
HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
・教員採用試験の面接の流れ
・教員採用試験の面接対策方法
・回答例文
・教員採用試験の願書作成済みの方
・面接に不安がある方
・面接質問集がほしい方
目次[目次を全て表示する]
【教員採用試験の面接】はじめに
この記事を見てくださっている多くの方が4年間教職課程を履修し、教育実習を体験し、教員採用試験の願書を書いて、いよいよ面接のフェーズに差し掛かっている方ではないでしょうか?
まずはここまで、実習や指導案作成など、本当にお疲れ様でした。
皆さんの努力してきた過去経験を面接で魅力的にアピールできるように、教員採用試験の面接対策について記事にまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
【教員採用試験の面接】教員採用試験の流れ
面接対策についてお伝えする前に基本的な教員採用試験の流れをまとめておきます。
おそらくすでに把握してる方がほとんどだと思いますが、民間就活と並行して教員採用試験を受ける方やまだ単位が多く残っている方などは、よく確認して計画的に対策・行動していきましょう。
①説明会
自治体研究・要項確認
②出願
志願書提出・記入内容に注意
③一次試験
筆記・適性・作文など
④二次試験
面接・模擬授業など人物評価
⑤合格発表
採用候補者名簿に記載
⑥任用決定
配属先が決まる
⑦研修
勤務前研修+初任者研修
⑧勤務開始
学校現場デビュー
①教員採用試験の説明会・募集要項の確認(3月〜5月頃)
教員採用試験の準備は、春の説明会からスタートします。
各都道府県や政令指定都市などの教育委員会が、オンラインまたは対面で説明会を実施します。
説明会では、試験の日程・試験内容・求める教員像・採用予定人数などが詳しく説明されます。
また、募集要項(受験案内)もこの時期に発表されます。
試験を受けるにあたっては、まずこの募集要項をよく読み、どんな形式・内容の試験があるのか、何を準備すればよいのかを確認することが非常に重要です。
- 自治体によって試験内容・時期が異なるので、複数併願する人は要注意
- 試験形式(集団面接、模擬授業など)もここで明らかになる
②出願(5月〜6月上旬)
出願は、募集要項に沿って願書(受験申込書)を提出するステップです。
提出は自治体によって異なりますが、郵送・窓口・オンラインのいずれかで行います。
この時に記入する内容としては、志望校種(小学校・中学校など)・希望教科・志望動機・資格・免許状の取得予定、学歴などがあります。
民間就活同様にガクチカや実習の中で工夫したことなども記入します。
この願書の内容をもとに二次面接などで深掘りされます。
- 出願後の内容変更は基本できない
- 願書に書いた志望動機や自己PRが、後の面接で参照される
③一次試験(6月〜7月)
一次試験では主に筆記試験が行われます。
内容は自治体ごとに異なりますが、代表的なのは以下の3つです。
- 教職教養
(教育原理、教育法規、教育心理など) - 一般教養
(国語、数学、社会、英語など) - 専門教養
(担当教科の知識・指導法)
この他にも、適性検査や作文・小論文・実技試験(音楽・体育など)を課す自治体もあります。
- 過去問に繰り返し取り組み、出題傾向を掴む
- 教職教養は暗記中心だが、時事教育ニュースも見ておく
④二次試験(7月〜9月)
一次試験に合格すると、次は二次試験に移ります。
ここでは人物評価がメインになります。
以下のような試験が一般的です。
- 個人面接
教育観・指導方針・過去の経験を評価 - 集団面接・集団討論
協調性・論理性・対応力を評価 - 模擬授業
実際に授業を行う力を評価 - 場面指導(ロールプレイ)
トラブル対応や保護者対応などを評価
教員採用試験の面接対策は主に、この二次試験の対策になります。
