はじめに
就職活動において、自己PRの項目は必ずあるものだと言っていいでしょう。
そのため、人それぞれ自分の強みを考えなければいけません。
ここでは、留学経験を自己PRとしてアピールする場合のポイントや注意点を述べます。
加えて、いくつか例文なども紹介していきます。
【自己PRで留学経験を活かす】自己PRに留学経験は活かせるのか?
自己PRには、どのような経験が向いているのでしょうか。
留学経験を自己PRとして活かすことは可能です。
大学生の留学経験の割合は、あまり多くありません。
留学で培った「生きた英語」や視野の広さは、社会で活かすことができるでしょう。
しかし、単に経験そのものや語学力をアピールするだけでは、企業に評価してもらうことは難しいです。
留学をしたことで何を学んだのか、どのように成長したのかなど、変化を述べられなければ自己PRの強みとしては不十分です。
留学経験を自己PRとして活用するときには、いくつかポイントがあります。
これから、そのポイントと同時に注意点についても解説していきますので、自己PRを作る際にはぜひ活用してみてください。
【自己PRで留学経験を活かす】自己PRに留学経験を活かすために
留学経験を上手にアピールするために、まずは留学の動機や体験した内容から考えることをおすすめします。
それらが明らかになると、自己PRに活かせるエピソードが思い浮かびます。
そして、その経験と企業が求めているものを照らし合わせてみましょう。
留学の動機を考える
留学経験を効果的にするためには、留学したときを思い出して、留学した動機を考えることが大切です。
なぜ留学したのかという疑問から、自分が望んでいることを探ることができます。
英語を上達させるためなのか、視野を広げるためなのか、動機にはさまざまなものが挙げられるでしょう。
あるいは、希望の進路に就職するために留学をする人もいます。
そのような人は、留学の動機を企業の志望動機に関連させることが容易です。
動機を考えると目的が明確になり、企業にアピールしやすくなります。
留学で得たものを考える
次に、留学経験を通して、自分が何を得たかを考えてみましょう。
留学はその経験だけではなく、順応性もアピールすることが可能です。
海外生活では必然と環境が変わり、考え方や行動をその環境に合わせなければいけない場面が訪れます。
順応性は無理に変化しようとするのではなく、自然に慣れることができる性質です。
変化に対応できる力は、強みになります。
現地の友人を作ったり、留学先の文化を学んだりしたことによって得たものから、自己PRにつなげていきましょう。
留学で何をしたかを考える
ほかにも、自分が留学中にしたことについて考えてみるといいでしょう。
留学中にあったトラブルや課題をどのように解決したのかというように、具体的な出来事を思い出してください。
留学では予測できない事態が生じたり、現地に行ってから新たな課題が見つかったりします。
その際に自分がとった行動は、留学したからこそ体験することができたものかもしれません。
独自性のあるエピソードは、印象的な自己PRになります。
一つひとつのエピソードを深掘りしましょう。
志望企業の求めるものを考える
留学経験について振り返ること以外に、自分が志望する企業の求める人物像やスキルなどを確認することも大切です。
企業の求めている人物像が分かったら、そこに合うように自己PRを構成していく必要があります。
自分の選んだエピソードが企業とマッチしていないものだと、自己PRに活かせません。
また自己PRのためだけではなく、就職活動において、志望企業の求めるものを考えることは必須です。
志望企業のことは、事前に調べるようにしてください。
留学で得たものをどのように活かせるかを考える
最後に留学の経験を通して、それをどのように企業で活かせるかを考えます。
さまざまなエピソードや留学で得たスキルを整理して、企業で活かせそうなものをピックアップしてください。
外国語でコミュニケーションを取らなければいけない環境では、語学力はもちろん、コミュニケーション力も養われます。
さらに、順応性や課題を解決する力などもアピールすることができます。
志望企業が必要としている人材を意識したうえで、入社後の自分の姿をイメージしましょう。
【自己PRで留学経験を活かす】留学経験でアピールできる強み
留学経験で身につけた知識やスキルの中には、自己PRのアピールとして使えるものがあります。
強みとなるスキルの例をいくつか出しますので、それぞれ参考にしてみてください。
そして、自分がとくに自信のあるスキルは何かを見つけていきましょう。
コミュニケーション力
留学を通して、母国語とは異なる言語が普通に行き交う中で生活してきたのは、大きな強みでしょう。
