HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
自己PRや志望動機、ガクチカ、長所短所などに加えて、「成果を上げた経験」はエントリーシート(ES)でも面接でも対策が必須です。
それは多くの大手企業が、応募者の実績を重視しているからです。
伊藤忠商事株式会社
「チームで取り組み成果を上げたこと」
株式会社サンゲツ
「成し遂げた成果3つ」
株式会社三菱総合研究所
「専門分野とその成果」
株式会社横浜銀行
「これまでに成し遂げたこと」
【ES成果を上げた経験】なぜ成果をESで?
企業がESや面接で「成果を上げた経験」を聞くのは、応募者の実力や適性を評価するためです。
企業側の意図を理解することで、的外れな回答を避け、効果的に自己アピールができます。
以下で主な意図を紹介するので参考にしてください。
ポテンシャル評価
企業がESで「成果を上げた経験」を聞く理由の一つは、応募者のポテンシャルを評価するためです。
この質問に対する回答から、応募者の問題解決能力、リーダーシップ、コミュニケーションスキルなどが浮き彫りになります。
例えば、どのような課題に直面し、それをどのように解決したのか、どのような結果を生んだのかを示すことで、応募者の行動パターンや価値観を企業側は把握することができます。
これにより、そのスキルや強みが入社後に企業でどのように活かせるかを評価することができます。
ミスマッチ確認
企業が「成果を上げた経験」をESで聞くもう一つの理由は、ミスマッチを防ぐためです。
応募者がどのように思考し行動するか、その過程でどのような工夫や考え方を持っているかを知ることができます。
これらの情報は、応募者が企業のやり方やビジョンに合っているかを判断する材料となります。
企業と応募者の価値観や行動パターンが一致していないと、早期離職のリスクが高まります。
適性を確認することで、入社後のミスマッチを防ぎ、長期的な貢献が期待できる人材を選び出すことができます。
【ES成果を上げた経験】成果とは
成果とは、何かを成し遂げた結果として得られる具体的な結果や実績を指します。
単なる行動や過程を示すだけではなく、その行動がどのような結果をもたらしたのかを明確にすることが重要です。
例えば、テーマが「アルバイト」であれば、「お客様に寄り添った接客をした」というだけでは成果を示していることにはなりません。
しかし、「お客様に寄り添った接客をした結果、お客様満足度が上がった」という表現にすると、具体的な成果を示すことになります。
ガクチカとの違い
成果とガクチカは、その焦点が異なります。
成果とは、特定の行動や努力によって得られた具体的な結果や実績を指します。
企業は、応募者がどのような結果を出し、それがどのように組織やプロジェクトに貢献したかを評価します。
一方、ガクチカは結果よりも過程に重きを置きます。
学生時代に力を入れた活動や取り組みを通じて、どのような経験を積み、何を学んだかが重要です。
たとえ成果が具体的な形で現れなかったとしても、その取り組みから得た教訓やスキルを伝えることが大切です。
【ES成果を上げた経験】書き方
ESで成果を上げた経験について書く際、どんな文章構成だと企業に刺さるかということを解説します。
「1. 結論 2. 目標 3. 行動・結果 4. 学び」で書くことを意識すると、簡潔に、過不足なく効果的に伝えることが可能となります。
-
1
- 結論
- 成果は何か
-
2
- 目標
- 何を目標に取り組んだのか
-
3
- 行動・結果
- 何をしたらどうなったのか
-
4
- 学び
- 取り組みから何を学んだのか
1. 結論「成果は何」
成果をアピールする際には、最初に結論を伝えることが重要です。
結論ファーストはビジネスにおいて必須であり、読者にとって理解しやすい文章を作るための基本です。
例えば、「営業の長期インターンで4ヶ月連続で件数1位を取り続けた」といった具体的な成果を冒頭に示すことで、その後の説明がスムーズに理解されます。
このように、明確な成果を最初に示すことで、読者の関心を引き、その後の詳細な説明に対しても興味を持ってもらいやすくなります
・営業の長期インターンで4ヶ月連続で件数1位を取り続けた
