HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
学生起業でマーケティング会社を運営していた村上さん。
学生起業という濃密な経験をしている彼から見た「サマーインターン」とはどういったものだったのか。
その彼の本音に迫るインタビューです。
<聞き役:神長(digmee編集部)>
学生起業した男のキャリア観とは
本日はサマーインターンのインタビュー、よろしくお願いします!
まずは、村上さんは学生起業をしていたということですが、そもそもなぜ起業したのですか?
自分一人で起業したというわけではなくて、先輩3人と自分で会社を立ち上げました。
だからちゃんとした理由というのはあまりなく、先輩の影響が大きかったですね。
元々自分はお金儲けは悪だと教えられながらずっと育てられたので、ビジネスが嫌いだったんです。
父親も祖父も教員で「きれいに生きろ!人を傷つけるな!」と言われ、「ビジネスの世界ってみんな人を傷つけてるやん」という世界で生きてきました。
だから、逆に「ビジネスって本当はどんなものなんだろう?」という興味は持ってました。
なるほど。
お金儲けは悪だと教えられていたからこそ、逆に興味が出てきたということですね。
そうですね。
でも、高校の時点では人に教えるのは小さいころから好きだったので、教員になることも興味はありました。
その時点ではまだまだ教員の選択肢があったということですね。
そうですね。
でも、それをやるにしてもビジネスサイドを知らずにきれいごとばっかり言うのって、結局自分が教える子供たちを苦しめるんじゃないかな?と思い、ビジネスにチャレンジしてみたい、知ってみたいと思い始めました。
大学入ってビジネスに関わる機会を探していたら、起業を目指す先輩と知り合ってスタート、というのが経緯ですね。
それは、すごく良い考えですね!
もし村上さんが先生になったとしても、ビジネスを知った上で色々と教えてくれたら、本当に良い先生だと思います。
そうですね。
教師やるとしても、自分でしっかりとビジネスを知った上で教えてあげたいなと。
なるほど。
そして、学生時代に先輩と起業したということですが、学生時代は起業にどっぷりだったのですか?
まあ、起業は起業でしっかりとやってましたけど比較的大学の勉強もちゃんとしつつ、学業がおろそかにならないように気を付けて過ごしてました。
バランスをしっかりと保ってやっていきたいって思うタイプですね。
確かに村上さんはバランス型という印象ですね。
学生時代に起業をする人って、学業よりも起業を重視する人が多いイメージだったので。
サマーインターン に参加したきっかけ
それでは、実際にサマーインターンの話に移っていきますね。
サマーインターンの企業はどういった軸で選んでましたか?
業界の絞り方とか意識したことないし、分からなかったです。
だから、なんとなく興味がある企業とか、名前を聞いたことのある企業とか、おすすめのインターンとして出てくる企業にとりあえず申し込みまくった感じですね。
なるほど。
サマーインターンの企業軸はこだわりがなかったんですね。
それでは、サマーインターンにはそもそもなぜ参加したんですか?
僕の場合は、「サマーインターンに行くのが当たり前」という感覚を持っていたのが前提としてあります。
就職活動に少しでも役立つ可能性があるならサマーインターンには参加するべきって思っていました。
なるほど。
就職をするのであれば、役に立つかどうかわからなくても、最善の手を打つという感じですね。
そう。
あとは、自分の実力ってどんなものなのかなっていうのが知りたかったです。
自分が社長として活動していたこともあったので、自分の活動のレベル感というか、実際に会社の中で働かれているインターン先の社員の方と比べてどれくらい低いものなのか確認したかったのが理由です。
社長として活動していた、村上さんならではの理由ですね。
それはあると思います。
実はもう一つの理由というのがあって、サマーインターンの参加して、そこで得たものを自分の会社経営に活かしたいっていうのが大きくて。
もしかしたら就職しないという選択肢もインターン参加中にはありました。
すごいですね。
サマーインターンの経験を経営にも活かしたいと。
かなり珍しいんじゃないですか?
いや、それがベンチャー企業のインターン参加者には、起業しながらインターン参加している人って案外いるもんですね。
ベンチャーの有名インターンだったら、6人グループで3人会社を持ってますみたいなときもありましたね。
そうなんですね。
じゃあ、起業経験もあまり選考には活かせないという感じですかね?
そうだと思います。
そもそも、選考で「会社やってます」とか「起業してます」というステータスは関係なさそうでした。
それよりは「将来的に何がしたいのか」っていうところが見られていたと思います。
でも、そういう意味では会社を持っている時点で何かビジョンがあるわけなので強いです。
仮決めでもいいから「将来やりたいこと」、「どういう人になりたいのか」を自分で説明できる人っていうのは勝っているなという感じですね。
別にそれは時を経て変わっても大丈夫ですしね。
なるほど。
やっぱり、起業してきた村上さんならではの視点でしか話せない点が多々ありますね。
ちなみに、サマーインターンのエントリーはどれくらいしてましたか?
