総合商社の職種を知ろう!必要なスキルや業界の展望についても解説

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はじめに

「総合商社ってどのような事業をおこなっているの?」 「総合商社に必要なスキルは?」 「5大総合商社や7大総合商社って何?」 このように、総合商社の事業内容や必要なスキルや5大総合商社などのワードに興味があり、理解したいという方も多いのではないでしょうか。

本記事では、総合商社の特徴や事業内容をはじめ、職種や求められるスキルなどについて詳しく紹介しています。

この記事を読むことで、総合商社の全体像や業界について把握できます。さらに、5大総合商社も紹介しているため、それぞれの企業の特徴や社風についても理解できるでしょう。

総合商社についての知識を身に付けたい方や、この業界に興味のある方は、ぜひ本記事をチェックしてください。総合商社の基礎知識を身に付け、万全の態勢で就活に臨みましょう。

業種と職種は何が違う?

就職活動や転職活動の中で、「あなたの希望する業種は何ですか」や「職種で興味のあるものは何ですか」という言葉をよく耳にすることがあるでしょう。

しかし、これらの「業種」と「職種」という言葉について、正しく意味を理解している方は少ないのではないでしょうか。

ここでは、「業種」と「職種」の違いについて紹介します。それぞれの意味と違いを頭に入れ、就職活動や転職活動に臨んでください。

業種

「業種」は、それぞれの企業が営む事業の種類、もしくは所属している業界を指す言葉です。身近な例では、製造業や金融業、建設業などが挙げられるでしょう。

規模の大きな会社には複数の業種があるため、たとえ職種が同じあっても、業種が異なることで仕事内容が変化する場合もあります。

ただし、業種の公的な分類の方法はありません。

職種

「職種」は、個人単位での業務内容によって分類された仕事の種類です。

営業や事務、販売、専門、技術など種類はさまざまで、多くの会社では部署によって職種が異なることが一般的です。

区別の仕方としては、「業種は会社の事業によるもの」「職種は個人でおこなっている仕事の種類」と覚えておくと良いでしょう。

総合商社と専門商社の違いは?

「総合商社」と「専門商社」は、「総合」と「専門」という言葉で、ある程度のイメージはつかめるでしょう。

しかし、それぞれの商社の利益を生み出す方法や、特徴を押さえられているかと問われれば、「わかる」と答えられる人は少ないのではないでしょうか。

ここでは、総合商社と専門商社のそれぞれの特徴と違いについて紹介します。

総合商社

“総合商社”とは商社の種類のひとつ。

総合商社の起源は明治時代で、大商人や政商から発展したのが始まりです。

さまざまなジャンルの商品を扱う問屋として、国内の流通機能を担っていました。

簡単にいえば、買いたい人と売りたい人を繋げる役割を果たしています。

広く手を広げるのが総合商社ですが、主な事業は2つです。

・ものを流す“トレーディング” ・事業への“投資” それぞれの詳細は次から解説します。

もう一つの商社の形として“専門商社”があります。

"専門"とつくことからもわかるように、特定の分野に絞って取引をおこなう商社のことです。

医療・医薬、鉄鋼、食品などを専門に扱う企業があります。

専門商社

専門商社の特徴は、扱う商材を特定分野に特化している点です。基本的にはモノの売買がメインで、商社を支える収益の柱になっています。

専門性が高く、ファイナンスや物流、商品開発などをおこなっている商社や、特定の専門分野が複数ある企業では「複合専門商社」と呼ばれる商社もあります。

まずは総合商社のことを理解しよう

毎年多くの学生が内定を目指す総合商社。

総合商社のことをしっかりと理解していなければ、内定を勝ち取ることは厳しいでしょう。

そこで今回は、総合商社の特徴や活躍するために必要な特性、5大総合商社の特徴などを解説していきます。

総合商社の基本をきちんと知り、内定を勝ち取りましょう。

総合商社の事業はどんなもの?

先述の通り、総合商社は「トレーディング」と「投資」という2つの事業をメインにしています。

ここでは、それぞれの事業の内容や利益を生む仕組みについて詳しく見ていきます。総合商社に興味のある方は、ぜひ参考にしてください。

トレーディング

総合商社の1つ目の事業が“トレーディング”です。

貿易と販売がメインの事業。

安く買った商品に利益を乗せて販売することで、販売した際の収益や売買の仲介手数料が利益となります。

幅広い分野を取り扱えることも特徴で、あらゆる産業のさまざまなジャンルの流通に携わります。

例えば、トレーディングで扱う商材は以下のようなものがあります。

・自動車 ・事務機器 ・輸送機器 ・オフィス機器 ・化粧品 ・インターネット

事業投資

総合商社の2つ目の事業が「事業投資」です。 さまざまな事業に投資をして利益を得ます。

資金力やノウハウを投入することで有望と思われる企業へ投資を行います。

企業買収や投資先の経営改革、経営指導などをおこなうこともあります。

買収企業の業績を好転させることで、出資比率に応じて利益を受け取ることができるためです。

また、グループ会社を持つことで、さまざまな分野のビジネスに対応することが可能です。

マルチに活躍できる企業として認知されています。

事業投資の投資対象は「利益になる」と判断されたものすべて。

不動産や証券会社、海外政府など、多岐にわたります。

総合商社の主な職種はどんなもの?

