【4種の例文あり】有機化学の研究をテーマにした自己PR作成法

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伊東美奈
Digmedia編集長
伊東美奈

HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。

はじめに

有機化学の画像イメージ 有機化学は現代におけるものづくりの基本であり、就活においても非常に受け皿の広い学問であることは間違いありません。

実に幅広い企業から需要が高く、とりわけ化学業界では、有機化学の基礎知識を持つ学生のニーズは非常に高いと言えます。

つまり、化学系の就活生は自信を持って就活に臨めるということですので、ぜひ、臆することなく自分の強みをアピールしてください。

ここではその具体的な例を紹介します。

自己PRの流れとは?

せっかくアピールできる題材があるのに、それが適切に相手に伝わらなければ活かすことはできません。

自己PRは自分の強みをプレゼンテーションする場ですので、ESや面接では、企業の採用担当者にわかりやすく効果的に伝える技術を身につけましょう。

それにはレポートの構成をきちんと把握することです。

ビジネスの現場では報告・連絡・相談はほぼ毎日発生し、経営陣や顧客など重要な相手に対してプレゼンテーションを行うシーンも出てきます。

そうしたときに、わかりやすく効果的に内容を伝えるための基本的な構成があります。

これを活用することで、自己PRに限らず就活における文章をビジネスで通用するスタイルに整えることができますので、ぜひ身につけてください。

それでは流れに沿って見ていきましょう。

①結論

まず結論を述べるスタイルはビジネス文書の基本です。

今回は自己PRですので、自分にどのような強みがあるかをアピールしなければなりません。

そこで、まず冒頭で自分の強みを述べ、自分にはこのような魅力・能力があるということを相手に伝えてください。

②結論を裏付ける経験の概要

冒頭で述べた自分の強みはあくまで自己申告でしかありませんので、中には口から出まかせの人もいないとは限りません。

そこで次に、長所として挙げた内容を裏付ける経験を述べます。

自分が自分の強みに気づいた経験を見つけておきましょう。

③課題

強みに気づく経験の中で生じた課題を述べます。

人は課題を得てそれを解決することで成長しますので、傍から見ればささいなことだと考えずに、自分にとって課題に感じられたことを丁寧にピックアップしてみてください。

④行動

課題に対してどのように行動し、どのように克服したかを述べます。

この行動には人柄が出ますので、自分のアピールしたい性格、長所なども踏まえてまとめるのがおすすめです。

相手企業が求める人物像も把握したうえで考えるとよいでしょう。

⑤結果

経験から得た成果を述べてください。

ただし必ずしもすべての課題が解決し、うまくいったエピソードだけが優秀と評価されるわけではありません。

肝心なのはその経験から何を学んだかですので、自分の人間形成に役立った結果をピックアップしましょう。

⑥貢献

最後にそこで得た強み、発見した強みを相手企業でどう活かすかを述べます。

応募先企業がどのような事業に取り組んでいるか、企業の方向性とマッチする貢献に結び付けられるのがベストです。

また求められている人物像や社風などもよく調べ、マッチングも考えましょう。

研究内容ごとの強調できる特徴

有機化学は専門性の高い分野ですので、研究内容ごとに強調できる特徴を紹介するのはとてもよいアピールです。

どのような研究をし、そこでどのような基礎を築いたかがわかるようにまとめましょう。

二次代謝産物の研究

二次代謝産物は医薬品や化粧品など応用が幅広く、企業においても非常に活発に研究が行われています。

植物などが有用な化合物をどのような生合成経路で作るのか、遺伝子は何かなど実に幅の広い研究が可能なため、その多様性をアピールできます。

さまざまな視点からのアプローチができる

二次代謝産物の研究には実にさまざまな視点があり、分子生物学的・酵素学的・有機合成化学的などから物事を見つめ結果を導くことができるスキルが養われます。

たとえば経路によっては忌虫効果が得られるものもあれば、動物にとって重要な栄養源となるもの、酸化ストレス防御機構に関わるものなど実に多彩な研究が可能です。

さまざまな製品開発へとつなげることのできる視点を持つ人材は、現代の企業にとっては喉から手が出るほど欲しい人材と言えます。

植物体や微生物を扱い実験をした経験がある

有機化学の実験過程において、植物体や微生物を扱い、生物が作り出す微量な化学物質を合成する経験を積んでいるはずです。

その経験はほかの分野では得難い経験であり、特に化学業界では強くアピールできる武器になります。

机上の空論ではなく実際に手を動かし、手間と時間をかけて困難な成果を得るための努力をした経験は、ぜひ自己PRに活かしたい題材です。

たとえ劇的な大発見は収めていないとしても、十分に魅力ある内容になります。

新しい有機高機能材料の精密合成と解析

有機高機能材料の将来性には疑いがなく、すでに生活空間にも浸透している繊維やプラスチック、ゴムや木材、食品に至るまで幅広い物質を支えています。

こうした生活にも密着した素材の精密合成や解析を行った経験は、あらゆる企業へのアピール題材になります。

どんな物質が必要とされるかを考えられる

有機高機能材料の研究は、実にさまざまな企業において活かせるものです。

人々の健康を増進したり、これからの生活をより良いものしたりするために活かす物質を研究するわけですから、生活とは切っても切り離せない学問と言えます。

人々のため日進月歩で技術開発し続けている企業にとって、まず大前提として人にどんな物質が必要とされるかを考えられる人材は貴重です。

常にその視点に立って努力できる人物像であれば、とても魅力的に映るでしょう。

繊細なものを扱うことができる

化学合成には基本的に繊細な作業が要求されるため、手先の繊細さはさまざまところで活かすことができます。

超強力有機材料も耐熱性有機材料も、生み出すためには実に正確で繊細な仕事が必要です。

有機材料は透明なものが多いので光学有機材料などは液晶ディスプレイの開発にも関わりますし、電子有機材料や高機能センサーなど超高密度集積回路などにも応用される技術です。

