。
そのようなときに、ただ自分のことだけしか考えない行動は取らないでください。
組織の一員として、他人の研究内容や知見に興味関心を持ち、理解を広げていくように努めることが重要だと言えます。
世の中は、常に進歩し続け、新たな技術が開発されています。
それを担っているのが研究職であるゆえに、情報のキャッチアップは大切です。
数々の論文が発表されているので、日々学び続けるようにしましょう。
インプットとアウトプットを繰り返すことにより、自身の研究も進むはずです。
勉強し続ける姿勢を維持することができる人は、向上心のある人です。
仕事をするうえでも強みになる素質でしょう。
ぜひ日頃から、新しい情報に関心を抱くようにしてください。
【研究職の志望動機】評価基準と面接官が知りたいこと
研究職は募集が少ないので、就職の難易度は高めだと言えます。
志望するにあたり、ESや面接の対策は欠かせません。
採用する側が、何を見ているのかを把握することが大切です。
ここからは、面接官が重視しているポイントについて解説していきます。
研究職であるからといって、研究内容やスキルだけに重きを置かず、人柄や熱意も見られていることを意識しましょう。
今までどんな研究を行っていたかとその成果
大学で行ってきた研究内容と、それの成果は面接で必ず問われる質問です。
企業の研究内容とのマッチ度や、大学でどこまでの技術力を身につけてきたのかは、採用するにあたって重要な指標になります。
面接では、研究を通じてどのようなスキルを得たのかを、アピールしなければいけません。
ただし、結果を述べるだけにはならないように注意してください。
面接官は、結果そのものよりも、過程を知りたいのです。
力を入れた点や、工夫した点などを伝えましょう。
論理的思考力
物事の法則や仕組みを理解しやすくなる論理的思考力は、研究者にとって必須です。
得たい成果に対しての筋道を立てられなければ、研究はうまく進みません。
面接官は質問の際の自然なやりとりから、そういった論理的思考力を測っています。
面接の受け答えで矛盾が生じると説得力が失われてしまうので、聞き手にわかりやすく話すことを心がけてください。
面接官に、論理的に考えられることが伝わると、成果に向けて効率の良い仕事ができる人物だと判断されるかもしれません。
人柄や価値観
研究職において、技術力はもちろん大事な要素です。
しかし、組織に属するうえで、その人の人柄が自社に合っているのかどうかも見られるポイントのひとつでしょう。
企業理念や経営方針によって、会社の方向性は変わってきます。
どんなに能力が高い人物でも、この点が合っていなければ不合格になる可能性があります。
それを避けるために、応募する前には必ず企業の社風・理念を確認しておきましょう。
また、先輩社員などのインタビュー記事なども目を通しておくとなお良いでしょう。
入社後のビジョンが見えているかどうか
入社後のビジョンが明確であるのかどうかは、採用するうえで重視されるポイントです。
自分がどんな研究者になりたいのか、どういう研究に取り組んでいきたいのかは明らかにしておきましょう。
どのように貢献してくれるのかがわからないと、面接官の心には響きません。
その人を採用した先のことが少しでも掴めなければ、採用する側も不安でしょう。
入社後の姿をはっきりイメージできていると、仕事に対して熱意があることのアピールにつながります。
【研究職の志望動機】高評価のポイント3選
研究職の志望動機を作成するときは、構成以外にも注意しておきたいポイントがいくつかあります。
面接で志望動機を聞かれたときは、何を伝えれば良いのか、具体的な内容に困ってしまう学生は少なくありません。
そのため志望動機を作成する際は、採用担当者が見ているポイントを踏まえて、盛り込みたい内容を考えることが大事です。
志望動機作成のポイントは、次の3つです。
・研究内容と関連付けさせる
・企業について
・入社後のイメージ
上記のポイントを伝えれば周りとの差別化が図れるため、印象に残りやすくなります。
では、具体的に何を伝えるべきなのか、詳細をチェックしていきましょう。
研究内容と関連付けさせる
研究職の志望動機は、やはり学生時代の研究内容と絡めて伝えていくことが望ましいです。
前述のとおり、研究職を志望する際は、面接において採用担当者からは研究内容を細かくチェックされる場合が多いです。
