
HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
「困難を乗り越えた経験を教えてください」というES設問、大切なのは困難の大きさではなく、どう乗り越えたかというプロセスです。
「大した挫折経験がない」と感じていても、書き方次第で十分に評価される文章に仕上げられます。
この記事では、以下のことがわかります。
- 企業がこの設問を聞く理由と、採用担当者が何を見ているか
- ガクチカ・自己PRとの違い
- エピソードが思いつかないときの発掘3ステップ
- コピペして使える400字テンプレート
- シーン別例文10選(400字・ポイント解説付き)
- やってしまいがちなNG例と避けるべきエピソード
- 面接での深掘り対策
目次[目次を全て表示する]
企業が「困難を乗り越えた経験」を聞く5つの理由
「困難を乗り越えた経験」を聞く企業の意図を理解すると、何を書けば評価されるかが明確になります。
採用担当者はこの設問を通じて、あなたの人柄・思考・行動パターンを一度に把握しようとしています。
人柄・価値観を確認するため
困難な状況でどう感じ、何を大切にして行動したかは、その人の価値観が如実に表れます。
「なぜその方法を選んだのか」「何が自分を動かしたのか」——こうした問いに対する答えが、採用担当者には「この人はどんな人間か」を理解するための最も信頼できる情報になります。
エピソードの中に自分なりの判断軸や思考のクセを自然に盛り込むことが重要です。
入社後の活躍イメージを掴むため
過去の困難への向き合い方は、入社後の行動パターンに直結します。
「この学生は壁にぶつかったとき、どう動くか」を過去の実例から予測するのが、採用担当者の視点です。
業務上の課題に直面したとき、諦めずに試行錯誤できる人材かどうかを確認しています。
困難を「乗り越えた」だけでなく、「どう乗り越えたか」を具体的に書くことで、活躍イメージが伝わります。
目標達成に向けて努力できるか確認するため
困難を乗り越えるためには、目標を持って継続する力が必要です。
採用担当者は「設定した目標に向かって、途中で諦めず努力できる人材か」を見ています。
エピソードの中で「何を目標に設定し、どう努力し続けたか」が伝わると、粘り強さと目標達成力のアピールになります。
困難への対処法を確認するため
問題解決のアプローチは人によって大きく異なります。
「課題をどう分析し、どんな手を打ったか」という対処のプロセスは、入社後の業務スタイルと直結します。
感情的に反応したのか、論理的に原因を分析したのか、他者を巻き込んだのか——こうした行動の選択が、採用担当者には「仕事のやり方」として映ります。
ストレス耐性を確認するため
社会人になれば、思い通りにいかない場面は必ず訪れます。
採用担当者は「プレッシャーや逆境に直面したとき、自分を立て直せるか」を見ています。
困難な局面で感情的にならず、冷静に行動できたエピソードは、ストレス耐性の高さを示す有力な証拠になります。
【ES 困難を乗り越えた経験】ガクチカ・自己PRとの違いを整理しよう
「困難を乗り越えた経験」は、ガクチカや自己PRと混同されがちな設問です。
それぞれの設問は焦点と求められる要素が異なります。
同じESに複数の設問がある場合、内容が被らないよう書き分けることが重要です。
| 設問 | 焦点 | 求められる要素 |
|---|---|---|
| 困難を乗り越えた経験 | 課題・逆境への向き合い方 | 問題解決プロセス・ストレス耐性・粘り強さ |
| ガクチカ | 力を入れた活動・成長のプロセス | 主体性・行動力・学びの姿勢 |
| 自己PR | 自分の強み・特性 | 強みの根拠・入社後の再現性・企業とのマッチ度 |
「困難を乗り越えた経験」は「壁にぶつかり、どう解決したか」に焦点を当てます。
ガクチカは「何に力を入れたか・どう成長したか」、自己PRは「自分の強みが何で、どう活かせるか」が主軸です。
同じエピソードを使う場合でも、設問に合わせて切り口を変えることで書き分けられます。
「困難が思いつかない」エピソード発掘3ステップ
