HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
はじめに
インターンシップへの参加を考えている方は、志望する業界は決まったでしょうか?
入社前に仕事の体験ができるインターンシップは企業側、学生側双方にとってメリットの大きい制度です。
このため、人気の高い業界や企業などでは、インターンシップの段階で履歴書やエントリーシートの提出を求め選考が行われるケースもあります。
ここでは航空業界におけるインターンシップ参加の志望動機の書き方について解説します。
職種別の志望動機の例文も紹介しますので、最後まで読んで参考にしてください。
【航空業界インターン志望動機】航空業界について
航空機によって、人や物を国内外に輸送するサービスを行うのが航空業界です。
非常に大きな業界であり、たくさんの企業が携わり形を作っています。
そのため、さまざまな会社が存在しますが、ここでは航空会社を中心に解説していきます。
航空会社について
航空会社は航空業界をメインで支える業界の顔とも言うべき存在です。
近年では大規模航空事業者である、メガキャリアと格安航空会社である、ローコストキャリアの2つに分けることができます。
以下でそれぞれの特徴を押さえておきましょう。
メガキャリア
メガキャリアは大規模航空事業者で、航空業界を代表する巨大企業のことを指します。
国内では「ANA」や「JAL」海外ではアメリカの「アメリカン航空」やフランスの「エール・フランス航空」などが知られています。
これらの会社では乗客にとって利便性や質の高いサービスを提供している点がポイントです。
多くの運行路線を保有しているため、行き先や出発時間の制限が少なく、移動での不便さを感じることは少ないでしょう。
また、機内食の充実やハイクオリティなサービス対応、預かり荷物の制限など、あらゆる面で高品質なサービスを提供しています。
一方で運賃については、次に解説するローコストキャリアと比べると割高です。
ブランド化された高品質なサービスの提供や、高い利便性と比例した価格設定になっています。
ローコストキャリア
一般的にLCCと略されることも多く、格安航空会社という意味です。
国内では「ピーチアビエーション」や「ジェットスター」などが代表的な会社として知られています。
大きな特徴として、低価格で航空機が利用できることがセールスポイントであり、最大のウリです。
LCCは航空券の価格を格安で提供することで、多くの顧客獲得を目指している企業です。
そのためサービス内容に関しては、メガキャリアほど豊富でないことが多く、機内サービスの簡素化や手荷物の有料化、就航路線を限定的に制限するなどして、コストの削減をはかっています。
これらのことから、メガキャリアと比べると、利便性の面ではやや劣る傾向にあります。
しかし、リーズナブルな利用が可能となり手軽に利用することができるため、多くの利用者に支持されています。
航空業界の動向
2020年から始まった新型コロナウイルスは、その後の感染拡大により各業界へ多大な影響を与えました。
なかでも、航空業界への影響は大きく、国内線、国際線ともに旅客数は大幅に減少し、コロナ前比の9割まで需要は減少し、大幅な赤字を出しています。
しかし、コロナの影響も落ち着きが見え始めた現在、23年3月期の発表では、ANAホールディングスは600億円の黒字、JALは250億円の黒字を記録と回復の傾向を見せつつあります。
徐々にコロナ前に戻りつつあるところですが、この間に人びとの働き方にも変化があり、リモートワーク中心の働き方が増えてきました。
このため、ビジネス需要は以前よりも減少し、今後も大幅に回復することは難しいと言われています。
これらの需要減を補うため、各社さまざまな取り組みを行っていますが、なかでも注力しているのが国際貨物事業です。
貨物需要の拡大を受け、貨物専用機の臨時便やチャーター便を設定するなど、需要の高まる国際貨物輸送での業績回復が注目されています。
【航空業界インターン志望動機】航空会社の他に航空業界に携われる企業
航空業界は巨大な産業であるため、すそ野も広くさまざまな企業が業界に携わっています。
このため、航空会社以外でも、業界に携わる仕事は多くあり、代表的なものとしては航空機製造メーカーなどです。