研究内容について何も触れないで話すと、「なぜうちの企業を?」「学生時代の研究をどう活かすつもりなのかな」と疑問が残ってしまいます。
そのため研究内容と企業の取り組みや事業内容、理念などを関連させて話せば、志望度の高さが伝わりますし、志望動機にも説得力が増します。
なお、研究内容を伝えるときは初めて聞く人でもわかりやすいように、要点をしっかりまとめて話すことが重要です。
専門用語ばかりでわかりにくい内容にならないように注意しましょう。
企業の特徴に触れる
研究職の志望動機を作成するときは、企業についても積極的に触れておきましょう。
企業理念や行っている取り組みなどが主なポイントで、触れることで企業への理解度の高さを示すことができ、それが志望度の高さアピールにつながります。
企業は自社に入社したいと強い熱意を持っている学生を歓迎しているため、志望度の高さをアピールすることは欠かせません。
そのためには、企業分析を事前に実践しておくことが重要です。
企業の歴史から事業内容、そして取り組み、理念まで詳しく分析し、求める人材の特徴を把握しておきましょう。
最終的に自分自身が企業が求める人材であることをアピールできれば、高評価につながる可能性は高まります。
入社後のイメージを明確にする
前述のとおり、採用担当者は、入社後のビジョンについて積極的に注目しています。
そのため志望動機で入社後のイメージを伝えることは、好印象を与えるために必須といえます。
ビジョンが明確であればあるほど、企業は学生を採用した際のイメージをつかみやすくなります。
自分の強みやスキルを絡めて伝えること、そのうえで企業にとってプラスになる効果につながることをアピールできるのが効果的です。
研究職への志望動機を伝える際には、なぜその道を選んだのかという理由をしっかり言語化することが求められます。
同じ分野であっても、教育職や技術職など他の選択肢がある中で、なぜ研究職なのかという視点で自己分析を深めましょう。
たとえば「好奇心から探究を重ねた経験」や「課題に対して粘り強く向き合う姿勢」など、研究者に向いている自分の特性と結びつけて伝えると説得力が増します。
また、大学時代にどんな研究を行い、そこから何を得て研究職を志したのかという背景も丁寧に伝えることで、志望の軸がより明確になります。
研究職を志す際には、単に「研究が好きだから」という理由だけでなく、将来どのような研究者として活躍したいかというビジョンを持つことが重要です。
「社会に役立つ技術を生み出したい」「環境分野で新たな課題解決に挑みたい」など、成し遂げたいことを明確にすることで、キャリアプランも伝えやすくなります。
また、そのビジョンが志望先の企業や研究機関の取り組みと一致しているかも重要な判断材料です。
志望先で自分の目標が実現できるか、環境や研究テーマとの親和性があるかを考えた上で動機に反映させると、志望度の高さが自然に伝わります。
【研究職の志望動機】おすすめの構成方法
研究職の志望動機を作成するうえで、書くときの文章の構成は非常に重要なものです。
構成がしっかりしていれば内容が伝わりやすくなるため、良い内容の志望動機はより良く、またたとえありきたりな内容だったとしても、わかりやすいことで高評価につながる可能性があります。
志望動機は面接で重要視される質問です。
やはり企業は志望度が高く意欲的な学生に入社してもらいたいという気持ちが強いため、志望動機はしっかりとヒアリングしたいと考えています。
そんな志望動機に説得力と深みを持たせたうえで、魅力を感じてもらうには、構成からしっかり整えることが重要です。
具体的な構成は、次のとおりです。
1.志望理由
2.志望理由を裏付ける具体的なエピソード
3.入社後に実現したいこと
このような流れに沿って志望動機を作成すれば、文章を書くこと・自分の意見を述べることが苦手な人でも、論理的でわかりやすい志望動機が書けるようになります。
では、フェーズごとに重要なポイントを解説していきます。
1.志望理由
まずは、志望動機を結論としてはっきり述べましょう。
「私は〇〇で~、△△していたため、××と感じました。そのため〇〇と思い…」といったようにはじめから根拠・背景の部分を細かく話してしまうと、何が言いたいのか非常にわかりにくくなってしまうからです。
就活コンサルタント木下より

