HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
就職活動では、エントリーシートに人生のターニングポイントを記載することが求められることがあります。
自分にとっての重要な出来事を振り返り、それを明確に伝えることが、企業に良い印象を与える鍵となります。
本記事では、ターニングポイントの見つけ方や書き方のコツ、注意点を徹底的に解説します。
目次[目次を全て表示する]
【ES 人生のターニングポイント】そもそも人生のターニングポイントとは
人生のターニングポイントとは、自分の価値観や将来の方向性に大きな影響を与えた重要な出来事や経験を指します。
この出来事を通じて、考え方や行動に変化が生まれ、新たな目標や生き方を形成するきっかけとなるものです。
例えば、進学や就職といった大きな選択、部活動やアルバイトの中で直面した困難、家庭や友人関係で得た学びなどが該当します。
これらの経験は、自分の行動指針や価値観に深く結びついており、人生の分岐点として振り返ることができます。
企業がターニングポイントを聞くのは、その経験を通じてどのような成長を遂げたのか、価値観や行動の変化を知りたいからです。
特に、自分の考えを振り返り、そこから何を学び、今後どのように活かしていくのかを明確に伝えることで、自己アピールにつながります。
ガクチカとの違い
「人生のターニングポイント」と「ガクチカ」は似ているようで異なる概念です。
ガクチカは学生時代に力を入れて取り組んだ具体的な経験や成果を指します。
一方、ターニングポイントは、人生全体の中で価値観や行動に影響を与えた出来事が対象です。
たとえば、ガクチカではサークル活動のリーダーシップ経験を書く場合、ターニングポイントではそのリーダーシップを学ぶきっかけとなった挫折や学びを書くなど、異なる視点が求められます。
この違いを理解することで、より明確に自分をアピールできるでしょう。
【ES 人生のターニングポイント】企業が「人生のターニングポイント」を聞く理由
企業が「人生のターニングポイント」を質問する背景には、応募者の人柄や適性を把握したいという意図があります。
ターニングポイントに対する回答を通じて、応募者がどのように成長し、どのような価値観を持っているのかを知ることができます。
自己分析の深さの確認
企業がターニングポイントを聞く理由の一つは、応募者の自己分析の深さを確認するためです。
自己分析がしっかりと行われている応募者は、過去の経験を振り返り、そこから学んだことや自身の成長を具体的に伝えることができます。
このような能力は、入社後に自己成長を続けられる素養として評価されるのです。
たとえば、挫折を経験した出来事から、なぜ失敗したのかを考察し、その結果、どのように次の挑戦で成功を収めたのかを具体的に説明できることがポイントになります。
また、自分を客観的に理解している人は、周囲との関係性をうまく築く力もあると見なされることが多いです。
このため、ターニングポイントを適切に回答できるかどうかは、応募者の成長意欲や適応力を測る上での重要な指標となります。
価値観の確認
ターニングポイントは、その人の価値観を強く反映していることが多いです。
企業はこの質問を通じて、応募者の価値観や人生観が自社の文化や理念に合致しているかを確認します。
たとえば、家族とのエピソードを挙げて、「家族を支える中で協力の大切さを学んだ」と述べる場合、応募者が協調性を大事にしていることが伝わります。
このように、ターニングポイントに含まれる価値観は、応募者の人間性を浮き彫りにする材料となり、企業にとっては採用後のミスマッチを防ぐ手がかりとなるのです。
よって、エピソードを選ぶ際には、自分の価値観をどのように伝えるかを意識することが重要です。
困難への対応能力の確認
企業がターニングポイントを聞くもう一つの理由は、応募者の困難への対応能力を知るためです。
多くのターニングポイントは、何らかの困難や試練を乗り越えた経験に基づいています。
企業はその困難に対して、どのように向き合い、克服したのかを通じて、応募者の問題解決能力やストレス耐性を見極めます。
たとえば、試験で不合格になった後に、どのように気持ちを立て直し、次の挑戦に向けて計画を立てたのかを具体的に述べることが有効です。
企業はこれを通じて、「困難な状況に直面しても成長を続けられる人材」であるかどうかを確認しようとしています。
そのため、選ぶエピソードには、自分が試練を乗り越える過程を明確に示す要素を含めることが求められます。
【ES 人生のターニングポイント】人生のターニングポイントの探し方
