はじめに
ガクチカに居酒屋でのアルバイト経験を取り上げて、評価が得られるガクチカとしてアピールができるでしょうか。
居酒屋など飲食チェーンを志望している方は別として、他の業界を目指す場合、居酒屋のイメージがあまり良くないのではと躊躇している方はいませんか。
ここでは、学生時代に頑張ってきた居酒屋バイトの経験で魅力的なガクチカを書くためのコツをご紹介します。
【ガクチカで居酒屋バイトをアピール】居酒屋バイトはガクチカに使える?
学生時代に居酒屋のアルバイトを頑張ってきたけれど、居酒屋をはじめとする飲食業界以外でもガクチカとしてアピールできるのか、悩んでいる方もいるかもしれません。
居酒屋など飲食業界を目指す方でも、アルバイトレベルの経験が内定につながるアピールポイントになるのか、不安に思っている方もいることでしょう。
居酒屋で内定につながるガクチカが書けるのか、どのような点に気を付ければ良いのかをご紹介します。
十分魅力的に書けます!
居酒屋のアルバイトを題材に魅力的なガクチカが書けるのかといえば、 十分魅力的に書けますので安心してください。
もっとも、そのためには内容として盛り込むべきポイントや話の流れを考えた構成のポイントを押さえることが大切です。
これは居酒屋に限ったことではなく、他のアルバイトでも、他の経験でも同じでしょう。
書類選考を行う人事担当者や面接官が知りたいと思っているポイントを話せるかと、伝えたいことがしっかり伝わる構成になっているかがポイントです。
この点を押さえれば、居酒屋のアルバイトでも、十分魅力的なガクチカが書けます。
どのような点がポイントになるか、以下で押さえていきましょう。
居酒屋のハードな環境は他にあまりない魅力
居酒屋のアルバイトというと、知らない人から見れば、ワイワイ騒いで楽しく仕事をしているように見えるかもしれません。
気軽なアルバイトとして考えられてしまうケースもあります。
ですが、実際に経験した方からすれば、とてもハードな環境で仕事をこなしてきたのではないでしょうか。
ハードワークについて具体的な例を用いてわかりやすく伝えることができれば、入社後もハードな環境に耐え、柔軟に業務を遂行し、成し遂げる力があると評価してもらうことができます。
そこで、勤務していた居酒屋で置かれていた労働環境を棚卸しし、自分がどんなことが辛かったか、それをどう乗り越えて、アルバイト先に貢献してきたか、しっかり整理してみましょう。
【ガクチカで居酒屋バイトをアピール】そもそもガクチカで人事が見ている観点とは
居酒屋バイトの経験を魅力的に伝えるには、そもそも企業側がガクチカについて何を知りたいと思っているのかを把握する必要があります。
なぜなら、企業側がガクチカを見る目的・ポイントが理解できなければ、的確なガクチカを作ることは難しいからです。
同じエピソードを伝えるにしても、企業側の見たいポイントを踏まえてアピールするのと、そうでない場合は相手に与える印象が全く違います。
ここでは、企業側が見たいガクチカのポイントを解説します。
物事に立ち向かう姿勢
ガクチカでは、得た「実績」よりも、困難と思えるものに対してどれだけ立ち向かう姿勢を見せたかが重要です。
もちろん実績は大事ですが、他人から見て素晴らしい実績でも本人からすると簡単に得られたものかもしれません。
困難を経験せずに生きてきた人と、困難や失敗を経験しながら歩み続けた人とでは、いざという時の踏ん張る力が違います。
困難なことに立ち向かう姿勢は入社後の仕事に対する姿勢が想像しやすいのです。
どれだけ困難であったかの基準は、あなたの主観で構いませんので前向きに考えてガクチカ作成を進めていきましょう。
応募者の価値観
力を入れたことは応募者の価値観が色濃く出ます。
何にモチベーションの源泉があるのかは企業側は気になります。
だからこそ、なぜ居酒屋のアルバイトに力を入れたのかは必ず述べましょう。
居酒屋以外にもアルバイトはありますし、言葉は悪いですがもっとラクな仕事もあったはずです。
挑戦してみたかった、面白そうだった等あるでしょうが、始めるモチベーションはそれで構いません。
居酒屋アルバイトを継続してみようと思った理由も明確にしておいてください。
