HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
就活の選考の一つとして、「デザイン思考テスト」が出される企業が増えています。
そこで今回はデザイン思考テストについてそこまで詳しくなく、どんな対策をしたらいいか分からないという方に向けて、その対策法を解説します。
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【デザイン思考テストの対策】デザイン思考テストとは
デザイン思考テストは、ビジネスの課題を創造的に解決する力を評価するテストです。
これにより、従来の学歴や一般的なテストでは測れない創造力や問題解決能力を持つ人材を見つけることができます。
以下に、デザイン思考テストの概要と種類について詳しく説明します。
デザイン思考テストの概要
デザイン思考テストは、ビジネスにおける課題解決能力、特に「創造的問題解決」の思考法であるデザイン思考力を計測するためのテストです。
デザイン思考は、人間中心のアプローチで、共感、問題定義、アイデア創出、プロトタイピング、テストといったステップを通じて革新的な解決策を見つけるプロセスです。
このテストでは、受験者がどの程度この思考法を使って課題を解決できるかを評価します。
結果として、企業は学歴や通常のテストだけではわからない、実践的な創造力を持つ人材を特定できるメリットがあります。
デザイン思考テストの種類
デザイン思考テストには、誰でも受験可能な「公開テスト」と各企業や団体が行う「団体テスト」の2種類があります。
公開テストは、一般の人々が自費で受験できるもので、定期的に開催されています。
一方、団体テストは企業や教育機関が特定の日時に実施し、受験者は指定された日時にテストを受けます。
団体テストの場合、企業が受験料を負担することが多く、結果の開示については企業の方針によります。
公開テストは、一般に公開されているデザイン思考テストで、誰でも受験が可能です。
受験料は税込み4,950円であり、テストの日時は公式ウェブサイトに掲載されています。
公開テストの結果は5日以内に通知され、そのスコアは2年間有効です。
これにより、受験者は自分のデザイン思考力を確認し、そのスコアを履歴書や応募書類に記載して活用することができます。
団体テストは、企業や教育機関が特定の日時に実施するデザイン思考テストです。
企業が主催するため、受験者側は通常、受験料を負担する必要がありません。
テストの結果は企業の方針により開示されるかどうかが決まります。
また、スコアの利用についても企業によって異なり、採用や評価の一環として活用される場合があります。
デザイン思考テストの採用企業
デザイン思考テストは、多くの大手企業や教育機関で採用されています。
現代の変化の激しいビジネス環境では、学歴や一般的なテストでは測れない創造力や柔軟な思考が求められています。
デザイン思考テストを導入することで、企業はこうした能力を持つ人材を見つけやすくなります。
特に、イノベーションや新しいビジネスモデルの開発が求められる業界では、このテストを通じて、将来のリーダーやイノベーターを選抜することができます。
教育機関でも、学生の創造力を評価し、次世代のリーダーを育成するために活用されています。
【デザイン思考テストの対策】デザイン思考テストの流れ
デザイン思考テストは、創造セッションと評価セッションの2つのセッションで構成され、各セッションは30分ずつ行われます。
まず、創造セッションでは、ランダムに提示されるキーワードの組み合わせに基づいてアイデアを作成します。
次に、評価セッションでは、先に作成したアイデアを評価し、改善点や実現可能性について考察します。
全体のテスト時間は合計1時間で、効率的かつ効果的にアイデアを生成し評価する力が試されます。
【デザイン思考テストの対策】デザイン思考テストのスコア
デザイン思考テストの結果は、SSランクからEランクまでのスコアで評価されます。
SSランクは最高評価で、非常に高い創造力と問題解決能力を示します。
一方、Eランクは最低評価で、改善の余地があることを示しています。
このスコアは、受験者のアイデアの独創性、実現可能性、問題解決の具体性などを基準に評価されます。
