流体工学研究室ってどんなところ?研究テーマや就職先、将来性を紹介!

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伊東美奈
Digmedia編集長
伊東美奈

HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。

流体工学研究室ってどんなところ?研究テーマや就職先、将来性を紹介!

はじめに

就活をするのか、流体工学研究室に進もうか、理系の学部に通う人は就活か研究室への進学を選ぶかで悩む人が少なくありません。

この記事では、流体工学の研究室について解説していきます。

流体工学と一口に言っても、宇宙開発や自動車工業、スポーツ工学など、先に通ずる分野や業界はまったくの別ものです。

想像しているとおりの研究が進められるのか、進路の選択肢として、不安を払しょくしたいという人はぜひ参考にしてください。

【流体工学研究室ってどんなところ?】流体工学の実態

流体工学とは、流体における学問とその工学的知識がセットとなった学問を意味します。

まず流体工学の流体とは、水や空気といった液体と気体の総称です。

ここでの工学とは、流体機械といって水中や空中における流体エネルギーを機械エネルギーに変換する機械の総称です。

つまり、身近なところでいえば水車や送風機、より専門的な分野となれば、タービンや航空機がこれらの学問によって成り立っているといえます。

流体工学研究室では、日夜こうした流体と流体機械の関係性について研究をしています。

全国の工学部であればほぼどの大学でも流体力学を習いますが、流体工学の研究室については部屋を構える大学院は限られているというのがポイントです。

流体工学の現状は?

流体工学はもっとも注目を集める学問の1つです。

この世にある設計・製造にとって欠かせないといわれているのがポイントです。

研究者や技術者、学生で構成される「一般社団法人日本機械学会」でも、流体工学は主要な部門として設立当初の明治30年から注目されています。

流体工学がカバーする分野は非常に幅広いものです。

水中・陸・空中・宇宙空間での開発において必要とされます。

つまり、流体力学と機械工学の重要な橋渡し役であり、現代のテクノロジーの進化や課題解決に必ずといっていいほど必要な学問なのです。

また、これだけ注目を浴びるようになった要因の1つに技術の進歩があげられます。

高度な計算がより早くできるようになり、流体や気体の数値シミュレーションがより容易となっているのです。

流体工学の将来性は?

