誰かをサポートできる人物というのは、どこにおいても重宝されるものです。
そこでサポート力に自信のある方は自己PRに用いたいところですが、どのようにアピールすれば良いのか、そして注意点などにはどのようなものがあるのかについて詳しく知りたいことでしょう。
今回は網羅的に解説しつつ、例文も詳しく紹介しているので、一緒に確認していきましょう。
【自己PRにサポート力】サポート力とは
就活で活用するにあたって、サポート力とはどのような言葉なのかについて定義を考えていく必要があります。
より詳しく知ることで具体的に言語化できるようになり、あなたの魅力が自己PRにおいて企業の採用担当者により伝わりやすくなることでしょう。
さまざまな言い換えがありますが、「サポート力」という言葉には「誰かを支える力」という意味があります。
つまり1人いるだけでグループに良い影響を与える人物であるということが言えます。
他の人のために頑張れるメンタルを持っている、つまり利他の精神があるということであり、企業からしても魅力的な人材であることでしょう。
【自己PRにサポート力】サポート力が与える印象
では「サポート力がある」と言うと、企業に対してどのような印象を与えられるのかについても詳しく一緒に考えていきましょう。
このスキルをアピールすることで、企業に対して組織を引っ張る、組織を支える人材であるという認識をされます。
企業においては、確かに「プロジェクトリーダーなどを務めるタイプではない」と思われるかもしれません。
しかし「組織においていなくてはならない存在であり、常に貢献を続け、周りに気を配れる存在である」という意味にもなります。
よって、企業から欲しがられる魅力の1つであると言えます。
【自己PRにサポート力】サポート力がある人が向いている仕事
このスキルが企業側からしても魅力的に映ることが分かったところで、ここからはサポート力がある人が向いている仕事について詳しく紹介していきます。
当然ながらサポート力があることはどのような仕事においても重要なことではあるのですが、特に下記の3種類の仕事はサポート力が必須とも言える業務です。
下記の3つの職業を就職活動の選択肢に入れてみても良いのではないでしょうか。
バックオフィス
バックオフィスの仕事はサポート力がある人にとって非常に向いていると言えるでしょう。
「バックオフィス」とカタカナで書いていますが、簡単に言うならば「事務職と秘書職」です。
細かい作業が多いですが、その作業のおかげで業務が円滑に回っています。
派手さはありませんが、なければならない存在です。
経理などは居ないと困る存在でありながら、表に立つことはない仕事なので、目立つことはできません。
しかし、多くの従業員そして会社の上層部からも感謝される存在です。
秘書などの仕事も同じことが言えます。
サポート力を活かしていくことができる仕事です。
マネジメント
マネジメント職もサポート力があると円滑に進めていくことができる仕事の1つであると言えるでしょう。
マネジメント職とは一言で言うならば「人材教育を行う業務」です。
教えることや学ばせることなど、人材を育てる、能力を伸ばすのがメインの役割となっています。
どのようにしたらマネジメントをする相手、つまり教育対象が成長できるのか、より良くなれるのかについて日々考え続ける必要があり、企業の採用担当者など、人事の仕事も向いていることでしょう。
コンサルタント
少しハードルは高いですが、コンサルタントもサポート力があると目指すことのできる仕事の1つと言えるでしょう。
コンサルタントは一言で言うならば「企業の問題を解決に導く役割」です。
サポート力は支えるということに強みがあるため、経営を支えるサポートをするという観点から考えるならば、コンサルタントのような業務も非常に向いています。
特にコンサルは最近人手不足が嘆かれている業界なので、最初のうちは激務となる会社も多いかもしれません。
しかし、関わる業務は企業や企業内の部署における作業効率化など、規模の大きき業務ばかりです。
「誰かのためになれている」という強いやりがいを感じられる業界でもあるので、サポート力がある、思いやりのある人にはぴったりの業界であると言えるでしょう。
【自己PRにサポート力】アピールする際のポイント
自己PRにおいてサポート力があると、どのように有利なのか、そしてどのような業界が向いているのかについて分かったところで、ここからは自己PRにおいてサポート力をアピールする際のポイントについて詳しく紹介しておきます。