「大きな挫折経験がない」「特別なエピソードがない」と感じる就活生は多いです。
しかし困難の大きさは関係ありません。身近な経験を丁寧に掘り起こすことが、エピソード発掘の出発点です。
ステップ1:感情の動揺(悔しい・大変だった)から過去を時系列で探す
まずは大学生活や過去の経験を時系列で振り返り、「焦った」「悔しかった」「大変だった」と心が動いた瞬間を洗い出しましょう。大きな挫折体験でなくても、自分が壁にぶつかって感情が動いた出来事の中に、ガクチカや選考で使えるエピソードのヒントが隠れています。
ステップ2:自分の困難がどの「3つのパターン(要因)」に当たるか分類する
洗い出した出来事が、以下の3つのパターンのどれに当てはまるかを整理すると、自分の伝えたい強みが明確になります。
外部環境要因の困難(売上不振・環境の変化など)
売上の低迷や急な環境の変化など、自分以外の外部要因によって生じた課題です。自分ではコントロールしづらい状況に対し、どのように柔軟に対応し、現状を打破するための工夫を凝らしたかという「環境適応力」や「問題解決力」をアピールできます。
人間関係要因の困難(意見対立・チームのモチベーション低下など)
チーム内での意見の食い違いやメンバーの意識のズレ、コミュニケーション不足による摩擦など、対人関係で生じた課題です。周りの意見に耳を傾けながら、どのように折衷案を見出し組織をまとめたかという「巻き込み力」や「協調性」を伝えるのに適しています。
自己設定目標の困難(資格・受験・高い目標への挑戦など)
難関資格の取得や部活動での目標達成、未経験の分野への挑戦など、自ら高いハードルを設定したことで直面した課題です。妥協せずに努力を継続したプロセスを示すことで、自身の「成長意欲」や「高い主体性」を強くアピールできます。
ステップ3:行動による「変化」や「小さな工夫」に注目して逆算する
壁にぶつかった後、自分が「行動を変えたポイント」や「工夫したこと」に注目しましょう。特別な実績がなくても、「思考を変えて試した小さな工夫」と「それによって生じた変化」を言語化することで、説得力のあるエピソードへと仕上がります。
☐ 自分が主体的に動いたエピソードか(チームではなく「私が」行動した内容か)
☐ 困難の原因と自分の行動が明確に説明できるか
☐ 学びや変化がエピソードの中に含まれているか
☐ 入社後の仕事や職場環境と結びつけて話せるか
「困難を乗り越えた経験」の書き方・構成
エピソードが決まったら、次は構成です。
「何をどの順番で書くか」を決めるだけで、同じ経験でも伝わり方が大きく変わります。
PREP法とSTAR法の使い分け
「困難を乗り越えた経験」には、STAR法がより適しています。
PREP法(結論→理由→具体例→結論)は自己PRや志望動機向きで、強みを論理的に伝えるのに向いています。
一方、STAR法(Situation→Task→Action→Result)は「状況→課題→行動→結果」の流れで困難への対処プロセスを自然に描けるため、この設問に最適です。
ただし400字という制限の中では、冒頭に結論(困難の概要)を置いてからSTARの流れに入る「結論先出し型STAR法」が最も読みやすい構成になります。
①結論(困難の概要)
冒頭の1〜2文で「どんな困難をどう乗り越えたか」を簡潔に示します。
「私が学生時代に直面した最大の困難は〇〇です」のように、採用担当者が最初の一文で「どんな話か」を把握できるようにしましょう。
目安文字数:40〜50字。
②困難をどのように乗り越えたか
ここが最も重要なパートです。
「何が課題で、自分はどう考え、何をしたか」を具体的な行動レベルで書きます。
「メンバーと話し合いました」ではなく「週1回の個別ミーティングを提案し、課題を一人ひとりに確認しました」のように、固有の行動を書くことが重要です。
目安文字数:140〜160字(全体の35〜40%)。
③乗り越えた後の変化
行動の結果として何が変わったかを数字や事実で示します。
「チームの雰囲気が良くなりました」ではなく「大会でベスト4に進出しました」「売上が前月比20%増加しました」のように、具体的な変化を書きましょう。