総合商社にはさまざまな職種があり、仕事量が多いのも特徴です。職種を選ぶ際は、自分が働きたい形態をイメージしながら特徴を押さえましょう。

ここでは、総合商社の主な職種について紹介します。どのような職種があるのか頭に入れてから、希望の職種を選びましょう。

営業

自社の製品やサービスを売るだけでなく、企画や事業をつくる営業。

総合商社の中心的職種ともいえるでしょう。

トーク力や企画力などが優れていれば、入社直後から活躍することもできるかもしれません。

花形であるため、とても人気のある職種です。

営業事務

営業担当者のサポートをする営業事務。

電話対応や受発注に関する手続きを、営業担当者に代わって進めていきます。

自社の商品やサービスについての知識も必要ですが、営業担当者の思いを汲み取るスキルも必要です。

貿易事務

貿易事務は、商材を輸出入する際の手続きを進める職種。

営業事務職に含まれることもあります。

税関を通すための業務を進めたり、時には外国語での対応を求められたりすることも。

事業企画

事業企画は、新規事業を立ち上げる際に企画を立案し、事業計画を立てる職種です。

どのような事業を立ち上げ、どの企業に投資をしていくかなどを企画・立案し、事業計画を作成します。

時には取引先企業の経営方針立案にも携わるなど、企業の経営を支援することもあります。

その他の総合商社にある職種

ここまで4つの職種について紹介しましたが、紹介しきれないほど数多くの職種が存在するのも総合商社の特徴です。

ここからは、さらに3つほど総合商社の職種を紹介します。どれも商社には欠かせない存在の仕事ばかりのため、興味がある方はぜひ参考にしてください。

システムエンジニア(SE)