大きく分けて2つありますが、これらを押さえておくことで企業の採用担当者により良い印象を与えられる可能性が高まるので、参考にしてみてください。
サポート力を言い換える
サポート力は残念ながら多くの就活生が自分の魅力としてあげる長所でもあるため、ただサポート力が長所であると述べるだけでは他の学生との差別化を図ることが難しくなってしまいます。
そこで言い換え表現を使うことで他の就活生との差別化を図り、あなたの魅力がより伝わりやすいように工夫をするようにしましょう。
サポート力を言い換える言葉には様々ありますが、代表例としては下記のようなものが挙げられるでしょう。
-
縁の下の力持ち
-
傾聴力がある
-
自分以外の人のために行動できる
-
スケジュール管理能力がある
-
コンサルティング力がある
-
課題解決力がある
-
協調性がある
根拠のエピソードを具体的に伝える
自己PRにおいて根拠となるエピソードを具体的に述べるということは非常に大切です。
自己PRにおいてただ自分の長所だけを端的に述べたところで、あまりその人の魅力は伝わりません。
「私の魅力は〇〇です。」とただ言われたところで、「だからなんだ」と突っ込まれてしまうのが関の山でしょう。
そこでなぜ自分にはサポート力があるのか、どのような場面で身につけたのか、どのような場面で有効活用してきたのかなどについて詳しく述べることが非常に大切です。
就活において、自己PRにおいて具体的なエピソードを掘り下げて話すことのできる人材はあまり多くないので、自己PRでサポート力を使う人以外でもエピソードを掘り下げるということは非常に大きな効果を持つのです。
【自己PRにサポート力】サポート力をアピールする際の注意点
ここまで自己PRにおいてあなたのサポート力を最大限にアピールし、企業の採用担当者に魅力的な人物であると思ってもらえるような工夫について紹介してきました。
しかし、マイナスイメージを与えないための工夫についても考えていく必要があります。
大きく分けて3つあるので、それぞれ一緒に確認していきましょう。
エピソードを入れすぎない
これはサポート力をアピールする際以外にも当てはまることなのですが、エピソードを盛り込みすぎてしまうと文字数が足りなくなってしまうのはもちろんのこと、具体的な内容が分かりにくくなってしまいます。
例えば
・いじめられていた友人を助けた
・小学校時代の話不登校でだった友人を学校に行きたくない理由を一緒に考え、また登校できるようにサポートした
・高校時代、部活のキャプテンとしてレギュラーになれないメンバーのモチベーション1に尽力した
など、あれこれ詰め込んでしまうと、何が言いたいのか、どのような点が結論なのか全くわからなくなってしまいます。
基本的に自己PRの文字数は300〜500文字程度なので、後ほど紹介する「結論」「理由」「エピソード」「結論」という構成にはとても収まりきらなくなってしまいます。
消極的に伝えない
サポート力があるとだけ伝えると、消極的なイメージを与えてしまう可能性があることについては、皆さんもなんとなくイメージがつくのではないでしょうか。
つまり、「率先して前に出る人材ではない」という印象になってしまい、消極的な人物に映ってしまう可能性があるのです。
よって「自分は仲間にも自分から協力を申し出る、良い影響を与えられる人物だ」ということをアピールすることが大切です。
自分から動き、誰かを助けたり、サポートしたというエピソードを盛り込むことができれば非常に良いでしょう。
求める人物像に沿っているか確認
企業が求める人物像に沿っているかどうかも確認しなければならないポイントです。
これはサポート力を自己PRでアピールする際以外にも言えることではあるのですが、企業は求める人物像に沿った人材を採用したいと考えています。
あなたがいくら社会貢献をしたいと考えていても、まずは会社を伸ばすことを最優先に考えている企業を受けた場合、ビジョンが一致することはありません。
こうしたビジョンの不一致は自己PRにも現れますし、お互いの満足いく結果になることはありません。
そこでまずは自分の自己PRが企業の理念や今後の目標に沿っているか、などについてもしっかりと確認しておく必要があるのです。
【自己PRにサポート力】文章構成
