はじめに
就職活動の準備を進める中で志望動機を作成することに苦戦している方も多いのではないでしょうか?
自己PRやガクチカと違って志望動機は基本的に会社ごとに異なってくるので、一度作れば終わりというわけにはいきません。
また大体の就活生は同じような志望動機になりがちなので、ここを差別化することで企業からの見え方も変わるでしょう。
そこで今回は「なぜこの会社なのか」という志望動機を効果的に差別化するポイントを解説します。
是非この記事を参考に、企業に「刺さる」志望動機を作ってみてください。
【なぜこの会社なのか】志望動機で見られているポイント
まずは「なぜこの会社なのか」という点をアピールする志望動機を伝える際に、企業が見ているポイントをご紹介します。
自己PRやガクチカと同様に企業の目線や観点を知ることは、選考を有利に進めることにも直結するので是非チェックしましょう。
熱意がどのくらいあるのか
まずは「熱意がどのくらいあるのか」です。
熱意とは主にその企業に対してどのくらい入社したいか、という点に関してです。
熱意を持っている=長期的な視点から見ても、仕事に対してやりがいを感じ、成長し続ける可能性が高いことを示唆します。
また企業は人材を長期的に育てて成長させることを重視するため、熱意を持っている学生には魅力を感じる傾向にあります。
加えて企業研究や業界研究の深さなどを踏まえて「熱意」があると判断する企業も多いでしょう。
なので、ただ「頑張ります!」といった熱意のアピールの仕方は極力避けるようにするべきです。
また直接その会社の先輩社員にできるだけ沢山話を聞くこと自体が「熱意」のアピールにも繋がるのでおすすめです。
学生の人柄
次に「人柄」です。
人柄は、主に面接時に受け答えや表情から好感が持てるかどうかで判断されるケースが多いでしょう。
具体的には、実際のコミュニケーション観点ではハッキリとした口調、笑顔や清潔感等が重要です。
ぶっつけ本番ではなくお風呂の中等で、笑顔や話す練習をしておくことが効果的です。
また志望動機に入れ込む内容としては、ポジティブ思考やしっかりと目標設定がなされているか、等からも判断されます。
さらに自分の人柄が業務でどのように活かせるのか紐づけて伝えることも効果的でしょう。
そうすることで企業に対するアピールをより強力なものにすることができます。
学生と企業のマッチ度
次に「企業のマッチ度」です。
学生がやりたいことと企業理念や経営方針がマッチしているか、という点をみています。
そこにズレがあると企業の根本的な部分で相性が良くないということになり、早期離職の恐れがあるからです。
例えば「先輩社員からじっくり指導を受けた上で現場に出たい」という思考の学生がいるとします。
対して企業が「まずは現場で慣れろ」という方針だった場合、ミスマッチが起こってしまい双方にマイナスが生じます。
こうした自体を避けるために企業はこの観点を重視するので、事前に企業理念や経営方針はチェックしておきましょう。
もし自分の志向に合わない場合はそもそも候補から外すということも検討するほうがいいでしょう。
【なぜこの会社なのか】なぜこの会社なのか見つけるポイント
ここからは「なぜこの会社」なのか、ということを見つけるポイントを3つご紹介します。
この3つを複合的に考えることで、なぜこの会社が良いのか見えてきます。
「有名だから」「大手だから」だけではなく、しっかりと自分なりの「理由」を見つけて納得感のある就活をしましょう。
就活の軸を明確にする
一つ目は「就活の軸を明確にする」ということです。
就活の軸とは、自分の価値観や働く上で譲れない条件のことです。
就活の軸を明確にする一つの考え方は、自分が将来、どうなりたいか、どう働いていたいか想像するということです。
未来のことなので分からないという人は過去の体験で自分がどんな時に喜びを感じ、熱中したかを思い出してください。
それが将来自分がどうありたいか、や自分の大事にしている価値観を明確にするヒントになります。
なぜこの業界を志望しているのか明確にする
二つ目は「なぜこの業界を志望しているのか明確にする」ことです。
「企業」ではなく「業界」であることがポイントで、まずは数ある業界からなぜその業界を志望しているのか明確にします。
そして、その業界で自分が何を成し遂げたいのかということを大きい視野で考えることが大切です。
「業界」という広いくくりから考えていくことで、フラットにその業界に対する志望動機を考えることができます。