システムエンジニア(SE)は、システム開発案件における要件定義や設計、開発、運用・保守など、幅広い仕事内容がある職種です。

システムの発注者である顧客へヒアリングを行ったり使用説明をしたりと、開発だけのスキル以外にマネジメント能力が試される仕事でもあります。

一般的には、プログラマーとして数年間経験を積み、キャリアアップしてからシステムエンジニアになるケースが多いでしょう。

在庫管理

在庫管理は、商社が取り扱う商品の在庫を管理する職種です。

商品の製造に必要な原材料や資源、部品などのモノの流れを管理し、完成した商品を卸や小売店などのエンドユーザーに届けるモノの流れに関わります。

在庫管理は、リアルやネットでの販売を問わず関わるため、メーカーや流通では欠かせない職種といえるでしょう。

カスタマーサポート

カスタマーサポートは、主にコールセンターや企業で、顧客からの電話対応をおこなう職種です。

顧客からの問い合わせやクレーム対応が主な仕事ですが、企業によっては既存の顧客に対してテレアポで営業しているケースもあります。

仕事の雇用形態は、一般的にシフト制になっており、他の職種と比較して残業時間が少ない職種です。

一度は耳にしたことも?5大総合商社の特徴

総合商社を希望している方であれば、「5大総合商社」は身近な存在でしょう。

ここでは、5大総合商社の特徴を詳しく紹介します。それぞれのおこなっている仕事や特徴を、把握してください。

三菱商事

三菱商事は、金属事業や生活産業事業に強みを持つ総合商社です。

複数の事業をバランスよく経営しているのも魅力。

川上から川下までの商流をおさえたビジネスを展開し、各業界を牽引する企業です。

「組織の三菱」といわれることもあり、協調性や年功序列が重視される社風があります。

ビジネスでも倫理観が強く意識されています。

伊藤忠商事

伊藤忠商事は、非資源分野に強みを持った企業。

繊維や食料事業にも強く、原料価格の変動リスクが小さいため、安定した利益を生み出しています。

海外展開も進めており、海外の有力企業と業務・資本提携をしています。

伊藤忠商事は周りに流されずに挑戦する社風です。

優等生よりも、ひとつの物事に愚直に取り組んできたエネルギッシュな人が集まるといわれています。

働き方改革にも積極的に取り組み、他社では見られないユニークな取り組みもおこなっています。

丸紅

丸紅は、電力・プラント事業に強みを持ち、同社では花形部門といわれている事業です。

世界各地で発電所を運営し、17年3月末時点での発電能力は総合商社では首位です。

電力小売事業にも参入し、影響力はより大きくなっていくでしょう。

丸紅の社風は風通しがよく親しみやすく「若手だからこそ」の風土で相手の意見に耳を傾ける文化があります。

役職や先輩後輩に関係なく、意見を出せる社風が魅力です。

住友商事

住友商事は、メディアと不動産に強みを持った企業です。

「飽くなき挑戦」を掲げ、事業投資に積極的な姿勢を見せています。

2020年3月期までに国内外で不動産事業に投資をする計画や、2018年より事業部門を再編し6つのセグメントに分けるなど、積極的な変革をおこなっています。

住友商事は腰が低く、堅実で落ち着いた社風の企業。

採用フローの公開などフェアプレーの意識も高い企業です。

三井物産

三井物産は、資源分野に強みを持った企業です。

資源価格の変動の影響をダイレクトに受けてしまった経験を教訓に、非資源分野へ舵を切り替えています。

また新たな成長分野の確立も視野に、アジアや北米などを中心に新たなターゲットを模索中です。

三井物産は個人が尊重される社風。

個々の適性に合わせた働き方を尊重し、部署移動を活発におこなうこともあります。

そのため配属リスクがなく、部署異動を希望すれば柔軟に転籍が可能といわれています。

7大総合商社に含まれるのは?

総合商社の就活で、「7大総合商社」という言葉を見聞きしたことはないでしょうか。

これは、前述の「5大総合商社」に、「豊田通商」と「双日」という2つの総合商社が加わったものです。現在この7大総合商社が、日本のビジネスを引っ張っているといわれています。

ここでは、「豊田通商」と「双日」の特徴について見ていきましょう。

豊田通商

豊田通商は「トヨタグループ」の総合商社としての歴史を持つ企業で、その事業は、自動車をはじめ、機械・金属、化学、食料など多岐にわたります。

トヨタグループの理念が行き渡っているのが特徴で、独自の仕事スタイルとして「現地・現物・現実」に基づいて仕事をおこなっています。

双日

双日は、自動車や航空産業、インフラ、金属・資源、化学、リサイクル、生活産業、リテール・コンシューマーサービスの7つの事業分野から成り立つ総合商社です。

特に石炭などの資源ビジネス、メタノールなどの化学品ビジネスが収益の柱となっています。

働く上でのスローガンとして、従来の発想に捉われることなく、新たな発想で新たな価値を生み出す「New way, New value」を掲げています。

総合商社の現状と展望は?

総合商社は、セグメントの中でも「資源」の影響を受けやすいことが特徴です。

総合商社の業績は資源の価格によって左右される場合が多いため、資源価格が下落傾向にある場合は業績が悪化し、資源価格が上昇傾向にある場合は業績が良くなります。

総合商社の将来性は、投資先をどこにするかで大きく変わりますが、その判断基準となるのは、今後発展する分野です。

また、投資という面から考えると、上述したモノづくりに必要な資源開発、人が生きるために必要な医療分野など、今後なくなる可能性の低い分野も欠かせないと言えるでしょう。

体力は大事!総合商社で活躍するために必要なスキルや特性

総合商社では、社内外の人と関わる機会が多くあります。そのため、その時々で臨機応変な対応が求められるでしょう。

ここでは、総合商社で求められるスキルを3つ紹介します。総合商社に勤めるために必要なスキルや特性について、ぜひ参考にしてください。

体力と精神力がある

総合商社に限らず、営業の仕事では自分の足が頼りです。

多くの企業に足を運んで営業したり、クレームに対応したりなど、身体を動かすための体力や落ち込みにくい精神力が必要な仕事ということを把握しておきましょう。

さらに、総合商社は国内外のさまざまな場所に支店があるため、転勤や異動を強いられることもあるでしょう。そこで新たな環境に適応する能力や精神力も、必要です。

留学経験がある

総合商社の場合、海外企業との取引や海外への転勤は避けては通れない道でしょう。そのため、海外の文化を理解し、現地の人とコミュニケーションを取るための語学力が必要です。特に世界共通語である英語は、習得しておきましょう。

総合商社の場合、過去に留学経験がある人や海外に住んでいた経験がある人なら、語学力をアピールできます。TOEICなどの資格や海外留学経験など、存分に就職試験に役立てましょう。

コミュニケーション能力がある

総合商社の場合、取引先や顧客、輸送業者などさまざまな人と話す機会があります。さらに、社内での他部署とのやり取りなど多くの人と関わるため、コミュニケーション能力は必須です。

また、営業の場合、取り扱う商品が多く営業スタイルのマニュアルは存在しません。そのため、個人のコミュニケーション能力次第で売上が変わると言っても過言ではないでしょう。

総合商社を狙うなら徹底した業界分析と自己分析を!

主に2つの事業を中心に展開する総合商社は、職種や企業によって仕事内容が変わってきます。

5大総合商社であっても、企業ごとに注力している事業や社風が異なります。

自分の性格や興味のある分野に合わせて志望先を決めるといいでしょう。

人気が高く応募者の多い総合商社では、業界分析と自己分析が内定を獲得するカギ。

しっかりと対策をして臨みましょう。

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