こうした繊細で小さく、ミリ単位の仕事を求められる分野において、その厳しさを肌で知っている人材は貴重と言えます。

自己PR作成の注意点

自己PRを作成する際、いくつか気をつけておくべき点があります。

基本的には自分の自信のある面を前面に出せばよいのですが、就活という場においては一定のルールがありますので、そこを理解しておきましょう。

専門用語は使わない

有機化学を専門的に学んだ以上、アピールしたいのは専門分野がベースとなるのは当然です。

ただし、ひとつ忘れてはならないのが、相手は一般企業の社員であるということです。

特にESや一次面接などを受け持つ採用担当者は、専門とはまったく異なる人事部署などの人間である場合がほとんどです。

そのため相手も有機化学を知る人間だと考えることなく、専門用語は避け、誰にでもわかるような言葉に言い換える丁寧さが大切です。

エピソードを述べる

先にも触れましたが、自己PRは自己申告ですので、述べただけでは説得力がありません

そこにその人にしか語れないエピソードがあるからこそ、確かな重みのある言葉になりますので、エピソードは必ず添える必要があります。

そもそも自分はこれが得意だ、こんな長所があるという考えに至るのには、なんらかの経験があるはずです。

それを自己分析で丁寧に掘り下げで見つけ出し、第三者にもわかるようにまとめましょう。

どのように貢献するかを述べる

企業が自己PRを聞く理由は、その人の能力を知りたいというだけでなく、人となりを知って自社とのマッチングを知りたいからです。

相手企業の事業方針をあらかじめ調べ、自己PRしたものをどのように仕事に活かしていくかを書くことで、企業側は安心して採用できるようになります。

いかに優秀な学生でも、方向性が合わなければ入社後の貢献は期待できません。

そのため具体的にどの面で活躍したいのか、自分の入社後のビジョンも表明しておくと効果的です。

自己PR例文

それでは具体的な自己PRの例文を4例挙げてみましょう。

ここで挙げるのはあくまで例ですので、実際には自分の研究や経験、入社後にやりたいことに合わせてしっかり構成してください。

さまざまな視点からのアプローチができる

私の強みは、さまざまな視点からのアプローチができることです。

大学ではこれまで合成例のない複雑化合物の研究をし、今までの化学では困難であった構築ができるようになることを目指しました。

時間も費用もかかりなかなか成果が得られないという課題を常に抱えていましたが、常に浮上した問題を解決するためにあらゆる方向から思考し直し、アルゴリズムを組み立てる努力を続けました。

結果としては新たな成果を上げることはできませんでしたが、問題を違った視点から見る思考力や強靭な忍耐力は養われたと自負しています。

御社においても日々の研究で発生するさまざまな問題に柔軟な視点で立ち向かい、逃げずに挑み続けることで新商品開発事業に貢献したいです。

植物体や微生物を扱い実験をした経験がある

私の強みは、植物体や微生物を扱い実験をした経験があることです。

子供のころから有機化学に興味があり、体内ではたらいている酵素や食品に含まれる栄養素などに面白みを感じていました。

ただ高校で学んだ有機化学はほとんどが暗記するだけのものであり、私が望んだような単純な原理を求める楽しみはありませんでした。

その不満を原動力に、自分にとっては難関であった~大学~学部を目指して猛勉強し、見事入学できました。

大学では絶対に体験で学ぶという決意を持ってゼミを受講し、非常に多くの植物体や微生物を扱った実験を収めることができました。

この経験と解析で得た知識を御社の研究開発部門で活かし、机上の空論ではない実体ある商品開発を実現したいです。

どんな物質が必要とされるかを考えられる

私の強みは、有機化学を通じて、人々がどんな物質が必要としているかを考えられることです。

大学で学ぶうちに生活でどれほど有機化学が活かされているかを実感するようになり、人の生活と有機化学を深く結び付けて考えるようになったのがきっかけです。

同時に、化学業界の各企業がどのような視点で新商品開発を行っているか、非常に興味を惹かれるようになりました。

そのため化学業界のマーケティングも学び、現代では消費者の価値観がシフトし、ものではなく成果主体へ変革を迫られている実態を知りました。

素材メーカーも化学メーカーも、今はデジタル変革の必要性に迫られていると考えます。

私は御社において実験の解析データのみならず、マーケティングデータの活用も併せ市場に必要とされる物質の開発に携わりたいと考えております。

繊細なものを扱うことができる

私の強みは、繊細なものを扱うことができることです。

大学では新素材を作り出す研究を行っており、特に環境にやさしい有機発光ダイオードの開発に挑戦していました。

4年をかけてゼミで取り組みましたが、残念ながらミクロンレベルでの分子配列の制御は成功しませんでした。

ただこの4年間、日々あらゆる物質を混ぜたり加熱したりといった細かな作業の繰り返しに取り組んだ経験は、私の貴重な財産です。

この先企業で新しい物質を作るのにも、新しい反応を開発するのにも必ず役立つ技術と自負しています。

御社においても、作業するうえでの安全性や環境への配慮などを行い、日々コツコツと正確な作業を継続することで、実験を産業に落とし込む仕事に携わりたいと考えております。

まとめ

有機化学を専攻した学生は、実に幅広い企業のニーズに応えられる期待があります

ただし応募先企業の事業を調べ、基本的なビジネス文書の構成法、効果的な伝え方、伝えるべきポイントを事前に押さえておくという就活の基本は、まったく変わりません。

経験から得た長所や強みをしっかりアピールし、入社後にやりたいことや将来のビジョンを描いたうえで、ぜひ、望む企業から内定を勝ち取ってください。

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