目安文字数:60〜80字。
④経験から学んだこと
この設問で多くの学生が書き漏らすのが「学び」のパートです。
「この経験を通じて〇〇の重要性を学んだ」と1文で明示することで、採用担当者に「内省できる人材」という印象を与えられます。
目安文字数:40〜50字。
⑤入社後の展望
学びを入社後にどう活かすかを1〜2文で書き、ESを締めます。
「この経験で培った〇〇力を、貴社の〇〇業務でも発揮したいと考えています」のように、職種・業務と結びつけることで再現性が伝わります。
目安文字数:40〜50字。
【ES 困難を乗り越えた経験】そのまま使える!400字テンプレート
以下のテンプレートをコピーして、【】内を自分の経験に書き換えてください。
行動パートを全体の35〜40%(140〜160字)に設定することが、採用担当者に「具体性がある」と感じてもらうための最重要ポイントです。
【結論:40〜50字】
私が学生時代に直面した最大の困難は、【困難の内容を一言で】です。
【状況・背景:60〜70字】
【活動名・時期】において、【困難が起きた背景・状況を説明】という課題がありました。
【行動:140〜160字 ★ここが最重要★】
この課題を解決するため、私は【自分が取った具体的な行動①】を行いました。また、【行動②】を提案・実行し、【行動の詳細・工夫した点】。
【結果:60〜80字】
その結果、【具体的な数字・事実で示した変化】を達成することができました。
【学び・入社後の展望:40〜60字】
この経験から【学んだこと】の重要性を学びました。入社後も【業務・職種】でこの力を活かしたいと考えています。
【例文10選】シーン別「困難を乗り越えた経験」
以下の例文はすべて400字前後で統一しています。
自分のエピソードに近いパターンを参考に、固有名詞・数字・自分の行動に置き換えてください。
パターン①:部活動×リーダーシップ
私が直面した最大の困難は、バスケットボール部のキャプテンとして、練習不参加が続くメンバーのモチベーション低下に向き合ったことです。大学2年の夏、試合での連敗が続きチームの空気が一気に沈みました。私は原因を探るため部員30人に個別ヒアリングを実施し、「練習メニューへの不満」と「将来への不安」が根本にあることを把握。コーチに掛け合い、全員が意見を言える「月1回の戦略MTG」を導入しました。さらに練習メニューを部員参加型で刷新し、一人ひとりが目標を持てる仕組みを作りました。結果、翌シーズンの出席率が85%から97%に改善し、地区大会でベスト4に進出しました。この経験から、チームの問題は表面的な対策より「根本の声を聞く」ことから始まると学びました。入社後もチームを巻き込んだ課題解決でこの力を発揮したいと考えています。(400字)
【採用担当が見ているポイント】
個別ヒアリングという具体的な行動と、出席率97%という数字で結果を示している点が高評価につながります。
「なんとなく声をかけた」ではなく「30人全員にヒアリングした」という行動の規模感が、主体性と実行力を証明しています。
パターン②:サークル×チーム内の対立
私が直面した困難は、映像制作サークルの文化祭出展で、メンバー間の意見対立が激化し作業が停止したことです。監督希望者が2人出たことで派閥が生まれ、3週間にわたり進行が止まりました。私は仲裁役を引き受け、まず双方の主張を個別に聞いた上で「どちらのアイデアが作品の完成度を上げるか」という共通の軸を提示しました。その後、両案の良い部分を組み合わせた第三案を作成し、全員が納得できる着地点を提案。意思決定のフローを文書化し、以降の議論がルールに基づいて進むよう整備しました。結果、文化祭に無事出展し、来場者アンケートで最高評価を獲得しました。この経験から、対立の解消には双方の意見を「批判せず引き出す」姿勢が不可欠だと学びました。入社後もチーム内の調整役として貢献したいと考えています。(400字)
【採用担当が見ているポイント】
対立をただ「収めた」ではなく、意思決定フローの文書化まで行った点に問題解決の深さが出ています。
