HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
ベンチャー企業の中でも人気企業であるDeNA。
プロ野球球団を保有し、知名度が非常に高いです。
ゲームに止まらず、自動運転をはじめとするテクノロジーで成長中の企業です。
今回はDeNAのIR分析、企業研究や選考に活かせる情報をお伝えします。
DeNAの歴史をチェック
まずは、DeNAの会社概要をご紹介します。
創業20年程度(2019年現在)しか経過していないものの、売上高は約1400億円、従業員数は2475名と成長・拡大が著しいことが分かります。
ここからはDeNAが大規模企業へと成長した歴史的な経緯を解説します。
【創業期 〜インターネットオークションサイトから始まる〜】
DeNAの創業者は南場智子氏。
彼女は大学卒業後にコンサルティング会社の「マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク・ジャパン」に入社し、その後MBAを取得。
その後「自分で事業を立ち上げたい」との思いが強くなり、マッキンゼーの役員(パートナー)という役職を捨て、1999年に設立したのが株式会社DeNAです。
同年11月には、パソコン向けのインターネットオークションサイト「ビッダーズ」を立ち上げました。
「ビッターズ」はヤフオクに非常に近いサービスであり、商品を売りたい個人が出品し、 買いたい人が値段を競い合う仕組みです。
当初はオークションのみのサービスとしてスタートしましたが、2001年にはショッピングモール型のサービスも加わり、オークション&ショッピングサイトにリニューアル。
その後はケータイ向けサービスも展開し、業績を急拡大させた結果、
2005年2月には東京証券取引所マザーズに上場するまでに飛躍を遂げました。
ここで改めて「なぜDeNAは急拡大することができたのか」を検証してみましょう。
以下は「インターネット利用者数及び人口普及率の推移」を表したグラフです。
DeNAがサービスを始めた1999年のインターネットの普及率は21.4%でしたが、その後は1年ごとに37.1%→46.3%→57.8%と飛躍的な伸び率を記録しています。
人数に換算すると、 1年ごとにおよそ1000万人の利用者が増えるという爆発的な伸びをうまく利用し、急速な拡大を実現させたのです。
そして、DeNAが2006年2月にサービスを開始し、DeNAを日本の代表的なベンチャー企業へと成長させたのが「モバゲータウン」です。
2006年2月にスタートした「モバゲータウン」は2年2ヶ月後の2008年4月に会員数1000万人を超える、爆発的なヒットを記録しました。
「モバゲー」とは、主にガラケーで爆発的に普及した「あらゆる携帯ゲームが集まっている場所(プラットフォーム)」です。
当時の主流であったガラケーにはスマホのような「アプリ」という概念がなく「iモード」といった独自のブラウザによって、ゲームが運用されていました。
そして、数多くのゲームを取りまとめたプラットフォームが「モバゲータウン」です。
イメージとしては以下の流れです。
(1)モバゲータウンにアクセス
(2)好きなゲームを選ぶ
(3)無料で遊ぶ(一部アイテム課金)
これは今でいうAppleの「App Store」やGoogleの「Google Playストア」と同じような役割を担っています。
「モバゲータウン」の台頭で、DeNAは急成長を遂げました。
そして、DeNAが名実ともに日本を代表するベンチャー企業となった、一つの契機となったのが「日本プロフェッショナル野球組織への新規参入」です。
2011年12月に横浜ベイスターズを子会社化することに成功したのです。
ネット系のベンチャー企業という立ち位置から、一部の人にしか知られていないDeNAでしたが、プロ野球への参画によって一般の人々にも広く会社名が知れ渡るようになったのです。
2016年12月、DeNAに大きな事件が起こります。
それは「WELQ事件」。
DeNAが提供する医療キュレーションメディア「WELQ」に不適切な記事が多数掲載されていたとして、謝罪に追い込まれた事件です。
当時のDeNAは「DeNAパレット」というキュレーションプラットフォームで幅広い領域のメディアを作り、広告やリアルビジネスへの連衡をしていこうという戦略がありました。
「WELQ」はその中の一つのメディアであり、医療・健康分野で様々なコンテンツを生み出していました。
しかし、「WELQ」に掲載された記事の中には医学的根拠のない記事や、誤った情報が盛り込まれた記事があったことから、閉鎖へと追い込まれることに。
その結果、当初の戦略である「DeNAパレット」も凍結してしまったのです。
WELQ事件をきっかけに、「DeNAパレット」が凍結した後も、DeNAは歩みを止めず、以下の新規事業を展開しました。
・ライブ動画ストリーミングプラットフォーム事業(サービス名:SHOWROOM)
→2015年に会社分割により、株式会社SHOWROOMを設立。
事業移譲。
以上のように、あらゆる分野で広い新規事業領域を行なっています。
ここで、これまでの歴史を含めて直近の売上高を見てみましょう。
スマートフォンが普及する前までは爆発的に売上が伸びていましたが、2014年以降、スマートフォンの普及に徐々に押されて、売上が落ち込んでいます。
しかし、この間にもDeNAはしっかりと利益を挙げていることがグラフからわかります。
次の章ではさらに詳しく、DeNAのIRについて分析していきましょう。
DeNAの年収や社員数とは?
