【理系生必見!】食品業界への就職の実態とは?大学生が学ぶべきこと・将来性を解説

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伊東美奈
Digmedia編集長
伊東美奈

HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。

【理系生必見!】食品業界への就職の実態とは?大学生が学ぶべきこと・将来性を解説

はじめに

食品業界は理系、文系問わず、就活で人気の業界です。

食は生きていくために欠かせず、日々、さまざまな食品を摂取し触れる機会が多いうえ、子どもの頃から実際の商品や企業名に触れてきて馴染みもある分野だからです。

この記事では理系生にとっての食品業界における就職の実態について迫っていきます。

食品業界の概要やジャンル、職種をはじめ、食品業界への就活にあたり、理系の大学生が学ぶべきこと・将来性を解説していきます。

【食品業界とは?】食品業界の概要

食品業界と聞いて、あなたはどんな食品をイメージしますか。

肉や魚、野菜の加工といった原材料をイメージする方もいれば、飲料や菓子などの身近なもの、冷凍食品やレトルト食品などの便利な商品をイメージする方もいるでしょう。

食品原料や加工食品に至るまでさまざまな答えが返ってくるほど、食品業界は幅が広い業界です。

理系生からの人気は高く、就職人気ランキングトップ10には食品業界から5社が選ばれているほどです。

食品業界について、詳しく見ていきましょう。

食品業界にはさまざまなジャンルがある

食品業界には以下のようなジャンルがあります。

代表的なジャンルと、人気企業を列挙してみました。

・飲料(サントリー、コカコーラ) ・製粉(日清製粉・日本製粉) ・冷凍食品(ニチレイ・マルハチニチロ) ・調味料(キューピー、ハウス食品グループ) ・菓子(明治、ブルボン) ・パン(山崎製パン、フジパン) ・健康食品(明治、雪印メグミルク) ・その他(伊藤ハム、日清オイリオグループ)

ジャンルを分けてみても、実際には1つの企業で多角的な商品の生産を行っているのが近年の傾向です。

たとえば、飲料メーカーのサントリーはアルコールをはじめ、ソフトドリンク、皿にはサプリメントの開発も行っています。

調味料メーカーのキューピーはマヨネーズだけでなく、介護食品事業にも乗り出しています。

【食品業界とは?】食品業界にある職種

食品業界はジャンルも幅広いうえ、製造過程でさまざまな職種が存在しています。

食品業界にまだ詳しくない方でも、親しみのある業界だけに、ざっと考えてもイメージできるのではないでしょうか。

新しい商品を企画、開発して製造、宣伝、営業をして販売する、新商品の開発のためにはマーケティングも必要ですし、原材料の選定や仕入れも必要です。

ここでは、代表的な職種として、研究開発、生産管理職、商品開発(マーケティング)、事務系職種、営業職を見ていきます。

研究開発

食品業界の研究開発は 商品の開発、既存商品の味の改良をはじめ、原料の選定など幅広い研究や技術開発を行っています。

どんな原材料や調味料を組み合わせれば、味わいや食感が増すか、製品のターゲット層ごとに、どのような味が好まれ、そのためにはどのような味や食感などを追及すれば良いのかも研究対象です。

近年の健康志向の高まりを受け、糖質オフやグルテンフリー、いかに添加物を入れずに製造するかの研究も求められます。

社会問題化している食品ロスの抑制を目指し、賞味期限を延ばすための研究開発も重要な課題です。

生産管理職

生産管理職は食品業界の中でも重要な職種と言えます。

なぜなら、どんなに良い商品を開発しても、製造工程において衛生面で問題が生じた場合や異物混入などが起これば、人の生命にも関わり、重大事故にも発展しかねないからです。

トラブルやリスクを未然回避し、高品質、安全に商品を提供するための製造工程を検討して構築し、監視、改善していくのがメインの役割です。

近年では衛生管理の徹底や人材不足を補うためオートメーション化も進んできました。

企業規模にもよりますが、1つの工場や、特定の製造ラインなどを任され、既存の製造システムのチェックと吟味、改良をする場合や新たなシステムを作り出して運用していくケースもあります。

商品開発(マーケティング)

食品業界の商品開発(マーケティング)職も、 企業利益の追求にあたって重要なポジションを担っています。

食品業界は人々の命の源となる食品を安定供給するために、基本的な食品を製造し続ける使命を担う一方、競合他社も多いため、売れる商品を生み出さなくてはなりません。

時代の変化や好みの多様化など世の中の人のニーズに応えることや売り出し方を考え、売れる商品、生き残る商品を生み出すのが仕事です。

事務系職種

食品業界の事務系職種は多岐に及びます。

商品の受発注に対応することや伝票などを発行する職種や資材や原材料の受発注を管理する部門、事業活動における経理の数値をまとめることや採用計画など事業活動の支援を行う部門もあります。

食品分野では 食品衛生法や製造物責任法をはじめ、アレルギー表記やエネルギー表記、特定保健用食品(トクホ)と機能性表示食品の違いなど、守るべきルールも多岐にわたり、法務部門やパッケージ作成部門なども責任重大です。