過去問や同じ地域の教員採用試験を受験した先輩にアドバイスももらいながら対策しましょう。
- 子どもへの理解、教育への熱意
- コミュニケーション力、思考の柔軟性
- 教育現場をリアルに想像できているか
⑤合格発表(8月〜10月)
すべての試験を終えた後、合格者が発表されます。
この時点で内定と感じる人も多いですが、実際には「採用候補者名簿(公立学校教員予定候補者名簿)に登載される」という表現が正しいです。
この名簿に載った人の中から、実際の採用人数・学校配置に応じて、後に任用される仕組みです。
- 名簿の有効期限は自治体により異なる(1年間や2年間)
- 「名簿に載ってもすぐ任用されない」ケースもまれにある
⑥任用決定・配属通知(冬〜春)
合格者は、翌年度の勤務に向けて任用、つまり実際に働くことが確定されます。
多くは翌年の2月〜3月頃に配属校の通知が届き、勤務先が明らかになります。
既存の先生方の異動などの調整をした後に、合格者が割り振られるため、かなりの確率で遅い時期の3月に決まります。
引越しなど、早めに済ませたい方もいるとは思いますが、初任は特に3月中旬から下旬にかけての通知になるはずですので、3月は予定をしっかり空けておきましょう。
- 配属校の場所
- 校種・教科
- 初任者研修の日程など
⑦事前研修・初任者研修(3月〜)
勤務に先立って行われるのが採用前研修や初任者研修です。
初任者研修とは採用1年目の教員に義務付けられている制度であり、初勤務から1年間、校内と校外の研修を通して実践的な指導力を身につけます。
これは自治体ごとに日数や内容が異なりますが、勤務しながら、定期的に研修を受けます。
- 教育法規や危機対応の研修
- 学校現場の実務
(出席簿の書き方・保護者対応など) - 模擬授業やケーススタディ
⑧勤務開始(4月〜)
4月からは正式に教員として学校で勤務がスタートします。
担任を持つケースもあれば、副担任や教科担当から始まる場合もあります。
1年目は学びながら成長する時期で初任者研修と並行して、現場での実践経験を積んでいきます。
4月からは学校内での連携、保護者対応、学級運営など、教職課程で学んできたことを実践し、日々向き合います。
【教員採用試験の面接】面接の流れ
まず、筆記試験(一次試験)を通過すると、面接に進むことができます。
面接は多くの場合二次試験以降に実施されます。
基本的に面接は以下の流れで進みます。
流れを知ってるだけでも不安が少しは取り除けるため、流れを頭に入れておいて何回もイメージしておきましょう。
①集合・受付
受験票確認・控室で待機
②呼び出し
順番に面接会場へ移動
③入室
ノック・挨拶・着席
④面接本番
個人、または集団形式で質疑応答
⑤退室
お礼を述べて退室
⑥終了
他の受験者の面接を待たずに解散する場合が多い
①集合・受付
身だしなみチェックを完了させ、時間厳守で受付しましょう。
面接当日は、指定された会場に時間厳守で集合します。
会場によっては最寄り駅から少し歩く場合もあるので、余裕をもって到着しておきましょう。
受付では、受験票の提示や簡単な本人確認が行われます。
この段階からすでに面接は始まっている意識を持ち、服装や髪型、表情にも気を配りましょう。
②待機・呼び出し
多くの受験者がいる中で緊張感が走るとは思いますが、決して他人と比較して悲観的にならず、自分に自信を持って面接に臨む気持ちを整える時間にしましょう。
控室では、他の受験者と一緒に面接の順番を待ちます。
面接官の呼び出しがあるまでは私語厳禁が基本です。
落ち着いて呼吸を整えながら、自分の回答の確認や心の準備をしておきましょう。
呼び出しは名前か番号で行われるので、静かに待機してしっかり聞き逃さないようにしてください。
③入室
面接がいよいよ始まります。
入室時はマナーを重視しましょう。
第一印象はここで決まってしまいます。
呼ばれたら、ドアをノックしてから入室します。