続いてDeNAの年収や社員数について解説します。
同社の有価証券報告書のデータを基に分析していきましょう。
2017年の有価証券報告書によると、社員数は1341名とベンチャーとしては大規模といえます。
また、社員の内訳をみるとゲーム事業に半数近くの社員が従事していることがわかります。
平均年齢は34.6才で平均年収が757万円であり、同年代の平均年収である35歳で465万円というデータと比較すると、高い水準であることがわかります。
一方で、平均勤続年数は3年5ヶ月。
一見短いと感じる人もいるかもしれません。
一般的に急成長中のベンチャーは平均勤続年数が短い計算になることを理解しておきましょう。
例えば、DeNAは2019年2月時点で創業20年。
仮に創業当初から誰一人辞めていないとして、20年目まで働いていても平均勤続年数は10年程度の計算になります。
以上の背景もしっかりと把握した上で、数値を分析するようにしましょう。
DeNAに向いている人とは?
次にDeNAに向いている人とはどのような人なのかを事業環境分析していきましょう。
キーワードとして挙げられるのは2点。
【ゲーム】 と 【新規事業】 です。
まず、現在の同社の柱となるのはゲームであることは様々なデータから窺えるでしょう。
つまり、ゲーム事業をしっかりと把握しておくことが、同社のことを深く知る上でも重要です。
ゲーム事業に携わっている社員数が一番多いことからゲーム事業に配属される可能性は高いとはいえます。
ただし、自身がゲーム事業部への配属を希望していても、必ずしもその事業部へ配属されるというわけではありません。
しかし、ゲームだけに関心があるのであれば、確実にゲームに携われる会社に就職することがおすすめです。
また、DeNAならではの点として挙げられるのが、新規事業でしょう。
DeNAはゲームだけではなく新規事業も有名です。
次世代型のタクシー配車サービスの「MOV」やカーシェアリングサービス「Anyca(エニカ)」遺伝子検査サービスの「MYCODE(マイコード)」など、多種多様な新規事業を次々に展開しています。
これらの新規事業については一見すると関係ないように見えますが, 「新しい価値」という点と「世の中貢献」という2軸で一致しています。
この軸が同社のミッション・ビジョンに繋がっているのです。
それでは、最後にこのDeNAのミッション・ビジョンを元に向いている人を分析していきましょう。
こちらが、同社のミッション・ビジョンになります。
特にこの中でDeNAの特徴としてあげられるのは「永久ベンチャー」でしょう。
DeNAは今でこそ、大きな企業になっていますがこの「永久ベンチャー」という考え方はとても大切にしている概念となります。
DeNAは挑戦を「し続ける組織」であることや「世の中に貢献」を強く意識している点が特徴です。
まとめ
今回の記事では、DeNAの歴史からIRの分析、同社の戦略を解説していきました。
常に新しいことにチャレンジしようとしているDeNAは就活生に人気の企業です。
企業の変遷、企業が成長した社会背景をしっかりと理解して選考対策に臨みましょう。
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