「人生のターニングポイントが思い浮かばない」という悩みを持つ就活生は少なくありません。
しかし、人生を振り返ることで、自分にとって重要な出来事が見えてくることがあります。
ここでは、ターニングポイントを見つけるための具体的な方法とアプローチを解説します。
過去の出来事を振り返る
ターニングポイントを見つけるための第一歩は、自分の過去の出来事を振り返ることです。
人生における選択や変化、困難な場面などを思い出し、それが自分に与えた影響を深く考えることで、企業が求める「人生のターニングポイント」を明確に語る材料を得ることができるでしょう。
大きな選択や決断の場面を振り返る
人生のターニングポイントを見つける際、大きな選択や決断の場面を振り返ることが重要です。
進学先や部活動の選択、留学の決断など、自分の人生に影響を与えた選択の背景を思い出してみましょう。
例えば、高校時代に部活を選ぶ際、興味のあったサッカーとバスケットボールのどちらを選ぶか迷った結果、自分の可能性を広げる道を選び、その後の成長に繋がったという話が挙げられます。
こうしたエピソードでは、単なる選択だけでなく、その選択が自分の価値観や将来の方向性にどう影響を与えたのかを具体的に示すことが重要です。
困難や挫折を乗り越えた経験を振り返る
ターニングポイントには、困難や挫折を乗り越えた経験も含まれます。
このような出来事は、自分の成長や価値観の変化を強く示す場面として活用できます。
たとえば、大きな試験で失敗した後、自分の勉強方法を見直し、次の試験で結果を出せた経験や、アルバイトでのトラブルを冷静に解決したエピソードなどがあります。
このような話では、困難に直面した当時の心情や状況、そしてそれを克服するためにどのような行動を取ったのかを詳しく描写することが大切です。
また、その経験から学んだことが、今後の自分の行動や価値観にどう反映されているのかを具体的に説明することで、エピソード全体に説得力を持たせることができます。
大きな変化や環境の変わり目を思い出す
引越しや進学など、大きな環境の変化は人生のターニングポイントになり得ます。
新しい環境に適応する過程で、自分の価値観や行動がどのように変化したのかを振り返ってみましょう。
たとえば、引越しを経験したことで、新しい学校で友人を作るために積極的に話しかけるようになり、その結果、人と関わることの大切さを学んだというエピソードが考えられます。
こうした出来事は、適応力や柔軟性を示すだけでなく、変化をポジティブに捉える姿勢をアピールする材料にもなります。
環境の変化をどのように乗り越え、その中でどのような成長を遂げたのかを具体的に伝えることで、企業に自分の強みを印象付けることができるでしょう。
家族や昔からの友人に聞いてみる
自分の記憶だけではターニングポイントを見つけるのが難しい場合、家族や昔からの友人に話を聞いてみるのも有効な手段です。
たとえば、親に「学生時代で一番頑張っていた時期は?」と尋ねたり、友人に「自分が成長したと感じた場面は?」と聞いたりすることで、意外なエピソードが浮かび上がることがあります。
また、家族や友人との会話を通じて、普段は意識していなかった出来事が、自分にとって大きな意味を持つものであると気づけることもあります。
【ES 人生のターニングポイント】人生のターニングポイントの構成
ターニングポイントを適切に伝えるには、わかりやすい構成が必要です。
企業に興味を持ってもらうためには、ただ出来事を羅列するのではなく、その出来事がどのように自分に影響を与えたのかを明確に伝えることが重要です。
きっかけとなった出来事
人生のターニングポイントを伝える際には、まずその出来事の概要を簡潔かつ具体的に説明する必要があります。
この部分では、なぜその出来事がターニングポイントとなったのかをわかりやすく示すことが大切です。
たとえば、「高校時代に所属したサッカー部での挫折」や「大学進学時に専攻を選ぶ際の迷い」など、その場面を簡潔に描写することで、読み手に状況をイメージさせることができます。
この段階で出来事の背景を明確にしておくと、後の説明がスムーズに進むため、重要なポイントです。
自身の変化・学び
次に、そのターニングポイントが自分にどのような変化や学びをもたらしたのかを説明します。
この部分では、「その経験を通じてどのように自分が成長したのか」「価値観や行動がどのように変化したのか」を具体的に述べることが求められます。
ここで重要なのは、単に経験を語るだけでなく、そこから得た教訓や成長の実感を具体的に伝えることです。