例えば、SSランクは極めて革新的なアイデアと実行力を持つ人材を示し、企業にとって非常に価値のある人材と見なされます。
スコアは受験者の創造的思考力を客観的に評価するための指標となり、就職活動やキャリアアップの際に活用されることが多いです。
【デザイン思考テストの対策】創造セッション
デザイン思考テストの創造セッションは、受験者の創造力と問題解決能力を評価する重要な部分です。
このセッションでは、与えられたキーワードに基づいてアイデアを生成し、具体的な解決策を考える力が試されます。
創造セッションの流れと評価ポイントについて詳しく説明します。
創造セッションの流れ
創造セッションは、Who、Where、Whenの要素を選択するところから始まります。
選択した要素に基づき、20~120文字のテキストでWhyに関する願望を記入します。
この願望を解決するために必要なシーズ(Seeds)を選択し、さらに20~120文字で具体的なHowのアイデアを記入します。
これらのテキストは、時間内であれば何度でも修正が可能です。
セッションは全体で30分間行われ、その中でどれだけ創造的かつ実現可能なアイデアを生み出せるかが求められます。
創造セッションの評価ポイント
創造セッションでは、ニーズ発見力スコアとソリューションスコアがそれぞれ100点満点で評価されます。
ニーズ発見力スコアは、人間の根本的なニーズや時代を先取る新しいニーズを見つけ出す力を評価します。
このスコアは、受験者がどれだけ深くユーザーのニーズを理解し、それに応えるアイデアを生み出せるかを測るものです。
一方、ソリューションスコアは、発見されたニーズに対して親和性の高い、適切なソリューションを作り出す力を評価します。
両方のスコアは、受験者の創造力と問題解決能力を総合的に評価するための重要な指標となります。
【デザイン思考テストの対策】評価セッション
デザイン思考テストの評価セッションは、受験者が他の受験者のアイデアを評価するプロセスです。
このセッションでは、創造力や問題解決能力を評価するだけでなく、他者のアイデアに対する批判的な視点や分析力も試されます。
評価セッションの流れ
評価セッションでは、他の受験者が提出したアイデア(WhyとHow)を4段階で評価します。
この評価は、「全くそう思わない」から「非常にそう思う」までの4段階で行われます。
まず、Who、Where、Whenに基づく願望(Why)について、「共感できるか」「他の方法で解決が難しい内容か」の観点から評価します。
次に、その願望を解決するアイデア(How)について、「新規性(既存の解決策が無い)の高い解決法か」「有効性・実現可能性があるか」の観点で評価します。
評価セッションの評価ポイント
評価セッションでは、主に2つの評価ポイントがあります。
まず、ニーズ発見の評価ポイントは、未解決のニーズや願望の強さを見抜く力です。
受験者は他者の願望がどれだけ共感を呼び、新しい視点を提供しているかを評価します。
次に、ソリューションの評価ポイントは、提案された解決策がどれだけ有効で革新的かを見抜く力です。
これは、アイデアの新規性や実現可能性を評価することで測られます。
受験者は、他者のアイデアが実際の問題解決にどれだけ役立つかを判断し、適切に評価することが求められます。
【デザイン思考テストの対策】デザイン思考の考え方
デザイン思考は、ユーザー中心の問題解決アプローチであり、共感、問題定義、アイデア創造、試作、テストの5つのステップから成り立ちます。
これらのステップを通じて、創造的かつ実践的なソリューションを見つけることができます。
以下に、デザイン思考の各ステップについて詳しく説明します。
共感
デザイン思考の第一歩は共感です。
ユーザーの潜在ニーズはしばしば明確に言語化されていないため、ユーザーの視点に立って問題を理解することが重要です。
共感のステップでは、ユーザーの感情や行動、経験に深く入り込み、彼らが直面している課題や不満を把握し、インタビュー、観察などの手法を用いて行います。
共感を通じて得られた洞察は、後の問題定義やソリューションの創造において非常に重要な基盤となります。
問題定義
共感のステップで得た洞察を基に、解決すべき問題を明確に定義します。