ここまでサポート力という言葉の定義やどのような仕事が向いているか、言い換えるポイントやサポート力をアピールする際の注意点などについて紹介してきました。
ここからは自己PR本文を書く段階になります。
自己PRの文章構成はサポート力をアピールする際以外にも使える汎用的な構成なので、もし自分の長所として他のスキルをアピールしたいとなった際にも使えます。
ぜひ確認してみてください。
結論
まずは結論を述べることが非常に大切です。
「私はサポート力があります。」という言い回しはもちろんのこと、「私には傾聴力があります。」と言った、先ほど紹介したサポート力を言い換えるような言い回しを用いても構いません。
とにかく、最初に結論を述べることが大切なのです。
企業の採用担当者は就活のシーズンになると、大量の自己PRを読むことになるため、文章を読むこと自体にも疲れてきています。
そうした際に結論が何なのかよくわからない、ダラダラとした冗長な文章を読まされたら集中力が途切れ、流し読みされてしまう可能性もあります。
そこでまずは結論を読み、「この人はこれを話の軸として展開していくのだな」と念頭に置いてもらうことが大切なのです。
サポート力のエピソード
続いてサポート力に関してのエピソードを述べることが非常に大切です。
結論を伝えたら、続いて具体例を出すのがビジネスにおける文章構成の鉄則です。
今回で言うならば、サポート力が伝わるようなエピソードを詳しく述べていきましょう。
エピソードに関してもどのような問題が発生し、それをどのように工夫し、サポート力を生かして解決したのか、そしてどのような結果が出たのかなどについて述べることが大切です。
企業は結果を出せる人物を求めているので、どのような結果が出たのかが気になっているのです。
入社後にどのように活かすか
最初に結論を話し、その後サポート力に関するエピソードを用いて詳しくあなたのエピソード力について解説することができたら、最終的にはもう一度結論を述べることが大切です。
それにより、あなたのサポート力という長所が補強され、内容をもう一度おさらいして読んでもらうことができます。
また、文字数が余った場合は入社後にどのように活かすかについても詳しく述べることが大切です。
企業は極論、あなたが就職後、活躍してくれれば何も文句はありません。
そこであなたがどのようにサポート力を活かし、どのように業務に取り組み、どのように会社に貢献してくれるのかについてイメージしたいと考えています。
企業が知りたいことを的確に提示できる人材は「仕事ができる」とみなされる可能性が高いので、ぜひ盛り込むようにしましょう。
【自己PRにサポート力】言い方別の例文
サポート力には様々な言い換えがあるので、代表的な言い方別の例文についても詳しく紹介していきたいと思います。
ここまでで紹介してきたサポート力を伝える際の自己PRの構成方法やポイント、注意しなければならない点などについて全て踏まえた上で作成しているので非常に参考になるはずです。
サポート力を用いた例文
私の最大の強みは、何よりもチームを支え、前進させるサポート力です。
このスキルは部活動を通して身に付けました。
ある時、部員間の意見対立が活動の進行を妨げていました。
私はまず個別に部員の意見を聞き、それをもとに全員が納得のいく調整案を作成しました。その過程で、異なる意見を持つ部員同士が直接話し合う機会を設け、互いの立場を理解する場を作り出したのです。
結果として、部員同士の理解が深まり、以前よりも一層団結したチームワークを実現することができました。
私のこの取り組みは、卒業時に部員から「副部長はあなたで良かった」という感謝の言葉に結実しました。
これは私にとって、ただの褒め言葉ではなく、チームのために尽力した結果が具体的な成果として表れた瞬間でした。
貴社の業務においてもこの経験を活かし、常にチームの調和と成長を第一に考え、各メンバーが持つ潜在能力を最大限に引き出すことで、組織の発展に寄与していきたいと考えています。
縁の下の力持ちを用いた例文
縁の下の力持ちとして、活躍できるのが強みです。
学生時代は部活動においてマネージャーとしてこのスキルを磨いてきました。
エピソードとして特に印象深いのは、梅雨の長雨で練習が屋内に限られた時期です。
まず、屋内練習が可能な施設の空き状況をリサーチし、練習できる時間帯を確保しました。
また、屋内で効率的にトレーニングを行うためのプログラムをコーチと協力して作成しました。