継続するモチベーションはガクチカの中でも企業側が非常に興味のあるポイントです。
【ガクチカで居酒屋バイトをアピール】書き方のポイント
居酒屋でのハードな環境で仕事をこなしてきた経験は、ガクチカとして魅力を十分に伝えることができます。
もっとも、伝え方次第では、せっかくの魅力が十分に伝わりません。
あなたがどれだけ頑張ってきたかの魅力をしっかりアピールするには、内容面だけでなく、どのように書くかもポイントになります。
ここからは、魅力が伝わる書き方について見ていきましょう。
構成はPREP法で論理的に
ガクチカを書く際にはPREP法が基本です。
PREP法とはPoint(結論)→Reason(理由)→Example(具体例)→Point(まとめの結論)の流れで書く方法で、書類選考や面接における他の質問への回答にも有効に働きます。
ポイントの1つ目は、まず結論から述べることです。
結論から述べることで、選考者が内容を理解しようという準備が整うためです。
次にガクチカとして居酒屋のアルバイト経験を選んだ理由を述べましょう。
そして、その後の具体例が、居酒屋のアルバイトにおける魅力を伝えるカギを握ります。
アルバイトで直面した問題や困難を挙げ、それをどう解決して乗り越えたのかを具体的に説明してください。
これによって問題への対応力や課題解決力などをアピールすることができます。
最後の「結論」でこの経験から得た学びとそれをどう生かしていくのかも忘れずに述べるようにしましょう。ここからわかる再現性は企業にとって重要な部分です。
「なぜ」がすべてにつくように!
PREP法をうまく使いこなすためのコツとして、 すべての流れにおいて、それは「なぜ」かという点を意識して盛り込むことが大切です。
なぜ、その結論を選んだのかにはじまり、具体例を紹介するうえでも、「なぜ」の観点がカギを握ります。
なぜなら、それにより思考の流れがわかり、人となりがわかりやすくなるからです。
具体例を挙げるうえでは、なぜ問題に直面したのか、それを解決するためになぜその方法を考え出し、なぜその方法を選んだのかを意識して、内容を構成しましょう。
そして、なぜその結果に至ったのか、そこから何を得たのか、学べたのかを明確にすることも大切です。
誰にでもわかりやすい表現を心掛ける
何かを伝えるにあたって、相手に理解してもらうために誰にでもわかる表現を使うことが基本です。
できるだけ難しい専門用語を使うことは避けましょう。
相手の目線に合わせることができないといった印象を与えてしまいますし、専門用語の本来の意味を理解していないと思われる危険性もあります。
それ以外にも数字など客観的な指標を示すのもわかりやすくするのに効果的です。
オリジナリティを持たせる
取り上げる内容は居酒屋バイトで誰でも経験するようなことは避けましょう。
例えば人手不足の中たくさんシフトに入って貢献した等です。
少しでも自分なりに工夫して行動したこと、オリジナリティのある内容を書いて読み手の印象に残るようにしましょう。
具体的には、人手不足を解消するために今いるメンバーが定着するよう、不満点などのヒアリングをしてあがった点を改善したことが考えられます。
アルバイト先の情報を詳細に話さない
アルバイトしていたからこそ知り得た企業の情報を、むやみにガクチカに書いてしまってはいけません。
なぜなら企業秘密を守れないとしてマイナスに受け取られてしまう場合もあるからです。
必要以上にアルバイト先の詳細な情報は盛り込まないようにしましょう。
しかし、どの範囲まで話して良いのか判断が難しいと思います。
その際は、アルバイト先のオーナーまたは店長に確認することをおすすめします。
「就活で◯◯を話そうと思うのですが良いですか?」といった感じです。
同時にNG内容も確認しておくと、なお良いでしょう。
【ガクチカで居酒屋バイトをアピール】実際はどのように書いているのか例文をチェック
では、ガクチカに居酒屋のアルバイト経験を選んだ方は、実際にどのように書いているのでしょうか。
PREP法に基づいて、「なぜ」を意識して構成すること、居酒屋で働くことの大変さ、ハードな環境を耐え、乗り越えてきた経験をアピールした例文を見ていきましょう。