調整型のエピソードでは「感情論で収めたのか、仕組みで解決したのか」が評価の分かれ目です。
パターン③:アルバイト×業務改善
私が直面した困難は、カフェのアルバイトで、ピーク時の行列とクレームが改善されない状況に向き合ったことです。昼の繁忙帯に平均15分待ちが続き、常連客の来店が減少していました。私は原因を分析するため、1週間の業務フローを観察・記録し、「役割分担の曖昧さによる動作の重複」を課題と特定。店長に許可を取り、レジ・ドリンク・進行管理の3役を時間帯限定で明確に分けた「ポジション制」を提案・導入しました。さらに視覚的な引き継ぎボードを作成し、スタッフ交代時の情報共有を標準化しました。結果、平均待機時間が15分から8分に短縮し、担当シフトの月間売上が前年比12%増加しました。この経験から、感覚ではなくデータをもとに課題を特定することの重要性を学びました。入社後も現場の観察と分析を起点に改善提案を続けたいと考えています。(404字)
【採用担当が見ているポイント】
「観察・記録→課題特定→提案→標準化」という改善プロセスが一連で描けており、論理的思考力が伝わります。
待機時間15分→8分、売上12%増という2つの数字が説得力を高めています。
パターン④:インターン×初めての失敗
私が直面した困難は、IT企業のインターンでチームリーダーを務めた際、初のプレゼンで提案を全否定されたことです。3週間かけて準備した新機能提案が「ユーザー視点が欠けている」と指摘され、チーム全員が落胆しました。私は失敗の原因を振り返り、「自分たちの思い込みで設計した」という根本的なズレを認識。すぐにターゲットユーザー10人へのヒアリングを設定し、実際の使用シーンと不満を収集しました。得られた声を反映して提案を全面再構成し、2週間後の最終発表では「ユーザー目線が明確」と高く評価されました。結果、チームの提案が4チーム中1位に選ばれました。この経験から、仮説は必ず現場で検証するという姿勢の重要性を学びました。入社後も思い込みを排除し、ユーザーや顧客の声に基づいた提案を実践したいと考えています。(401字)
【採用担当が見ているポイント】
失敗を「認め、原因を分析し、即行動した」というプロセスが明確で、ストレス耐性と再挑戦力が伝わります。
「4チーム中1位」という客観的な評価で結果を示している点も高評価です。
パターン⑤:ゼミ・研究×行き詰まり
私が直面した困難は、社会学ゼミの共同論文で、データ収集が行き詰まり発表まで1ヶ月を切った時点で分析が進まなくなったことです。当初の調査対象である地方自治体からの回答率が想定の30%にとどまり、サンプル数が不足していました。私は教授に相談した上で、調査対象を「SNSを活用した地域活性化事例」に変更することを提案。新たにオンラインアンケートを独自設計し、SNSでの拡散によって2週間で150件の回答を収集しました。不足していたデータをビジュアライズし、論文全体を再構成しました。結果、発表会で「データの多角的な活用」と評価され最優秀賞を受賞しました。この経験から、行き詰まったときは「方法を変える柔軟性」が突破口になると学びました。入社後も状況に応じて手段を切り替えながら、成果にこだわって取り組みたいと考えています。(403字)
【採用担当が見ているポイント】
「詰まったら柔軟に方法を変えた」という判断の素早さと、SNSを使って150件収集した行動力が高く評価されます。
「最優秀賞」という結果と「何が評価されたか」まで書いている点が完成度を高めています。
パターン⑥:留学・異文化×言語の壁
私が直面した困難は、カナダへの1年間の留学で、英語力の不足から授業についていけず孤立しかけたことです。留学2ヶ月目、グループディスカッション形式の授業で発言できない日が続き、現地学生から「意見がない人」と思われていると感じました。私は週3回のネイティブとの会話練習を自ら設定し、授業の予習に毎日2時間を確保。苦手だった即興発言の練習として、ディスカッション前に論点をメモする習慣を作りました。3ヶ月後には授業内で週3回以上発言できるようになり、グループプロジェクトでは初めてリーダー役を任されました。留学終了時のTOEICスコアは出発前より195点向上しました。この経験から、外国語習得に必要なのは「完璧を待たず発信し続ける姿勢」だと学びました。入社後も新しい環境に臆さず飛び込み、継続的に成長する姿勢を大切にしたいと考えています。(407字)
