
HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
はじめに
信託銀行のインターンは、専門性の高い業務を間近で体感できる貴重な機会です。
人気が高いため、参加には説得力のある志望動機が不可欠となります。
本記事では、信託銀行のインターン選考を突破するための、魅力的な志望動機の作り方を網羅的に解説します。
【信託銀行インターンの志望動機】インターンと本選考は何が違う?
インターンと本選考では、目的と評価基準が大きく異なります。
この違いを正確に理解することが、効果的な志望動機を作成するための重要な第一歩です。
それぞれの違いを把握し、インターンシップという場の特性に合わせたアピールを心がけましょう。
目的
インターンの第一の目的は、学生が業界や企業、そして具体的な業務への理解を深めることにあります。
パンフレットやウェブサイトだけでは得られない「リアルな情報」に触れることで、自身の適性を見極め、キャリア観を醸成する絶好の機会です。
一方、企業側の目的は、自社の文化や仕事の魅力を伝え、将来の中核を担う可能性のある優秀な学生と早期に接点を持つことです。
本選考が「入社」というゴールに向けた最終的なマッチングの場であるのに対し、インターンは相互理解を促進するための「体験・学習・交流」の場という側面が強いです。
そのため志望動機では、完成されたアピールよりも「この機会から何を学び取りたいか」という意欲的な姿勢を前面に出すことが重要になります。
評価基準
インターン選考では、現時点での専門知識やスキルといった完成度よりも、将来大きく成長する可能性、すなわちポテンシャルや学習意欲が重視される傾向にあります。
具体的には、未知の物事に対する知的好奇心、新しい知識をどん欲に吸収しようとする姿勢、多様なメンバーと協力して一つの目標に向かう協調性や主体性などが評価のポイントとなります。
本選考で厳しく問われる「入社後に即戦力としてどう貢献できるか」という視点よりも、「このインターンという成長の機会を通して、自分をどう高めていきたいか」という未来志向のポテンシャルを示すことが求められます。
自身の強みが、インターンのプログラムでどのように活かせるのか、そしてどう成長に繋がるのかを具体的に伝えましょう。
【信託銀行インターンの志望動機】そもそも信託銀行とは
説得力のある志望動機を作成するには、大前提として信託銀行の役割を正しく、深く理解しておくことが不可欠です。
普通の銀行との違いや、その社会的意義、そして独自のビジネスモデルを把握することで、志望動機に確かな根拠と深みを持たせることができます。
信託銀行の特徴
信託銀行の最大の特徴は、一般的な銀行業務に加えて、その名の由来である「信託業務」と、それに関連する「併営業務」という専門的な機能を併せ持っている点にあります。
「信じて託す」という言葉通り、信託業務とは、個人や企業から金銭、有価証券、不動産といった大切な財産を預かり、お客様の目的に沿って管理・運用する業務です。
さらに併営業務として、不動産の売買仲介や有効活用コンサルティング、企業の株主名簿を管理する証券代行、遺言の保管・執行など、非常に幅広いサービスを手掛けています。
このように、伝統的な銀行業務の枠を超え、お客様のあらゆる資産に関する専門的サービスをワンストップで提供できる総合力が、信託銀行ならではの強みであり、社会における存在価値です。
普通の銀行と何が異なる?