【400字】例文1
私が学生時代に力を入れて取り組んだのは、居酒屋でのアルバイトです。
大学の授業が終わってから取り組みやすいと決めたのですが、実際に働いてみて人手不足の深刻さを痛感し、いかに少ない人数でサービスの品質を落とさず効率的に働けるかを試行錯誤してきたからです。
シフトに入れるホールスタッフが3名しかいないのに、20名規模の宴会が3つ入ったときがありました。
宴会客以外も含めて、店内は一度に100名近いお客様を迎える状態にあります。
これを3名で回さなくてはならないため、事前準備を行い、お客様の場を持たせる工夫を厨房も含めて図ることにしました。
飲み放題のビールやドリンクを並べて置き、事前に準備しても味や風味が変わらない枝豆とナッツとチーズの盛り合わせ、ハムサラダなどをコースに盛り込んだのです。
これにより、宴会がスムーズにスタートし、次の料理がくるまで待たされる感なく盛り上がるので、お客様からのクレームを受けずに済みました。
少ない人数でどうすれば顧客満足を維持しながら、お店を回せるのか、柔軟な対応力と連携があれば乗り越えられることを学びました。
【400字】例文2
私は学生時代に頑張ったのは居酒屋でのアルバイトです。
私が選んだお店の来店客は社会人が多いため、ビジネスマンの実情を知り、将来の就職時の身のこなし方など役立つものが得られると考えたからです。
人手不足で忙しい状況が続いていた中、感染症の拡大により客がこなくなる想定外の環境に追い込まれました。
解雇されるかもしれない不安を抱えながら、店長にテイクアウトサービスを始めることを提案しました。
おつまみセットを作り、家飲みやオンライン飲みに活用してもらおうとしたのです。
もっとも、情報が拡散しないことには買いに来てもらえません。
店長は60代で今時の対応が難しかったため、私がSNSで情報を配信し、テイクアウト紹介などのスマホアプリなどに登録してアピールを試みました。
すると、サービスを始めた日から10名もの方に利用してもらえ、その後も着実に利用客が増えました。
その結果、居酒屋を17時から25時まで営業する売上の40%をカバーでき、どうにか家賃や光熱費、アルバイト代が維持できると、店長に感謝してもらうことができたのです。
【ガクチカで居酒屋バイトをアピール】こんな場合もガクチカになる?
ガクチカを書くうえで、気になるポイントもあると思います。
・バイトしていた期間が短いけど大丈夫か
・大きな功績を残していないのにガクチカとしてアピールしても良いのか
どのようなテーマについてガクチカを書くとしても、上記のような不安材料はありますよね。
不安や心配事を払拭できるよう対策を詳しく解説していきます。
バイトしていた期間が短い
アルバイト期間が短くても自分なりに工夫して行動した経験があれば問題ありません。
ただ、期間が短いことの理由を問われる可能性もあるので、正当性のある理由を答えられるようにしておきましょう。
目標としていたスキルが身についたので次のステージに行くため等、ポジティブな側面もあれば、ご家庭の事情など様々でしょう。
特に正当な理由がなく、ただ単にしんどくて短い期間で辞めたというのであれば、ガクチカとしての説得力は弱まります。
大きな功績を残していない
先述しましたが、ガクチカで重視されているのは結果の大きさではなく、困難にどれだけ立ち向かったかという姿勢です。
大きなことでなくても自分から動いてプラスの方向にもっていった経験があれば、その過程を重視して書けば全く問題ありません。
多くの企業にとって、採用活動をするうえで功績はあくまで参考材料であって絶対条件ではないのです。
まとめ
ガクチカで居酒屋のアルバイト経験を魅力的にアピールするためには、居酒屋以外では経験できないようなハードな環境でハードな業務に対応してきたこと、苦難などを乗り越えてきた経験を紹介することがポイントです。
PREP法に基づき、常に「なぜ」を意識しながら、話の構成を考えましょう。
ただ黙々と仕事をこなした話ではなく、直面した課題や困難な状況を、自分の考えと行動力で解決して結果を出してきたことを具体的に紹介することがカギを握ります。