【採用担当が見ているポイント】
「週3回の練習設定」「毎日2時間の予習」という具体的な行動量と、TOEIC195点という数字が努力の証拠として機能しています。
留学エピソードは「楽しかった」で終わりがちですが、課題と行動と変化が描けている点が差別化ポイントです。
パターン⑦:受験×挫折からの逆転
私が直面した困難は、高校3年の模試でE判定が続く中、志望校への合格を諦めずに取り組み続けたことです。夏の時点で志望校の合格可能性は20%を下回り、担任からも「志望校変更」を勧められました。私は自分の勉強法の何が問題かを洗い出し、「参考書の周回はしているが、弱点の繰り返しが足りない」という課題を発見。暗記と理解を分けた自作の復習ノートを作成し、弱点単元だけを毎日30分集中して反復する仕組みを導入しました。また、過去問の分析を週1回行い、出題傾向に合わせて学習比重を変更しました。結果、センター試験本番で目標得点を超え、第一志望に合格しました。この経験から、努力の量より「努力の方向性を見直す勇気」が結果を変えると学びました。入社後も成果が出ない時期こそ方法を検証し、改善し続ける姿勢を大切にしたいと考えています。(407字)
【採用担当が見ているポイント】
受験エピソードは「頑張った」で終わるものが多いですが、「弱点の分析→仕組み化→結果」というPDCAが描けている点が高評価につながります。
学びが「努力量より方向性の見直し」という具体的な言語化になっている点も採用担当者の目に留まります。
パターン⑧:ボランティア×参加者集め
私が直面した困難は、地域の高齢者向けスマホ教室の運営で、参加者が5人以下から増えず存続が危ぶまれたことです。広告チラシを配っても集客につながらず、開催3ヶ月で参加者数が伸び悩みました。私は原因を把握するため、近隣の高齢者10名にヒアリングを実施。「スマホを持っていても使い方がわからなくて怖い」という心理的ハードルが集客の壁だと気づきました。そこでチラシの文言を「スマホ教室」から「スマホ相談会・何でも聞いてください」に変更し、地域の掲示板と民生委員を通じた告知に切り替えました。翌月から参加者が13人に増加し、4ヶ月後には30人規模のイベントへと成長しました。この経験から、集客の問題は「届け方」より「伝え方」の設計が重要だと学びました。入社後もターゲットの心理を起点にした提案・発信を実践したいと考えています。(402字)
【採用担当が見ているポイント】
ヒアリングで「心理的ハードル」という本質的な課題を特定した点に、分析力の高さが表れています。
参加者5人→30人という数字の変化が、行動の効果を明確に示しています。
パターン⑨:資格試験×2度の失敗
私が直面した困難は、日商簿記2級に2度不合格となり、それでも諦めずに合格を目指し続けたことです。1度目の不合格後は単純に勉強時間を増やしましたが、2度目も不合格となり「方法が間違っている」と気づきました。私は過去2回の試験の答案を見直し、「工業簿記の仕訳パターンの理解が浅い」という具体的な弱点を特定。工業簿記に特化した問題集を1冊買い直し、苦手分野だけを繰り返す「弱点集中型」の学習に切り替えました。また、毎週模擬試験を1回解いて時間配分の感覚を養いました。3度目の試験では工業簿記を満点近くで解答し、合格を達成しました。この経験から、失敗は「量」で乗り越えるのではなく「原因の分析」から始めるべきだと学びました。入社後も成果が出ないときに立ち止まり、原因を分析して改善策を立てる思考を活かしたいと考えています。(403字)
【採用担当が見ているポイント】
2度の失敗から「方法を変えた」という自己修正能力は、仕事でも応用できる姿勢として高く評価されます。
「量を増やすだけ」から「弱点特定・集中」への切り替えが、思考の変化として明確に描けています。
パターン⑩:初めてのリーダー経験