・3年続けた塾講師のアルバイトで担当した生徒全員を第一志望に合格させた
・マーケティングの長期インターンで広告のctrを1.0%から2.7%まで向上させた
・ボランティアサークルの一員として0から企画、集客、運営を行なったイベントで参加者の満足度平均4以上を獲得できた
・海外へ行き家を建てるボランティアサークルの一員としてミャンマーに家を建てた
2. 目標「何に向かって」
成果を説明する際には、その背景や目標を明確にすることが重要です。
どのような目標や課題に向かって取り組んだのかを伝えることで、あなたのモチベーションの源泉や大切にしている価値観をアピールできます。
これにより、選考担当者はあなたが問題意識や課題発見意識を持ちながら活動できる人物であることを評価できます。
目標を明確にすることで、あなたの行動や成果がどのようにして生まれたのかが理解しやすくなります。
3. 行動・結果「何をしたらどうなった」
次に、目標や課題に対してどのように取り組んだか、具体的な行動とその結果を伝えることが必要です。
どのような思考をし、どのような工夫を行い、具体的にどのような行動を取ったのかを詳細に伝える意識をしてください。
そして、その結果として何が達成されたのかを明確に示すことがポイントです。
このように、行動と結果をセットで示すことで、選考担当者はあなたの問題解決能力や実行力を評価しやすくなります。
4. 学び「何を学んだ」
一連の取り組みを通じて何を学んだのかを論理的かつ具体的に伝えることが重要です。
「諦めないことの大切さを学んだ」といった単純な表現ではなく、具体的な学びを示すことが求められます。
「問題点を一つ一つ分析し、目標から逆算して具体的なアクションプランを立てることで着実に目標に近づく方法を学んだ」のように具体的な行動や結果に基づいて学びを伝えてください。
【NG】
「諦めないことの大切さを学んだ」
【OK】
「問題点を一つ一つ分析し、目標から逆算して具体的なアクションプランを立てることで着実に目標に近づく方法を学んだ」
学びを明確にすることで、自己PR全体の説得力が増し、成長意欲を強くアピールできます。
【ES成果を上げた経験】ポイント
上述した文章構成をしっかり作ることも大事ですが、さらに魅力的な文章にするための意識すべきポイントをいくつか紹介します。
以下の観点が盛り込まれているほど、他の就活生とも差別化できるので是非実践してください。
解釈と事実を分ける
ESで成果を上げた経験を書く際には、解釈と事実を明確に分けることが重要です。
解釈は主観的な見方や感想であり、事実は客観的なデータや結果です。
例えば、「参加者の満足度を上げられた」というのは解釈に過ぎませんが、「アンケートの結果、参加者の満足度平均が4以上を獲得できた」というのは事実です。
また、事実を伝えることで、選考担当者に具体的な実績や成果をより明確に伝えることができます。
事実に基づいた情報は信頼性が高く、実力を効果的にアピールすることができます。
論理的に記述する
成果を上げるための過程をESで記述する際には、論理的に考えて一貫性のある内容にすることが重要です。
目標に対してどのような事実があり、それをどのように分析し、仮説を立てて行動したかを詳細に説明します。
「売上を20%向上させるために、まず現状のデータを分析しました。その結果、新たなマーケティング戦略を導入し、具体的な施策を実行しました」
論理的な記述は、ビジネスの場でも求められるスキルであり、思考プロセスや問題解決能力を効果的に伝えることができます。
具体的な数字を用いる
成果を明確に伝えるためには、具体的な数字を用いることが効果的です。
数字を使うことで、成果の大きさや影響が具体的にイメージしやすくなります。
【改善前】
「退部率を下げることができた」
【改善後】
「退部率を35%低くさせた」
数字を用いることで、あなたの成果がどれほどのインパクトを持つものだったかを明確に示すことができ、選考担当者に強い印象を与えることができます。
【ES成果を上げた経験】注意点
ここからは逆にESで成果を上げた経験を伝える時に注意すべき観点について解説します。
内容や文章構成が素晴らしいものでも、以下のような点が存在してしまうと一気にマイナス評価になるので注意してください。