このときの動作や礼の仕方、挨拶の声のトーンまでが評価対象です。
面接官に向かって「失礼します」と一礼し、姿勢よく着席するまでが一連の流れになります。
明るく、落ち着いた態度で対応しましょう。
④面接本番
面接は10〜30分程度です。
自分の考えを、わかりやすく伝えましょう。
面接の形式は自治体によって異なりますが、個人面接、集団面接、集団討論のいずれか、または複数が実施されるのが一般的です。
面接官1〜3人に対して自分ひとりで受ける形式です。
志望動機や教育観、自分の経験などを深く掘り下げて聞かれることが多く、しっかり準備しておく必要があります。
2〜6人程度の受験者が同時に面接を受けます。
同じ質問に順番に答える形式が多く、他の人の答えと比べられる可能性もあります。
個性を出しつつ、バランス感覚も求められます。
※実施しない自治体もあります。
テーマを与えられ、受験者同士で討論を行います。
発言量や内容の質だけでなく、「聞く姿勢」「話し合いを進める態度」も評価される重要なポイントです。
議論をまとめる力や他者への配慮が問われます。
⑤退室
最後まで気を抜かず、丁寧に退室してください。
面接が終わったら、椅子の横に立ち「本日はありがとうございました」としっかりお辞儀をしてから退室します。
ドアの開け方や閉め方も、丁寧さを意識しましょう。
退室後、控室に戻る場合もありますが、すべてが終わるまで気を抜かずに行動しましょう。
面接は複数回することもある
多くの自治体では、一次面接と二次面接の2回構成で行われます。
形式も異なり、一次では集団、二次では個人面接という組み合わせも多いです。
また、模擬授業や場面指導などを含めた実技とセットで評価される場合もあります。
どの段階でも常に全力を尽くせるように、計画的な準備を心がけましょう。
【教員採用試験の面接】個人面接と集団面接について
中高大の受験の面接も緊張した経験があるからこそ、「個人」なのか「集団」なのかは、かなり対策が異なってくるため死活問題ですよね。
ただ、先述した通り、多くの自治体が個人面接と集団面接の2回面接を行なっているため、どちらも対策しておくことで自信を持って受験に臨めるはずです。
それぞれの面接特徴や評価されてるポイント・アピール方法を確認しておきましょう。
個人面接(個別面接)
個人面接は、受験者1人に対して面接官2〜3人で行われる最も一般的な形式です。
教育観や人柄、教員としての適性、ストレス耐性などが重点的に見られます。
また、保護者対応やトラブル時の対応など、実際の教育現場を想定した質問もよく出されます。
合格のカギは、ただ答えるのではなく「どう伝えるか」です。
PREP法に体験談を交えるなど、論理的かつ具体的に話すことが重要です。
加えて、表情や声のトーン、アイコンタクトなど、印象面も評価に影響します。
- 教員を志望した理由は?
→教育への情熱と動機の強さ - 理想の教師像は?
ビジョンの明確さ - 教育実習での失敗と学びは?
振り返り力・改善力 - 保護者からクレームが来たら?
危機対応力・冷静さ - スマホの持ち込みについてどう思う?
教育観・論理的思考
集団面接
集団面接は、複数の受験者が一緒に面接を受ける形式で、協調性や他者との関わり方が重視されます。
質問に順番に答える形式や、他の受験生の意見に対してコメントを求められる場面もあります。
この形式で評価されるのは、話の論理性だけでなく、他人の意見をしっかり聞く姿勢や、相手とのバランスを取ったやりとりです。
話しすぎても、黙りすぎてもマイナス評価になりやすいため、「適度な発言量」と「柔らかな主張」が大切です。
また、笑顔やうなずきといった非言語のコミュニケーションも印象アップにつながります。
他者の意見を尊重しつつ、自分の考えを明確に伝えましょう。
- 全員に同じ質問→順に回答
例:「理想の教師像は?」「教育実習での学びは?」 - 他人の発言に対して意見を述べる