また、その学びがどのように将来の行動に繋がっているのかを明確にすることで、エピソード全体に一貫性を持たせることができます。
その後の行動や現在への影響
最後に、そのターニングポイントが現在の自分にどのような影響を与えているのか、そしてその学びがどのように行動に反映されているのかを説明します。
この部分では、エピソードを現実的かつ具体的な内容にすることで、企業に対して説得力を高めることができます。
さらに、それが志望する企業や職種にどのように活かされるのかを伝えることで、企業にとって魅力的な回答となります。
【ES 人生のターニングポイント】人生のターニングポイントを書く際の注意点
ターニングポイントは自己アピールの重要な要素となる一方で、書き方次第では効果が半減してしまうことがあります。
以下では、具体性、成長の示し方、ポジティブな締め方という観点から注意点を解説します。
具体性がない・抽象的すぎる
ターニングポイントを書く際に、エピソードが抽象的すぎると、企業に伝わりにくくなります。
たとえば、「部活で挫折した経験がある」だけでは何が起きたのか、どのように乗り越えたのかが不明瞭です。
具体的には、どのような挫折を経験し、その場面でどのように考え、行動したかを明確にする必要があります。
たとえば、「部活で試合に負けた後、チームの課題を分析し、皆で練習計画を練り直した結果、次の大会で勝利を収めた」といった詳細があれば、エピソードに説得力が増します。
具体性を持たせることで、企業に対して自分の経験がリアルであり、魅力的であることを伝えることができます。
成長や変化が感じられない
ターニングポイントで成長や変化が示されていない場合、企業側はエピソードの重要性を感じることができません。
たとえば、進学先を決めた話だけを語り、「そこからどう変わったのか」を示さなければ、企業にとっては単なる出来事の羅列に終わってしまいます。
エピソードを選ぶ際には、その出来事を通じて何を学び、どのように行動や考え方が変わったのかを具体的に説明することが重要です。
たとえば、「進学先の選択を機に、自分の興味分野を明確にし、将来の目標が定まった」といった形で、自分がどう成長したのかを明確に伝えることで、エピソード全体が魅力的になります。
否定的な内容で終わってしまう
ターニングポイントを書く際に、否定的な内容だけで終わらせてしまうのは避けるべきです。
「部活で失敗し、退部した」というエピソードでは、マイナスな印象しか与えません。
企業が知りたいのは、失敗や挫折の経験そのものではなく、そこからどう立ち直り、何を学んだかです。
たとえば、「退部を経験したが、それを機に新たな趣味に挑戦し、自分の視野を広げるきっかけとなった」といった形でポジティブに締めくくることで、エピソード全体の印象が大きく変わります。
どんな困難な経験でも、それを乗り越えた過程や学びを含めて語ることで、自己成長をアピールできる内容にすることが重要です。
【ES 人生のターニングポイント】テーマ別例文
ここでは、受験、部活動、アルバイト、留学という4つのテーマをもとにした例文を紹介します。
いずれも異なる視点やエピソードで構成されており、それぞれが独立した就活生による回答を想定しています。
ぜひ参考にして、自分らしいターニングポイントを伝えるヒントにしてください。
受験
私の人生のターニングポイントは、大学受験における挫折経験です。
高校2年生の時、第一志望の大学を目指して勉強を始めたものの、模試の成績が伸び悩み、自分の実力不足を痛感しました。
特に秋の模試でE判定を取った際、自信を大きく失い、勉強に対する意欲も低下しました。
しかし、そのままでは目標を達成できないと考え、勉強方法を見直すことにしました。
自分一人での勉強に限界を感じ、学校の先生や塾の講師に相談し、具体的なスケジュールを立て直しました。
また、自分の弱点をリスト化し、毎日の学習に取り入れることで効率的な対策を心掛けました。
その結果、少しずつ成績が向上し、最終的には第一志望校に合格することができました。
この経験を通じて、目標達成には粘り強さと計画性が必要であることを学びました。
この教訓は現在の行動にも活かされており、何事にも前向きに取り組む姿勢を意識しています。
部活動
私のターニングポイントは、高校時代に所属していたバレーボール部でのキャプテン経験です。
3年生の春、監督からキャプテンに指名された際、チームを引っ張る自信が持てず、大きなプレッシャーを感じていました。
当時のチームは個々の実力はあるものの、まとまりに欠け、試合でも一体感が不足していました。
そこで、キャプテンとしての責任を果たすために、まずメンバー一人ひとりと話し合い、各自の意見や目標を共有する場を設けました。