一方で最初に結論部分である志望動機を明確に伝えれば、話のテーマや論点がわかりやすくなります。
なお、最初に結論を伝えることは志望動機に限った話ではなく、自己PRや長所短所などを述べるときも同様に重要となります。
「私は〇〇したいと考えていたため、研究職を志望致しました」など、簡潔でわかりやすい一言から伝えていきましょう。
2.志望理由を裏付ける具体的なエピソード
志望動機を作成するときは、はじめに伝えた志望動機・理由を裏付ける具体的なエピソードも必要です。
最初に志望動機をわかりやすく述べ、そのあとに動機の掘り下げ部分としてエピソードを述べていく流れになります。
結論→根拠(掘り下げ)の流れで伝えれば、最初に志望動機に説得力が増します。
どのような性格・価値観なのか、自分自身の人となりを伝えるポイントにもなります。
エピソードは自分自身ならではのことなので、よりインパクトを与えられて、採用担当者の印象にも残りやすくなるでしょう。
簡単なエピソードではなく、具体的に述べることが重要です。
3.入社後に実現したいこと
研究職の志望動機を作成するときは、最初に志望動機を簡潔に述べ、続いてエピソードを伝えたうえで入社後に実現したいことを伝える流れになります。
最終的に志望動機は企業への自分の売り込み・アピールである必要があるため、最後は、どのように活躍したいのか意思表示するかたちで締めくくりましょう。
やりたいことや貢献したいことを明確に述べることで、採用担当者は入社後についてイメージをつかみやすくなります。
「こういう活躍をしてくれる人なら、ぜひ入社してほしい」と考えてもらうことが重要です。
また、自分の強みや長所、アピールできるスキルなどをあわせて意思表示することも効果的です。
採用担当者にとってより印象に残りやすくなるため、高評価につながります。
【研究職の志望動機】理由別の例文集
面接で見られるポイントについて述べましたが、面接の前にまずは志望動機を作成しなければいけません。
志望動機とは、どのように書けば良いものなのでしょうか。
次に、研究職の志望動機の例を5つ挙げます。
例文を参考にし、実際に作成してみましょう。
自分自身の経験を踏まえて、オリジナリティのある志望動機を完成させてください。
企業の製品に対する思い
私が貴社を志望する理由は、貴社が肌の弱い人に向けた製品に力を入れているからです。
私は学生時代に肌トラブルを抱え、自分に合う化粧品になかなか出会えませんでした。
ところが、貴社の肌に優しい製品の存在を知り、諦めていたメイクを楽しむことができるようになりました。
入社後は、大学院で研究している生物学の知識を活かして、研究職として、メイクが制限されないような製品の実現に携わりたいです。
そして、私と同じように肌に悩む人の生活を彩られるよう、自分の仕事に努めていきます。
自分の研究と事業を結びつける
私は大学で電子科学の研究を行っています。
貴社は生活家電製品の開発事業に携わり、その製品は世界中で求められています。
一方、技術が発展し続ける現代社会では、環境への影響も考慮しなければいけません。
私は自分の研究において、電力を抑えて稼働することができるように、電子部品の働きについて丹念に調べています。
この私の研究を、環境問題も重視する貴社で活用したいと考え、志望しました。
貴社の一員として、これまでに培ったスキルを駆使し、事業の発展に貢献していきたいと考えています。
やりたい研究をアピール
私は機械を動かすために発生するさまざまな力を知ることに興味を持っており、大学では機械工学の研究をしています。
試行と分析を繰り返す地道な研究が重要であり、この作業にやりがいを感じています。
貴社のインターンで、品質の高い製品作りのために、細部まで心を配ることの大切さを実感し、私も製品の性能の向上に尽力したいと思い志望しました。
機械の稼働には、電気や熱、摩擦などのエネルギーが必要です。
研究職として、機械の仕組みの理解を深められるようにエネルギーの研究を続け、使いやすさや安全性も考察したいと考えています。
自分の強みが活かせる
私が貴社を志望する理由は、貴社が医療機関の現場の声を尊重したうえで、新薬の開発に取り組んでいるからです。
私はアレルギー症状に悩まされており、処方された薬が効かなかったことがありました。
しかし、新薬を勧められたことで、症状が改善しました。