問題定義のステップでは、ユーザーの視点から問題を再構築し、具体的な課題として表現します。
これにより、解決すべき核心的な問題を特定し、それに対するソリューションを考えるための基盤を作ります。
問題を正確に定義することで、後のアイデア創造や試作の方向性が明確になり、より効果的な解決策を見つけることができます。
アイデア創造
問題が明確になったら、次はその問題を解決するためのアイデアを創造します。
このステップでは、自由な発想とクリエイティブな思考で、多様な解決策を考え出します。
ブレインストーミングやマインドマップなどの手法を用いて、多くのアイデアを出し、その中から最も効果的で実現可能なものを選びます。
アイデア創造のプロセスでは、既存の枠にとらわれず、革新的で新しい視点から問題を解決する方法を見つけることが重要です。
試作
アイデアを選定したら、それを実際に試作(プロトタイプ)に移します。
試作のステップでは、アイデアを具体的な形にすることで、その有効性や実現可能性を検証します。
プロトタイプは、物理的なモデルやデジタルプロトタイプ、サービスのシミュレーションなど、多様な形で作成されます。
この段階では、プロトタイプを作成し、ユーザーからのフィードバックを得ることで、アイデアの改善点や新たな課題を発見します。
テスト
最後のステップはテストです。
試作したプロトタイプをユーザーに試してもらい、実際の使用感や反応を評価します。
テストの目的は、プロトタイプがユーザーのニーズにどれだけ適合しているか、またその効果を確認することです。
ユーザーのフィードバックを基に、プロトタイプを改良し、再度テストを行うことで、最終的なソリューションを洗練させていきます。
このプロセスを繰り返すことで、ユーザーにとって最適な解決策を見つけることができます。
【デザイン思考テストの対策】デザイン思考テストの対策のポイント
デザイン思考テストで高得点を狙うためには、日常生活での習慣や思考方法の工夫が重要です。
これにより、創造力や問題解決能力を効果的に伸ばすことができます。
以下に、デザイン思考テストの対策ポイントをいくつか解説します。
日常的に疑問を多く持つようにする
デザイン思考テストの準備として、日常的に人々を観察し、疑問を持つ習慣を身につけることが重要です。
例えば、公共の場や職場での人々の行動や言動を注意深く観察し、彼らが直面している問題や潜在的なニーズを見つけ出すことが求められます。
その上で、その人の気持ちになってアイデアを考えることで、共感力を高めることができます。
こうした習慣を続けることで、デザイン思考テストで求められる観察力や共感力が自然と養われます。
アイデアのアウトプットを習慣にする
アイデアを考えるだけでなく、実際に周りの人にアウトプットすることも非常に重要です。
アイデアを周囲の人に話し、フィードバックをもらうことで、自分の考えを客観的に見直すことができます。
繰り返しアウトプットを行うことで、アイデアの表現方法が洗練され、よりわかりやすくなります。
また、他者の視点からのフィードバックを受けることで、自分では気づかなかった課題や改良点を発見することができます。
他人のアイデアを評価する
他人のアイデアを評価することも、デザイン思考テスト対策の一環として有効です。
誰かのアイデアに対して、良い点や改善点を見つける練習をすることで、批判的思考力と評価力が養われます。
これにより、自分のアイデアをより客観的に評価する能力が身につきます。
また、他人のアイデアを評価する際には、その背景や目的を理解し、共感することが重要です。
このプロセスを通じて、他者の視点を取り入れた多角的な問題解決のアプローチを学ぶことができます。
定期的に他人のアイデアを評価することで、自分のアイデアの質も自然と向上していきます。
【デザイン思考テストの対策】デザイン思考テストの注意点
デザイン思考テストに挑戦する際には、いくつかの注意点を押さえておくことが重要です。
タイピング速度や取り組みやすい言葉の選び方、受講方法などが、テストの結果に大きな影響を与えることがあります。
それぞれの注意点について詳しく説明します。
タイピングの速度
デザイン思考テストでは、制限時間内にアイデアを考え、具体的に記述する必要があります。