ホンダジェットは航空機の製造に力を入れており、ビジネスジェットの納入機数では5年連続世界首位を獲得しています。
また、三菱重工業はボーイング社とともに航空機の共同開発を行っており、主翼やエンジンの製造などが盛んです。
航空機の製造以外では、航空宇宙関連メーカーなどもあります。
国内に約140社あるといわれ、ほとんどが民間の旅客機ではなく、防衛関連か宇宙衛星、またはその両方を扱う会社です。
このように、航空会社以外にも航空業界に携わる企業があることは、知っておくと良いでしょう。
【航空業界インターン志望動機】インターンシップに参加するメリット
インターンシップとは、企業が就業体験者を一定期間受け入れる制度のことを言います。
実務を通して企業で働くことで、業界研究や職種の理解が深められ、就職活動に役立てることができます。
参加する上での、代表的なメリットは以下の2つがあげられます。
仕事との相性を肌で感じることができる
「百聞は一見にしかず」とのことわざがあるように、たくさんの話しを聞くよりも、実際に見て体験した方がはるかに理解は早いものです。
インターンシップは日本語で「就業体験」との意味であり、実際の仕事に似た体験ができます。
業界や職種に関する情報も理解できますし、外からでは分かりにくい、社内の雰囲気や働いているスタッフを身近に知ることもできます。
これらの体験をすることにより、仕事が自分に合っているかどうかの判断もしやすくなります。
また、仕事という業務が合うだけではなく、会社の雰囲気が自分に合っているかも非常に大切な要素です。
ここはフィーリングの部分でもあり、判断が難しいと思いますが、これらの経験が就職後のミスマッチ予防に役立ちます。
選考に有利に働く可能性がある
インターンシップには参加した方が、選考に有利に働く場合があります。
特に、インターンシップの募集にwebテストやグループディスカッション、面接などの選考があった場合は、何らかの本選考での優遇がある可能性が高くなります。
例えば、本来4回の面接があるところが、最終面接のみでよくなったり、2回程度の面接で合格するなど、企業によって形態は違いますが、このような優遇措置を受けられる場合があります。
もちろん企業によって変わるため、影響を与えないケースもあります。
しかし、インターンシップへの参加で良いパフォーマンスが発揮できれば、採用担当への印象は確実に良くなり、本選考でも有利に働くことでしょう。
また、直接的なメリットがなくとも、インターンシップへの参加経験は面接でのアピールにも役立ちます。
【航空業界インターン志望動機】インターンシップでどんなことを行うのか
インターンシップで行われる内容は、その業界や、企業で内容は異なります。
航空会社で行われる内容としては、業界や事業の説明、オフィスや施設見学など短期間で行われるものが一般的です。
職種ごとの内容を簡単に紹介します。
陸上職事務系
社内のあらゆるフィールドで働く職種であり、範囲が広いのが特徴です。
法務、経理などの管理部門や収益の最大化、会社の経営などを扱うビジネス部門、飛行機の運航に関わるオペレーション部門などがあります。
インターンの内容としては、航空業界や企業の概要に関する説明や職場見学などを行います。
また、プロモーションやマーケティング戦略をグループで話し合う、グループワークや発表のプレゼンテーション、簡単な業務体験などもあります。
陸上職技術系
航空機エンジニアのプロとして主に整備部門に多く携わる仕事です。
整備計画の策定や、航空機の部品調達、性能などに関わる技術方針の決定を行い、航空機の安全な運行を支えています。
インターンの内容としては、業界や企業説明の他に、整備技術に関わるレクチャーを受けられることもあります。
実際に行っている整備業務や技術業務の体験や、OJT形式での実務体験など本来の業務に触れられる機会が多くあります。
パイロット
お客様が乗る飛行機を安全に運行するのが、パイロットの主な仕事です。
インターンでは業界や企業説明の他に自社養成パイロットの業務に関する講義を受けたりします。
その仕事内容から、実務を経験できる機会は少なく、業務理解のプログラムが多めとなっています。