現在、私は大学院で創薬と結びついた化学合成の研究を行っています。
利用者の声を大切にする貴社のもとで、学んだことも症状で悩んだことも私の強みとして活かし、利用者に寄り添って研究を続けていきたいです。
将来のビジョンと企業方針の関連性
私は環境問題に興味を持っており、大学では環境科学について研究しています。
「環境の浄化」をテーマに日々さまざまな研究に取り組んでおり、将来は人々の生活環境をより豊かにしていきたいと考えています。
貴社のインターンに参加した際、環境に対する取り組み方に感銘を受け、貴社を志望しました。
入社後は、貴社が行う環境保全活動を通じて、貴社の研究職として貢献します。
そして、経済活動の影響による環境への負荷を減らせるよう、尽力していきたいと考えています。
【研究職の志望動機】業界別の例文集
続いて、研究職の志望動機の例文について3つ紹介していきます。
業界別に紹介しているので、あなたが目指している就職先に近いものを中心に参考にしてみてください。
化学メーカー×研究職×志望動機
私が貴社を志望する理由は、先進的な科学技術を駆使して、持続可能な社会の実現に貢献したいという強い動機からです。
この志向は、大学で化学工学を専攻し、環境問題への対応策を研究した経験に根ざしています。
私の大学時代の研究は、廃棄物からのエネルギー回収に焦点を当てたものでした。
この研究を通じて、資源の有効利用と環境保護のバランスの重要性を学びました。
貴社が行っている環境に優しい製品の開発や、エコテクノロジーの研究は、まさに私が目指すべき方向性と一致しており、貴社でなければ達成できないと感じています。
貴社においては、私の化学工学の知識と、環境に配慮した技術開発に対する熱意を活かして、研究開発部門での新たな製品開発やプロジェクトに積極的に貢献したいと考えています。
食品業界×研究職×志望動機
私が貴社を志望する理由は、「身近にある食品から人々の生活を支え、向上させたい」という深い願望に基づいています。
この思いは、大学での食品工学の研究と、食糧不足に直面した地域へのボランティア活動の経験から生まれました。
大学での研究では持続可能な食品生産技術に焦点を当て、効率的な食品加工方法や栄養価の高い食品の開発に取り組みました。
この研究を通じて、科学的手法を活用して食品の価値を高めることの重要性を学びました。
貴社が展開する健康志向の食品や、革新的な食品技術に大きく共感し、この分野での貴社のリーダーシップに憧れを持っています。
貴社においては、大学で培った食品工学の知識と、実際の食糧問題への取り組み経験を活かし、新たな健康志向食品の研究開発や、持続可能な食品生産技術の向上に努めたいと考えています。
自動車業界×研究職×志望動機
私が貴社を志望する理由は、「地球温暖化が加速する中で、環境にやさしい自動車を開発し、社会に貢献したい」という強い意志からです。
この夢は大学で電気工学を専攻した経験に基づいています。
私は再生可能エネルギーを活用した新しい駆動システムの概念設計に取り組みました。
この過程で持続可能な自動車産業の重要性と、技術革新が環境問題解決に果たす役割について痛感しました。
貴社が推進している持続可能な技術開発、特に電気自動車やハイブリッド車の分野での革新的な取り組みに強く共感し、この分野での貴社のリーダーシップに惹かれています。
貴社においては、大学で培った電気工学の知識と自動車に対する情熱を活かし、次世代の環境にやさしい自動車の研究開発に尽力したいと考えています。
社会学系×研究職×志望動機
私は、社会学の知見を活かして実社会の課題解決に取り組みたいと考え、研究職を志望いたします。
大学では地域コミュニティの形成過程や、貧困層における教育格差に関する研究に注力してきました。
質的調査や統計データをもとに、制度や環境が人々の行動や価値観に与える影響を分析し、そこから社会的な構造の問題を抽出する力を養いました。
特に、調査設計から分析、考察まで一貫して取り組む中で、複雑な社会現象を多面的に捉える視点と、他者との対話を通じて柔軟に仮説を修正する姿勢を培いました。
今後は、研究成果を蓄積するだけでなく、政策提言や実務現場への応用につなげる研究者として、より良い社会づくりに寄与していきたいと考えています。
社会に寄り添いながら実践に結びつく研究を追求し、持続可能で多様性を尊重できる社会の実現に貢献したいです。