例:「今のAさんの意見についてどう思いますか?」 - 場面設定型質問に意見交換させる
例:「授業中にスマホを使う生徒にどう対応するか、順に答えてください」
【教員採用試験の面接】面接対策5つ
ここからは具体的な教員採用試験の面接対策を紹介していきます。
基本的に以下で紹介する5つの対策を入念にしていれば、自信を持って受験に臨めるはずです。
マナーから受け答えまで細部にも注意を払って面接対策を行いましょう。
①教員にふさわしい服装
第一印象は数秒で決まると言われています。
教員として求められる「清潔感」「信頼感」が面接官に伝わるよう、身だしなみに気を配りましょう。
スーツは黒・紺・グレーなどの落ち着いた色が基本。
シャツは白の無地が基本です。
ネクタイは、黒・白・金などの色や、大柄・季節感のずれたデザインは避けましょう。
それ以外であれば、常識的な範囲のデザインであれば問題ありません。
青系のネクタイは知的で爽やかな印象を与え、赤系は情熱やエネルギーを感じさせます。
どんな印象を与えたいかを意識して選ぶと、自分らしさを演出できます。
髪型は整っていて清潔感があることが大切です。
ピアスやネイル、香水などはできるだけ控えめにしましょう。
面接官は「この人が学校にいたらどうか」を見ている、という意識を持つと選ぶ基準が明確になります。
②回答は完結・明確にする
どれだけ熱意があっても、伝え方がぼんやりしていると評価につながりにくくなります。
伝える力は教員にとっても重要なスキルの一つです。
PREP法(Point→Reason→Example→Point)を意識して、結論から話すとわかりやすくなります。
質問の意図をくみ取り、専門用語や抽象表現に頼りすぎず、具体的かつシンプルに答えることを心がけましょう。
例:「あなたの理想の教師像は?」→「子どもに寄り添いながらも、成長を後押しできる教師です。」
③過去問でしっかり対策
面接ではよくある質問にスムーズに答えられるかが問われます。
以下のような定番の質問は、あらかじめ自分の言葉で答えを用意しておきましょう
- 教員を目指した理由
- 教育実習での経験とそこから得た学び
- いじめが起きた場合の対応方法
- 理想とする学級づくりについて
- 保護者とのコミュニケーションで大切にしていること
自分の体験を交えて話すと、より説得力が増します。
④学校教育や最近のニュースを確認
「最近気になる教育の話題はありますか?」という質問に対応できるよう、日頃から教育に関するニュースやトピックに触れておくことが大切です。
文部科学省の公式サイトや、『教職課程』『教育新聞』などの専門誌で、教育政策や現場の動向をチェックしておきましょう。
Yahoo!ニュースやNHKでも「教育」で検索すれば関連ニュースを手軽に確認できます。
最新のトピックを、自分の意見や経験とセットで語れると印象アップに繋がります。
⑤模擬面接で場慣れ
頭では答えがまとまっていても、実際に話してみると詰まったり言葉にできなかったりすることがあります。
模擬面接を繰り返すことで、自然な受け答えの感覚を養うことができます。
大学や講座で模擬面接の機会があれば積極的に参加しましょう。
録音・録画をして自分の話し方を振り返るのも有効です。
できれば先生や友人など第三者に見てもらい、客観的なアドバイスをもらうのがおすすめです。
話すスピードや間の取り方、声のトーンもチェックしながら練習しましょう。
【教員採用試験の面接】質問に対する答え方
PREP法を使うことで、簡潔かつ説得力のある答え方ができます。
特に面接のような限られた時間で自分を伝える場面においては、PREP法を頭に入れておくことで、「何話してたっけ」「どんな質問だっけ」となることがなくなり、面接官にも「結論何が言いたいの?」という疑問を抱かせなくて済みます。
以下は「あなたの理想の教師像は?」と聞かれたときの解答例を実際にPREP法に落とし込んでみたものです。
あなたの理想の教師像は?