営業職

食品は引き合いが強く、販売するのは簡単と思われがちですが、営業職の地道な努力が不可欠です。

あなたのお気に入りのお菓子や飲料が、あるお店では売っていても、別のお店では売っていないことも多いのではないでしょうか。

テレビCMを流している有名な商品でも、取り扱っていないお店はあります。

営業職は 卸売店や小売店を地道に回って、自社の商品を置いてくれるよう営業しています。

エリアを決められてスーパーを地道に回って、自ら売り場で商品を目立つところに並べ直すなど、地道な努力が欠かせません。

【食品業界とは?】食品業界への就職の実態

理系生の食品業界における就職の実態はどうなっているのでしょうか。

就職人気ランキングトップ10で食品業界から5社が選ばれているほど、 競争率が高い業界です。

理系が文系より有利かというと、必ずしもそうではありません。

食品業界は専門性はそれほど問われず、学部やゼミの内容もあまり関係ありません。

もっとも、成分分析や加工技術の開発など専門知識やノウハウが求められる研究職や、理系の視点が必要になる生産管理職などは、理系生には有利な分野です。

食品業界の選考では、特に人物評価が重視されます。

ジャンルも職種も多岐にわたり、メーカーやブランドのイメージが確立されている企業も多いため、マッチした人物を選びたいためです。

それでも理系生は多少有利になる

就職人気ランキングトップ10で食品業界から5社が選ばれるほど、理系生はもとより、文系の学生からも人気で、競争倍率が高い業界です。

それでも理系生は多少有利になるのは事実です。

ジャンルや志望職種にもよりますが、 食物調理や栄養学などを学んでいれば、研究職において他の就活生に比べて有利になります。

知名度の高い人気メーカーほど、内定を得るためには自分の強みを活かすための自己分析や企業研究が欠かせず、受かるために必要な学びなど努力も欠かせません。

理系生でも知識や技術、専攻だけでなく、人物評価の方が重視されますので、志望する企業がどのような人物を求めているのかをよく研究し、自己PR力も高めておきましょう。

重視されるのは人物評価

食品業界の選考において、重視されるのは人物評価であるのはなぜでしょうか。

特に食品の製造や商品開発(マーケティング)などの分野では、その人が適しているかどうかを見極めて採用される傾向が強いです。

製造分野では高い倫理観やきめ細やかさ、高品質で安全な製品を作る使命感などが必須です。

以前発生した意図的な毒物混入事件はあってはならないことですし、近年増えている異物混入なども企業の信用失墜はもとより、人々の生命や健康にも関わります。

常に安全で品質の安定した商品を製造できる人物が求められます。

自社の製品に愛着とこだわりを持つ人を得たい企業が多いのです。

商品開発(マーケティング)は企業の生命線を担っています。

時代のニーズをキャッチしながら、自社ブランドらしい商品を開発できる人が求められます。

キャリアパスについて

食品業界のキャリアパスはどのようになっているのでしょうか。

就職してからの将来像やキャリアプランについて確認していきましょう。

まず、 理系の研究職は基本的に専門領域で仕事を継続しながら、キャリアを積み重ねていきます。

そのため、高度な専門性が必要となり、大学で学んだ知識や技術を活かしながらも、現場で経験を積み、新たな学びや技術のブラッシュアップを図りながら、時代に即した成分や商品の開発などに取り組んでいくことが求められます。

これに対して、営業職は数年単位でジョブローテーションするケースが一般的です。

営業職のエリアが変わるといった部署内の異動にとどまらず、営業経験を活かして商品開発(マーケティング)職に配置転換されるケースも少なくありません。

【食品業界とは?】食品業界の将来性

人々が生きていくためには食は必要不可欠であり、需要が失われることはないため、食品業界は不況にも強いと言われてきました。

ですが、コロナショックのような想定外の事態により、多少環境は変化しています。

消費者向けの食品やステイホーム需要が出た食品はコロナ禍でも好調な一方、飲食店メインの業務用食品メーカーや酒造メーカーなどでは打撃を受け、倒産に至ったケースもあります。

また、少子高齢化に伴う人口減少により、国内の市場規模は減少していくのも事実です。

国内市場の縮小に対応するため、海外展開に力を入れている企業が増えているほか、高齢化に対応する介護食品や長寿社会に健康寿命を延ばす健康食品やサプリメント事業に乗り出す企業も増えています。

【食品業界とは?】まとめ

食品業界といっても、食品原料や加工食品を製造するなどジャンルは広く、1つの企業でも多角化が進んでいます。

職種もさまざまで、代表的な職種だけでも、 研究開発、生産管理職、商品開発(マーケティング)、事務系職種、営業職などがあります。

就職人気ランキングトップ10には食品業界から5社が選ばれるほどで競争倍率も高く、採用にあたって文系、理系なども大きく問われません。

ただし、研究職では理系生は専門性を活かせるので有利になります。

とはいえ、全般的に食費業界で重視されるのは人物評価です。

企業が求める人物像を研究し、マッチする人材としてアピールできるよう自己分析や学びを深めていきましょう。

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