盛る・嘘はダメ
ESで成果を上げた経験を書く際には、事実を盛ったり嘘をつくことは絶対に避けるべきです
まず、面接で深掘りされた際に嘘が露見すれば、応募者の人格を疑われることになります。
ビジネスは信頼関係で成り立っており、信頼を損なう可能性のある人材は企業にとってリスクとなります。
さらに、嘘や盛り話をすると、一貫性が失われ、その場しのぎの内容になりがちです。
結果として、内容が薄くなり、選考担当者の印象に残らないことが多く、選考突破が難しくなります。
一貫性を持つ
ESで成果を上げた経験を書く際には、一貫性を持つことが重要です。
思考の結果や大切にしている価値観がコロコロ変わったり、行動に対する結果がずれていると、選考担当者に違和感を与えます。
選考担当者は、一貫性のある文章を読むことで、その応募者がどれだけ信頼できるかを判断します。
一貫性のある内容は、応募者が自身の経験を深く理解し、それを論理的に伝える能力があることを示します。
そしてビジネスの世界では、一貫性が信頼性の基盤となるため、このポイントを意識してESを書くことが大切です。
【ES成果を上げた経験】ない場合
自分には成果を上げた経験がないと思ってしまう人もいると思います。
しかし、そういった人は自分に厳しかったり、目標が高すぎることが原因で、客観的に見れば十分に成果を上げている場合も多いです。
ただ、それでも成果がないと感じる場合の対策について解説するので、参考にしてみてください。
過去経験を深掘りする
自分に「成果がない」と感じる場合でも、過去を振り返ることで意外な成果を発見することができます。
まず、定量的な変化が無かったかを振り返り、数値で表せる成果や変化があるかを確認することです。
次に、雰囲気の変化、風土の変化、行動の変化、関係性の変化などの定性的な変化を確認します。
そして、その頑張りを見ていた身近な人にフィードバックをもらいましょう。
この流れを繰り返すことで、定量的・定性的な両面から自分の成果を再定義できます。
これから成果を上げる
もし現在、自分に「成果がない」と感じているなら、これから行動を始めてみてください。
以下におすすめの方法をいくつか紹介します。
ボランティア活動は、定量的な成果を文章化するのが難しい場合がありますが、すぐに始められるのが利点です。1日あれば参加でき、地域社会や環境保護など、さまざまな分野で活動できます。
ビジネスコンテストは、時間と労力を要するものの、得られる成果の質が非常に高くなります。
コンテストで入賞すれば、その経験自体が強力なアピールポイントとなり、企業からの評価も非常に高いです。
長期インターンシップは、お金を稼ぎながら企業の実際の業務に携わることができ、定量的な成果を上げやすい環境です。
また、実際の業務経験を積むことで、ビジネススキルや職場でのコミュニケーション能力も向上します。
ライターとしての活動は、アルバイトや業務委託として企業やブロガーから依頼を受けて執筆する仕事です。
特に記事のライティングでは、閲覧数や順位など、定量的な成果を把握しやすいです。
SNS運用は、自分の好きなトピック(「経済」「MBTI」「骨格診断」など)でアカウントを0から作成し、フォロワーを増やしていく活動です。
いいね数やフォロワー数といった定量的な成果が見やすく、成果がわかりやすいです。
スピーチコンテストは、準備に時間や労力を要するものの、大学内外で頻繁に開催されているため、時期を問わず成果を上げることができます。
またプレゼンテーションスキルやリーダーシップをアピールする絶好の機会となり、企業からの評価も高まります。
【ES成果を上げた経験】例文5選
これまでは成果を上げた経験をESで書く際のポイントや注意点等を解説してきましたが、実際に例文を見た方が分かりやすい側面もあると思います。
そこで経験別に分けていくつか例文を紹介するので参考にしてみてください。
営業長期インターンでの成果
大学3年生の夏季休暇中、私はIT企業で営業の長期インターンシップに参加しました。
当初、営業目標に対する達成率が低く、チーム全体の士気も下がっていました。
そこで、私はターゲットリストの見直しと、提案資料の改善を提案しました。