私の理想の教師像は「生徒一人ひとりに寄り添い、成長を支える教師」です(結論)。なぜなら、生徒にはそれぞれ個性や背景があり、それを理解した上で関わることが、信頼関係の土台になると考えるからです(理由)。実際に教育実習中に、学習に遅れのある生徒がいたのですが、毎日放課後に話を聞いたことで、自分から課題に取り組むようになりました(具体例)。この経験を通して、「寄り添う姿勢」が生徒のやる気や安心感につながると実感し、そんな教師を目指したいと思っています(再結論)。
Point(結論)
最初に自分の意見や考えの「結論」をはっきり述べます。
面接官は限られた時間の中で多くの受験者を見ているため、冒頭で何を伝えたいのかが明確だと、それだけで印象が良くなります。
「私の理想の教師像は〜」「私は○○と考えています」など、最初にズバッと伝えるのがポイントです。
Reason(理由)
結論に続いて、なぜそう思うのか、根拠となる「理由」を説明します。
この部分があいまいだと説得力が弱まってしまうので、自分の価値観や教育観と結びつけながら丁寧に説明しましょう。
たとえば、「生徒にはそれぞれ背景があるから」「安心できる環境が学びにつながると考えるから」といった理由づけがあると納得感が生まれます。
Example(具体例)
次に、自分が実際に体験した出来事やエピソードを交えて話すと、説得力が一気に高まります。
教育実習の経験や、アルバイト・ボランティアでの子どもとの関わりなど、自分だけの具体例があると、面接官もイメージしやすくなります。
数字や行動を交えて語ると、さらにリアリティが出ます。
Point(再結論)
最後にもう一度、冒頭で述べた結論を簡潔に繰り返します。
これにより話の流れがきれいにまとまり、面接官にも「なるほど、そういうことか」と印象づけることができます。
繰り返すことで、自分の考えを強調できる効果もあります。
【教員採用試験の面接】回答時の3つのポイント
面接では「何を答えるか」だけでなく、「どう答えるか」も非常に重要です。
どんなに素晴らしい考えを持っていても、それが相手に伝わらなければ意味がありません。
ここでは、面接本番で意識したい3つのポイントをご紹介します。
①一文は短くする
緊張すると、どうしても一気に話してしまいがちですが、面接では「短く区切る話し方」が効果的です。
一文を短くして、適度に間をとることで、聞き手が内容を整理しやすくなります。
また、自分の呼吸や気持ちも整いやすくなり、落ち着いた印象を与えることができます。
ゆっくりと、言葉を大切に話す意識を持ちましょう。
②できるだけ具体的に伝える
「子どもに寄り添いたい」「信頼関係を大切にしたい」といった表現はよく使われますが、それだけでは伝わりにくいこともあります。
そうした抽象的な考えに、必ず具体的なエピソードや行動を添えることで、説得力が格段に増します。
教育実習での出来事や、自分が心を動かされた経験などを交えて話すと、面接官の印象にも強く残ります。
③非言語コミュニケーションにも注力
人は、言葉以外の部分からも多くの情報を受け取っています。
面接の場でも、話す内容と同じくらい「非言語コミュニケーション」が大きな影響を与えます。
やわらかな表情、聞くときのうなずき、話すときの目線、明るく落ち着いた声のトーンなどです。
こうした要素が合わさることで、相手に安心感や信頼感を届けることができます。
特に教員は「子どもや保護者と接する姿」が見られていると意識して臨みましょう。
【教員採用試験の面接】回答時の注意点
面接では「伝える力」も評価対象のひとつです。
どれだけ熱意があっても、話し方や答え方に課題があると、その思いがうまく伝わらないことも。
ここでは、面接で避けたい回答パターンを整理しておきましょう。
ダラダラと理由から話し始めない
質問を受けたときに、いきなり理由から話し始めてしまうと、聞き手にとっては「結局、何が言いたいの?」とわかりにくくなってしまいます。
とくに面接では、時間も限られているため、最初に結論を述べてから理由や背景を説明することが基本です。
話の構造がわかりやすいと、それだけで印象が良くなります。
抽象的な言葉だけで終わらせない
「子どもに寄り添いたい」「信頼関係を大切にしたい」といった言葉は、よく聞かれるものです。
しかし、それだけで終わってしまうと、表面的で具体性に欠けた印象を与えてしまいます。
面接官が知りたいのは、「その想いをどう行動に移してきたのか」「どんな経験がそう思わせたのか」です。
エピソードや実践例を交えることで、自分の考えがリアルに伝わります。
一問一答のように単発で返さない
質問に対して「はい、それは◯◯です」とだけ返す、いわゆる一問一答形式の答え方も、面接ではマイナスに働きやすいです。