私が直面した困難は、ゼミの合同発表会で初めてチームリーダーを任された際、メンバーの役割分担がうまくいかず締切2週間前に作業が30%しか進んでいなかったことです。原因を確認すると、各自の得意分野と担当タスクがずれており、全員が「やりにくさ」を感じていました。私はタスクを洗い直し、メンバーのスキルと希望を聞いた上でアサインメントを再配分。毎日5分の進捗確認チャットを設け、詰まっている箇所をその日のうちに解決する仕組みを作りました。2週間で作業を70%追い上げ、最終的に発表は予定通り完了。他チームから「まとまりがあった」と評価をいただきました。この経験から、チームの停滞は「リーダーの管理」より「各自が動きやすい環境の設計」で解決できると学びました。入社後もメンバーの強みを引き出すマネジメントを実践したいと考えています。(402字)
【採用担当が見ているポイント】
「締切2週間前・30%」という危機的状況の数字が設問の緊張感を高めています。
「管理より環境設計」という学びの言語化が、マネジメントへの理解として採用担当者に響きます。
【困難を乗り越えた経験がない人向け】
「全国大会での挫折」や「売上アップ」のような華やかな経験がなくても、日常の小さな失敗や課題への対応で十分に評価されます。面接官が見ているのは特別な体験ではなく、「課題の原因を分析し、行動を変えて乗り越えたプロセス」です。日常のミス予防や工夫をテーマに、客観的な思考と着実な実行力をアピールしましょう。
業務上のミスの原因を分析し、予防策を徹底した経験
アルバイト先の飲食店で、混雑時における提供ミスの削減に注力した経験です。勤務当初、焦りから注文を取り間違えて店舗に迷惑をかける課題に直面しました。そこで自身の「焦り」と「確認の甘さ」が原因だと捉え、2つの改善策を実行しました。第1に、注文時には必ずお客様へメニューの復唱を徹底しました。第2に、ミスが起きやすい注文パターンをメモにまとめ、勤務前に見返す習慣をつけました。これを3ヶ月間継続した結果、担当テーブルでの注文ミスをゼロに抑えられました。この経験から、小さな問題であっても原因を分析し、着実に改善を積み重ねる重要性を学びました。入社後も課題から逃げず正確な業務に努めます。(298文字)
【ES 困難を乗り越えた経験】面接官が見ている3つの評価ポイント
ESを通過した後、面接でも同じエピソードを使って話すことになります。
面接官が特に注目している3つの評価ポイントを理解した上でESを書くと、面接対策も同時に進みます。
評価ポイント①:困難の"自分ごと度"
「その困難は、あなたが本当に向き合った問題ですか?」という問いがこのポイントの本質です。
チームや環境のせいにせず、自分がその困難をどう受け止め、どう責任を持って向き合ったかが問われています。
「チームが困難だった」ではなく「私がこの困難を自分の課題として捉えた」という自分ごとの視点が必要です。
セルフチェック:「困難の原因分析と解決策の立案を、自分が主体で行っているか?」
評価ポイント②:行動の"具体性と主体性"
「何をしたか」が曖昧な文章は、どれだけ感動的なエピソードでも評価されません。
「週に何回・何人に・何をした」という5W1H レベルで行動が描かれているかどうかが採点基準になります。
さらに、その行動を「自分が起点で動いたか」という主体性も重要です。
「言われてやった」ではなく「自ら考えて動いた」という構造になっているか確認しましょう。
セルフチェック:「行動パートに『私は〇〇を提案・実行・設計した』という文が含まれているか?」
評価ポイント③:学びの"再現性"
「この経験から得た学びを、入社後の業務で再現できるか」が最終的な評価軸です。
「チームワークの大切さを学んだ」という抽象的な学びより、「役割分担の明確化が生産性を高めると学んだ」という具体的な学びのほうが、再現性が伝わります。
学びと入社後の展望がつながっていると、採用担当者に「この人は使えるスキルを持っている」と感じてもらえます。
【ES 困難を乗り越えた経験】評価を下げる!NGポイントと避けるべきエピソード