また、実際に活躍している現役パイロットの方と接する機会が設けられ、質問ができたり、パイロット訓練を体験したりができます。
自社養成パイロットの業務内容や求められるスキルを知ることができます。
キャビンアテンダント
飛行機内でお客様が快適に過ごせるようサービスを提供したり、機内でのトラブルの際にお客様が混乱しないように安全を守ったりすることが、キャビンアテンダントの仕事です。
インターンでは講義系の内容が多く、最高のおもてなしを提供するための知識から、その他事業内容を学びます。
また、ロールプレイング形式でおもてなしを体験したり、グループワークやプレゼンテーション、現役社員との交流する機会が設けられ、より深くキャビンアテンダントの仕事内容を知る機会が得られます。
【航空業界インターン志望動機】インターン選考の志望動機は参加意欲を見ている
インターンシップ選考における志望動機では、応募者の参加意欲が最も見られているポイントです。
これを表現するためには、なぜこの業界を選んだのか、なぜこの会社を志望したのかを明確にする必要があります。
企業側もやる気に欠ける学生を参加させると、大切な時間を無駄にしてしまいます。
そのため、志望動機では本人がどれだけの参加意欲を持って参加しているかを見定めようとします。
なぜ、この会社を志望するのかの理由を明確にするとともに、誤字脱字などの初歩的なミスがないように、何度も添削しより良い志望動機を目指してください。
【航空業界インターン志望動機】志望動機を書く際のポイント
志望動機を作成する際には、何点かの注意するべきポイントがあります。
これらのポイントを意識しながら、しっかりと整理して作ることで、より伝わりやすい志望動機が完成します。
下記にあげる内容を意識しながら、作成を進めてください。
結論ファーストで書こう
志望動機を作成する上で大切な点として、結論ファーストで書き始めることです。
なぜこの業界に興味を持ち、なぜこの企業を志望したのかといった内容を最初に短い文章で伝えることで、相手に分かりやすく、的確に伝える効果を生みます。
逆に結論が後まわしになってしまうと、伝えたいポイントがぼやけてしまい、意図が分かりにくい印象を与えます。
また、長い文章や回りくどい言い回しもおすすめできません。
まとまりが悪い文章では、何が言いたいのかが伝わりにくくなるため、論理的な思考ができない人材であるとの評価を受ける可能性が高くなります。
書き始めでは結論ファーストを意識し、なぜこの企業を志望したのかを中心に、良い印象が残る文章を心掛けるようにしましょう。
何を得たいのか明確にしよう
書きはじめで、なぜこの企業を志望したのかの理由を伝えたあとは、インターンシップに参加して何を得たいのかを伝えると良いでしょう。
インターンに参加する理由は、人それぞれに違うと思いますが、企業は参加者の熱意を測っています、
ただ何となく参加している人や、誰かが参加したから自分も、と言った参加することが目的となっているような人を企業は好みません。
しっかりと目的意識と参加意図を持った人材が好まれます。
そのためには、何のために参加し、何を得たいのかを明確にして伝える必要があります。
スキルであったり、経験であったり、実務の内容を見てみたいなど、人によって目的に違いはあるでしょうが、これらをしっかりと伝えることが大切です。
企業が求める人物像を意識しよう
企業が新卒を採用する際は、決して面接官の単独や相性で決めているわけではありません。
それぞれの企業によって違いはありますが、必ず明確なテーマを持って採用活動を行っています。
これらは、さまざまな要因によって決定されます。
例えば、中期計画で攻めの方針を打ち出しているため、営業部門を強化したいであったり、企画部門が多少弱いと感じているため、この部門の人材を多く採用しようと言った考えです。
これらをもとにして、さらにどんな人材を採用するかの人物像を検討していきます。
人事が行う合否の判断基準は、これら人物像も含まれているため、業界、企業によってどのような人材を求めているかを想像しアジャストしていくことは、選考を突破することにおいて非常に重要です。
【航空業界インターン志望動機】例文
ここまで、インターン参加向けの志望動機を作成する上で必要な業界の動向や、志望動機のポイントについてを解説してきました。