簡潔さは大切ですが、それだけでは深みや人柄が伝わりません。
質問の意図をしっかり汲み取り、「なぜそう思うのか」「どう実践したいのか」まで話を広げていくことで、内容に厚みが出ます。
【教員採用試験の面接】落ちる人の特徴5選
教員採用試験の面接は、単なる「受け答えの場」ではありません。
人柄や教育への熱意、現場で働く力があるかを、総合的に見極められる重要な選考です。
では、どんな受験者が面接で不合格になりやすいのでしょうか。
ここでは、特に注意したい落ちる人の特徴を5つ紹介します。
①熱意が弱い
「教員になりたい」という思いが心の中にあっても、それを言葉や態度でしっかり伝えられなければ、評価にはつながりません。
型通りの答えばかりでは、「本当にこの人は教員を目指しているのか?」と疑問を持たれてしまいます。
教育に対する姿勢や志望理由は、エピソードを交えながら、自分の言葉で語ることが大切です。
②的外れな回答
面接では、一つひとつの質問に明確かつ簡潔に答える力が求められます。
聞かれたことに対してズレた回答をしてしまったり、話がまとまらず結論がぼやけたりするのはNGです。
相手の質問の意図をくみ取りながら、論理的に答えることが重要です。
③募集要項を理解していない
志望する自治体によって、求められる教員像や教育方針は異なります。
これらを確認せずに受けると、面接で的外れなアピールをしてしまい、ミスマッチと判断されてしまうことも。
事前にホームページや教育ビジョンなどをしっかり読み込んでおき、自分の考えとリンクさせて話せるようにしておきましょう。
④場慣れしてない
本番の面接で緊張してうまく話せなかった、という人の多くは、事前の練習不足です。
模擬面接を通して、質問に答える練習を重ねておくことで、本番でも落ち着いて対応できます。
できれば先生や友人など、第三者のフィードバックをもらいながら練習するのが効果的です。
⑤見た目や態度に清潔感・誠実さがない
教員という職業は、子どもたちや保護者から信頼される存在であることが求められます。
面接ではその「第一印象」も非常に重要です。
服装が乱れていたり、髪型がだらしなかったり、言葉遣いに配慮がなかったりすると、それだけでマイナス評価になることもあります。
見た目と態度から「この人が学校にいたら安心できる」と思われることを意識しましょう。
【教員採用試験の面接】質問例一覧
ここから実際に面接で聞かれる想定質問を掲載します。
深掘りされても大丈夫な状態になるまで、過去経験の深掘りも同時に行い、どんな質問が来ても自信を持って対応できるようにしておきましょう。
1. 自分自身について1分(または3分)で簡潔に紹介してください。
2. ご自身の強みと、改善すべき点を教えてください。
3. これまでに取り組んだボランティア活動と、そこから得た気づきについて話してください。
4. 最近印象に残った書籍や記事と、それに対する自分の考えを教えてください。
5. あなたはリーダーとしての資質があると思いますか?また、リーダーに求められる要素とは何だと考えますか?
6. あなたは周囲の人からどんな性格だと評価されることが多いですか?
7. 普段どのようにストレスを解消していますか?忙しい時にその方法が取れない場合、どうしますか?
8. 将来的に実現したい目標や夢を教えてください。(人生/教育における夢)
9. 座右の銘や大切にしている言葉はありますか?
10. 最近、感動した出来事や心を動かされた経験について教えてください。
11. 理想の自分に近づくために、どのような努力や工夫をしてきましたか?
12. 同じ受験者の中で、自分が特に自信を持っている点はどこですか?
13. 最近嬉しかったことについて教えてください。
14. 今までで一番困難だった経験と、そこから得た学びを教えてください。
15. 人との関係を築く際に大切にしている考え方や行動は何ですか?
16. あなたの性格を色に例えると、何色だと思いますか?
17. あなたを動物に例えると何になりますか?その理由も含めて教えてください。
18. 教職を目指した動機を教えてください。
19. なぜこの自治体を志望したのか、その理由を教えてください。
20. この地域(市)の魅力について、あなたが感じていることを教えてください。
21. この県の教育における特徴にはどのようなものがあると思いますか?
22. この地域のよさを教育活動にどう取り入れていきたいと考えていますか?
23. 地域の子どもたちに今必要だと思う力や支援は何ですか?
24. 受験する教科や校種を選んだ理由を教えてください。
25. 教員としてあなたに向いていると感じる点を教えてください。
26. あなたが考えるコミュニケーション能力とはどういうものですか?
27. 思考力とはどのような力だと考えますか?