そのため、タイピングの速度が遅いと、どれだけ素晴らしいアイデアを持っていても、それをすべて入力しきれない可能性があります。
日常的にタイピング練習を行い、スピードと正確さを向上させることが重要です。
特に、思考と入力が同時に進むような速さを目指すことで、時間内に多くのアイデアを記述することが可能になります。
取り組みやすい言葉を選ぶ
デザイン思考テストでは、与えられたキーワードの組み合わせに基づいてアイデアを生成します。
ここで、自分がなじみのある内容や興味を持っているテーマを選ぶことがポイントです。
なじみのある言葉を選ぶことで、アイデアが出やすくなり、より具体的で実現可能なソリューションを考えることができます。
また、自分の得意分野や経験に基づいたテーマを選ぶことで、自信を持ってアイデアを展開することができ、結果として高い評価を得られる可能性が高まります。
受講方法
デザイン思考テストは、制限時間内に複数のアイデアを記述する形式で行われます。
そのため、入力のしやすさが非常に重要です。
スマートフォンなどの小さな画面では入力が困難なため、できるだけパソコンから受講することをお勧めします。
パソコンを使用することで、タイピング速度が向上し、画面も大きいため視認性が良くなります。
また、パソコンの方が複数のウィンドウを開いて作業することも容易であり、アイデアの整理や参照もスムーズに行えます。
【デザイン思考テストの対策】よくある質問
デザイン思考テストに対する関心が高まる中、多くの受験者が共通して抱える疑問があります。
これらの疑問を解消することで、デザイン思考の理解を深め、テスト対策を効果的に進めることができるので、以下解説します。
デザイン思考が注目されている理由は?
デザイン思考が注目される理由の一つは、他のテストでは測りにくい課題解決思考を評価できる点にあります。
AI技術が進展し、多くの単純作業が自動化される現代において、人間にしかできない創造的な問題解決能力が重要視されています。
デザイン思考は、ユーザーのニーズを深く理解し、多角的な視点から新しいアイデアを生み出す過程を重視します。
これにより、企業は革新的なソリューションを提案できる人材を見極めることができるため、デザイン思考テストが採用プロセスにおいて注目されています。
デザイン思考を身に付けるメリットはある?
デザイン思考を身に付けることで、多角的な視点から物事を考えられるようになり、様々な場面で応用することができます。
ビジネスだけでなく、日常生活や社会的な課題解決にも役立つスキルです。
デザイン思考は、ユーザーの潜在的なニーズを見つけ出し、それに応じた革新的な解決策を提供する能力を育んでくれます。
また、チームでの協働やコミュニケーション能力も向上させるため、組織内でのリーダーシップやプロジェクト管理においても大いに役立ちます。
デザイン思考テストを対策できるサイトは?
デザイン思考テストの対策をするために役立つサイトとして、「デザイン思考テストガイド」があります。
公式サイトでは、チュートリアルを受けることができ、テストの流れや評価基準について詳しく学ぶことができます。
また、模擬テストやサンプル問題を通じて、実際のテストに向けた準備を進めることができます。
このサイトを利用することで、デザイン思考テストに対する理解が深まり、対策を効果的に進めることができます。
デザイン思考テストを対策できる参考書は?
デザイン思考テストに特化した参考書はSPIなどのように多くはありませんが、公式テキストブックとして「破壊的イノベーションの起こし方」という本があります。
この本は、デザイン思考の基本的な考え方や実践方法を学ぶのに役立ちます。
参考書を活用することで、テスト対策を効率的に進めることができ、実際のビジネスシーンでも応用できる知識とスキルを得ることができます。
まとめ
今回は昨今ビジネスの場でも活用されている「デザイン思考」のテストが就活の選考で課されている場合の対策方法について解説しました。
デザイン思考は高得点を取ることも重要ですが、対策や準備をしておくだけでも自分のキャリアにおいて非常に役立ちます。
学生時代にこのテストを受験する機会はかなり限られているので、この記事を読み込んで、参考書等も含めて万全の状態で挑んでください。