また、自ら率先して練習に取り組み、姿勢でチームを引っ張るよう努めました。
結果、チーム全体の意識が変わり、試合では息の合ったプレーが増え、県大会でベスト8という成果を残すことができました。
この経験を通じて、チームをまとめるには個々の意見を尊重し、全員が目標に向かって努力できる環境を整えることが重要だと学びました。
現在でも、周囲の意見を尊重しながら物事を進めることを心掛けています。
アルバイト
私の人生の転機は、大学1年生から始めた飲食店でのアルバイト経験です。
繁忙期には多くの業務を同時にこなす必要があり、最初の頃はミスが続き、同僚やお客様に迷惑をかけることもありました。
そのたびに反省し、自分には向いていないのではないかと思うこともありました。
しかし、先輩スタッフからの助言をきっかけに、自分の仕事のやり方を振り返り、優先順位を意識するようになりました。
さらに、お客様の視点を意識することで、効率よく動けるよう工夫しました。
その結果、ミスが減少し、スタッフやお客様からの信頼を得られるようになりました。
この経験から、自分の仕事に対する責任感と改善意識の重要性を学びました。
また、現場での状況判断や周囲との連携が成果に繋がることを実感しました。
現在でも、複数のタスクを効率的にこなすスキルや、周囲との協力を大切にしています。
留学
私のターニングポイントは、大学3年次に行ったアメリカへの半年間の留学です。
異文化に触れ、英語力を向上させたいと考えて挑戦しましたが、最初の数週間は、言葉や文化の壁に阻まれ、クラスメートと打ち解けることができませんでした。
特にグループディスカッションでは、うまく発言できない自分に歯がゆさを感じていました。
この状況を変えたいと思い、授業外の時間を利用して積極的に同級生と話すよう心掛けました。
この取り組みにより、自信を持って自分の意見を伝えられるようになり、クラス内での発言も増えました。
帰国後には、英語力だけでなく、自分から行動する積極性や異文化への理解力が大きく向上したと感じています。
留学を通じて得た積極性や柔軟な対応力は、今でも私の強みとなっています。
現在では、困難な状況でも自分から一歩踏み出し、周囲との協力を得ることで課題を乗り越える力を意識的に発揮しています。
【ES 人生のターニングポイント】よくある質問と回答
ここからは人生のターニングポイントを書く際に、就活生がよく抱える疑問について詳しく解説します。
複数のターニングポイントをどう整理するかや、失敗経験をポジティブに伝える方法について説明します。
複数のターニングポイントがある場合はどうすればいい?
複数のターニングポイントがある場合は、志望企業や職種に関連性の高いものを優先して選ぶことが重要です。
すべてのエピソードを盛り込もうとすると、焦点がぼやけ、何を伝えたいのかが曖昧になってしまいます。
たとえば、進学や部活動の経験、アルバイトのエピソードなど、複数の選択肢がある場合、志望企業が求める人材像や価値観に最も近いエピソードを選びましょう。
その上で、なぜそのエピソードが現在の自分にとって重要であるかを明確にし、志望理由や将来の展望に繋げることが大切です。
一つに絞ることで、エピソード全体が簡潔で説得力のある内容になります。
失敗経験がターニングポイントの場合、どう書けばいい?
失敗経験をターニングポイントとして書く場合、失敗そのものを強調するのではなく、そこから得た学びや成長を中心に据えることが重要です。
たとえば、「テストで不合格になった」というエピソードを挙げる場合、その原因や気持ちを説明するだけでなく、その後にどのように行動したか、そしてどのような結果を得たのかを具体的に記述しましょう。
「テストに落ちたことで学習計画を見直し、効率的な勉強法を身につけた結果、次の試験で成功を収めた」といった形で、ポジティブな結末に繋げることがポイントです。
企業は困難をどう乗り越えたかを見るため、この構成を意識することで、失敗経験も魅力的なアピールポイントに変えられます。
まとめ
人生のターニングポイントをエントリーシートに書くことは、自己アピールの重要な要素となりますが、ただの出来事の羅列では企業に魅力を伝えることはできません。
重要なのは、具体的なエピソードを通じて自分の価値観や成長を明確に伝えることです。
また、企業がなぜターニングポイントを聞くのか、その意図を正しく理解し、自己分析を深めることで、自分自身の魅力を最大限にアピールできます。
企業にとって「この人と一緒に働きたい」と思わせるようなエピソードで、就活を成功に導きましょう。