28. 判断力とはどのような能力だと捉えていますか?
29. 表現力について、あなたはどのように理解していますか?
30. 「主体的・対話的で深い学び」について、あなたなりの理解を教えてください。
31. 授業などで「言語活動の充実」を図るには、どのような工夫をしますか?
32. 最近気になった教育関連のニュースについて話してください。
33. 教育実習で印象的だった出来事や学んだことについて教えてください。
34. これからの教育現場において必要とされる教師の力は何だと考えますか?
35. 担任を任されたら、どのような学級づくりをしていきたいですか?
36. 児童・生徒と接する中で、何を大切にしたいと考えていますか?
37. 子どもたちに対して、教師として何を伝えていきたいと考えていますか?
38. 担当する教科を通して、生徒にどのようなことを学ばせたいですか?
39. 現在の教育について、どのように変えていきたいと考えますか?
40. これまでに自分を成長させるために取り組んできたことは何ですか?
41. 子どもと信頼関係が築けたと感じた瞬間はどんな時でしたか?
42. 保護者との関係づくりで、注意すべきことは何だと思いますか?
43. 保護者から信頼されるために、あなたが大切にしたいことは何ですか?
44. 学校と家庭、地域との連携について、あなたの考えを教えてください。
45. 保護者が学校に期待していることは何だと思いますか?
46. 地域の人々が学校に望んでいることはどんなことだと思いますか?
47. 地域や保護者と効果的に連携するための工夫について教えてください。
48. いじめや不登校の問題に対して、どのように対応していきたいですか?
49. 学級崩壊が起こる背景には何があると思いますか?
50. 学級経営が難しいクラスを担当することになった場合、どのように対応しますか?
51. 授業中に教室を出て行った生徒がいたら、どのように対応しますか?
52. 「子どもの目線に立つ」とは、あなたにとってどのような意味ですか?
53. 今の子どもたちに足りないと感じる力は何ですか?
54. 「叱る」と「怒る」の違いをどう捉えていますか?
55. 郷土教育の取り組みとして、どんなことを行いたいですか?
56. いわゆる「モンスターペアレント」について、どう考えていますか?
57. 子どものスマートフォン利用について、あなたの意見を教えてください。
58. 「学力の低下」が議論される中で、あなたはどう捉えていますか?
59. 子どもの学力向上に向けて、どのような工夫や取り組みをしたいですか?
60. 子どもの規範意識の低下に対して、どのように対応しますか?
61. 教員の不祥事について、あなたはどのように感じていますか?
62. 子どもたちの理数離れについて、どのように考えていますか?
63. 「総合的な学習の時間」について、あなたの考えを教えてください。
64. 子どもの自己肯定感を育てるために、どのような取り組みが有効だと思いますか?
65. 小1(または中1)プロブレムの背景と、それに対するあなたの対応策を教えてください。
66. 運動が苦手な子どもに対して、どのような支援を行いますか?
67. 年上の先生と良好な関係を築くために、どんな工夫をしますか?
68. 教員同士で意見が食い違った場合、どのように対処しますか?
69. あなたにとって、働きやすい職場とはどのような環境ですか?
70. 同僚から悩みを相談されたら、どのように対応しますか?
71. 食育について、あなたが考える推進方法を教えてください。
72. あなたの得意なことを学校教育にどう活かしていきたいですか?
73. 教員として働き始めるまでの期間、どのような準備をしたいですか?
74. AIやICTを活用した教育について、あなたの考えを教えてください。
75. 生徒の多様性に配慮した授業づくりで意識したいことは何ですか?
76. 教員の長時間労働について、あなたはどう感じていますか?また、改善策はあると思いますか?
77. SNSを通じて生徒の問題が発覚した場合、どう対応しますか?
78. 道徳教育の重要性について、あなたの意見を聞かせてください。
79. あなたが「これは絶対に譲れない」と思う教育信念は何ですか?
80. 仮に採用されなかった場合、今後の進路についてどのように考えていますか?
【教員採用試験の面接】まとめ
ここまで読んでいただきありがとうございました。
学校教育現場を志望する皆さんの教員採用試験の結果が良いものであることを願っております。
この記事がその対策に役に立っていれば幸いです。