積極的に他者と関わろうとしなければ、人間関係を築くことはできません。
現地の友人を作るには、コミュニケーションを取ることを諦めずに、お互いを理解し合う必要があります。
最初は思うように言葉が話せず、身振り手振りであったかもしれません。
しかし、自分にとって不利な状況でも、コミュニケーション力を活かすことができたのなら強みとしてアピールできます。
適応力
異国の地に移り住み、慣れない環境の中で生活をするためには、適応力が欠かせません。
グローバル化が進む現代社会において、この異文化での適応力は強みになります。
カルチャーショックという言葉があるように、異国の文化に対応することは容易ではありません。
適応力のある人は、グローバルな活躍を期待できます。
外資系企業だけではなく、外国人の割合は増えているので、日系企業でも活かせるスキルです。
どんな状況でも、やり遂げられることをアピールしましょう。
行動力
行動力は、企業においても重要な要素なので、十分にアピールできます。
行動力がなければ、そもそも留学をしようとは考えないでしょう。
自分で目標を掲げ、それを達成するために行動に移せる力は、今後も活かせられるものです。
決めたことに対する意志が高くなければ、留学は実現しません。
また行動力は、主体性を持って取り組んだ、あるいは挑戦したなどというように、言い換えて述べることができます。
企業に、仕事にも自発的に取り組む人物だと伝えることを意識してください。
課題解決力
留学先で勉強をしたり、生活をしたりする際には、さまざまな問題が降りかかります。
そのような状況の中で、課題を明確にして解決したことは強みになります。
自分が体験したことから、課題解決力を発揮できたエピソードを探しましょう。
授業についていけない、現地の友人ができないといった一見問題としては弱いものに思えたとしても、環境が異国である場合、解決するのは難しいです。
結果が伴うエピソードを選び、どのようにして解決に導いたのかを詳しく述べましょう。
語学力
留学経験を通して培った語学力は、どこでも活かすことができます。
現代社会では、多くの企業が語学力の重要性を感じています。
そこで、自己PRのポイントになるのは、語学力をどのように使うことができるのかという点です。
とくに語学力を必要とする企業は、そのスキルは持っていて当然だと認識している可能性が否めません。
語学力を活かせられればいいだけだと判断されないように、志望する企業のどの分野で発揮したいのか、どの業務で役立てたいのかなどを考えるといいです。
【自己PRで留学経験を活かす】留学経験を自己PRにするときの注意点
これまでに、留学経験でアピールできる強みについて紹介してきました。
次に、自己PRに留学経験を使う際に注意すべきポイントを確認しましょう。
魅力的な自己PRを目指すためには、避けた方がいい点を把握しておくといいでしょう。
語学力や留学経験のみでは差別化ができない
留学をする人は少なくないので、語学力や留学経験のみでは差別化がされにくいです。
また語学力は、高いスコアが証明できなければアピールとして弱いです。
そのような要素に加えて、企画力や分析力などをアピールすることが自己PRでは求められます。
ほかとの差別化を図るために、スキルから派生して、人となりを伝えることを意識するようにしてください。
出来事に対する感じ方や考え方は、人それぞれ異なります。
自分の経験を具体的にすると、独自性のあるエピソードにつながります。
留学期間が短いと評価されない
留学経験があったとしても、その期間が短いと評価されないことが多いです。
1か月程度の留学では、語学力は身につかないと判断されてしまうからです。
明確な目的がなければ、短期間の留学は海外旅行と同じように扱われるかもしれません。
たとえ目的があったとしても、成果が伴わなかった場合は自己PRに使えないでしょう。
留学経験は最低でも3か月以上の期間が必要であり、半年以上ならばアピールになります。
期間が短い人は、留学以外の経験を探してみてください。
中身がないと自己PRにならない
留学をしたとしても、中身のないものだと自己PRになりません。
それを避けるためには、目的をしっかりとしたものにする必要があります。
特別な資格などを取得するためではない留学は、目的と結果を上手く結びつけられないかもしれません。
しかし、自己PRでは、結果よりも目的をどのように達成したのかが重要視されます。
企業は努力の過程を知りたいので、数字や分かりやすい結果ばかりを伝えようとしてしまいがちですが、そうならないように気をつけましょう。
【例文あり】自己PRに留学経験は活かせるのか?活用法や注意点を解説!