さらに、屋内練習に最適なトレーニング用具を調達し、部員のモチベーション維持にも一役買いました。
このような私の努力が認められ、卒業時には部員から色紙に感謝の言葉が寄せられました。彼らが笑顔で色紙を手渡してくれた時、私のマネージャーとしての奉仕が部活動の一端を支えていたと実感し、大きな達成感を得ました。
社会人としても、この経験を活かし、言われたことを淡々とこなすだけではなく、いかにして周囲を支え、業務をスムーズに進めるかを常に考え、行動していきたいと思います。
スケジュール管理能力があることを用いた例文
私の自己PRポイントは高い管理能力です。
大学時代、副サークル長として活動計画の立案とその実行において中核的役割を担いました。
具体的なエピソードとしては、年間のイベント計画を任された際のことです。
私はまずサークルの目標を明確に設定し、それを達成するためのイベント計画を策定しました。
しかし、単なる計画だけでは不十分だと考え、リスクアセスメントを含む実行計画まで手掛けました。
雨天による屋外イベントの中止リスクに備えて、代替日や室内プログラムの準備をしておくなど、細かい部分にまで目を配りました。
また、私は部員一人ひとりの役割を明確にし、進捗を定期的にチェックしました。
万が一に備えたフレキシブルな対応策を準備するなど、臨機応変な管理を行いました。
その結果、活動は非常にスムーズに進み、計画通りに多くのイベントを成功させることができました。
この経験は社会人としても活かせるものであり、計画的に物事を進め、チームやプロジェクトのリスクを予測し、対策を講じることができます。
協調性があることを用いた例文
私は自らの協調性を最大の強みとしています。
特に記憶に新しいのは、年間大会でのエピソードです。
私たちは、観客に印象深い体験を提供するために、従来の演奏会の枠を超えた創造的な演出に挑戦することを決めました。
しかし、そのアイデアは多岐にわたり、一人ひとりの意見をどのように取り入れ、統一したビジョンを作り上げるかが課題でした。
私はメンバーからのアイデアを集め、それぞれの意見に耳を傾けながら、全員が納得できる演出案を作り上げる役割を担いました。
具体的には、プロジェクターを使用したバックスクリーンの映像演出や、照明を駆使した演奏者の演出など、アイデアを形にするために多くの議論と調整を行いました。
演出に必要な資材の調達、スケジュールの管理、実際の運用におけるディテールの調整など、細部にわたりメンバーと密に連携を取りながら進めていきました。
この一連のプロセスで、私の協調性がメンバー間の架け橋となり、結果として大会での演奏会は大成功に終わりました。
貴社においてもこの協調性を活かし、チームメンバーと協力しながら、一つひとつの仕事を成功に導くことができると確信しています。
課題解決力があることを用いた例文
私の強みは明確な課題解決力です。
アルバイトリーダーとしての経験では、この力を存分に発揮する機会が多々ありました。特に印象的なのは、研修体制が整っていないという大きな課題に直面した時です。
ある時、新しいアルバイトメンバーが業務の流れを理解せず戸惑っているのを見かけました。
彼らの不安を取り除き、より働きやすい環境を提供したいと考え、私は自発的に研修プログラムの企画・実施に取り組みました。
まず、私はアルバイトメンバーと個別に面談し、彼らが抱える具体的な問題点を調べ、その情報をもとに実務に即した研修内容を策定しました。
研修マニュアルを作成し、実際の業務で生じうる様々な状況を想定したロールプレイングや疑問点が無いか確認する時間を組み込みました。さらに、彼らが自信を持って業務に臨めるよう、定期的なフィードバックの機会も設けました。
この取り組みにより、アルバイトメンバーはそれぞれの業務において自信を持って取り組むようになり、業務効率も格段に上がり、チーム全体の士気も高まりました。
社会人としても、私はこの課題解決のスキルを活かし、組織や顧客が直面する問題に対して積極的に取り組みます。
まとめ
今回は自己PRを作成するにあたって、サポート力を長所としてアピールしたい方向けの文章の構成方法やポイント、注意点などについて解説しました。
サポート力は多くの学生が長所に用いる、ありふれた長所ではありますが、うまく伝えることができれば企業の採用担当者に強い印象を与えることができます。
ぜひ本記事を参考に、魅力のある自己PRを作成してください。