普通の銀行が主に「預金」「貸付」「為替」という3大業務を通じて「お金」の流れを円滑にする役割を担うのに対し、信託銀行はそれに加えて、お客様の「財産」全般の管理・運用・承継という幅広い機能を持っています。
扱う対象は、個人の相続や資産承継、企業の年金資産の運用、投資家向けの不動産証券化、知的財産権の管理など、極めて多岐にわたります。
普通の銀行が「お金」のプロフェッショナルであるとすれば、信託銀行は、法律、税務、不動産といった高度な専門知識を駆使し、世代を超えた時間軸でお客様のあらゆる「財産」に関する課題解決を行う、唯一無二のプロフェッショナル集団であると言えるでしょう。
【信託銀行インターンの志望動機】求める人物像を紹介
信託銀行がインターン選考において、どのような資質を持った学生を求めているのかを知ることは、効果的な自己アピールに直結します。
ここでは、信託銀行が特に重視する3つの人物像について、より深く解説します。
顧客との信頼関係が結べるか
信託銀行が扱うのは、お客様が人生をかけて築き上げてきた、かけがえのない大切な財産です。
そのため、行員には何よりもまず、顧客から全幅の信頼を寄せられるだけの誠実さや、極めて高い倫リ観が求められます。
一度きりの取引ではなく、時には親子三代にわたるような長期的なお付き合いになることも少なくありません。
相手の言葉の背景にある想いまで汲み取ろうとする深い傾聴力と、どんな時も真摯な姿勢で向き合い、長期にわたる信頼関係を構築できる高度なコミュニケーション能力は、信託銀行員にとって最も重要な素養と言えます。
課題解決力
信託銀行に寄せられる相談は、「お金を増やしたい」といった単純なものではなく、お客様の家族構成、資産状況、将来の夢や不安などが複雑に絡み合った、複合的なものが大半です。
これらの難易度の高い課題に対し、金融、不動産、法律、税務といった幅広い専門知識を総動員し、まるでオーケストラの指揮者のようにそれらを組み合わせ、最適な解決策を導き出す必要があります。
現状を正確に分析し、お客様自身も気づいていない潜在的なニーズを掘り起こし、多角的な視点からオーダーメイドのソリューションを提案できる高度な課題解決能力が求められています。
専門性を磨く向上心
信託銀行の業務は非常に幅広く、関連する法律や税制、経済情勢も目まぐるしく変化します。
そのため、一度知識を身につけたら終わりではなく、常に最新の情報を学び続け、自身の専門性を際限なく高めていく強い意欲が不可欠です。
ファイナンシャル・プランナーや宅地建物取引士といった資格取得はもちろん、未知の分野にも臆することなく挑戦し、粘り強く知識を吸収し続ける知的なタフネスを持った人材が求められています。
インターンにおいても、受け身ではなく、積極的に質問し学ぼうとする姿勢は高く評価されるでしょう。
【信託銀行インターンの志望動機】作成前にするべきこと
多くの学生を魅了する、説得力のある志望動機は、一夜にして生まれるものではありません。
十分な準備と深い思考から生まれます。
いきなり書き始めるのではなく、まずは自己分析と企業研究を徹底的に行い、考えを整理することから始めましょう。
どんなインターンなのか理解する
まずは、参加を希望するインターンの内容を正確に、そして深く把握することが全てのスタートラインです。
企業の採用サイトや募集要項を隅々まで読み込むのは当然として、可能であればOB/OG訪問や説明会で社員の方に直接質問し、プログラムの具体的な目的や、過去の参加者の様子などを聞いてみましょう。
どのようなスキルが身につき、どのような学びが得られるのかを解像度高くイメージすることで、志望動機にリアリティと説得力を持たせることができます。
企業がそのインターンを通して、学生に何を伝え、何を感じてほしいのか、その意図を読み解く視点が重要です。
なぜ参加したいのか目的を明確に
次に、「自分はなぜ、数ある企業の中からこのインターンに参加したいのか」という目的を、誰が聞いても納得できるように明確化します。
「信託銀行のビジネスモデルを肌で感じたい」「資産運用コンサルティング業務の難しさとやりがいを体感したい」といった目的を、さらに一歩進めて、「自分の〇〇という強みが、この業務で活かせるのか仮説検証したい」というように、自分ごととして具体化しましょう。
目的が明確であれば、志望動機全体に一本の筋が通り、熱意が伝わりやすくなります。
なんとなく参加したいという気持ちでは、人事担当者の心は動きません。
インターンに興味をもったきっかけを深掘りする
なぜ数ある業界の中で金融を、そして金融の中でも特に専門性の高い信託銀行を選んだのか。
そのきっかけとなった自身の経験や原体験を徹底的に深掘りしましょう。