流体工学は、モノやサービスが飽和した現代社会において、大きく期待の寄せられる学問・分野でもあります。

工業系の製品に限らず、より省エネでコストパフォーマンスに優れた製品を作るためには流体工学が欠かせません。

また、エネルギー分野の風力発電や水力発電に代表されるように、地球活動と流体力学(工学)は密接な関係があります。

つまり、流体工学はすべての開発の根幹を担いつつ、応用することで現在すでに出ている環境汚染などの課題解決に活かせる可能性があるのです。

エコや再生可能といったキーワードを実現する大きな一助となるでしょう。

あらゆる学問とリンクするという点から、幅広い知見や多角的な視野をもったうえで課題に取り組むことが求められています。

【流体工学研究室ってどんなところ?】流体工学をテーマごとに解説

流体工学研究室で日夜研究される流体工学とは、大きく分けて3つの分野で用いられています。

ロケットや大気との関わりを研究する宇宙工学に、自動車や電車の動力と大気を研究する分野、そしてスポーツの動作性に通ずる学問です。

流体工学研究室に所属したあとの就職先として、想定されるジャンルについて見ていきましょう。

どういった分野に興味をもつかも人それぞれですが、やはり自分が興味をもてる分野について深く研究を進めていくことがおすすめです。

興味をもてる分野にこそ、研究にかける熱意や情熱が注がれ、先々の就職活動における動機や働くモチベーションへとつながっていきます。

就職活動の際に「どうしてその流体工学研究室に入ったか」と聞かれた場合をイメージしながら、それぞれの分野について詳細を見ていきましょう。

宇宙工学分野

宇宙工学分野における流体工学研究室では、主にロケットと空中(大気)の関係について研究しています。

たとえば、ロケットを宇宙に放つための技術や、そのあとに空中や宇宙空間を進むための動力はすべてエンジンだけでまかなっているのではありません。

発射時にロケットが受ける衝撃波や、発生する渦など、ロケットの動きに影響をおよぼす要素の計算に流体工学が用いられます。

また、動力が削られる大きな要因となる抵抗も、機体のデザイン刷新によって軽減しており、これにも流体工学は密接に関係しています。

データ化が容易となったことを背景に、スーパーコンピューターでのシミュレーション・データ解析が進み、これらをもとに日々研究を進めているのです。

自動車工学分野

自動車工学における流体工学研究室では、自動車や電車などの輸送手段となる機械と大気との関係を研究しています。

自動車といえばもっともイメージしやすいのは、動力エネルギーにまつわる分野でしょう。

流体工学を用いて、自動車や電車が進む際に受ける抵抗を計算し、そこからどのように設計することでより摩擦や抵抗をなくせるかを研究できます。

また、速度が上がるにつれて自動車や電車の周りに発生してしまう乱流の軽減も、大事な研究課題の1つとなるでしょう。

燃料消費の削減は省エネやエコにつながり、抵抗を軽減することは自動車や電車のより安全な運行をサポートするのにつながります。

自動車工学における流体工学は、今ある技術の刷新に深く関与する学問といえます。

スポーツ流体工学

スポーツ流体工学は、選手の育成ではなく、よりよいプレー環境や道具を設計するための研究をしています。

たとえばボール競技の体表核ともいえるサッカーや野球は、ボールの飛距離や動きが勝敗を決めるうえで、重要なポイントを担うことがあります。

流体工学の考え方を応用し、より飛びやすいボール、蹴ったり打ったりした際の軌道がブレないボールを開発することで、プレー内容が洗練されるでしょう。

水泳の分野では、より水中での抵抗を受けない水着の開発にも流体工学は利用されています。

1分1秒を切り詰めたい水泳選手にとって、自身の泳ぎをサポートしてくれるウェアは強力な武器となるでしょう。

スポーツ流体工学は、スポーツ選手とともに現状の打破やより高みを目指していける学問です。

【流体工学研究室ってどんなところ?】流体工学の就職先

流体工学研究室出身者は、企業に就職しても幅広い分野での活躍が見込まれます。

そのなかでも特に就職者が多い分野を紹介しましょう。

先ほどは流体工学がどういった分野で取り沙汰されるかを見てきましたが、ここからは研究室からどういった企業に就職できるかについて焦点を当てていきます。

就職先として考えられるのは大きく分けて2つです。

1つは海外での進出が目覚ましい自動車や流通をさらに広げる足掛かりとなる輸送機器の会社、もう1つは人類の永続的発展に寄与できる宇宙関係の会社です。

研究室での研究や、自身のなかに芽生える問題意識のようなものがあると、より具体的に就職先を考えられるでしょう。

流体工学研究室から将来的にどういった仕事に就けるのかを見ていきます。

自動車や輸送機器

流体工学の研究室出身者が就職できる会社として考えられるのが、自動車やバイクなどの乗り物を作る企業です。

想定されるのはトヨタ自動車株式会社、日産自動車株式会社、いすゞ自動車株式会社、川崎重工株式会社、三井E&S造船株式会社、本田技研工業株式会社といった有名どころの企業でしょう。

乗り物と一口に言ってもリニアモーターカーや、人体のなかで活躍する薬剤輸送機器なども該当するため、より専門的な企業への就職も考えられます。

ただ、自動車や輸送機器の設計・デザインに関われる新卒の採用枠は非常に少ないのが現状です。

こうした専門職を就職先として志すには、実際に出身者が就職しているという研究室を選んだほうがよいでしょう。

OBOG訪問ができたり、研究室からの就職あっせんを受けられたりするなど、狭き門だからこそ手厚いサポートがある研究室は重宝します。

宇宙分野

宇宙開発分野にも、流体工学の研究室出身者は多くいます。

ロケットや人工衛星の開発に携わるNASAやJAXAが、目指せる就職先としてあげられるでしょう。

宇宙分野といえば、まだまだ発展途上の分野です。

それだけ将来的に飛躍する業界ともいえるので夢があります。

テクノロジーの進化が拡大する余地も大きく、宇宙において解明されていないことも多いので、働きながら新たな問題意識や課題に目覚める可能性も大いにあります。

しかし、これらの企業は自動車や輸送機器よりも、さらに新卒の就職先として目指すには狭き門です。

ただし、宇宙開発に携わる日本初のベンチャー企業も着実に増えています。

株式会社アストロスケール、Space BD株式会社、株式会社SPACE WALKERといった就職先が想定できるでしょう。

【流体工学研究室ってどんなところ?】研究室の選び方

研究室の選び方として重要になるのは、先々の就職まで見越せるかどうかでしょう。

就職し転職しなければ、約40年間同じ企業に勤めることとなります。

自身の流体工学への興味関心、問題意識がそれだけの長い間キープできるかどうかでしょう。

また、流体工学研究室は少ないとはいえ、全国津々浦々にあります。

自身の興味関心がもてる分野と、研究室で取り扱っている題材が一致するかどうかです。

さらに新卒の採用枠が少ないことからも、一定の年数でステップアップを目的とした転職を考えておく必要もあるでしょう。

転職に有利な経験が積める企業を選び、その企業に就職しやすい研究室を選ぶというように、自身のキャリア展開も念頭に置いておくことをおすすめします。

「研究室選び方」について詳しく紹介している記事を用意しましたので、そちらについてもあわせてご覧ください。

https://digmee.jp/article/310190

【流体工学研究室ってどんなところ?】まとめ

しっかりと定めた目的があって研究室を志すことも、立派な就職活動の足掛かりの1つとなるでしょう。

流体工学が活かせる業界は、将来的にも広がりがあるうえに、テクノロジーやサービスがどんどん拡充されていく業界です。

希望の職種に就くために、研究室での研究内容が直結せずとも、将来的にキャリアアップを見据えた転職も視野に入れておくことも1つの手です。

研究室への進学を考えているのであれば、就職先との関連性はセットでとらえておくことをおすすめします。

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