最後に、留学経験を自己PRに使った例文を紹介します。
留学で得られるスキルを軸にした文なので、これから自己PRを作る人は参考にしてみてください。
また自己PRでは、具体的に述べることに重点をおきましょう。
余計な情報が入ることも珍しくないので、注意が必要です。
コミュニケーション力
大学時代は、1年間アメリカに留学していました。
アメリカで暮らす人々は多種多様な文化が背景にあり、一人ひとりの接し方が大いに異なります。
最初は慣れない言語だったので、意思疎通を図ることも困難でしたが、それぞれの文化を尊重し、知ろうとする姿勢を見せ続けました。
相手の求めているコミュニケーションの取り方を意識したうえで接することを心がけた結果、お互いの理解を深めることができました。
貴社でも、あらゆる立場の人と関わる機会が訪れると思います。
円滑に業務をこなすために、コミュニケーション力を活かして、社員や顧客と信頼関係を築いていきたいです。
適応力
大学時代に、半年カナダへ留学しました。
異文化の中で一人で生活できるのか不安でしたが、問題なく馴染み、現地の友人がたくさんできました。
自分の常識が通用しない場でも、価値観や文化の違いを考慮し、知らないことや分からないことは積極的に問うように努めたからだと思います。
私は環境が変わっても、その状況を自然と受け入れられると自信を持っています。
留学先では、自分と同じ日本の留学生の意見と現地の友人の意見を大切にし、新たな交友を生む手助けができました。
入社後も、新しい環境へ抵抗がある利用者様のサポートができるように、環境や状況が変化しても対応できる力を発揮したいと考えています。
行動力
私は大学時代に、1年間イギリスに留学していました。
留学を実現するまでは、海外への憧れを抱いていたものの、具体的な目的は思い浮かばずに過ごしていたのです。
しかし、大学の留学のカリキュラムに興味を持ち、選考に応募しました。
選考には落ちてしまったため両親に反対されましたが、私はとくにイギリスの文化に触れたいと思い、留学先や時期、期間などをすべて自分で決めて説得しました。
留学に向けて、英語の勉強に力を入れたりバイトで費用を稼いだりする姿を見た両親からは、最終的に賛成されています。
今後も貴社の成長に貢献できるよう、目標を実現するために自発的に計画を立て、実際に行動する力を活かしていきたいです。
課題解決力
大学時代は、半年フィリピンへ留学しました。
フィリピンでは、現地の子どもとの交流を通したボランティア活動に参加しました。
語学だけではなく、国際社会や文化を理解できた経験になっています。
ところがボランティアは初対面の人同士のため、なかなか連携が取れませんでした。
さらに、日本以外のアジア人の留学生も参加していた活動だったので、英語を使わなければいけなかったのです。
まずは会話よりも文章の方が伝わると考え、メールで要点を配信することにし、その結果として連携が取れるようになりました。
貴社でも、問題が起こったときには原因に焦点を当て、迅速に対応することができるように心がけます。
語学力
大学時代に1年間、アメリカに語学留学しました。
英語には自信がありましたが、私の英語は現地では通用しませんでした。
そこで、生きた英語を身につける必要があると感じ、伝わらなくても積極的に現地の人と交流するようにしたのです。
毎日多くの人と会話をすることで現地の友人ができ、勉強としてではなく、日常の一部として英語を使うことができました。
そして会話だけではなく、ネイティブとの議論が可能になり、テーマに対する自分の考えも思い通りに伝えられました。
留学を終えても、英語の勉強は欠かさないようにしています。
入社後は、語学力と自らコミュニケーションを取り続けた経験を活かし、海外の顧客の獲得に力を入れたいです。
まとめ
ここでは、留学経験を自己PRの強みとする場合のポイントなどを解説しました。
留学によって身についた力をアピールしたい人は、ぜひ役立ててください。
自分自身と企業の分析を行い、印象的なエピソードを自己PRに活かしましょう。