そうですね。
私の場合は、エントリーは10社くらい、合格が7社くらいでした。
なるほど。
実際にこのエントリーをした企業を選んだ軸というのは、どんな軸でしたか。
選択軸として、ベンチャーは勢いがあるというか、そういう人が集まるだろうなっていう仮説があったので、勉強させてもらいたいってことでベンチャー企業を見ていました。
同時にベンチャー企業の中では勢いのありそうな会社ということで、絞っていきましたね。
なるほど。
それで、ベンチャーに絞った感じですか?
そうでもないですね。
「大手ってイケてないよね」っていうイメージでベンチャーしか見ないというのも嫌でした。
そこで大手も見ておこうと、興味分野であるデータ領域を扱うダイキンのインターンに参加しました。
選考だけですが、パナソニックも受けていましたね。
なるほど。
大手とベンチャーを満遍なく見ておこうということですね。
サマーインターンの面接では何を聞かれるのか?
それでは、実際にサマーインターンの面接ではどんなことを聞かれましたか。
選考ではいろんな観点で質問されることが多かったんですけど、必ず聞かれるのは「将来何がしたいの?」でした。
「学生時代に頑張ったこと」よりもこっちの方が聞かれましたね。
なるほど。
やっぱり「将来何がしたいの?」が聞かれるのは起業してたからですかね?
うーん。
それは分からないですけどね。
面接を受けるうちに、就活を始めたばかりのころと最後では言っていた内容が違ってきたんですが。
就活を始めた頃は、将来やりたいこととして、「データ分析という領域で社会課題を解決したい」と話していました。
終盤は「会社を作りたい!」「こういう課題を解決したい!」という熱い思いを持っている起業家をサポートすることがやりたいと言ってます。
これは、面接の対策というよりも本心ですね。
やっぱり、本心で答えるのが一番いいと思いますね。
社長、サマーインターンに行く
では、次にサマーインターンに行って感想を教えてください!
感想としては「まだまだ上には上がいるな」っていうのを感じれたのですごくいい時間でした。
もともと、自分は、学生時代尊敬できる人を見つけて追いかけ続けるっていうのを、目標にしていたんですが、そういう人が一気に見つかる期間だったかなという印象です。
そんなにすごい人がいたんですね?
ほんとすごかったです。
サマーインターンで色々と指導してくれた社員の方はもちろん、レベルが高かったのですが、参加者でもすごいなっていう奴がいてそこに衝撃を受けました。
そして、その参加者の人により高度なレベルでフィードバックする社員さんがいて、さらにボコボコにしてくる幹部がいて、っていう感じで。
「マジか…。
」「俺より何歩先行ってるん…?」みたいな。
だからそういう自分の中のロールモデルとなる人を見つけられたのがすごく良かったです。
「上には上がいるな」ということを知ったことでなにか変わったんですか?
明確に変わりましたね。
企業というそれだけ整った、恵まれた環境の中で朝から夜まで働いて、自分が尊敬している人に追いつこうって思ったときに、どういう時間の使い方をするべきかっていうのはすごく考えるようになりました。
もともとサマーインターンは自分の立ち位置を知れればいいなって思って参加したんですけど、自分のレベルというのが思ったより低いと感じて、じゃあどうやって追いつこうって考えるようになりました。
サマーインターンの中で印象深い、成長を実感したと感じられる点はどんな点でした?
そうですね。
チームをどうやって前に進めていくのかを実際に体感できたのが大きいですね。
というのも、サマーインターン全体として割とグループワークの内容が似ていたりするんですよね。
確かに、サマーインターンはグループワークは多いですからね。
そうですね。
最初に参加したインターンはどういう風にチームを引っ張っていったらいいのか分からないし、議論も正しい方向に進んでいるのかも分からないという状態だったんです。
でも、2回目のインターンではそれっぽいことを言えるようになった。
そして、3,4回目は少しチームを引っ張れるようになったかも、みたいな、5,6回目には3日間のスケジュールを考えたうえで、チームのバランスを見て、どういう方向にどうやって進めていくかを考えれるようになって、「あ、案外アウトプットできるやん」といった階段を登っていけた、みたいなものはありましたね。
チームで作業をするという観点では、とてもいい経験でしたね。
確かにチームでの作業をしっかりと出来るようになるのは、サマーインターンを数多く参加したからこそ!と言えますよね。
それに、色々なサマーインターンだと、色々な人にも関われるのも良かったですよ。
参加するインターンによって参加者のレベル感が全然違うのもよかったです。
例えば、あるインターンでは自分が意見を出しておくだけで良くて、それで進んでいくインターンもあれば、全然話が進まないチームもあるわけです。
そういうときは、どうやってこの3日間でこのチームで成果出すかみたいな、どういう方向にもっていこうかなと考えれるようになったのは、そこで感じました。
夏全体で、足りていない役割を補完する傾向にあるという自分の性格が出てたかもしれませんね。
自分がリーダーを担ったり、サポートとして不足分を補うことに専念したり、チーム内の役割でいろんなパターンを経験できたので、それも勉強になりました。
なるほど。
これは色々なサマーインターンを何度も経験することで成長できたという事例ですね!それでは、自分の中でサマーインターンの一番のメリットはどんなものがあります?