自分史やモチベーショングラフを作成し、過去の経験で心が動いた瞬間を振り返るのが有効です。
その出来事から何を感じ、何を考え、それがどのように信託銀行への興味に繋がったのかを論理的に説明できるように整理します。
この深掘り作業こそが、誰かの真似ではない、あなただけのオリジナリティあふれる志望動機の源泉となります。
【信託銀行インターンの志望動機】信託銀行の志望動機を考えるSTEP
自己分析と企業研究で得た情報を、採用担当者の心に響く、説得力のある志望動機へと昇華させるための具体的な思考ステップを紹介します。
この「なぜ」を繰り返す流れに沿って考えることで、論理的で一貫性のある構成になります。
なぜ金融業界なのか
まず、社会における金融業界の役割を自分なりに定義し、なぜそこに魅力を感じるのかを説明します。
金融は社会の血液と言われ、経済活動を支える不可欠な社会インフラです。
その中で、自分はどのような形で社会に貢献したいと考えているのかを明確にしましょう。
自身の経験と結びつけ、「人々の挑戦や夢の実現を資金面から支えたい」「金融リテラシーの向上を通じて、人々の豊かな生活設計に貢献したい」といった、あなた自身の問題意識や価値観を示すことが、全ての土台となります。
なぜ信託銀行なのか
次に、金融業界の中でも、なぜ普通銀行や証券会社、保険会社ではなく、信託銀行でなければならないのかを述べます。
ここで、先に理解した信託銀行の独自性を最大限に活かしましょう。
「銀行業務と信託業務の両面から、お客様の課題に表層的でなく根本から向き合える点に魅力を感じた」「財産管理という長期的な視点で、お客様の人生そのものに深く寄り添える、他にない仕事がしたい」など、信託銀行ならではの業務領域と、自身の成し遂げたいことを強く結びつけて説明することが、志望動機の説得力を飛躍的に高めます。
その企業を志望した理由
最後に、数ある信託銀行の中から、なぜその企業のインターンに参加したいのかを具体的に述べます。
企業のウェブサイトや中期経営計画、ニュースリリースなどを読み込み、その企業の強み(リテール分野に強い、法人ビジネスや不動産に特色があるなど)や企業理念、大切にしている価値観を把握しましょう。
そして、その企業のどのような点に共感し、強く惹かれたのかを伝えます。
インターンのプログラム内容と、自身の学びたいことや目的が完全に合致していることを示すことで、熱意と志望度の高さを効果的にアピールできます。
【信託銀行インターンの志望動機】盛り込むべき内容3選
志望動機をより魅力的で、忘れられないものにするために、特に盛り込むべき3つの要素を紹介します。
これらを意識することで、採用担当者の心に響き、あなたの熱意が明確に伝わる志望動機を作成できます。
なぜそのインターンに参加したいのか
企業のインターンシップには、それぞれ独自の目的や想いを込めたプログラムが設定されています。
そのプログラムのどの部分に特に魅力を感じ、自身のどのような関心や問題意識と合致しているのかを、具体的に、情熱をもって記述しましょう。
「貴社の〇〇という業務体感ワークを通して、お客様の潜在的なニーズをどう引き出し、信頼関係を構築していくのか、その神髄を学びたい」というように、インターン内容への深い理解と、強い参加意欲を示すことが重要です。
そのインターンが、あなたにとって唯一無二の成長機会であることを伝えましょう。
インターンで学びたいこととは
インターンシップは学びの場であり、成長の機会です。
参加を通して、自分が何を獲得したいのか、どのようなスキルや視点を身につけたいのかを明確に伝えましょう。
「多様な価値観を持つメンバーとの議論を通じて、複雑な課題に対する多角的なアプローチ方法を養いたい」「第一線で活躍する社員の方々との交流から、高度な専門性と高い倫理観を両立させるプロフェッショナリズムを吸収したい」など、具体的な学習目標を掲げることで、あなたの成長意欲や将来性を効果的にアピールできます。
将来のビジョンはなにか
インターンでの経験を、自身の将来のキャリアにどう活かしていきたいのか、そのビジョンを具体的に述べます。
これは、あなたのキャリアプランや仕事に対する価値観を明確に示すことに繋がります。
「このインターンでの貴重な学びを活かし、将来的にはお客様の資産だけでなく、その背景にある想いまでをも次世代に繋ぐことができる、血の通ったプロフェッショナルになりたい」といったビジョンを示すことで、単なるインターンへの興味だけでなく、信託銀行業界で働くことへの本気度と覚悟を伝えることができます。
【信託銀行インターンの志望動機】魅力的な構成例
内容が固まったら、最も伝わりやすい構成で文章を組み立てましょう。