NG①:身内の不幸や病気、失恋など個人的すぎるプライベートな話
身内の不幸や自身の病気、失恋、個人的な人間関係のトラブルといった極めてプライベートなテーマは避けましょう。ビジネスの場である面接では、「仕事への適性」や「再現性のある行動力」を客観的に評価することが難しく、面接官も反応に困ってしまいます。あくまで学業や部活動、アルバイト、インターンなど、社会性のある活動の中で直面した壁をテーマに選ぶのが鉄則です。
NG②:成果や自慢話ばかりで「自分の具体的な行動・試行錯誤」が見えない
「大会で優勝した」「売上を150%に伸ばした」といった華やかな成果や結果のアピールばかりに終始してしまうのはNGです。企業が見たいのは結果の凄さではなく、成果に至るまでの「思考プロセス」や「泥臭い試行錯誤」です。結果の誇示に字数を割くのではなく、「どんな課題に対し、自らどう考え、どう行動したか」というプロセスの記述に重点を置きましょう。
NG③:「周りがすごかった」「指示通り動いた」という受動的な内容
「先輩や上司に言われた通りに行動して解決した」「優秀なチームメンバーのおかげで乗り越えられた」といった受動的な内容は、主体性がないと判定されて評価を下げてしまいます。きっかけが指示や周囲の助言であっても、「指示を受けて自分なりにどう噛み砕き、どのような工夫や試行錯誤をプラスして行動したか」という自分自身の当事者意識(主体性)を必ず盛り込みましょう。
NG④:目標設定のハードルが低い内容(当たり前の内容)
「単位を落とさずに卒業した」「アルバイトの遅刻をゼロにした」など、社会人として当たり前のことやハードルの低すぎる目標を困難として挙げると、「問題意識が低い」「成長意欲が薄い」とみなされてしまいます。学生なりに少し高い目標を掲げた経験や、予期せぬトラブルに対して自分から課題を見つけて行動したエピソードを選びましょう。
【ES 困難を乗り越えた経験】面接での深掘り対策
ESを通過した後、面接では必ずと言っていいほどこのエピソードへの深掘りがあります。
ESに書いた内容を自分の言葉で説明できる状態にしておくことが、面接突破の絶対条件です。
頻出の深掘り質問3選と答え方のポイント
以下の3つの質問は、面接で特によく聞かれるパターンです。ESを書き終えたら、これらに答える練習をしておきましょう。
①「なぜその方法を選んだのですか?」
行動の「選択理由」を問う質問です。「他にどんな選択肢があり、なぜその方法を選んだのか」まで説明できるようにしておきましょう。
ESに書いた行動が「なんとなく」ではなく「自分の判断で選んだ行動」であることを示せると、評価が高まります。
②「その時、一番難しかったことは何ですか?」
困難の核心を問う質問です。ESに書いた「困難の概要」より、さらに具体的な場面や感情を話せると深みが出ます。
「〇〇という状況で、△△という判断をしなければならなかったことが最も難しかった」という構造で答えましょう。
③「その経験は今の自分にどう影響していますか?」
学びの「現在への接続」を問う質問です。ESで書いた学びを、日常や他の活動に活かしている具体例を1つ答えられると説得力が増します。
「あの経験以来、〇〇するときは必ず△△を確認するようにしています」のような形で話すと、再現性が伝わります。
まとめ
「困難を乗り越えた経験」は、書き方次第で自分の思考力・行動力・成長力を一度に伝えられる強力な設問です。
大切なのは困難の規模ではなく、向き合ったプロセスの質です。
この記事のポイントをまとめます。
- 企業はこの設問で「人柄・対処法・努力・ストレス耐性・活躍イメージ」の5つを確認している
- ガクチカ・自己PRと焦点が異なるため、同じESに複数設問がある場合は書き分けが必要
- エピソードが思いつかない場合は「時系列→原因分析→変化」の3ステップで発掘する
- 構成は「結論→状況→行動(全体の35〜40%)→結果→学び→展望」の順で書く
- 面接の深掘り対策として「なぜその方法か」「一番難しかったこと」「今への影響」を言語化しておく
この記事のテンプレートと例文を参考に、自分だけのエピソードを仕上げてください。