次に志望動機の例文を紹介します。
各職種ごとに載せていますので、これから志望動機を作成する方は、ぜひ参考にしてみてください。
陸上職事務系
私はITシステムに強い興味があり、今回貴社のインターンシップに参加したいと考えております。
大学ではデータサイエンスの研究に取り組み、ITの力が企業の業務や戦略にどのように貢献できるかを学びました。
航空業界では、膨大なデータを処理し、安全性や効率性を向上させるためにITシステムが重要な役割を果たしていると考えています。
また、高い品質やサービスを提供するためにも、欠かせません。
さまざまな領域でITが活用されていると思いますが、フライトオペレーションシステムには特に強い関心があり、貴社の高い定時到着率にITシステムがどのように役立っているのかを学びたいと考えております。
このインターンシップの経験を通じて、航空業界のプロフェッショナルとして成長し、将来的にも貴社に貢献できる人材になりたいと思っています。
陸上職技術系
私は将来航空業界への就職を考えており、技術系のエンジニアを志望しています。
そのため、実際の現場を見られる機会があるインターンシップに参加したいと考え志望しました。
幼いころより、機械に興味があり仕組みを理解することが好きでした。
将来を考えたときに、多くの人びとの安全を支える航空会社のエンジニアの仕事にあこがれを抱くようになりました。
現在は大学の研究室でロボット研究に従事していますが、その過程では多くの苦労も経験しました。
エラーの解決に多くの時間をかけたり、イメージした動きと違うものになったりと、多くの失敗を経験しモノづくりの難しさと重要性を痛感しました。
インターンシップに参加し、実際の妥協が許されない厳しい現場を肌で感じることにより、さらに成長したいと考えています。
将来は航空安全の向上に貢献できる人材になりたいと強く思っています。
パイロット
幼いころから、パイロットの仕事にあこがれがありました。
インターンシップに参加し、外からは見えない業務も知れると思い、より深く仕事を理解するために参加を志望しました。
誰もがパイロットにあこがれを持つと思いますが、私にもきっかけとなった忘れられない記憶があります。
幼いころの家族旅行で、操縦席から降りてきたパイロットと接触する機会がありました。
私は興味津々で近づきパイロットに話しかけましたがパイロットは笑顔で私たちを迎え入れてくれ、快く質問に答えてくれました。
この経験は、今でも鮮明に覚えており、夢へ向かって進む原動力となっています。
将来はパイロットとして成長し、多くの人びとに安心と快適さを提供できるパイロットになりたいです。
また、子どもたちに夢を与えられる存在になりたいと思っています。
これらを実現する一歩として、インターンシップに参加し、パイロットの仕事への理解をさらに深めたいと思います。
キャビンアテンダント
将来はキャビンアテンダントとして活躍したいと思い、努力をしています。
さらに仕事への理解を深め、今後に備えるためにも、インターンシップへの参加を希望しました。
あこがれを持つようになったのは、高校時代の修学旅行がきっかけです。
私たちは航空機での移動が初めてのため、緊張と不安でいっぱいでしたが、機内に入るとCAさんの笑顔の絶えないおもてなしに、一瞬で癒やされた気持ちになりました。
彼女たちの明るい声と親切な対応に、私たちの不安は一気に解消されました。
また、機内案内や安全説明の際にはプロフェッショナルさを感じる毅然とした表情が印象的でした。
この経験から、私も将来心温まるサービスを提供できるキャビンアテンダントになりたいと強く思うようになりました。
夢を叶える一歩として、インターンシップに参加し、外からでは分からない仕事内容を理解し、成長を高めていきたいと考えています。
まとめ
各企業がインターンシップを準備するのは、入社後の仕事内容や雰囲気をつかんでもらうためです。
しかし、同時に企業側でもインターン生の個性や能力を測り採用活動に役立てようとするでしょう。
航空業界は現在でも、就活生に人気のある業界のためインターンシップ選考においても、競争率が高いことが想定されます。
選考を通過するためには、事前準備が非常に重要です。
しっかりと準備を行い、アピールを成功させ選考通過を目指しましょう。