ここでは、ビジネスシーンでも広く使われる、論理的で説得力のある文章を作成するための基本的な構成例「PREP法」を紹介します。
結論
まず最初に、志望動機の結論を、最も伝えたいキャッチコピーとして簡潔に述べます。
「私が貴社のインターンシップを志望する理由は、お客様の人生という壮大な物語に深く寄り添う、信託業務の真髄を体感したいからです」というように、最も伝えたいメッセージを明確に提示しましょう。
最初に結論を述べることで、読み手は話の全体像をすぐに理解でき、その後の内容がスムーズに頭に入ってきます。
志望動機全体を貫くテーマを、ここで力強く宣言することがポイントです。
理由
次に、結論で述べた内容の具体的な理由や根拠を、説得力をもって説明します。
ここでの最大のポイントは、自身の過去の経験やユニークなエピソードを交えながら、ストーリーとして語ることです。
「大学のゼミで学んだ〇〇という経験から、長期的な視点で資産を守り育てる信託銀行の社会的な役割に強い関心を持ちました」というように、なぜそう考えるに至ったのかの背景を具体的に記述します。
自己分析と企業研究で深めた内容を、ここで存分に発揮し、あなただけの物語を紡ぎましょう。
今後どうなりたいか
最後に、インターンシップへの参加を通じて何を得たいのか、そしてその経験を将来どのように活かしていきたいのかという、未来への展望で締めくくります。
「本インターンシップでプロの仕事を肌で感じ、〇〇というスキルを学び、将来的には貴社の一員として人々の豊かな未来の実現に貢献したいです」といった前向きな言葉で締めくくることで、あなたのポテンシャルと熱意を採用担当者に強く印象付けることができます。
入社への意欲も自然ににじませる、効果的な締め方です。
【信託銀行インターンの志望動機】例文を紹介
ここでは、具体的な志望動機の例文を3つのパターンで紹介します。
これらはあくまで骨格です。
自己分析や企業研究で得た自身の強みや経験と照らし合わせながら、あなただけのオリジナルな志望動機を作成する際の参考にしてください。
例文①
例文
私が貴社のインターンシップを志望する理由は、お客様一人ひとりの人生に深く寄り添う資産運用コンサルティング業務の最前線を体感し、その社会的意義を深く理解したいからです。
大学のゼミで金融包摂について研究し、正しい情報や知識へのアクセス機会の差が、人々の将来の資産形成に大きな影響を与えるという現実に問題意識を持ちました。
貴社が特に力を入れている、顧客との対話を重視した長期的な資産形成サポートの姿勢に強く共感しています。
本インターンシップのグループワークを通じて、お客様の言葉にならない潜在的なニーズをどのように引き出し、信頼関係の上に最適な解決策を提案するのか、そのプロのプロセスを肌で感じたいです。
例文②
例文
貴社のインターンシップを志望するのは、不動産という有形の資産を通じて、企業の成長戦略や都市の未来に貢献する信託銀行のダイナミズムを学びたいと考えているためです。
私は大学で都市開発を専攻しており、一つの不動産の価値が、周辺の経済活動や人々の流れ、ひいては街全体の魅力にまで影響を与える面白さにのめり込んできました。
数ある信託銀行の中でも特に不動産関連ビジネスに長い歴史と強みを持つ貴社で、学問として得た知識が、実際のビジネスの現場でどのように活かされているのかを深く理解したいです。
第一線で活躍される社員の方々との交流を通じ、プロフェッショナルとして求められる多角的な視点や覚悟を吸収したいと考えております。
例文③
例文
私が貴社のインターンシップに参加したい最大の理由は、日本社会の重要課題である事業承継という複雑なテーマに、信託銀行がどのように貢献できるのかを学びたいからです。
祖父が小さな町工場を経営しており、後継者問題の難しさや、事業に込めた想いを繋ぐことの尊さを身近で感じた経験から、企業の円滑な存続を支える仕事に強い関心を持ちました。
貴社が持つ、法務や税務、M&A、不動産といった多角的な専門性を有機的に組み合わせたオーダーメイドのソリューション提供力に、他にはない大きな魅力を感じています。
本インターンシップを通じて、お客様の事業と想いを未来へ繋ぐという信託銀行の崇高な社会的意義を体感し、自身のキャリアを考える上での確固たる糧としたいです。
まとめ
信託銀行のインターンは、専門的なキャリアの第一歩を踏み出す上で、非常に有益で刺激的な経験となるはずです。
志望動機の作成は、自分自身と深く向き合い、社会における自分の役割を考える絶好の機会でもあります。
本記事で紹介したポイントや例文を羅針盤として、あなた自身の言葉で、参加への熱意と将来性を示してください。
あなたの挑戦を心から応援しています。