キャリア支援のプロが語る、新卒コンサル出身者の市場価値とは?

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伊東美奈
Digmedia編集長
伊東美奈

HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。

終身雇用の崩壊が叫ばれる現在。

転職を前提にファーストキャリアを選ぶ傾向が就活生の間で強まっています。

中でも「転職での市場価値の高さ」を理由に、新卒でコンサル志望の学生は多くいます。

そこで今回はこれまでに10,000人以上のキャリア支援を行い、人材、特に転職業界の第一人者のキープレイヤーズ代表取締役の高野秀敏さんに転職現場からみた本当のコンサルタントの市場価値についてお聞きしました。

<聞き手:松岡(digmee編集部)>

ベンチャー・スタートアップが欲しいのは外資コンサル出身者よりもメガベンチャー出身

 

高野さん、本日はインタビューをお受けいただきありがとうございます!
転職の現場の第一線で活躍されている高野さんに、就活生からみた転職と実際の転職現場の違いについてお伺いできたらと思いますのでどうぞよろしくお願い致します。

 
 

よろしくお願いします。

[高野秀敏さんプロフィール]

宮城県仙台市出身。

1999年インテリジェンス(現パーソルキャリア)入社。

2005年ベンチャー・スタートアップ転職求人の専門エージェント 株式会社キープレイヤーズを設立。

今までに3,000名以上の経営者の相談と10,000人以上の個人キャリアカウンセリングを行う。

株式会社クラウドワークス元社外取締役、株式会社メドレー社外取締役など5社以上の社外役員を経験。

また、メルカリやDeNA、電通などメガベンチャーから大手企業の採用支援まで行う。

エンジェル投資を国内・シリコンバレー・バングラデシュで実行。

NewspicksやForbesなどのメディア出演も多数。

 

早速ですが、近年会社や社会がどうなるかわからない不安から、1つの会社に勤め上げるのではなく、いずれは転職しようと考えている学生が増えています。

 
 

私もそれは実感しています。

 
 

特に外資系コンサル会社からベンチャーの役員に転職するキャリアもあることから、最近では日系大手に比べて短期にスキルアップできると外資系コンサルティング業界が就職人気ランキングでも人気となっています。


実際、外資系コンサルタントは転職において市場価値が高いのでしょうか?

 
 

それは面白い視点ですね。

ちなみに、外資系コンサルタントからベンチャー・スタートアップの役員になった実例っていくつぐらいご存知ですか?

 
 

えっと、Leveragesの垂水さん、経営共創基盤の塩野さんはベイン・アンド・カンパニーで外資系投資銀行も経てらっしゃいますね…。

あとは ONE CAREERの北野さんでしょうか?

 

※Leverages: 人材サービスや広告、医療分野のサービスを行うベンチャー企業。

渋谷ヒカリエに本社を構え、従業員数260名(2017年6月時点)。

※経営共創基盤: コンサルティングやM&Aアドバイザリーなどの経営支援をサービスとして提供している企業。

プロフェッショナルと呼ばれる従業員数は220名。

※ONE CAREER: ワンランク上のキャリアを目指す学生向けの就活情報サイト「ワンキャリア」を運営。

 

コンサル出身の方は、ベンチャー企業には必要ないのでしょうか?

 
 

確かに優秀な方が多いですね。

しかし、リアルをお伝えさせて頂きます。

実は転職支援をしていて、ベンチャーの社長から外資系コンサルの人が欲しいと言われるケースはそこまで多くありません。

 
 

もちろんそんなことはありません。

しかし私が現場でお会いするベンチャー企業の社長が言っていることは事実です。

求人全体のニーズを考えてもメガベンチャー出身の方が多い傾向です。

 
 

メガベンチャー出身ですか。

 
 

そもそも仕事内容が違います。

ベンチャー・スタートアップの仕事は戦略コンサルタントのように戦略を考えるのも必要ですが、ずっと考えている時間はありません。

ベンチャー・スタートアップで求められるのは実行です。

 
 

絵に描いた餅では売上は上げられないということですね。

 
 

例えば先ほど、ご紹介頂いたONE CAREERの北野さんはコンサル出身だからお仕事で評価されているわけじゃないと思います。

 
 

そうなのですか?