【研究職の志望動機】注意点とNG例文
職の志望動機を作成する際には、単なる「研究が好き」という想いだけでは不十分です。
採用担当者は、その人が企業にどう貢献できるか、なぜその職種を選んだのかという視点で見ています。
ここでは、よくある注意点とNG例を具体的に解説します。
受け身な姿勢
制度や待遇を書かない
具体性が無い内容
文字数が多すぎる
研究内容と業務の関連性が薄い
注意点①:受け身な姿勢
NG例文
私は、御社の最先端の研究環境に惹かれ、志望いたしました。
大学では基礎的な研究にしか取り組めていなかったため、入社後は専門的な知識を一から学び、技術を身につけたいと考えています。
特に未経験の分野についても丁寧に教えていただける環境であれば、より自分を高められると感じています。
まだ経験は浅いですが、研究職として多くのことを吸収しながら、少しずつ貢献できるよう努力したいです。
研究職は学び続ける姿勢が求められる一方で、「学びたい」という表現に偏りすぎると受け身な印象を与えてしまいます。
とくに「最新の技術を学びたい」「知識を深めたい」といった内容だけでは、企業にどう貢献するかという視点が不足していると判断されかねません。
志望動機では、自分が過去の経験から何を身につけ、どう活かすのかを具体的に述べることが重要です。
学びたいという意欲は大切ですが、それを将来的な目標や貢献につなげる構成にしましょう。
注意点②:制度や待遇を書かない
NG例文
私が御社を志望した理由は、研究成果が正当に評価される制度が整っており、実力次第で昇給や昇格が可能な点に魅力を感じたからです。
また、安定した給与体系や充実した福利厚生もあり、長く安心して働ける環境だと感じています。
将来的にはライフワークバランスを保ちながら、腰を据えて研究に集中できる職場を求めていたため、御社はまさに理想の環境だと思いました
志望動機で企業の評価制度や給与、福利厚生などの待遇面に言及するのは避けたほうが無難です。
たとえば「研究成果が正当に評価される制度があるから」といった理由では、自分本位な印象を与えてしまいます。
たとえ本心でそう考えていたとしても、志望理由には業務内容や製品、研究テーマなど企業そのものに関する視点を盛り込むべきです。
待遇は面接で聞くことができるため、志望動機にはふさわしくありません。
注意点③:具体性のない内容
NG例文
大学では○○に関する研究を行ってきました。
研究職は自分の知識を活かして社会に貢献できる仕事だと思っており、やりがいを感じられると考えています。
自分でも人の役に立ちたいという思いがあり、研究という形で貢献したいと考えるようになりました。
研究の面白さや可能性をもっと多くの人に知ってもらえるような仕事ができたらいいなと思っています。
研究職の志望動機において、抽象的な表現ばかりでは説得力がありません。
「○○の研究をしていました」「社会に貢献したいです」といった内容では、どんな知識や技術を持っているのかが伝わらず、採用担当者の印象にも残りません。
過去に取り組んだテーマ、使用した手法、得られた成果や課題意識など、研究の中身を具体的に記述することで信頼性が高まります。
志望先の企業や研究所の取り組みと、自身の経験を結びつけて説明できるとさらに効果的です。
注意点④:文字数が多すぎる
NG例文
私は大学で○○に関する研究を行ってきました。
この研究では○○という仮説のもと、A法とB法を比較しながら長期的にデータを取得しました。
実験では、○○装置の調整に非常に時間がかかり、最初の2ヶ月はデータ取得すらできず、教授と何度もディスカッションを重ねました。
その後条件を変えて再設定し、ようやく精度の高いデータが得られるようになりました。
この結果から、○○が○○に影響を与える可能性があると考えられます。
今後もこの研究を継続し、新たな知見を社会に発信していきたいと考えています。
研究職への思いが強いほど、つい研究内容や経験を詳細に書きすぎてしまうことがあります。
しかし、文字数が多すぎると要点が伝わりづらくなり、読み手にとっても負担となります。
複数のエピソードを詰め込むよりも、一つに絞って簡潔に伝えるほうが印象的です。
内容が冗長になっていないか、エピソードが焦点からずれていないかを見直し、必要に応じて第三者に添削してもらうのも有効です。
注意点⑤:研究内容と業務の関連性が薄い