会社の特徴を知る
三つ目は「会社の特徴を知る」ということです。
まずは会社のホームページや就活サイトから事業内容や経営方針等の会社の特徴を知ることができます。
ただそれだけだと他の学生と差別化が出来ないので、企業の口コミサイトに登録して社員のリアルな声を見ることも有効です。
それに関連して出来るなら先輩社員にOBOG訪問してネット上では知りえないような特徴を知ることもいいでしょう。
IRを確認する
「会社の特徴を知る」ということに関連して「IRを確認する」ことも重要です。
IRとは上場企業が株主や投資家の方に、財務状況や経営方針に関する情報を提供する活動のことです。
特に大手の企業は中期計画書など公開しているため、企業がどういう方向に向かっていきたいのか確認することができます。
自らが向かっていきたいキャリアの方向と掛け合わせて咀嚼することで他の就活生と差別化もできるでしょう。
IR情報までしっかりと抑えて準備している人はかなり少ないですが、読み込む労力がかかることも事実です。
なので自分が本当に行きたい志望度が高い企業に絞って対策するのがおすすめです。
【なぜこの会社なのか】志望動機を書く際のポイント
ここからは「なぜこの会社なのか」ということを伝える志望動機を書く際のポイントを3つご紹介します。
自分では良いことを言っているつもりでも、受け手からすると伝わりずらいと思われてしまうケースが非常に多いです。
企業の方の立場に立った内容、伝え方を意識して効果的な志望動機を作りましょう。
結論ファースト
まずは「結論ファースト」です。
結論を最初に述べて説明をすることで、簡潔かつロジカルな印象を与えることができます。
社会人は基本的に結論ファーストの説明を好み、また企業人事は数多くの学生の書類に目を通します。
なので「結論ファースト」で書かれた文章はすっと入ってくるので非常に印象が良い可能性が高いです。
つい時系列通り順番に書いてしまったりすることも多いのですが、気を付けましょう。
原体験からのエピソード
2つ目は「原体験からのエピソード」です。
「原体験」とは「実際に自分が体験したこと」です。
志望理由に至ったエピソードを原体験から述べ、企業の特徴を掛け合わせることで唯一無二の志望動機になります。
また差別化できるだけではなく、「自分の体験ベース」なので非常に説得力のある文章になり、企業人事も納得しやすくなります。
原体験もなしに「多くの人に影響を与えたい」と言っても、根拠も薄く誰でも言える志望理由になってしまうので注意してください。
活かせること・成し遂げたいことを明示
3つ目は「活かせること・成し遂げたいことを明示」することです。
志望動機の最後には活かせること・成し遂げたいことを示すことで、入社意欲・働くイメージを与えることができます。
志望動機に原体験に基づいたエピソードが盛り込めていたとしても、それだけでも悪くはないですが正直不十分です。
自己PRやガクチカで考えた自分の強みとかけ合わせて「活かせること」を伝えるのも一貫性がでていいでしょう。
【なぜこの会社なのか】志望動機を書く際の注意点
ここからが「なぜこの会社なのか」という志望動機を書く際の注意点を紹介していきます。
ポイントというより「これをしてはいけない」という観点で3つご紹介するので全てしないように気をつけましょう。
いくら良い志望動機を書いていてもこれらが含まれている時点で相当マイナスに働いてしまいます。
待遇に言及する
一つ目は「待遇に言及する」ことです。
待遇とは具体的には福利厚生や給与などのことです。
これらはネットの情報や口コミからでも大体分かることですし、企業からみてもあまり印象が良くありません。
理由としては企業の求める人物の大前提として自社に利益を生み出すことができる人材なのです。
なのでまだ入社もしていないのに待遇を気にするより、企業にとって役に立つ人材であることをアピールすべきでしょう。
更に言うと昇給等お金の面は自分が成果を出せば出すほど、後からついてくるものです。
始めからお金目当てに働こうとすること自体、順番が逆だという意識を持つことがとても大切です。
具体性がない
2つ目は「具体性がない」ということです。
自らの原体験などの具体的なエピソードがなければ、なぜその志望動機に至ったのか企業側としても納得しにくいです。
また繰り返しになりますが志望動機は「差別化」という観点が非常に重要です。
しかし具体的なエピソードがない志望動機はありふれたものになってしまうことが多く、印象に残りにくいでしょう。