 
 

コンサル会社出身というのがテコが効いている可能性はありますし、コンサル会社で得たご経験を今も活かされていると思います。

しかし、仕事の直接的な評価がコンサル会社出身とはみなさん思っていないと思います。

 
 

それでは、転職には何が求められるのでしょうか?

 
 

「即戦力」です。

もう少しわかりやすく言うと、「明日から結果が出せるかどうか」ということです。

 
 

外資コンサルの選考を突破する思考力はベンチャーでも通用する

 

例えば、コンサルタントが30歳で1200万円の年収をもらっているとします。

転職の場合は年収ダウンの覚悟が必要です。

 
 

もう給料が高くなってしまっていて、なかなか同じ額を出してくれる企業がないということでしょうか?

 
 

そうですね。

もちろん全員が年収ダウンということはありません。

メガベンチャーにポストが空いていれば年収維持の可能性もありますし、企業によっては年収アップも可能です。

 
 

年収を含めた今の生活を変える覚悟も必要になります。

 
 

これはコンサルに行くなと言っている訳ではありません。



大事なのはその中で何をするかです。



色々部門や職種があると思いますがどこでどのような経験をするかを大切にしてください。

もしコンサルからベンチャーへのキャリアを考えているのであれば、そこで培ってきたことがベンチャーでどう生きるのかということをしっかりと考えて仕事をしてください。



また、戦略コンサルなどの狭き門のポジションから内定をもらった場合は、挑戦してみるのもいいかもしれません。

私も、新卒で戦略コンサルから内定をもらえるものなら挑戦してみたかったです。

 
 

その事実には興味をお持ちなんですね。

 
 

はい。

戦略コンサルに内定するくらいの論理的思考力を持っている人は有利だと思います。

 
 

就活においてコンサルの選考を突破する人のポテンシャルには無限の可能性があるのですね。

 
 

戦略コンサルの選考に受かる方でしたら事業会社でも活躍できると思います。

まずは内定をもらってから考えてみてください。

 
 
 

それでは、コンサルはファーストキャリアとしてはあまり選ばない方がいいのでしょうか?

 
 

コンサルタント志望の若い方がよく言うのが、「キャリアの選択肢を増やすからコンサルを選ぶ」ということです。



しかし、選択肢を増やすための、モラトリアム的にコンサルに入社するのではなく、「この道でいく!」と何かキャリアのゴールを決めて入るのならいいのではないかと思います。

 

 
 

詳しく教えていただいてもよろしいでしょうか?

 
 

将来、起業してみらいワークスやエル・ティー・エスのようなビジネスをやりたいと考えている場合です。



コンサルティング会社にいたことを生かしながら、関連する事業モデルで将来起業を考えているのならば、そのためにコンサルティング会社に入るのはいいと思いますね。

 
 

経験を積むためにコンサル業界に行くということですね!

 
 

みらいワークスはコンサル業界のビジネスマッチングサービスをしています。

それでしたらコンサル会社に行ったという経験があったほうが絶対良いです。

事業の構造もわかりますし、有識や人脈も広がります。

 
 

コンサル業界に行った方が自分のやりたいことに有利に働く場合であれば良いということですね。

 
 

あとコンサルティングをすると思って入ったらシステムの受託の仕事しかないこともあります。

この場合でもシステムインテグレータやITコンサルを将来独立してやりたいと思って入社したのであれば良いと思います。

 
 

自分のやりたいことと入社目的を一致させることが大事なのですね。

 
 

システムコンサルとか開発の受託などは私が若い頃からなくなると言われていたのですが、今日現在までなくなっていません。

 
 

なくなると言われていたのですか。

 
 

はい。

だから雇われてるのが嫌だとか会社やりたいと思ってもアイデアがないときは、コンサルに入った後にシステムインテグレータのようなことをやればいいと思います。


そのような人が出てきてほしいですけどね。

 
 

やはりゴールからの逆算思考が大事なのですね。

 
 

その通りです!そして、是非ともコンサル業界に興味をお持ちの方にご一読頂きたい記事がございます。



スタートアップ、戦略コンサルを経験したビズリーチ 関哲さんがコンサル志望者に伝えたいこと

マッキンゼー・アンド・カンパニー出身の関さんのリアルなコメントはみなさんのキャリアについてヒントが満載です。

 
 

本日は貴重なお時間いただきありがとうございました!

 
 

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