特に、顧客ニーズに基づいたカスタマイズ提案を重視し、プレゼンテーションの質を向上させました。
また、毎週のミーティングで進捗報告と共有を行い、チーム全体の連携を強化しました。
その結果、4ヶ月間連続で個人営業件数1位を達成し、チーム全体の売上も20%増加しました。
この経験を通じて、分析力と提案力の重要性を学び、チームでの協力の大切さも実感しました。
(284文字)
マーケティングインターンでの成果
大学2年生の時、広告代理店でマーケティングの長期インターンシップに参加しました。
初めての業務で、担当する広告キャンペーンのクリック率(CTR)が低迷していました。
そこで私は、過去のデータを徹底的に分析し、クリエイティブとターゲティングの改善策を提案しました。
具体的には、ターゲット層の趣味嗜好を反映したクリエイティブを制作し、広告配信のタイミングを見直しました。
また、A/Bテストを実施し、最適な広告パターンを特定しました。
その結果、CTRを1.0%から2.7%まで向上させることができ、クライアントから高評価を得ました。
この経験から、データ分析の重要性と、仮説検証を通じて最適な戦略を見つけ出すプロセスの大切さを学びました。
(313文字)
サークルイベントでの成果
私は大学のサークルで学園祭のイベント企画を担当しました。
当初、参加者が少なく、イベントの成功が危ぶまれていました。
そこで、SNSを活用した広報活動と、地域の店舗とのコラボレーション企画を提案しました。
具体的には、SNSでの定期的な更新と、イベント前のティーザーキャンペーンを実施し、興味を引くコンテンツを発信しました。
また、地元のカフェやレストランと提携し、イベント限定の特典を提供しました。
その結果、参加者数は前年の2倍に増加し、アンケート結果でも満足度平均4.5以上を獲得することができました。
この経験を通じて、企画力と広報戦略の重要性を学び、チームでの協力の大切さを実感しました。
(293文字)
ボランティア活動での成果
私は大学2年生の時に、地元のコミュニティセンターでボランティア活動を行いました。
主に高齢者向けのIT教室を担当し、パソコンやスマートフォンの基本的な使い方を教える活動を行いました。
当初、参加者が少なく、教室の運営が厳しい状況でした。
そこで、地域の広報誌やSNSを活用して、教室の存在とメリットを広く知らせるキャンペーンを実施しました。
また、参加者がより理解しやすい教材を作成し、個別指導を強化しました。
その結果、参加者数は3ヶ月で倍増し、多くの高齢者から感謝の言葉をいただくことができました。
さらに、教室の継続的な運営に貢献し、地域社会とのつながりを深めることができました。
この経験を通じて、コミュニケーションスキルと企画力を向上させることができ、社会貢献の重要性を改めて実感しました。
(343文字)
塾講師バイトでの成果
私は大学1年生から3年間、塾講師のアルバイトを続けました。
主に中学生の英語と数学を担当し、彼らの学力向上に尽力しました。
当初、担当する生徒の中には学習意欲が低い生徒も多く、成果を上げるのが難しい状況でした。
そこで、私は一人ひとりの理解度に応じた個別の学習プランを作成し、定期的に進捗をチェックすることで学習意欲を引き出しました。
また、親との定期的な面談を実施し、家庭での学習環境の改善も提案しました。
その結果、担当した生徒全員が第一志望の高校に合格することができ、保護者からも高い評価をいただきました。
この経験を通じて、教育における個別対応の重要性と、コミュニケーションの大切さを学びました。
今後もこの経験を活かし、教育分野でのキャリアを追求したいと考えています。
(332文字)
【ES成果を上げる経験】添削はこちら
この記事では就活のESで成果を上げた経験について企業が聞く意図や、意識すべきポイント等について解説しました。
ガクチカと少し混同される部分がありますが、あくまで「成果」を上げた経験なので、過程だけではなく、定量的かつ定性的に示せるようなエピソードを選択してください。
自分に成果がないと悩む人もいると思いますが、誰にでも成功体験は必ずあるので過去を振り返るか、もしどうしてもなかったらこれから作っても全く問題ありません。