NG例文
私は大学で農業の生産性向上に関する研究を行ってきました。
具体的には、耕作技術や施肥タイミングが作物に与える影響を調査し、収量の変化を分析するものでした。
この経験から研究の面白さを実感し、研究職に進みたいと考えるようになりました。
御社の食品部門では「おいしさ」を追求していると伺い、その点に魅力を感じました。
今後は自分の研究経験を活かし、食品の味や品質を高める研究にも挑戦していきたいと考えています。
研究職を志望する際、自分の研究内容と企業の研究分野が一致しているかは非常に重要なポイントです。
たとえば「農業の生産性向上を研究していたのに、食品メーカーで味の開発に携わりたい」という内容では、説得力に欠ける可能性があります。
優れた実績があっても、企業が求めている分野との関連性が低いと採用にはつながりにくいのが実情です。
企業の研究領域をよく調べ、自分の経験がどう貢献できるかを明確に伝えることが求められます。
【研究職の志望動機】もっと差をつけたいあなたへ
研究職を目指す人は、同じように何かの研究に没頭してきた人がほとんどです。
対策を練らないと、ありきたりな志望動機になってしまうかもしれません。
就職活動では、可能な限り企業の印象に残るようにする必要があります。
そのためには、ぜひ他社との差別化を図りましょう。
最後に、応募する前に取り組むべきことなどを紹介していきます。
コミュニケーション能力をアピール
技術力を企業が評価するのは、当たり前のことです。
そのうえで+αになるものが、潜在的に持っている人が多いコミュニケーション能力でしょう。
周囲の人とうまく連携が取れたり、チームの潤滑油のようになれたりする人材は重宝されます。
コミュニケーション能力は、自分の言いたいことを伝える力や、相手の言葉の意味を汲み取る力が大切です。
もともとの性格によるものだと判断せずに、まず相手がいることを意識して、一方的に話さないように心がけてみましょう。
その業界や企業のことまで調べる
志望動機では、自分のやりたいことをアピールするのに加えて、企業についてしっかり調べていることが伝わると良い印象を与えられます。
その業界や企業が何をやっているのかといった詳細情報の知識を持っていると、志望度の高さを伝えられるでしょう。
また、企業について調べることにより、自分の中でも志望動機がはっきりしてきます。
入社後にやりたいことが見つかりやすくなったり、自分の性格が社風に合うのかがわかったりするので、企業研究は丁寧に行うようにしてください。
インターンシップに積極的に参加する
インターンシップに参加することでさまざまな体験ができます。
しかし、インターンそのものが実績として評価されることもあります。
ほかの就活生に比べて、「より詳しい情報のアウトプットができる」と好感を得やすいからです。
事前に会社の雰囲気も知ることができるので、興味のあるインターンには積極的に参加しましょう。
採用する側も、入社意欲の高い人物を効率良く絞り込むことができるので、学生の働きぶりを丁寧にチェックします。
そのため、一挙手一投足見られていることを意識して臨むと良いでしょう。
以下の記事で理系のインターンに関する情報を紹介しているので、ぜひ確認して見てください!
志望動機を添削する
志望動機を差別化するには、論理的で具体的な内容に磨き上げることが重要です。
そのために、必ず志望動機を添削しましょう。
研究職では論理的思考力が求められるため、内容が一貫しているか、専門性を伝えられているかを客観的にチェックすることが大切です。
また、「なぜその分野・企業なのか」「自分の研究経験とどうつながるか」をより明確にすることで、説得力が増します。
何度も推敲し、簡潔かつ具体的な志望動機に仕上げましょう。
【研究職の志望動機】まとめ
今回は、研究職の種類や向いている人の特徴などについて詳しく解説しました。
仕事として研究を続けるのなら、事前にメリット・デメリットの双方を押さえておきましょう。
また、研究職は大学で学んだことを活かしやすく、やりがいのある職種です。
研究職に興味を持っているけれども、志望動機がなかなか考えられなかった人も、この記事を参考にし、実際に作成してみてください。
就活コンサルタント木下より
入社後どのように働きたいのか、どのような点で貢献したいのかなどを明確に伝えると良いでしょう。