そして具体的なものがないと学生自身が自分のことを深堀しきれてないのでは?と準備不足に見えることもあります。
もしどうしても具体的なエピソードがない人は「将来こうなりたいから御社を志望する」という形で作りましょう。
その場合も「なぜ将来そうなりたいのか?」という観点は見られるので、そこに対する理由付けもセットで考えておきましょう。
受け身
3つ目に「受け身」であることです。
待遇の部分でも言った通り、企業から与えられる何かを主軸に志望動機をつくることは避けるべきでしょう。
待遇以外にも「人から指示されて動く」ことを示唆したり、「他人きっかけ」のエピソードも危険です。
あくまで自発的にしたことを中心とした原体験を企業の特徴に上手くかけ合わせながら伝えることを意識してください。
企業が求めているのは、周りの人を巻き込む力、自ら掴み取る力を持った人材なのです。
実際に入社してからも明らかに受け身の人より積極性の高い人の方が仕事を任され、出世していくケースが多いことは事実です。
【なぜこの会社なのか】志望動機例文
ここからは「なぜこの会社なのか」ということを上手く伝えている志望動機の例文を2つご紹介します。
是非自分の志望動機を見比べてみて、盗めるところは盗んでブラッシュアップしてみましょう。
IT企業
貴社に入社し、学んだ知識を活用して業務効率向上や顧客満足度の向上に貢献したいと強く志望いたします。
以前、配達のアルバイトをしていた際に、電話での注文がアプリで簡単に受けられるようになり業務効率が大幅に向上しました。
電話で注文を受けていた時間を別の業務に割くことができ、顧客満足度も向上しました。
この経験から、IT技術が業務改善に大きなインパクトをもたらすことを実感しました。
専門的なスキルはまだ身につけていないものの、情報技術やプログラミングに関する基本的な知識を学んでいます。
貴社に入社すれば、これらの知識をさらに深め、実務に活かすことができると確信しています。
また、コミュニケーション能力やチームワークを大切にし、共同でプロジェクトを進めることにも自信があります。
入社後は世の中に革新的なITソリューションを提供することを目指して、積極的にチャレンジし続けたいと思っています。
最後に、貴社での研修や実務を通じて、私自身も成長し、IT技術を活用した業務改善や顧客満足度向上に貢献したいです。
製薬会社
私自身が高校生の時に祖父のがんと向き合った経験があります。
祖父は余命1年の宣告を受けましたが、抗がん剤治療のおかげで寿命を3年伸ばすことができ、成人の姿を見せることができました。
その経験ががん治療に関する研究開発の重要性を私に痛感させ、貴社に入社し貢献したいという熱意を抱かせました。
貴社の研究開発チームに参加することで自己の成長を促すと同時に、チームの一員として積極的に貢献していきたいと考えています。
また、祖父の闘病を通じて得た経験や感情を理解し、患者様の立場に立って研究開発に取り組みたいと思っています。
そうすることでより効果的な治療法や新薬の開発に繋げられると信じています。
貴社に入社すれば、がん領域の研究開発において最先端の技術や知識を学び、自己成長に努めることができます。
そして、その成果を多くの患者様やご家族に届けることで、私の祖父のように、がんと闘っている方々に希望を届けられます。
この強い想いを胸に、貴社での研究開発に全力で取り組み、貢献したいと思っております。
【なぜこの会社なのか】それでも志望動機が思いつかない時は
ここまで志望動機に効果的な書き方を解説してきましたが、それでも思いつかない場合もあるでしょう。
そんな時は就活エージェントに頼ってみるのも一つの手です。
専属アドバイザーが内定獲得まで徹底サポートしてくれるので納得いくまで自分の志望動機を練り上げる事が出来ます。
また、満足いくまで何度も面接練習等も実施してくれるのでぶっつけ本番よりもはるかに効率的な準備が可能です。
まとめ
今回は「なぜこの会社なのか」という志望動機を差別化するポイントや注意点等をご紹介しました。
志望動機は他の就活生とどうしても似た内容になりやすい分、差別化すると目立ちやすくなります。
自らの原体験と企業の特徴を掛け合わせることで、自分だけの志望動機になっているか?という点をぜひ意識しましょう。
ぜひともこの記事を参考に企業が唸る志望動機を作って、後悔のない就活をしてくださいね。
最後までお読みいただいてありがとうございました。