うーん。
ありきたりな言葉になるけど、切磋琢磨しあえる刺激的な仲間とか、ロールモデルを見つけられたことが一番大きいですかね。
ちなみに、村上さんは起業経験があると思いますが、起業している人から見るサマーインターンってどうなんですか?独自の視点とかってあります?
そうですねー。
まあ、社長って、マジで肩書だけだったなってすごく思いました。
頭の良さとか回転の速さとか人当たりの良さという点で、別にこの人社長をやろうと思ったらできるんじゃない?っていう社員さんは山ほどいるなと思いました。
同じチームの中にも、学生時代何もしていなくて「バイトだけしてました」みたいな人でも自分よりこの領域に関して詳しいんじゃね?みたいな気づきがあって。
たぶん自分は知識量が多いだけで、そういった人たちと同じ経験を同じだけしたらたぶん頭の回転的には彼の方がパフォーマンスを発揮するだろうなっていうのはすごく感じましたね。
なるほど。
そういうこともあるんですね。
そうですね。
それで、自分は経営という経験をしているので、他の同じ年の人よりも経験値は多いと思いますが、経験値だけで満足していたらそういう人たちに秒で追いつかれるだろうなっていう危機感の方が強かったかもしれませんね。
インターンも人事は実績よりもそういうところ見ていたり、「この子は何をやりたい子だっけ?」「これから伸びていく可能性はあるかな?」みたいな、そっちの方を割と見ている気がします。
なるほど。
企業側も今の経験よりも将来の伸び幅の方を見ている感じ?
まあ、企業によっては学生時代に実績がないと選考通過できないような企業もあると思います。
だけど、ベンチャー企業などでも、割と謙虚かどうか、素直かどうか、など特に見られているかもしれませんね。
結局のところ、人事が評価するのって、一緒に働きたいとか、インターンに呼んでみたいとか、そういう点なのかと思います。
なるほど。
それは確かに大事な気がしますね。
そう。
だから、「学生時代サークル立ち上げました!」とか「学生時代、起業をしました!」っていう実績よりも、「結局それなんでやったんだっけ?」という目的意識まで見て、判断されていると思います。
「学生時代の実績ないからどうしよう」ってなる必要はないかなと。
自分のやりたい事とか、自分の過去とかをしっかり振り返ったほうがいいかなって思いますね。
サマーインターン終了後、実際の就活ってどう?
じゃあ、次にサマーインターンに参加したあとって、就活にどうつながっていきましたか。
サマーインターンに参加後には、「割と自分って力ないな。
」と思うようになってました。
そのときちょうどやっていた会社を潰したので、世の中で回っている会社って全て素敵だなっていう発想に至ってしまって、自分は就職するとしてもどこでもいいやってなったっていうのがまず9月あたりです。
そのうえで真面目に考えたときに、業界はけっこう幅広く見ましたね、1から考え直して、「自分がやりたい事ってなんだっけ?」というところから落とし込む、というのを繰り返したって感じです。
サマーインターンの独自の応募ルートとかあった?
ありますよ。
自分がサマーインターンに行っていない会社などでも、ベンチャーによってはインターン行ってないとルートがないところもあるみたいだし、結構あるんじゃないんですかね。
就活に関してメリットになったことはありましたか?
人事から評価される観点でいえば、自分の強いところも弱いところもその人には全部知られているから、素で評価されるしかないっていうところはありますけど。
自分がキャリアを考える上でのメリットでいえば、インターンを通して色んな社員さんに会って、彼らが就活の際にどういう目的でこの会社を選んだのかということが知れるっていうのは大きかったです。
お前と一緒に働きたい、とかっていうのは1日のような短期の選考で分かるものではないから、そこを知れるのは大きいかもしれないです。
最後に21卒に伝えたいこと
それでは、最後に今サマーインターンを選ぼうとしている学生へのメッセージをお願いします!
まず、1年前の自分に対しては、インターンで色んな業種、色んな規模のところに参加してみて良かったって思いますね。
企業文化が全然違うなとか、傾向がつかめるようになります。
たくさんの企業を見れば見るほど選択はしんどくなるけど、その選択の納得度は上がるかな。
だから幅広く見ることって大切なことだと思います。
なるほど、サマーインターン をきっかけに企業や仕事について幅広く知ることが大切ですね。
今日はありがとうございました!